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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

気密住宅なのに蟻が出る?

「室内に蟻やワラジムシが出て昔の住宅と変わらないのではないか。」と質問されることがよくあります。
温かい時期です。当然蟻やワラジムシなどの虫たちも活発に地面を行動するようになります。
さて、こんな質問の時にはなんと答えたらいいのでしょうか?
何が原因なのでしょうか?考えてみましょう。

dc072401.jpg●高気密住宅は潜水艦ではない。
高気密住宅といっても潜水艦を作っているわけではないので、住宅内にはかなりの隙間があります。気密性能が0.5cm/m2の超気密住宅の部類でもそのの総隙間量が60cm2あります。

これは給気口の隙間に換算すると5個分の隙間量になります。
隙間が全くなかったとしても木材が乾燥収縮すると1mmの隙間が生じることは珍しくありません。

サッシの取り付けが悪い時には気密パッキンと框の間から外が見える場合があります。
また、引き違いの窓では召し合わせの間に1mmから2mmの隙間があることは珍しくありません。


排気ダクトやレンジフードの隙間など、住宅には外からは気がつきませんが、非常に多くの隙間があります。虫の這い出る隙間もない住宅は、木造住宅では不可能に近いでしょう。
先ず、このことを理解しましょう。

土間がコンクリートの場合は年間を通じて床下が乾燥状態になります。従来の床断熱に比べて蟻やワラジムシが住みにくい環境です。地盤の防湿シート・押さえ砂仕様の場合は、床下環境は良いのですが防湿シートの下が高湿状態になります。シートの隙間から虫が這いあがるので土間をコンクリートにすると良いでしょう。

基礎断熱工法には二通りの方法があります。
基礎断熱土間床工法ですがこれは布基礎を先に外張りに立ち上げて後から土間部分にコンクリートを流し込む方法です。この方法で気をつけなければならないのは土間の部分が後打ちのため立ち上がりと床面の入れ隅の所に防湿シートがあるため剥離して隙間が生じる場合があるということです。
その隙間から蟻が入り込んでくる場合があります。こんな時には、もう一つのベタ基礎工法を取り入れると解決します。この工法は初めから布基礎と土間床の部分を分離しないで一発でコンクリートを流し込む方法で一体成型になるので隙間が生じないのが大きなメリットです。

一番問題なのは、壁や木構造の中が虫が住みやすい環境になっている場合です。ことに、湿度の高い所を好むワラジムシがゾロゾロと壁から出てきたときは問題です。そんな時は何処かに結露しているかもしれません。

その時は
①何処かに断熱欠損がある。
②隙間があり、何処かに部分的に結露が生じている。
③乾燥不十分な木材を使用したため壁内の含水率が高い。
④床下で漏水事故が起きている。
⑤水位が高く床下が高湿状態になっている。

など、原因を突き止めて対応します。原因がわかれば、断熱材を充填する。防湿施工をやり直す。漏水配管を取り換える。暗渠を埋め地盤の改良を行うなど解決策を取ります。
シロアリは別としても建物や人体に直接害がない虫たちの侵入はある程度であればは共同生活もいいのではないでしょうか。

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