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断熱ビフォーアフター

2006/08/05 Sat

A設計事務所さんから
「昔のの住宅を・・高気密高断熱住宅に変身させる断熱ビフォーアフターなのだが予算が合わない!相談にのってくれないか?」との依頼ありました。

計画では天井、内外壁を全て剥がして充填されている断熱材(グラスウール100mm)も全て撤去しアルミ箔が蒸着されているウレタンボード50mmを外張りにして天井はセルローズファイバー200mmの吹き込みの仕様です。
さらに熱損失係数は新省エネ基準と次世代省エネ基準の中間を目指し気密性能は1.0c㎡以下の目標です。
(現況での気密測定では圧力がかからず測定不可でした。)

基礎は布基礎(換気口付)を外断熱(スカート断熱)にして土間床工法の仕様です。
もうすでに室内の壁を解体し始めています。

8zjawnja1njlfmjmyodm1nz7r.jpg写真1:台所付近の内壁解体後の断熱材の現況です。
見事に壁内結露が発生していた状況が見ることができます。(20年前の住宅ではこういう施工は当たり前だったのですが・・・それでもこの頃高気密高断熱住宅の普及にやっきになっていた頃でもありました。

「気密住宅?隙間がなくなったら家が腐ってしまうべ!」
「おめぇ!責任とれるのか?」
と大工さんにバカ呼ばわりされていた頃です。
その気密住宅でない住宅がこの有様です。
見事というしかありません!!

8zjawnja1njlfmtqyndmynjbt.jpg写真2:西側の寝室ですがこの部屋も天井、内壁全体が結露とカビののオンパレードです。2Fの部屋も同様で、昔の間欠暖房でファンヒーターを使用した生活はどの住宅もこんな風になっているかも知れません。内壁を見て気持ちが悪くなります。もちろん換気はトイレと風呂の局所換気と台所のレンジフードのみです。

サッシはアルミサッシの単版ガラスから窓の表面結露防止で2重サッシにしたようですが窓だけを断熱性能を高めても結露防止には効果が薄いという証拠です。


ところで、数社から見積を取って設計価格との調整を行ったようですが予算がどうしても合わなかったようです。
そこで・・・さてどうするか?思案です。(簡単ではありません。)

そこで予算に見合う設計変更をすることになりました。

温熱環境を当初の計画から下回らないように断熱気密の施工方法が原則の変更です。
断熱材のコストだけ考えればグラスウールの充填が理想なのですが気密処理に問題が出てきます。
木材は原則的に耐震補強と腐朽された木材の交換程度で使用する条件ですから土台と壁、間仕切間、引き戸、ドアーの気流止め部分は気密処理のための先張りシート工法は不可能です。
後張りシート工法もあるのですがテープの接着強度(耐用年数)に不安が残ります。
(経験上からはテープが下地材等で押さえられないと剥がれてくる場合が多いのです。)

そこで
設計事務所さんと打ち合わせの上に以下の内容に変更してGOです。

1・基礎断熱土間床工法は床断熱に変更
ビーズ法ポリスチレンフォーム特号80mmを床断熱と気密シート張りとする。
2・外壁(モルタル)は撤去しない。
グラスウールから硬質ウレタンを50mm吹付けに変更とする。
3・天井断熱から屋根断熱に変更する。
屋根面の内側に通気層を設けて硬質ウレタン80mmを吹付けする。
4・その他
風呂、洗面脱衣室、ボイラー室は基礎断熱土間床とする。
土台廻り、間仕切間、引き戸、ドアーの床の気流止めはウレタン補修とする。

9zjawnja1njlfmtgzoti5mjxz5w.gif●写真1は床断熱の上に気密シート0.2mm厚のシート施工状況です。シートの重ね代は150mmシートのジョイントはテープ処理です。後はこの上に合板12mmを貼り、床は無垢のフローリングです。
気流止めの気密断熱処理方法です。間仕切間、土台と壁との取り合い等の気流止めはウレタンを充填して気密と断熱を図ります。



9zjawnja1njlfmtg0nja1okl.gif●写真2は風呂、洗面脱衣室付近の床下は室内空間と考えてこの周囲の布基礎の立ち上がりは内側からウレタン50mm吹付けします。土間は50mmのウレタン成形版(スタイロフォームでもよい)敷き込みさらにワイヤーメッシュを敷いてコンクリート150mm打ち込みます。

メンテナンスのために洗面脱衣室に床下点検口を設けます。写真は風呂場と洗面脱衣室の施工状況


9zjawnja1njlfmjeynte1mzhgkg.gif●写真3は玄関の床は解体し風呂、洗面脱衣室と同様な施工をしてタイル仕上げとします。布基礎の立ち上がりは内部からプラスチック系の断熱材50mmを貼りタイル仕上げとします。注意しなければならないのは床下の外気に接する玄関廻りは同じくプラスチック系断熱材50mm程度を貼りつけることです。この現場ではウレタン現場発泡50mm吹付けしました。
これで玄関周りの熱橋は防止できます。



9zjawnja1njlfmji3ntc5mamd.gif●写真4は(断熱気密工事の完成写真)壁に穴が開いている部分は24時間換気(第三種換気装置)の吸気口です。白い丸型の機械が第三種換気装置の本体です。
今回採用した換気装置はアトム建築環境工学研究所のユーフレクトという商品シンプルな構造が排気能力を高めているのをほれ込んで採用したもの!

ちなみに気密測定試験した結果は0.7cm2;/m2でした。

●建築コストを予算内に収めるためには色々な方法がありますが人間の身体でいえば内臓の部分は耐震構造の次に断熱気密にあると思っています。完成してして住宅の内臓部分に不具合が生じた場合直すためには新たに多大なお金が必要になります。コスト削減には後でも簡単に交換できる部分で行うべきと私は考えています。
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テーマ : 住宅・不動産
ジャンル : ライフ

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昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング:技術顧問
(設計事務所:高性能住宅専門)
希林舘自然クラブ(代表)

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