基礎断熱の床下は結露するか?
これは2回に分けて投稿したものを
引っ越しに伴って、修正、訂正、編集して読みやすいように一つにまとめています。
本来、高気密、高断熱住宅の床下の環境は結露とは無縁な環境になるのが普通です。すべて、未熟な施工、現場管理によるものが多く、○○工法だからいいとか、悪いとかの問題ではないのです。その意味から言えば、施工がしっかりしている施工会社を選ぶことができれば結露のない高性能住宅を手に入れることできるのです。
●以下は真冬の我が家の室内と床下の環境を測定してみました。

実は基礎断熱ベタ基礎工法のため床面に断熱材を入れない代わりに基礎の立ち上がりに断熱材を外部側から貼りつけて、ベタ基礎の下にも全面断熱材を敷き込んでいます。
室内空間を床面からではなくベタ基礎のコンクリートの上から室内と考えているためです。
昔の家は床で断熱して基礎の立ち上がりに換気口を設けて、防湿シートもなしで土の状態が一般的な工法でした。
(注)最近は床断熱であっても床下の換気を促進するために基礎パッキン工法があります。
最近は換気口を設けるにしても必ず防湿シートを敷きこんで土なり砂なりコンクリートだったり様々です。しかし基礎の換気口は一般に換気が悪く、地面の湿気でカビの生えやすい空間です。床下収納庫の蓋を開けると床下の湿ったカビ臭い匂いがすることがあります。それを改善したのが基礎断熱ベタ基礎、あるいは土間床工法なのです。

冬期はおよそ床の表面より1~2℃前後低くなっています。
床面の必要なあちこちに写真のように床下にガラリを設けています。室内空間と考えていますので床上で暖められた空気を床下まで送りたいからです。
もちろん床の温度21℃の輻射熱がコンクリートに伝わっているのですが、在来構法外断熱工法で建てられているので根太と土台に隙間があり壁の中も暖かい空気が移動していることになります。その恩恵がコンクリート面19℃の表面温度、室内の表面温度が21℃になっています。

1年を通して温熱環境の調査をして現在は竣工時の基礎のコンクリートの水分を早期に吐き出させることと、夏に欲しいパッシブ的な涼しさを取り入れたいために採用しているのです。
この換気口は断熱気密型換気口で冬と梅雨時には閉めてそれ以外は開放するというものです。
電動型の換気口もありますが気密と断熱がしっかりした商品を選ぶことが大事です。
実際に採用してみて年に数回の開け閉めでいいですので低コストの手動型で十分です。
●床面と床下の温度の差が小さい理由は
気密性が高く全館暖房できる住宅だからこそできる技です。
続きあります。↓
最近、基礎断熱工法が普及したこともあって床下の結露改善の相談を受けることが多くなりました。一般的に在来構法の基礎断熱、外張工法、または在来で基礎断熱、充填断熱工法は床下に換気システム、および基礎換気口を設けなくても、断熱・気密・換気・暖房のバランスが取れていれば重大な欠陥問題になるような結露現象はありません。
●それは、何故なのでしょうか?
写真はコップの表面に結露が発生した状態です。
温度が23.2℃/湿度99%の時にコップに氷水を入れた時に発生した時の現象です。(所謂表面結露の現象です。)
この時の露点温度は23.2℃になります。
99%の相対湿度の時には当然のごとく温度が上がっても下がっても結露が発生します。
一方、前回の投稿記事の温湿度では室内の温湿度は24℃/65%で床下の温湿度は21.6℃/75%になっています。
この時の露点温度はおよそ16℃になります。つまり床下の温度を16℃以上に保っていれば結露は発生しないことになります。
また室内はどうでしょうか?
室内の露点温度は17℃になります。(7/3測定)
エアコンを使っていない室内の温度は日射による取得熱(屋根、壁、窓)、人体からの発熱、電気製品からの発熱などで温度が上昇していますが、一方床下空間は基礎の立ち上がり断熱からの取得熱、土間床からの取得熱と床面(室内の温度)からの温度で床下空間の温度が構成されています。
岩手においては床下、壁内、1Fの空間、階間、2Fの空間、小屋裏、東西南北のあるポイント数箇所を長期に渡って温湿度の調査を行っても、実例で上げたよう施工上のミスなどがなければ露点温度を下回るということありません。
当然ことですが露点温度に達しない環境であれば結露は発生しないのです。
そのために露点温度に達しないために断熱計画があり、気密化があり、換気計画があり、暖房計画があるのです。
換気は湿気が滞留をしないようにする役目を果たしますが密閉された空間において水蒸気の浸入がなければ、その密閉された時の絶対湿度が増加しないわけですから、その時の温度と相対湿度から露点温度を計算し、その露点温度以下の環境しなければ結露は発生しないことになります。
一方、換気及び通風がが十分でも断熱性能が低いと温度が外気温に追従しやすく相対湿度が上がり、現在温度と露点温度の差が小さくなり結露が発生しやすくなります。また気密性能が悪いと、その隙間から漏気したり流入したりすると外気の温度、湿度に影響されて露点温度との小さくなり少しの温度降下でも結露が発生しやすくなります。
暖房器でも大きく変わります。
温風式、反射式タイプのストーブを使うと室内の水蒸気量は増えることになるので、相対湿度が上がり、少しに温度降下で結露が発生してしまいます。
次世代書エネ基準クラスの住宅であれば冬の場合は暖房によって室内の温湿度は20℃/50%前後に保たれており、床下空間も床材(床断熱ではない)を通して影響を受けます。
その状態の環境であれば床下の温湿度は1~3℃/5~10%前後ですので露点温度は8℃ですので床下空間が8℃似なることは考えられません。
梅雨時~夏の場合においても湿度は高い場合はエアコンを使用しますので問題にはなりません。
エアコン及び除湿器を使わなかった場合はどうなるかの疑問が出ると思いますが、7/3現在我が家の床下は23℃/79%で露点温度は19℃ですので19℃に降下することがないために結露は発生しないのです。
(最近の高性能住宅の場合であっても実例のような施工ミスがなくても設備(暖房、換気)の不備とか住人の住まい方によっては結露を発生させた例もあるので注意が必要です。)
●結露防止には
断熱、気密、換気、暖房の4つのバランスが必要です。
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●それは、何故なのでしょうか?

温度が23.2℃/湿度99%の時にコップに氷水を入れた時に発生した時の現象です。(所謂表面結露の現象です。)
この時の露点温度は23.2℃になります。
99%の相対湿度の時には当然のごとく温度が上がっても下がっても結露が発生します。
一方、前回の投稿記事の温湿度では室内の温湿度は24℃/65%で床下の温湿度は21.6℃/75%になっています。
この時の露点温度はおよそ16℃になります。つまり床下の温度を16℃以上に保っていれば結露は発生しないことになります。
また室内はどうでしょうか?
室内の露点温度は17℃になります。(7/3測定)
エアコンを使っていない室内の温度は日射による取得熱(屋根、壁、窓)、人体からの発熱、電気製品からの発熱などで温度が上昇していますが、一方床下空間は基礎の立ち上がり断熱からの取得熱、土間床からの取得熱と床面(室内の温度)からの温度で床下空間の温度が構成されています。
岩手においては床下、壁内、1Fの空間、階間、2Fの空間、小屋裏、東西南北のあるポイント数箇所を長期に渡って温湿度の調査を行っても、実例で上げたよう施工上のミスなどがなければ露点温度を下回るということありません。
当然ことですが露点温度に達しない環境であれば結露は発生しないのです。
そのために露点温度に達しないために断熱計画があり、気密化があり、換気計画があり、暖房計画があるのです。
換気は湿気が滞留をしないようにする役目を果たしますが密閉された空間において水蒸気の浸入がなければ、その密閉された時の絶対湿度が増加しないわけですから、その時の温度と相対湿度から露点温度を計算し、その露点温度以下の環境しなければ結露は発生しないことになります。
一方、換気及び通風がが十分でも断熱性能が低いと温度が外気温に追従しやすく相対湿度が上がり、現在温度と露点温度の差が小さくなり結露が発生しやすくなります。また気密性能が悪いと、その隙間から漏気したり流入したりすると外気の温度、湿度に影響されて露点温度との小さくなり少しの温度降下でも結露が発生しやすくなります。
暖房器でも大きく変わります。
温風式、反射式タイプのストーブを使うと室内の水蒸気量は増えることになるので、相対湿度が上がり、少しに温度降下で結露が発生してしまいます。
次世代書エネ基準クラスの住宅であれば冬の場合は暖房によって室内の温湿度は20℃/50%前後に保たれており、床下空間も床材(床断熱ではない)を通して影響を受けます。
その状態の環境であれば床下の温湿度は1~3℃/5~10%前後ですので露点温度は8℃ですので床下空間が8℃似なることは考えられません。
梅雨時~夏の場合においても湿度は高い場合はエアコンを使用しますので問題にはなりません。
エアコン及び除湿器を使わなかった場合はどうなるかの疑問が出ると思いますが、7/3現在我が家の床下は23℃/79%で露点温度は19℃ですので19℃に降下することがないために結露は発生しないのです。
(最近の高性能住宅の場合であっても実例のような施工ミスがなくても設備(暖房、換気)の不備とか住人の住まい方によっては結露を発生させた例もあるので注意が必要です。)
●結露防止には
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