サッシが凍る?のは何故?(2)
夜から朝方にかけて外気温が降下環境になると連動してKさんの室温も降下、特に断熱性能が低いアルミサッシ、単板ガラスの表面が露点温度に達してしまい結露の発生してしまうというメカニズムになっているようです。
前回の記事は
サッシが凍る?のは何故?でした。
そのメカニズムをもう少しつっこんで何故結露するのか?考えてみます。
生活上(人体からの発熱と調理、お風呂等)で発生した水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い非暖房室では含むことができないためいち早く露点温度に達してしまいます。そこで発生した最初の結露は最初の発生した地点を中心に広がっていく性質があります。
その理由は?
①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇してしまいます。熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうのです。そのため露点温度がさらに低くなり、ますます結露の発生を助長させる経過をたどります。
②また、表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。
ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気 は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大するのです。
しがって、困ったことに一度結露が発生してしまうと住まい方とか結露の原因を取り除かないと自然に結露は増大してしまいます。
それでは
■もう少し結露発生の性質を知った上で解決策考えてみることにします。
1・結露は最初に部屋の隅と窓ガラスで発生します。
部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内温度はの対流によって天井面は床面より高いのですが窓ガラスの表面及びアルミサッシ枠は最も低いので表面結露は最初にここから始まります。
部屋の隅の場合は空気のよどみができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなります。さらに隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため隅部での表面温度は他より3℃前後低くなるので部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く内部結露が発生しやすくなるのです。
2・夜間、暖房が止まってから結露する
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しません。住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20〜25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。間欠暖房でFFヒーター以外の開放型のファンヒーターとか反射式ストーブとかガスストーブを使い、夜は暖房を止める生活をしている場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要があります。しかし、排出した量だけ温度が低い外気が入ってくることになり小さな温度降下でも露点温度に達してしまい結露は防げません。
3・冬の空気を取り入れる場合。
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。絶対湿度でいうと、北国では2g/m3前後、本州では4g/m3前後あるようですが、この空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となります。例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になります。したがって、の外気を積極的に取り入れる場合には、外気を暖房で温めることで露点温度を上げることで結露防止に非常に効果があります。
4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散されます。
炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向って拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mm(100m先の米粒を見るくらいの大きさ)と極微小粒子と言われ、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまいます。
そのため、できるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切となります。
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サッシが凍る?のは何故?でした。
そのメカニズムをもう少しつっこんで何故結露するのか?考えてみます。
生活上(人体からの発熱と調理、お風呂等)で発生した水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い非暖房室では含むことができないためいち早く露点温度に達してしまいます。そこで発生した最初の結露は最初の発生した地点を中心に広がっていく性質があります。
その理由は?
①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇してしまいます。熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうのです。そのため露点温度がさらに低くなり、ますます結露の発生を助長させる経過をたどります。
②また、表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。
ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気 は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大するのです。
しがって、困ったことに一度結露が発生してしまうと住まい方とか結露の原因を取り除かないと自然に結露は増大してしまいます。
それでは
■もう少し結露発生の性質を知った上で解決策考えてみることにします。
1・結露は最初に部屋の隅と窓ガラスで発生します。
部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内温度はの対流によって天井面は床面より高いのですが窓ガラスの表面及びアルミサッシ枠は最も低いので表面結露は最初にここから始まります。
部屋の隅の場合は空気のよどみができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなります。さらに隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため隅部での表面温度は他より3℃前後低くなるので部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く内部結露が発生しやすくなるのです。
2・夜間、暖房が止まってから結露する
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しません。住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20〜25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。間欠暖房でFFヒーター以外の開放型のファンヒーターとか反射式ストーブとかガスストーブを使い、夜は暖房を止める生活をしている場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要があります。しかし、排出した量だけ温度が低い外気が入ってくることになり小さな温度降下でも露点温度に達してしまい結露は防げません。
3・冬の空気を取り入れる場合。
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。絶対湿度でいうと、北国では2g/m3前後、本州では4g/m3前後あるようですが、この空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となります。例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になります。したがって、の外気を積極的に取り入れる場合には、外気を暖房で温めることで露点温度を上げることで結露防止に非常に効果があります。
4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散されます。
炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向って拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mm(100m先の米粒を見るくらいの大きさ)と極微小粒子と言われ、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまいます。
そのため、できるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切となります。
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