結露改善の工事をしたが治らない、その原因は?
鉄骨ALC構造のアパートの2階の部屋に天井に結露、カビが発生したことで結露の原因と改善策の調査依頼が昨年の冬にありました。主にアパートの結露の原因は建物の構造(断熱状態、気密性能の良し悪し、換気設備、暖房設備)の不具合と住人の生活スタイルによって結露になるケースがほとんどです。結論は、この現場は天井の断熱欠損、換気不足(換気扇をOFFにしている)と住人様が使用していた暖房器は水蒸気を多く発生するファンヒーターで暖を取っていたため室内に水蒸気が充満し結露してしまったことが原因でした。
解決策として天井の耳付きGW断熱材を撤去して、できるだけ断熱欠損を防ぐためにセルローズファイバーを200mm吹き込み断熱欠損を防止、また住人様にはファンヒーターに替えてFFストーブに交換、換気は24時間ONにしてもらいました、
これで解決と思われたのですが何と翌年にはセントラル換気の吸気口から結露水が流れ落ちるという現象がでたことで再調査の依頼があったのです。
原因は何と!施工ミスによることが原因だったのです。
以下の写真は1回目の調査した時の写真と施工後の写真です。
写真のように天井換気扇廻り、特に部屋の隅に結露が発生していた。

浴室の点検口から目視した天井裏の断熱材の敷き込み状況であるが写真のように乱雑に敷き込まれているので隙間が多く、断熱欠損になっていた。

各部屋の天井隅の断熱材は左写真のように乱雑に敷き込まれているため隙間が多く、断熱欠損になっている。
これでは外気温度に影響されやすく天井裏の温度が降下すると結露の発生に見舞われることがわかる


天井面に気密・防湿シートがなく気密・断熱欠損があるため室内で暖められた空気と水蒸気は天井裏に侵入、夜間から朝方にかけて天井裏の温度が降下した時にダクトの表面に結露水として現れ天井面に滴り落ちたことが判断される。(換気はOFFにしていたため排気フードから冷たい冷気がダクト内に侵入し外壁側に近いダクトの表面に結露が水滴として現れた)
天井裏に配管された換気ダクトは断熱ダクト仕様でなかったので・・・これが原因で管内に結露が発生して結露水が吸気口から流れ落ちたことで断熱施工業者がダクトを発泡ウレタンで包み込んで結露防止とした。
再調査の結果原因は(左図参照)結露防止に発泡ウレタンを換気ダクト包み込むように吹付けしていたが換気本体から半分のダクトは未施工なたため管内で結露が発生、その結露水が管底に溜まりオーバフローになり吸気口から流れでてしまったことが原因でした。
何故?未施工だったのか?
施工業者に問いただすと梁があって管全体を吹付けできなかったから・・・という答えでした。(これではプロの仕事ではありません)さらに解決するために吹付けできなかった配管がある天井付近を一部取り外しして未施工の部分を吹付けして完了しました。
<結露が起こる理由を少し詳しく対策を考えてみましょう>
1・淀んだ空気は結露の原因となる。
部屋の中とか天井裏では、淀み空気ができやすい。空気が淀むと表面結露はより発生しやすくなります。空気が淀んで動かないと、室内空気から壁表面への熱の伝わりが少なくなり、表面温度は下がってしまいます。表面結露が部屋の隅や押し入れの隅、タンスの裏側で発生しやすいのはこの影響があり、表面結露を防止するためには淀みの空気を作らないようにする必要があります。カビの発生も空気の淀んだ場所に集中しやすい傾向にあります。これは空気の淀んでいる所は水分の蒸発が少なく、いつまでも結露水で湿っているのでカビが発育しやすい状況にあるためで、そのためには各部屋に淀みがない換気計画が必要です。一番安価で効果があるのは換気ですが、換気扇が使われていないのに加え、換気のためいちいち窓を開閉するのも面倒だし、せっかく暖めた部屋が再び寒くなるので換気されないケースが多いのが現状です。
2・結露は最初に部屋の隅で発生する。
結露の原因は天井の断熱欠損、低気密、換気不足、暖房は反射式暖房器の使用なため部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内の対流によって天井面は床面より表面温度は高く、窓ガラスの下端は最も低いので表面結露はここで最初に発生、しかし部屋の隅の場合は空気の淀みができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなってしまいます。さらに隅部は平面と立体的対流となるために拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため、隅部での表面温度は他より3℃前後低くなってしまうのです。部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分に行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く結露しやすくなる傾向にあるため、天井の断熱に欠損があると天井の室内側の表面温度が天井裏の外気温度に影響されて温度が降下し結露してしまいます。
3・夜間、暖房が止まってから結露する。
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しませんが住宅やアパートの場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20℃~25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。(その現象は窓の結露としてよく見られます)
4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向かうだけではなく、建物の内部に拡散されます。炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非房室(玄関、洗面脱衣室、浴室、トイレ、クローゼット、寝室、天井裏、小屋裏)に向かって拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mmと極微小粒子であるため、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材の透湿抵抗によって他の部屋に流れてしまいます。そのため、できるだけ水蒸気の発生場所で換気することが結露防止に非常に大切です。
そのためには以下の結露防止の4原則(①湿度のコントロール②換気の促進③空気の流通を図る④室温は適温に保つ)を守ることが結露から回避出来る方法になります。
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解決策として天井の耳付きGW断熱材を撤去して、できるだけ断熱欠損を防ぐためにセルローズファイバーを200mm吹き込み断熱欠損を防止、また住人様にはファンヒーターに替えてFFストーブに交換、換気は24時間ONにしてもらいました、
これで解決と思われたのですが何と翌年にはセントラル換気の吸気口から結露水が流れ落ちるという現象がでたことで再調査の依頼があったのです。
原因は何と!施工ミスによることが原因だったのです。
以下の写真は1回目の調査した時の写真と施工後の写真です。


浴室の点検口から目視した天井裏の断熱材の敷き込み状況であるが写真のように乱雑に敷き込まれているので隙間が多く、断熱欠損になっていた。

各部屋の天井隅の断熱材は左写真のように乱雑に敷き込まれているため隙間が多く、断熱欠損になっている。
これでは外気温度に影響されやすく天井裏の温度が降下すると結露の発生に見舞われることがわかる


天井面に気密・防湿シートがなく気密・断熱欠損があるため室内で暖められた空気と水蒸気は天井裏に侵入、夜間から朝方にかけて天井裏の温度が降下した時にダクトの表面に結露水として現れ天井面に滴り落ちたことが判断される。(換気はOFFにしていたため排気フードから冷たい冷気がダクト内に侵入し外壁側に近いダクトの表面に結露が水滴として現れた)
天井裏に配管された換気ダクトは断熱ダクト仕様でなかったので・・・これが原因で管内に結露が発生して結露水が吸気口から流れ落ちたことで断熱施工業者がダクトを発泡ウレタンで包み込んで結露防止とした。
再調査の結果原因は(左図参照)結露防止に発泡ウレタンを換気ダクト包み込むように吹付けしていたが換気本体から半分のダクトは未施工なたため管内で結露が発生、その結露水が管底に溜まりオーバフローになり吸気口から流れでてしまったことが原因でした。
何故?未施工だったのか?
施工業者に問いただすと梁があって管全体を吹付けできなかったから・・・という答えでした。(これではプロの仕事ではありません)さらに解決するために吹付けできなかった配管がある天井付近を一部取り外しして未施工の部分を吹付けして完了しました。
<結露が起こる理由を少し詳しく対策を考えてみましょう>
1・淀んだ空気は結露の原因となる。
部屋の中とか天井裏では、淀み空気ができやすい。空気が淀むと表面結露はより発生しやすくなります。空気が淀んで動かないと、室内空気から壁表面への熱の伝わりが少なくなり、表面温度は下がってしまいます。表面結露が部屋の隅や押し入れの隅、タンスの裏側で発生しやすいのはこの影響があり、表面結露を防止するためには淀みの空気を作らないようにする必要があります。カビの発生も空気の淀んだ場所に集中しやすい傾向にあります。これは空気の淀んでいる所は水分の蒸発が少なく、いつまでも結露水で湿っているのでカビが発育しやすい状況にあるためで、そのためには各部屋に淀みがない換気計画が必要です。一番安価で効果があるのは換気ですが、換気扇が使われていないのに加え、換気のためいちいち窓を開閉するのも面倒だし、せっかく暖めた部屋が再び寒くなるので換気されないケースが多いのが現状です。
2・結露は最初に部屋の隅で発生する。
結露の原因は天井の断熱欠損、低気密、換気不足、暖房は反射式暖房器の使用なため部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内の対流によって天井面は床面より表面温度は高く、窓ガラスの下端は最も低いので表面結露はここで最初に発生、しかし部屋の隅の場合は空気の淀みができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなってしまいます。さらに隅部は平面と立体的対流となるために拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため、隅部での表面温度は他より3℃前後低くなってしまうのです。部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分に行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く結露しやすくなる傾向にあるため、天井の断熱に欠損があると天井の室内側の表面温度が天井裏の外気温度に影響されて温度が降下し結露してしまいます。
3・夜間、暖房が止まってから結露する。
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しませんが住宅やアパートの場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20℃~25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。(その現象は窓の結露としてよく見られます)
4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向かうだけではなく、建物の内部に拡散されます。炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非房室(玄関、洗面脱衣室、浴室、トイレ、クローゼット、寝室、天井裏、小屋裏)に向かって拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mmと極微小粒子であるため、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材の透湿抵抗によって他の部屋に流れてしまいます。そのため、できるだけ水蒸気の発生場所で換気することが結露防止に非常に大切です。
そのためには以下の結露防止の4原則(①湿度のコントロール②換気の促進③空気の流通を図る④室温は適温に保つ)を守ることが結露から回避出来る方法になります。
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