高性能住宅を熱カメラで検証!
高性能住宅を熱カメラで検証!(再編集)は2006/8月に「熱カメラで見る高性能住宅の世界」と「ブラインドの効果はあるのか?」の2回に分けて投稿したものをブログの引っ越しに伴って、記事の内容を訂正、修正、編集したものです。
現場名は平成8年に完成したK宅(Ⅱ地域)

次世代省エネ基準のⅠ地域の1.6W/m2・Kより熱ロスが少ない値になっています。気密性能(C値)は0.2cm2/m2で当時の次世代省エネ基準義務化のの2.0cm2/m2より小さい値になっています。(外気温は-5.1℃ /室内温度は21.3℃の条件で外部から測定)

黄色い部分が開口部(窓:Low-Eガラス)で室内の熱が外部に放射されていることがわかります。下の赤い点は車のエンジンの熱、上の写真で右側の車に尾灯がついたように見えますがカメラのフラッシュが反射したものです。屋根の軒天廻り、基礎廻り付近、外壁は漏気による熱が少ないことがわかり断熱性能が高いことを証明できる画像となっています。


パネルヒーターの表面温度は33℃くらいになっていて窓からのコールドドラフトを緩和させながら室温21.3℃に保っています。
次世代省エネ基準をクリアする断熱のなせる業です。
(熱画像での下の赤い部分は梁に設置されている照明器具の熱源です)
●開口部(窓)の断熱性能が
壁の断熱性能に近づくと全体がムラなく同一色になっていきます。
熱カメラで見ることで人間の眼に見えない不思議な熱の世界が見ることができます。
なによりもごまかしが利かない断熱の施工の良し悪しがよく見えます。

その吸気口の周囲が薄く緑色になっているのが外気が室内に入ってきているため温度が低い状態を表し、外気が降下しているのがよくわかります。

(実はこの部分は自分がきちんと一液性のウレタンを充填したつもりなのですが・・・施工ミスであることを正直に教えてくれています。)
以前に説明いたしましたが気密性能が1.0cn2/m2前後であればこのように2Fの吸気口から外気が入ってくるのですが2.0cm2/m2を超え始めると吸気口があっても外気が入りが少なく外気が降下するダレがなく丸い黄色の形で表れます。
壁の部分は22.8℃、吸気口(パッコン)の部分は19.5℃、最も弱い部分は(グリーン色)窓ガラスの下端です。額縁の下端でコールドドラフトを防止するためパネルヒータを設置しているのですが空気の流れが溜まりになっています。その表面温度は16.2℃となっています。(溜まりの原因は額縁なのですが・・表面結露がないので気にならない範囲です)


ブラインドの取り付け位置は額縁の面にあるためコールドドラフトの溜りがなくなっためが原因と考えられます。
(ガラス面の結露防止のため額縁とブラインドに少し隙間を開けています。)
その場所の表面温度は21.2℃に上昇しています。
●夏の場合は外付けブラインドを取り付けることによって暑い外気温がどのくらいカットできるのか検証してみたいものです。高気密高断熱住宅で夏の暑さを和らげるため工夫された住宅はここ岩手でも残念ながらそう多くありません。
●日常生活でのブラインドの使い方は日中はブラインドは開けて夜はブラインドを閉じているのが一般的な使い方です。日中にブラインドを開けても閉じた状態と同じい性能にしたいものです。
日中の12時間前後は開けた状態ですから熱ロスが大きく(小)省エネです。
トリプルのLOW-Eガラスを使わないと近づかないかも知れません。トリプルのLOW-Eガラスを使って断熱材をもう少し足して熱交換気システムを使うとQ1住宅(熱損失係1W/m2・k)の世界にに近づきます。
●Q1住宅は
次世代省エネ基準の暖房ランニングコストの三分の一から二分の一激減する住宅です。
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