新築なのに○○○の匂いがするクレーム
これはブログの引っ越しに伴って
2007年1月に(2回に分けて)投稿したものを読みやすく一つにまとめての再投稿です。
ある年の5月の出来事です。
高性能住宅で引渡し後1ヶ月後に地元工務店の営業マンからクレームの原因究明と解決方法の依頼がありました。
この住宅は断熱、気密、換気、暖房工事は私が係わっています。
気密性能は0.5cm2/m2でしたから超気密住宅の部類に入ります。
断熱性能は新省エネ基準クラスのⅡ地域の2.3kcal/m2・h・℃をクリア換気は第三種24時間換気システム、暖房はセントラルヒーティングです。

「トイレの汚水の匂いでしょうから設備屋さんにいって貰ったら?」
「私の分野ではないんですが・・?」
「設備屋に診てもらった結果!トイレ廻りの配水管には不具合がないっことがわかったので・・換気かも・・・と思って相談なのです。
たった今、またお客様から匂っているという電話があったので・・・一緒に行って診てほしいのです。
・・・・ということになって、現場に行くことになりました。
さて、現場について問題のトイレに入って見ると
なんと・・・・・・
その○○○の匂いがしないのです。?
そこで
お客様に詳しく事情を伺うことにしました。。
「匂いがしませんが・・・?初めての現象ですか?」
「いや!何回も匂いがあって臭いが・・・時間が経つと不思議にも匂いが消えてしまう。」
匂いがしないのでどうしようもありません。
一応、床下のトイレ廻りを覗いても、匂いがしないのです。
再度、匂いが発生したら、すぐお邪魔することにして切り上げです。
さて・・・さて・・・原因は何なのでしょうか不思議です。
続きます。
あれから5月のとても暖かい日に
再び「匂いがする。」という電話が入り急いで現場に向うことになりました。
それでもこの場所からでは現場までの距離は急いでも車で40分ほどかかります。
それまで、あの匂いが消えないでほしいことを願って少しスピード違反をしながら色々原因を考えます。
「何でだ?」
「家族の中でよっぽどど臭い○○○をしているせいではないのか?」
そんなことしか頭に浮かびません。
「24時間換気システムといえども、トイレに強烈な匂いが充満したら、
1時間以上もしないと匂いが排気されないから・・・その間匂いがして、時間が経って排気されたからかな~?」

色々考えても・・・やっぱり現場をみないとわかりません。
ようやく・・・到着して・・トイレに駆け込みました。
すると・・何と確かに
○○○の匂いがするではありませんか!
そこで、すぐトイレ廻りの床下に潜ってみました。
ちょうど、便器の下に当たる部分を「クンクン」と嗅いでみます。
ところが
○○○の匂いがしないのです。
原因はやっぱり便器の配管等には関係がないようです。
それでは何なのでしょう?(???????)
もう一度トイレに戻り、臭いがあることを再確認して、
外に出て匂い探しです。
するとトイレの窓付近が、トイレの中の臭いと同じ臭いなのです。
実はその原因は
続きます。↓
トイレのし尿処理の合併処理浄化槽(し尿と生活雑排水の処理)にあったのです。
その浄化槽の蓋分から○○○の臭いが漏れて漂っているのです。
しかし、何で・・この臭いがトイレに入り込むのか・・悩むことになりました。
気密住宅で建てられたものです。
隙間相当面積が0cm2/m2でないので何処かに隙間があるにしてもトイレに集中するのは合点がいきません。
何処かに隙間があり、トイレに給気していると考えると納得がいきます。
では・・その隙間は・・何処に??????
これまた、
何と隙間があるではありませんか!
その隙間はPVCサッシにありました。
外部アルミで室内側がPVCの合体サッシで(アルプラと呼ばれている商品です。)
サッシがホワイト色の方が外部側で黒い四角の部分が結露水排出口になっています。
同じくブラウン色の方が室内側で指を指している黒い部分が結露水排出口になっています。そこで、この部分が給気口の役割を果たすことになってしまっていたのでした。
ところが、いつも臭いが残らず、時間が経てば消えてしまう理由は・・・・・
合併処理浄化槽の蓋から漏れだしている○○○の臭いがトイレの窓付近で滞留することが原因でした。
滞留した時に結露水排水口から給気、風の具合で滞留しなくなった時には新鮮な外気を給気してトイレの換気装置の吸気口から○○○の臭いを排出。
そして、トイレ内の臭い排出!!この繰り返しの現象が起こっていたものでした。
この現場の解決策はサッシを変えることには無理があるので、室内側の排水口にシリコーンで穴埋めして給気を防ぐことで解決したのです。
教訓:高性能住宅を建てられる場合は結露水排水口がないものもあるので、できればないものを使ってほしいものです。
(高性能住宅ともなればガラス面の表面結露は例え発生しても排水口から流れ出る量は発生しないからです。)
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その浄化槽の蓋分から○○○の臭いが漏れて漂っているのです。
しかし、何で・・この臭いがトイレに入り込むのか・・悩むことになりました。
気密住宅で建てられたものです。
隙間相当面積が0cm2/m2でないので何処かに隙間があるにしてもトイレに集中するのは合点がいきません。
何処かに隙間があり、トイレに給気していると考えると納得がいきます。
では・・その隙間は・・何処に??????
これまた、
何と隙間があるではありませんか!
その隙間はPVCサッシにありました。

サッシがホワイト色の方が外部側で黒い四角の部分が結露水排出口になっています。

ところが、いつも臭いが残らず、時間が経てば消えてしまう理由は・・・・・
合併処理浄化槽の蓋から漏れだしている○○○の臭いがトイレの窓付近で滞留することが原因でした。
滞留した時に結露水排水口から給気、風の具合で滞留しなくなった時には新鮮な外気を給気してトイレの換気装置の吸気口から○○○の臭いを排出。

この現場の解決策はサッシを変えることには無理があるので、室内側の排水口にシリコーンで穴埋めして給気を防ぐことで解決したのです。
教訓:高性能住宅を建てられる場合は結露水排水口がないものもあるので、できればないものを使ってほしいものです。
(高性能住宅ともなればガラス面の表面結露は例え発生しても排水口から流れ出る量は発生しないからです。)
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