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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

結露ってどうやって防ぐ?

これは旧ブログに2006年11月に5回に分けて投稿したものを
読みやすいように(結露発生から原因解明、解決策までの実例を)一つにまとめてあります。


特にマンションにお住まいの方から結露対策の方法の相談が増え始めました。
無料相談室に以下の内容でお問い合わせがありましたので実例で解決方法を考えてみます。


Q:結露ってどうやって防ぐの?

今住んでいるお部屋は湿気が多くて、毎年冬は結露だらけになります。カビの原因にもなるし何かいい手立てはありませんか?できるだけ簡単な方法を教えてください。

A:実例物件は10年前に建設された24時間換気が義務付けされる前の2LDKマンションです。一般にマンションは木造住宅に比較して気密性(隙間が少ない)が高く、換気扇もユニットバス、トイレ、台所の3箇所が設置されています。断熱材は15~20mm程度の厚さのウレタン現場発泡で施工されていて窓は外部がアルミサッシで内部に後付のプラスチックサッシがついています。暖房機は北側、南側にFFヒーター、LDKには冷暖房のエアコンが設置されています。

●マンション結露の現況
住人がいて結露が発生している状況です。
95kweoypbeqyg.jpg

写真1:玄関扉(北側)
玄関のドアクローザーの上枠から水滴となって下の方に流れ落ちています。
特に外部側の玄関の下に水滴が流れ、共有通路にまで流れて凍っています。
写真2:北側の窓周辺
窓を中心に入隅(コーナー部分)全体が結露が発生しています。

95mpfnjsqqxnpn.jpg


写真3:北側の窓の結露
この窓は後付の二重サッシですが内外とも窓面半分以上が水滴で覆われていて外部のアルミサッシは下レールは凍って開閉ができない状態。
写真4:室内窓のコーナーが最もひどい
クロスと室内窓に隙間がないように見えますが隙間があると思われます。

95m5fnjsqqxntu.jpg
写真5:南側の二重サッシの中間層の額縁、この日は結露に侵されていませんでしたが何度かの結露で額縁に腐朽が始まっています。
写真6:北側のコーナー部分
コンセントの隣のFFヒータ用の排気口を中心に結露、カビがひどい

95njfnjsqqxnx1.jpg
写真7:露点温度計での調査風景
写真8:北側の天井、黒いシミのカビが発生している。


95nzfnjsqqxnb8.jpg
写真9:押入れの天井、ローコストマンションのため天井高が低いため断熱材が表しとなっている。壁は石膏ボード表し仕上げ、結露で茶色に変化している。
写真10:共有通路に設置されているパイプシャフトの扉
扉は薄い断熱材が貼られているが扉自体も結露でひどい。
特に扉枠からは水滴となって下に流れ落ちていて通路は凍っています。

結露は一つの原因を解消することで解決することもありますが、一方様々な要因が絡み合って発生するものもあって一言で正解が出ないのが本音です。例えば、建物の欠陥によるもの、あるいは住まう人の住まい方の問題もあるので現場調査が解決することが一番の近道になります。

そのために先ず
■結露発生の要因を探るために住人からの住まい方の聞き取り調査を行います。
・大人二人、子供一人の三人家族
・局所換気扇(台所、バス、トイレ)は使用しない時は止めているそうです。
・暖房は間欠で使用している。

■目視による問題点と生活スタイルとを観察します。


96a2v0dxjvkweoypbe3to.jpg写真のように洗濯物を室内に干している様子が見られます。
※結露を助長させている要因は住まい方にもありそうです。

そこで、一日の住まい方を知るために長期温湿度計を設置して2日間の記録を取ることにしました。

12/13(PM5:00)~12/15(PM5:00)の間を1時間毎の平均温湿度を計測です。また露点温度計にて12/13(PM5:00)の露点温度を計測。また表面温度計にて各室の天井、壁、床の表面の温度も測定。室内の換気量がどのくらいなのか局所換気扇の風量測定をします。
さらに、熱カメラで断熱欠損の有無も調べます。

その他確認のため表面結露、内部結露の有無を計算によって確認します。
続きあります。↓


そこで長期温湿度記録計のデーターから要因を考えてみます。
1・LD(廊下の扉の上部に設置)のデーターによれば外気温が‐2℃の時の平均値温度は19℃、相対湿度は64.6%となっています。Maxの温度はは23,9度、相対湿度は82%あってMinの温度は14.3℃、相対湿度は54%となっています。

●このことから判断できることは
LDにおいては露点温度より室内温度が高いことからLDにおいては表面結露が発生しないが二重サッシの内外側においては24℃(82%)時には結露が発生していると思われます。(原因は洗濯物を干した状態と想像される。)

2・北側の和室6帖のデーターによれば北側の場合は(壁隅の上部に設置)外気温が‐2℃の時の平均値温度は11℃、相対湿度は94%となっています。Maxの温度は19℃相対湿度は99%あってMinの温度は9℃、相対湿度は57%となっています。

●このことから判断できることは
Min時に9℃(57%)では露点温度は1℃になっているが外側のガラス面及びアル19℃ミ枠が1~2℃前後になっており結露が当然発生する計算結果となっています。

さらに室内のPVCサッシの周囲の枠に気密が(隙間がある)取れていないため、外部側で発生した結露の水滴が下レールに溜まり外気温度が氷点下になると凍ってしまいます。
それに反して室内側は9~19℃になるため下レールで凍ったものが序々に融け出して隙間から室内に水滴として流れ落ちる状態になっています。するとその水滴の表面温度がさらに降下するので益々結露を助長させる要因となります。

またLDで干した洗濯物から発生する水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い北側の部屋では含むことができない。そのため露点温度に達してしまい表面結露として現れてしまいます。

※建物内で結露が発生すると、最初の発生点を中心に広がっていく。

その理由は?
①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇します。
熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまいます。
そのため露点温度がより低くなって、ますます結露の発生が増大する経過をたどることになります。

②表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになります。
ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大することになります。
従って、一度結露が発生すると、自然に増大してしまいます。

3・玄関のデーターによれば

玄関の場合(玄関扉の上部に設置)のデーターによれば外気温が‐2℃の時の平均値温度は13℃、相対湿度は85%となっています。Maxの温度で18℃相対湿度は99%あってMinの温度は10℃、相対湿度は64%となっています。

●このことから判断できることはMin時に10℃(64%)では露点温度は4℃になっているが結露計算の結果、玄関扉のスチール枠の表面温度は1.61℃になっており結露が当然発生する計算になります。

さらにスチール枠の中には断熱材が入っていないため外気の温度が降下することに比例して室内側のスチール枠も当然温度が降下するので結露をさらに助長させる要因にもなっています。

また北側の部屋と同じくLDで洗濯等で発生した水蒸気が分散されて玄関扉のスチール枠で露点温度に達した時に結露となって現われていることがわかります。

これも北側の部屋と同様、一度結露が発生するとその水滴の表面温度がさらに降下するので益々結露を助長させてしまいます。

■換気(排気量)から要因を考える
国際規格認証(ISO9001・COSHH基準対応)換気風量測定器AF-2で測定

●換気排出量は運転時においてLD(レンジフード) 50m3/hユニットバス、14m3/h 、トイレ 14m3/h合計78m3/hです。調査した部屋の床面積は44.12m2天井高は2.4mだから容積は105.88m3常時換気がされていない状態なので部屋の換気は気密性の高いRCマンションであれば0に近い換気回数となってしまっています。

ユニットバスとトイレを常時換気としても28m3しかないので1時間に0.26回しか換気されないことになります。最低0.35回~0.5回の換気回数であれば室内の水蒸気を排出できて室内の空気をクリーンにできます。常時台所とユニットバスとトイレの換気扇を回すのであれば0.7回/hであるので熱ロスにはなるけれども結露防止にはかなり有効だと考えられますが生活スタイルから考えて現実的ではありません。

■表面温度から考える

これから判断できることは各部位が結露の発生する危険性があるかどうか確認できます。

●以下は12/13PM5:00に測定した時の表面温度から露点温度を示したもの
dc050403.jpg
玄関(露点温度10℃)北側和室6(露点温度9℃)LD(露点温度10℃)
このことから玄関、北側和室6.LDは現在より外気温が降下することによって露点温度に達して結露が発生することが予測されます。

■結露発生の防止(改善策)を考える。


1・よどんだ空気を作らない。

部屋の中では、よどみ空気ができやすい。空気がよどむと表面結露は寄り発生しやすくなる。空気がよどんで動かないと、室内空気から壁表面への熱の伝わりが少なくなり、表面温度が下がってしまう。表面結露が部屋の隅やタンスの裏側で発生しやすいのはこの影響があるのであって、表面結露を防止するためにはよどみの空気を作らないようにする必要がある。またカビの発生も空気のよどんだ場所に集中しやすい。
これは空気のよどんでいる所は水分の蒸発が少なく、いつまでも結露水で湿っているためカビが発育しやすい状況にあるからである。
■そのためには各部屋によどみがない換気計画が必要である。

2・結露は最初に部屋の隅で発生する。

部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになる。
一般的に室内の対流によって天井面は床面より高い。
窓ガラスは最も低いから表面結露は最初にここで発生する。
しかし部屋の隅の場合は空気のよどみができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなる。

さらに隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にある。
そのため隅部での表面温度は他より3℃前後低くなってしまう。

部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く結露しやすくなる。
■そのためには暖房機の設置が必要である。


結露ってどうやって防ぐ(3:解決策) 結露発生の原因と解決


3・表面結露は低温室で発生しやすい。

一般に室内外の温度差が大きいと結露しやすいと思われ、断熱付加工事をする計画をされることが多いが、それよりも部屋の温度が低くて相対湿度が高いことによる影響の方が大きい。
97jiuysyjykweoypbeki9dkk4xkaph.jpg絶対湿度が同じ場合には室温が高いほど相対湿度が低くなり、同時に室内の表面温度も高くなるため結露は発生しにくい。
これを間違えて室温を低くすると外気との温度差がすくなくなるので結露がしなくなると考え、わざわざ低い室温で生活する人がいるがこれは間違いである。


今回調査した12/13のLDの場合は温度19℃相対湿度65%という空気は9g/1m3の水蒸気を保有しているが、この空気が10℃になると95%という露点温度に達する非常に湿った空気になってしまう。
(解決策)そのためには暖房機の使用が必要である。

4・夜間、暖房が止まってから結露する。
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しないと考えてよい。住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20~25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなる。
間欠暖房で夜は暖房を止める生活をする場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要がある。
室温が降下した場合それに応じて室内の水蒸気も減少しなければ結露防止することは難しい。
24時間換気によって水蒸気を排出されるとか、就寝前に数分間窓を開けて外気を取り入れる工夫が必要である。
(解決策)■強制的に(第三種)24時間換気システムを設置する。

5・冬の空気を取り入れる
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。
絶対湿度でいうと、北海道では2g/m3前後、本州では4g/m3前後であこの空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となる。
例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になる。
したがって冬の外気を積極的に取り入れて、室内の空気に混入すれば結露防止に非常に効果がある。
(解決策)LD,南側和室、北側和室に吸気口を設置して外気を取り入れる。


6・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散される。炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向って拡散されていく。
水蒸気は10万分の4mmと極微小粒子であるから、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまう。
RC造りの場合は材料の透湿抵抗が非常に大きく、外気に水蒸気を透過放出しないので建物内で平均化する。
したがってできるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切である。
(解決策)LD,ユニットバス、トイレ、玄関に排気口を設け24時間換気をする。

7・非暖房室(北側和室6帖)の結露を防ぐ。
暖房の影響がないと部屋の温度は外気と同じになると思われやすいが、暖房がなくても決して外気と同じ温度にはならない。
その部屋の断熱性や熱容量に応じて独自の変動をする。

したがってRC造りの場合は部屋の最低温度は外気の最低温度と同じになるのではなくてその日の外気の平均温度より1~2℃下回ったより降下はしない。

一般に暖房室は温度が低いのに10℃前後で85%以上になっていることが多い。
したがって断熱材を付加することと、合わせて換気口を設けて外気を流入させて室内湿度の軽減を図ることが重要となる。

北側に穴を開けると、気流は北風の影響を受けて。
南方向に流れるので大きい換気量が得られる。
(解決策)暖房機の使用と級気口を設置する。

8・押入れの結露を防ぐ。
押入れは非暖房室の中でも最も悪いところである。
容積が小さく外壁に接しているので外気の温度変動にすぐ反応して温度降下早い。
本物件は外壁に接せず隣室に当たるが居住者がいないため外気より3℃くらい低い温度で推移していると思われる。

したがって現状の押入れも結露の発生が見受けられる。
これだけでも結露しやすいのに衣類、布団等が収納されるためその断熱効果が大きく作用して隣室の壁の温度は外気にますます近づいてしまう。
その上押入れの収納されたものに空気の循環を妨げられるため温度は上昇しないこととなってしまう。
これに対してLD,ユニットバス、トイレの水蒸気は押入れの隙間を通って流入して押し入れないに拡散される。

そのため他室より壁面の温度が低くなり、水蒸気量は多いという形になって結露が最も発生しやすくなる。
(改善策)襖の上下にスリットを作り壁と床面スノコを敷いて空気の流入を促進させる工夫が必要である。

9・玄関の結露は扉(扉枠)に集中する。
RC造りの玄関扉枠のほとんどが断熱されていないものが使用されている。
扉本体は最近では断熱性の高いものが作られるようになったが枠自体は折り曲げ加工されモルタルを詰めた状態で施工される。
そのため外気に大きく左右されるので温度が低い玄関内ではすぐ結露として現われ水滴となってしまう。
(解決策)扉本体枠とも木製扉にするのが望ましいが防火の関係で金属製にする場合は中空層に十分な断熱材を入れることが望ましい。また外部側に木枠でカバーを考えてもよい。ただ完全には結露を防止することは難しい。

10・二重サッシでの結露を防止する。
窓のガラスを単板で作ると、室内側の表面温度は他の部位の比較して極端に温度が低くなる。例えば断熱材を入れないRC壁と比較しても低くなる。室温が20℃で外気が0℃とした場合内側のガラスの表面温度を求めてみると、7.01℃であるのに対してRC内壁は11.3℃となる。このため室内空気の相対湿度が43%になるとガラス面には結露が生じる。これに対してRC内壁面は57%にならないと結露が生じない。

もし、RCの壁面に25mm程度の断熱材(熱伝導率0.03Kcal/mh℃)を付加するとその表面温度は17.8℃になるので87%が露点温度となる。このように単版のガラスは室内側の表面温度が低すぎて、最も早く結露が生じる。
ガラスは熱伝導率が大きいので5mmであろうと10mmであろうと、厚みで結露の発生が変化することはない。

さらにガラスの表面温度が低いと、それに触れている空気が冷却されて密度が大きくなり、下降気流が促進されると同時にガラスに触れている空気温度が他の空気より低くなる。

そのため当然ながらガラスの表面温度がより低くなり結露が促進されることになる。アルミ枠部分はガラスと同じく極端に温度が低くなる。アルミは木材の120倍の熱を通す材料であるから、強い冷熱橋を作ってしまう。

ガラスも結露に対してはペアガラスが有利である。
ペアガラス内の密閉空気層の熱抵抗で、室内側の表面温度は前記の条件では、12.9℃となり、単板ガラスの時は7.01℃であるから、かなり温度を上昇させることができる。そのため相対湿度が64%になるまで結露は生じない。

二重サッシの場合もガラスの室内側の表面温度は、ガラスどうしの間に生じる空気層で断熱されて上昇する。
その温度はペアガラスの場合と大差ないが、注意しなければならないのは、密閉空気層でないことである。そのため室内空気からの漏気があり、水蒸気が外窓と内窓との間に浸入し、外窓のガラス面で結露してしまうことになる。基本的な理屈を考えると、外の窓の透湿抵抗が内窓より大きいということが問違いなのであり、理論だけでいうと、内窓の透湿抵抗のほうが大きくなくてはならない。

しかし実際には風雨に対抗するために外窓ほうがはるかに密閉性能が強固につくられる。二重窓の場合は外窓と内窓の間に生じる結露は解消することができないと考えなければならない。

したがって、今回の調査物件についていえば、内側のサッシはプラスチックで熱伝導率が小さいため結露防止には適しているが、気密性の高い内窓でなければ室内で発生した水蒸気が隙間から外窓と内窓の中空層に流入して、外窓及びアルミサッシ枠で露点温度に達し結露の発生となる。

(解決策)
1・プラスチック枠と木枠との間をシーリングして隙間をなくする。
2・障子に最低気密性が保てる工夫をして障子と障子の隙間をなくする。
3・室内側のガラスを単板からペアガラスに交換する。

ただし、居住者が内窓を開けたとき室内側の相対湿度が高かった場合はその水蒸気が中空層に閉じ込められることになり、いずれ露点温度に達し外窓は結露に悩まされることになる。

11・メータBOX周りの問題点。
本来メーターBOX扉は単版の鋼板で作られているため居室と同等の環境に扱わないで外部側として考えるのが正解であるが今回の物件は居室側の扉として扱っているため断熱性が低い扉は内部側で表面結露を発生させている。

扉自体が玄関扉の枠材と同様な環境に置かれているため結露を助長させている。
(解決策)メーターBOXは外部と考えて北側トイレの片面の壁、天井を断熱強化する必要がある。

****「まとめ」****

■結露対策のための施工■
1・玄関のスチール枠には断熱補強でウレタンを注入する。
2・玄関のポストは気密が低いので気密処理を施する。
3・全ての窓の内部側はペアガラスに交換する。
4・全ての窓の内部側の周囲は気密を高めるためにシーリング処理をする。
5・北側の部屋には暖房機を新たに設置する。
6・メーターBOXは外部とみなし断熱区画をする。(非暖房室)
7・常時24時間換気システムを新たに設置する。
その際既存のユニットバス、トイレの局所換気扇は撤去として排気口はユニットバス、トイレ、台所のレンジフードの側、玄関の天井に設置して0.5回/hになるように設定する。
また外気取り入れ口(吸気口)を南側、北側、LDの3箇所にに設置する。

●結果→結露は解消!
ただ洗濯物を室内で干した場合は北側の窓ガラスの下部に少し発生する程度に改善された。
また玄関の下ステンレスの下枠もモルタルが注入されているためウレタン注入ができず少し結露が出る。

住人からは「贅沢なクレームなのですが」・・・といわれた内容は
1・換気の排気口からの音が気になる。
2・換気システムの電気代が月800円前後かかる。
3・少し乾燥気味のようである。


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昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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