冬場の室内乾燥問題 の対策
冬場に換気を十分取ると、室内が乾燥して喉を痛めるという話を聞きます。
「昔の家はこんなことがなかった!」と言われることがあります。
昔の家はは断熱も気密も換気も意識せずに作られて、ストーブの上にヤカンを置いて湯気を出していた頃は喉には適度な湿気あって良かったのです。
最近の住宅は、湿度計では冬場には35%前後の相対湿度を指します。
私たちが昔から聞いている「快適な温度は40〜60%」という物差しからは大きく外れています。
そこでその解消方法として
①観葉植物を沢山置いて、その水やりの湿気を利用する方法。
(これには生活主体となるリビングなどに観葉植物を置く。別室にまたグリーンエリアを作り、鉢物や観葉植物などを置きその部屋から湿気の多い空気を取り入れる方法)
②洗濯物を室内に干す方法。
シーツとか毛布のように表面積がおおきいものが加湿に有利です。
③風呂の湯を流さないで、扉を開けておく方法。
などがありますがあまり湿度を高くして結露を起こすと、カビやダニが発生して、逆に健康上の問題になることが考えられます。
③の風呂の湯を利用する方法は、さほど体感的にまた湿度計でも大きな変化はありません。
(やらないよりはやったほうがいいかも程度です。)
高断熱・高気密・計画換気・全室暖房がうまくいっている家では冬場で23℃で35%前後を指す時があります。湿度が35%というと、すごく乾燥しているように感じますが、生活して慣れてくると以外にも乾燥感を感じなくなります。
それは室内に隙間風や強制的な温風がないために、空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることがないためのようです。ホテルのように静電気が起きるほど乾燥する話も聞きません。湿度35%前後という数字を気にするよりは、感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。
快適な湿度は40〜60%という説も必ずこのぞゾーンでなければならないという意味ではなくて35%前後でもさほど健康には問題はないのです。また、市販の湿度計は≒10%くらい狂いやすい計器ですから、湿度計の数字はあまり当てにならないということも言えます。
ところで、30%の湿度でも健康上さして問題にならないのではないか?と言いました。
そうは言っても粘膜アレルギーのように乾燥に敏感な方には、やはり何らかの加湿を考えなければなりません。その場合には加湿器のようなもので水を霧状に変えて発生させるのは菌の繁殖などの問題が生じあまり好ましくありません。
鉢ものや洗濯物などからの自然の放湿を蓄えられる調湿性のある仕上げ材を使うのが好ましいと考えられます。この点で珪藻土などは優れた機能性建材となのですが私は少し疑問に思っています。(使わないよりは使った方がいいかな~って感じです。)
(我が家でもけっこう広い面積で珪藻土を使って実験しましたが、体感的に調湿の効果はあるのかは疑問です。例えば梅雨時のジメジメした外気を取り入れるとある程度の湿気は吸収されるようですが塗り厚が10mm~20mm程度ではさほど体感的に感ずるものが少ないのです。また逆に乾燥時期に湿気が欲しい時も期待されるほど体感的湿度が上がるといったこともありません。
昔の土蔵のように200mmとか300mm以上であれば湿気も十分含むことができ、吸湿、放湿することが体感的にわかるのかもしれません。室内の空気を強制的に1時間に1/2回入れ換えている訳ですから余程保湿能力のある厚さでなければ間に合うわけがないのだと思われます。)
それではその他に何か対策はあるのでしょうか?
最も効果があり省エネ対策としての過乾燥対策は室温を下げて湿度を上げる方法です。湿度を様々な方法で上げるのではなくて、室温を下げることで乾燥感をなくすることを考えましょう。
乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも寝ている時ですから夜間は室温設定を低くすることで乾燥感を体感的にかなり解消できます。例えば、23℃/30%の空気が18℃まで温度を下げると、湿度は40%まで上がります。
また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られます。
低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を個別に温度調節ができる輻射と自然対流中心の暖房にするほか、何といっても窓の断熱性能を上げることです。
最近は断熱性能の高いアルゴンガス入りLOW-Eペアガラス、トリプルガラスが販売されています。
これを使うと100mm厚以上の木材とほぼ同じくらいの断熱性がありますので周辺部や空気溜まりが発生するケース以外はほとんど結露は起きません。低温でも快適に生活できるので過乾燥対策をしながら省エネにもなるので家計も大いに助かります。
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「昔の家はこんなことがなかった!」と言われることがあります。
昔の家はは断熱も気密も換気も意識せずに作られて、ストーブの上にヤカンを置いて湯気を出していた頃は喉には適度な湿気あって良かったのです。
最近の住宅は、湿度計では冬場には35%前後の相対湿度を指します。
私たちが昔から聞いている「快適な温度は40〜60%」という物差しからは大きく外れています。
そこでその解消方法として
①観葉植物を沢山置いて、その水やりの湿気を利用する方法。
(これには生活主体となるリビングなどに観葉植物を置く。別室にまたグリーンエリアを作り、鉢物や観葉植物などを置きその部屋から湿気の多い空気を取り入れる方法)
②洗濯物を室内に干す方法。
シーツとか毛布のように表面積がおおきいものが加湿に有利です。
③風呂の湯を流さないで、扉を開けておく方法。
などがありますがあまり湿度を高くして結露を起こすと、カビやダニが発生して、逆に健康上の問題になることが考えられます。
③の風呂の湯を利用する方法は、さほど体感的にまた湿度計でも大きな変化はありません。
(やらないよりはやったほうがいいかも程度です。)

それは室内に隙間風や強制的な温風がないために、空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることがないためのようです。ホテルのように静電気が起きるほど乾燥する話も聞きません。湿度35%前後という数字を気にするよりは、感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。
快適な湿度は40〜60%という説も必ずこのぞゾーンでなければならないという意味ではなくて35%前後でもさほど健康には問題はないのです。また、市販の湿度計は≒10%くらい狂いやすい計器ですから、湿度計の数字はあまり当てにならないということも言えます。
ところで、30%の湿度でも健康上さして問題にならないのではないか?と言いました。
そうは言っても粘膜アレルギーのように乾燥に敏感な方には、やはり何らかの加湿を考えなければなりません。その場合には加湿器のようなもので水を霧状に変えて発生させるのは菌の繁殖などの問題が生じあまり好ましくありません。
鉢ものや洗濯物などからの自然の放湿を蓄えられる調湿性のある仕上げ材を使うのが好ましいと考えられます。この点で珪藻土などは優れた機能性建材となのですが私は少し疑問に思っています。(使わないよりは使った方がいいかな~って感じです。)
(我が家でもけっこう広い面積で珪藻土を使って実験しましたが、体感的に調湿の効果はあるのかは疑問です。例えば梅雨時のジメジメした外気を取り入れるとある程度の湿気は吸収されるようですが塗り厚が10mm~20mm程度ではさほど体感的に感ずるものが少ないのです。また逆に乾燥時期に湿気が欲しい時も期待されるほど体感的湿度が上がるといったこともありません。
昔の土蔵のように200mmとか300mm以上であれば湿気も十分含むことができ、吸湿、放湿することが体感的にわかるのかもしれません。室内の空気を強制的に1時間に1/2回入れ換えている訳ですから余程保湿能力のある厚さでなければ間に合うわけがないのだと思われます。)
それではその他に何か対策はあるのでしょうか?
最も効果があり省エネ対策としての過乾燥対策は室温を下げて湿度を上げる方法です。湿度を様々な方法で上げるのではなくて、室温を下げることで乾燥感をなくすることを考えましょう。
乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも寝ている時ですから夜間は室温設定を低くすることで乾燥感を体感的にかなり解消できます。例えば、23℃/30%の空気が18℃まで温度を下げると、湿度は40%まで上がります。
また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られます。
低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を個別に温度調節ができる輻射と自然対流中心の暖房にするほか、何といっても窓の断熱性能を上げることです。
最近は断熱性能の高いアルゴンガス入りLOW-Eペアガラス、トリプルガラスが販売されています。
これを使うと100mm厚以上の木材とほぼ同じくらいの断熱性がありますので周辺部や空気溜まりが発生するケース以外はほとんど結露は起きません。低温でも快適に生活できるので過乾燥対策をしながら省エネにもなるので家計も大いに助かります。
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