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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

気密試験の仮と本試験との差


一般的に気密住宅の気密試験(測定)は建物が完成した時点の一回のみの測定が行われています。
しかし、建物が完成後の気密性能は目標値に達すればいいのですが、悪い場合は気密漏れの漏気個所を修正することは、ある部分(床下廻り、小屋裏等の内装仕上げをしない所で人が入れる場所等)を除いてほぼ修正不可能になってしまいます。せっかく目標を定めても修正ができないと無駄なお金をかけたことになり、中途半端な気密住宅になってしまいます。

また換気計画も暖房計画も絵に書いた餅となって様々な不具合が生じてしまいます。

最近の気密測定は内装仕上げする前に仮試験を行い気密漏れのチェックと補修がされるので、とても高い気密性能を上げる住宅が増えてきました。しかし、この仮試験で気密性能が良くても完成引き渡しまで、その性能が確保されているかわかりません。むしろ、大幅に悪い気密性能になる例も多々あります。

その原因は何か?

それは仮試験の結果後に施工される、例えばレンジフード、換気の給排気口、エアコンのスリーブ、電気配線などの施工業者が気密を高める意識が低いため気密性能の低下を起こしてしまう現場がけっこう見受けられるからです。

452zgmwmje3mdp19a.jpg写真は外内断熱工法の気密本試験風景です。
内 装工事前(室内側から見ると気密防湿シート0.2mmが屋根面、外壁面に貼られて、外壁貫通する換気の給排気、暖房、給湯の給排気口は予めスリーブを作っ ておき仮試験ではテープで穴を塞ぎ、レンジフードの給排気の貫通はこの時点ではなし…の状態)の仮気密測定の結果は単位隙間相当面積で0.14cm2/m2でし た。

本試験ではどうか?

仮試験以降に行われたレンジフードの取り付けは仮試験の性能を低下させないようにスリーブ管の施工とレンジフードの同時給排の手加工補修を以下のようにしたのですが・・・・
参考↓
レンジフードのスリーブ管の施工⇒http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-227.html
レンジフードの同時給排の手加工補修⇒http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-229.html

結果は?

単位隙間相当面積で0.17cm2/m2でした。
総隙間相当面積は14.03cm2角ですので3.7cm×3.7cmの隙間が空いていることになります。
考えられる大きな隙間は・・・やはりレンジフードの同時給排のダンバーの隙間が大きいものと考えられます。

参考に仮気密測定後に気密に十分意識しない現場の場合は仮測定の数値より倍近い悪い数値になる傾向にあります。0.5cm2/m2の気密性能であれば1.0cm2/m2の気密性能になります。
倍近い隙間が出てしまっても1.0cm2/m2以下であれば換気計画、暖房計画にさほど影響は出ないで安心して良いと思います。
せっかく仮測定の段階でいい気密性能が出たのであれば、後は「ちょとした気遣い!」です。
その気遣いがあれば誤差の少ない気密住宅をお施主様にお引き渡しができます。

こんな理由で、気密測定は仮と本試験の2回測定することをお勧めいたします。

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昆寛(コン ヒロシ)

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住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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