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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

気密住宅の過乾燥

冬場に暖房して換気を十分にとると、室内が乾燥してのどが渇くという話があります。


70zjawnja1njlfmjm2mjy2mzzu.jpg「昔、ストーブの上に鍋、ヤカンを置いて湯気を出していた頃は、こんなことはなかった」という想い出があるからでしょう。

確かに冬場に湿度計を見ると30%前後を指すことがよくあります。



昔からよく言われた快適湿度は50~60%という物差しから大きく外れています。

そこで多少の結露を覚悟して観葉植物とか鉢植えや、洗濯物を干して高い湿度で暮らす方がいいと思っている人もいます。
暮らし方の問題ですから良い悪いは一概にいえないのですが、あまり湿度を高くして、結露を起こすと、ダニが発生して健康上に問題が起こることになります。

高気密、高断熱住宅で全室暖房、計画換気がうまくいっている住宅は冬場の室内が23℃の時35%くらい指すことがあります。湿度35%ではいかにも乾燥しているような感じがしますが、生活に慣れてくると意外と乾燥感が気にならなくなります。
(我が家でも1年目は乾燥感に悩まされて時に家内が・・あ~だ、こ~だの文句がありましたが、2年目頃からは一切文句がなくなりました。)

また、過去に建てた多くの気密住宅の建て主さまの意見を聞いても前より乾燥感が気にならない・・・と言った意見もありました。

それは気密性が高いため、隙間風や温風などがないために空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることが少ないため・・・だといわれます。
ホテルのように静電気が起きるほど乾燥したという話も耳にしません。

湿度計を見て湿度30%を気にするよりは感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。

快適な湿度環境は50~60%でなければならないという意味ではなく、30%前後でも健康上には指して問題にならないと思います。
また市販の数千円程度の湿度計は狂いやすい計器ですから湿度計の数値自体があまり当てにならないということもいえます。

●そうはいっても、粘膜アレルギーのような乾燥に敏感な方には、
何らかの過湿を加えなければなりません。
対策はどうしたらいいでしょうか?>


続きます↓
71zjawnja1njlfmjmymze4ndxopq.jpg昨日は30%の湿度でも
健康上さして問題にならないのではないか?と言いました。

そうは言っても粘膜アレルギーのように乾燥に敏感な方には、やはり何らかの加湿を考えなければなりません。

その場合には加湿器のようなもので水を霧状に変えて発生させるのは菌の繁殖などの問題が生じあまり好ましくありません。

鉢ものや洗濯物などからの自然の放湿を蓄えられる調湿性のある仕上げ材を使うのが好ましいと考えられます。
この点で珪藻土などは優れた機能性建材となのですが私は少し疑問に思っています。


([E:smile]使わないよりは使った方がいいかな~って感じです。)
我が家でもけっこう広い面積で珪藻土を使っていますが、体感的に調湿の効果はあるのかは疑問です。
例えば梅雨時のジメジメした外気を取り入れるとある程度の湿気は吸収されるのですが・・塗り厚が10mm~20mm程度ではさほど体感的に感ずるものがないのです。

また逆に乾燥時期に湿気が欲しい時も期待されるほど体感的湿度が上がるといったことがありません。

昔の土蔵のように200mmとか300mm以上であれば湿気も十分含むことができ、吸湿、放湿することが体感的にわかるのかもしれません。
室内の空気を強制的に1時間に1/2回入れ換えている訳ですから余程保湿能力のある厚さでなければ間に合うわけがないのだと思います。

それではその他に何か対策はあるのでしょうか?

あります。

それは室温を下げて湿度を上げることを考えればいいのです。
温度を上げるのではなく、室温を下げることによって乾燥感をなくすることが可能です。

乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも就寝時のほうが最も強いのです。
そこで夜間は室温設定を低くすることで乾燥感をかなり解消することができます。

例えば23℃で湿度が30%の空気が18℃まで下がると湿度は40%まで上がります。
また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。
このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られます。

低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を輻射と自然対流を中心にするほか、何といっても開口部(窓の)断熱性能を上げると低温でも快適な湿度環境が得られます。

最近は断熱性の高いアルゴンガス入りペアガラス、結露しにくい真空ペアガラス(スペーシア)などが販売されています。
アルゴンガス入りLOW--Eガラスなどは100mm厚の木材とさほど変わらない断熱性がありますので、周辺部や空気溜まりが発生する以外はほとんど結露はせず表面温度が上がります。

窓の断熱性能アップは結露防止、表面温度を上昇による冷気流防止のダブルメリットがあります。


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住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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