木製サッシの結露
Facebook仲間のH・Kさんからのご質問に対しての回答です。
>我が家は、デンマーク木製サッシ。4-A18-4 Low-e アルゴンでも結露してしまうんですよね・・・。スペーサーがアルミだからでしょうか? 冬期の相対湿度50%です。
以下は旧ブログ(2008.1.26作成)にUPしたものを転写して回答としています。
↓↓↓↓↓↓↓
昨日は全国的に大荒れの天候でしたが、こちら岩手では大吹雪で気温も朝方は−5.1℃で寒い一日でした。最近、結露の無料相談コーナー(無料相談)に多くの方々から「露点温度」についての問い合わせ、質問がありましたので露点温度から目視で結露が発生する流れを検証したいと思います。
左の温度計は内外の気温を測る温度計です。
朝方の8時頃の温度で外部は-5.1℃で室内は21℃の我が家の環境です。
左り写真は我が家の木製サッシ・デンマーク製のLOW−Eガラス(アルゴンガス入り)の窓です。
ご覧のように木製サッシであってもガラス下端に結露が発生し、窓台の楕円形の水玉ができています。
所謂、表面結露の集合体(水)です。この時の結露発生付近の相対湿度は53.9%で温度は15.3℃を示していて露点温度は6.0℃を計測しています。
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つまり、この窓付近の温度が6.0℃になると表面結露が発生しますよ!ということのお知らせ。
それではどの部分から露点温度に達するのでしょうか?
その、結露が発生するポイントを探します。
写真①はレーザー式表面温度です。測定ポイントは●印の所です。ここではペアガラスのアルミスペーサー部分を測定しています。レーザーポイントがスペーサーを照射していますが若干ガラスに反射してしまうので表面温度に誤差があり正確ではありませんが一応5℃を指しています。
写真②ではペアガラスのグレチャン(ガラスを抑えるビート)の表面の温度を測定、6℃であることが確認できます。つまり、露点温度は6.0℃でしたから、先ず最初に結露はここのグレチャンから始まるだろうことが推測されます。
しかし、写真①ではグレチャンの表面温度より低い5℃ですから温度だけから判断すると最初に結露が出るのはこの中であるように思われますがペアガラスの中空層は室内より乾燥空気で水蒸気量が少ない(絶対湿度は低い)ので温度が低くても露点温度は高いことが推測されます。
写真③はグレチャンより室内側の木製の障子の下端を測ると10℃

ついでに周囲の表面温度も測ってみました。
写真④は18℃写真③と同じ木製サッシの障子ですが、こちらは縦枠を測っています。写真③では10℃でしたから8℃の温度差が出ています。
同じ場所の障子なのに高さが少し違っただけでこんなに違うことがあるのです。
(それは何故なんでしょうか?)
実はこれ!コールドドラフトを防ぐために窓下にパネルヒーターが設置されていているのですが私の机の左に設置されている所はテーブル代わりになったりして、ケーブルや雑物が乱雑に置いてあるため空気の流れが悪くコールドドラフトを防ぐ役割を果たしていないのです。そのため窓下は寒く、窓上は高い温度になっています。さらにガラス押さえのグレーチャンに隙間があり外気に影響されやすくなっています。、ちなみにこれ以外の窓では結露は出ていないのです。
また結露が出る条件を測定前日に意図的に作っておきました。
それは換気回数なのですがおよそ0.3回/hに設定した結果です。
写真⑤は室内側の4方枠の縦枠・・の表面温度は22℃です。
写真⑥は室内側の壁面の・・・表面温度は写真③と同じ22℃です。
検証の結論は?
換気回数が少ないことと、暖房器があるにもかかわらず窓面の表面温度を上げることができなかったことと、さらにグレーチャンの隙間が外気の影響を助長し、小さい温度変化でも露点温度に達してしまい結露が発生!と考えられます。
あれから5年経った今年の2013年は、この木製窓の東側と南側と西側の木製サッシにコールドドラフト対策(窓下にパネルヒーター設置)していても結露が出るようになりました。その原因は、5年間の寒暖の差が原因でグレーチャンに伸縮が始まり、コーナー部に隙間が生じ熱伝導率は値が大きいアルミスペーサーに、その部分から外気の影響を受けて結露しやすくなっています。今年はその部分をグレーチャンに替えてシーリング材で隙間を防ぐ予定です。その結果はどうなったか?は今年の冬に再度投稿いたします。
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>我が家は、デンマーク木製サッシ。4-A18-4 Low-e アルゴンでも結露してしまうんですよね・・・。スペーサーがアルミだからでしょうか? 冬期の相対湿度50%です。
以下は旧ブログ(2008.1.26作成)にUPしたものを転写して回答としています。
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昨日は全国的に大荒れの天候でしたが、こちら岩手では大吹雪で気温も朝方は−5.1℃で寒い一日でした。最近、結露の無料相談コーナー(無料相談)に多くの方々から「露点温度」についての問い合わせ、質問がありましたので露点温度から目視で結露が発生する流れを検証したいと思います。

朝方の8時頃の温度で外部は-5.1℃で室内は21℃の我が家の環境です。

ご覧のように木製サッシであってもガラス下端に結露が発生し、窓台の楕円形の水玉ができています。
所謂、表面結露の集合体(水)です。この時の結露発生付近の相対湿度は53.9%で温度は15.3℃を示していて露点温度は6.0℃を計測しています。
つまり、この窓付近の温度が6.0℃になると表面結露が発生しますよ!ということのお知らせ。
それではどの部分から露点温度に達するのでしょうか?
その、結露が発生するポイントを探します。

写真②ではペアガラスのグレチャン(ガラスを抑えるビート)の表面の温度を測定、6℃であることが確認できます。つまり、露点温度は6.0℃でしたから、先ず最初に結露はここのグレチャンから始まるだろうことが推測されます。
しかし、写真①ではグレチャンの表面温度より低い5℃ですから温度だけから判断すると最初に結露が出るのはこの中であるように思われますがペアガラスの中空層は室内より乾燥空気で水蒸気量が少ない(絶対湿度は低い)ので温度が低くても露点温度は高いことが推測されます。
写真③はグレチャンより室内側の木製の障子の下端を測ると10℃

ついでに周囲の表面温度も測ってみました。
写真④は18℃写真③と同じ木製サッシの障子ですが、こちらは縦枠を測っています。写真③では10℃でしたから8℃の温度差が出ています。
同じ場所の障子なのに高さが少し違っただけでこんなに違うことがあるのです。
(それは何故なんでしょうか?)
実はこれ!コールドドラフトを防ぐために窓下にパネルヒーターが設置されていているのですが私の机の左に設置されている所はテーブル代わりになったりして、ケーブルや雑物が乱雑に置いてあるため空気の流れが悪くコールドドラフトを防ぐ役割を果たしていないのです。そのため窓下は寒く、窓上は高い温度になっています。さらにガラス押さえのグレーチャンに隙間があり外気に影響されやすくなっています。、ちなみにこれ以外の窓では結露は出ていないのです。
また結露が出る条件を測定前日に意図的に作っておきました。
それは換気回数なのですがおよそ0.3回/hに設定した結果です。
写真⑤は室内側の4方枠の縦枠・・の表面温度は22℃です。
写真⑥は室内側の壁面の・・・表面温度は写真③と同じ22℃です。
検証の結論は?
換気回数が少ないことと、暖房器があるにもかかわらず窓面の表面温度を上げることができなかったことと、さらにグレーチャンの隙間が外気の影響を助長し、小さい温度変化でも露点温度に達してしまい結露が発生!と考えられます。
あれから5年経った今年の2013年は、この木製窓の東側と南側と西側の木製サッシにコールドドラフト対策(窓下にパネルヒーター設置)していても結露が出るようになりました。その原因は、5年間の寒暖の差が原因でグレーチャンに伸縮が始まり、コーナー部に隙間が生じ熱伝導率は値が大きいアルミスペーサーに、その部分から外気の影響を受けて結露しやすくなっています。今年はその部分をグレーチャンに替えてシーリング材で隙間を防ぐ予定です。その結果はどうなったか?は今年の冬に再度投稿いたします。
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