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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

外断熱で気密が出ない理由

在来木造住宅の外断熱工法を採用しているが
気密性能が1.0cm2/m2以下にならないのはどうしてでしょうか?
と大工さんに聞かれることがあります。

ツーバイフォー工法や新在来木造構法で施工している仲間の大工はきちんと高い気密を出しているのに外断熱だから気密には簡単に有利な工法なはず・・・というのです。

どこに問題があるのか知りたい・・・という質問です。

266zgmwnje5mtgcfg.jpg軸組み工法の軸間断熱工法に対し、外張り断熱工法は、気密施工はしやすいはずと、ほとんどの人が考えていますが、実際は必ずしもそうとは限らないのです。

それは外張り断熱に限らず、気密にする仕組みが基本的にできていないからです。


強いてあげると、ツーバイフォー工法が、気密にする仕組みがよく、性能が出しやすいといえます。

木造軸組みから外側から板状の断熱材を張る気密シートを使わない工法の時代には隙間相当面積は3〜5cm2/m2位の性能値でした。
それが防湿気密シートを張ることで1〜2cm2/m2のランクに性能が出てきます。
さらに、防湿気密シートのジョイント部分にテープ処理をする大工さんの場合は0.5cm2/m2前後に気密性能をコンスタントに出しています。
在来工法の外張り断熱の場合は先張りシートが奇麗に連続して施工されていれば気密性能は軽く1.0cm2/m2うぃ切ります。

dc122702.jpgほとんどの現場は、防湿シートが不連続だったり、破けていたり、テープを使っていない施工ミスがあるため性能が出ないのです。
基礎断熱工法や屋根断熱工法を採用すると0.5cm2/m2位の性能まで達成可能です。

ただし、木下地のあるところで防湿シートがボーでで抑えられていることです。
外断熱工法は、多くの場合、防湿シートの規格サイズに神経を使ってなく、板状断熱材と防湿シートが単独で気密性能を保っていることです。

ですから、シートと断熱材を一体にすると、高い性能が得られ、さらにテープも使うと一気に向上します。

防湿シートの貼り継ぐ部分に木下地を作るか、一階毎に張れる3mの防湿シートを一気に張ることで0,5cm2/m2まで向上します。
さらに、一度合板を張ってから、防湿シートを施工すると非常に高い気密性能を出すことができます。ツーバイフォー工法の外断熱が特別なことをしなくても高い気密性能が出るのはこのためです。要は、気密性能が出やすい構造(下地処理)にすることが一番のポイントです。
私の外張り工法の場合のお薦めの施工方法は防湿シートを使わないで、板状の断熱材に防湿シート(アルミの蒸着された断熱材)が貼られらた物を使って、施工手間を省きながら気密性能を上げるように工夫をしています。


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Re: 気密の耐久性について

> 気密テープは10年もたてば粘着力も落ちてきて住宅の気密性能も低下しそうですが、気密の耐久性のあげかた、また気密の維持のポイントがありましたら教えてください

先ず、気密テープの施工がきちんとしていると25年経っても気密性能は低下しません。(実際に気密テープの施工後20年ごの状態を確認した結果です)これは気密テープの施工の仕方によって大きく変わります。きちんとした施工とは⇒気密シートと気密シートとの接合部には必ず木下地があることです。こうすると仕上げ材と木下地の間に気密テープが挟んだ状態になるので粘着力が落ちても剥離することはないので問題になりません。粘着力が落ちる原因の多くは気密テープの留め方を「しごいて」て貼らないことと、木下地がない所で気密テープを使いジョイントしている場合です。これは気密シートと気密テープの間に空気溜まりができて寒暖の差で膨張、伸縮を繰り返して剥離します。先に説明をしました木下地と下げ材に挟まれた状態であれば伸縮があっても問題にならないのです。また室内側の気密シートの場合は寒暖の差が22℃~15℃前後位なので伸縮は小さいので比較的に問題になりません。一方、外張り断熱のジョイントの気密テープの場合は通気層で外気の寒暖の差が冬のー5℃~夏の35℃前後と大きいために伸縮が大きく、よほど気密テープの接着力ときちんとしごいて施工しないと剥離する危険があります。(これも実験しましたが、きちんと施工してあれば20年経っても剥離していませんでした)
気密の耐久性は、結局のところ「きちんとした施工」がされるかに決定されるということです。

気密の耐久性について

気密テープは10年もたてば粘着力も落ちてきて住宅の気密性能も低下しそうですが、気密の耐久性のあげかた、また気密の維持のポイントがありましたら教えてください
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昆寛(コン ヒロシ)

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住まい環境プランニング(同)
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