内断熱と外断熱どちらがいいのか?
内断熱と外断熱どちらがいいのか?(再編集)は2006/8月に2回に分けて投稿したものをブログの引っ越しに伴って、記事の内容を訂正、修正、追加編集したものです。
一頃は東北では内断熱工法と外断熱工法がしのぎを削っていた頃がありました。工法の比較ではなくもっぱら繊維系断熱材を内断熱として発砲系プラスチック断熱材を外断熱としての物議です。

●写真1はグラスウールの充填工法(内断熱)
どちらの工法も長所、短所がありあります。
多くの諸先輩の方々がHP,ブログを通じてこのことを詳しく発信してくれています。
環境保護の立場からどちらがいいのか?
断熱性能と価格ではどちらがいいのか?
施工面でのコストはどちらがいいのか?他様々です。
私は過去においてほとんどのの断熱工法に携わってきました。
在来軸組工法の内断熱と外断熱、2×4工法の内断熱と外断熱、在来軸組工法の付加断熱(外内断熱)、2×4工法の付加断熱(外内断熱)、繊維系断熱材が充填された輸入のパネル工法、発泡プラスチック系の断熱材を入れたパネル工法、日本で開発されたウレタン剤が注入されたパネル工法等です。
すべての工法に長所、短所ありますが「きちんと施工されていれば」の条件があれば温熱環境からみれば高気密高断熱の目的である「住宅の快適化と同時に地球温暖化の防止」ができるため、どの工法も素晴らしいものです。
ここで考えなければならないのは
「きちんと施工されていれば」の条件なのですが
残念ながら断熱工法の良し悪しで選ぶことはリスクが伴うことを経験しております。
電化製品のように工場で生産されるのであればいいのでしょうが現場で職人さんが手加工で作るのです。
そのために現場に携わる者が住宅に対する考え方、心構えで決まってしまうといっても過言ではないのです。
もちろん、どの工法にするかを決めなければなりませんが色んな長短を比較して自分の考え方とマッチしたら・・・・「熱計算、暖冷房負荷計算、気密測定、換気流量測定を提出し、きちんと施工する」ハウスメーカー、工務店」を選べばいいのです。

●写真2はウレタンボード(外断熱)の施工例
その他「断熱気密工事」の施工コストについて考えてみます。
一般的には断熱材のコストは繊維系断熱材は安く、発砲系プラスチック断熱材は2~3割程度割高になっています。そのため価格面からみれば繊維系断熱材を使用した方がよさそうです。
しかし実際に(私の経験からいえば)きちんとした施工をすると材工では同じ位になるのです。
繊維系の断熱施工は
①先張りシート施工
②透湿防水シート施工+タッカー止め+テープ止め
③断熱材入れ
④気密シート張り+タッカー+テープ止め
⑤開口部の気密処理等があります。
一方発砲系断熱材の場合は
①気密パッキン貼り
②断熱材を貼り
③気密防水テープを貼る
④開口部の気密処理等があります。
比較すると繊維系断熱材は=価格が安いが工程が多く気密処理をする部分が多く手間(人工)が多くなり施工日数が多くなります。
一方、発砲系断熱材の場合は価格が高いが気密処理をする部分が少なく手間(人工)が少なく施工日数が繊維系断熱材に比べて少ないのが特徴です。
このように実際にかかるコストを計算してみるとほとんど変わらないのです。
●ちなみに私の家は外断熱と内断熱の併用工法になっています。
Q1(Q値=1W/m2)住宅の世界を作ろうとすると繊維系断熱材と発砲系プラスチック断熱材を併用する必要があります。
つまり内断熱と外断熱のどちらがいいのか?ではなく、お互いの長短を仲良くミックスさせることで高性能な住宅を造ることができるのです。
いつもご購読、応援ありがとうございます。
ブログランキングに参加中しています。
↓ ↓
にほんブログ村 住まいブログ 人気ブログランキングへ
- 関連記事