新築なのに寒い訳(玄関廻り)
この記事は旧ブログでUpいたしましたが「新築なのに家が寒いのは何故か?」とのご質問がありましたので、原因の一つにユニットバス廻りの断熱・気密欠損があることをレポートしました。今日はもう一つの原因、玄関廻りについて投稿して回答とさせていただきます。
床断熱で気密を取る場合は当たり前ですが合板か気密シートで隙間なく、切れ目なく連続しているかを見ることがポイントです。しかしその当たり前の施工がされていない例がとても多いのです。(手抜きこうじではなく、うっかり工事をしなかった!?・・・ではなく、その部分の気密・断熱の施工方法を知らない場合がとても多いのです。)

写真は玄関の上がり框の土台の基礎の隙間があり外気が侵入するだろうことを青→で示しています。
もう一つの気密が出ない理由はこの部分にあります。
特に最近は床下の通気を効率よく図るために床下換気口ではなく基礎パッキン工法が採用されています。
この基礎パッキン工法を採用している場合にはユニットバスの廻り(四方)と玄関廻り(四方)は通気しないように気密パッキンを採用します。こうすることで外気及び床下の冷気を防ぐことができます。
気密測定をすると床下が外気側ですから気密シートの処理がきれいになされていないか、基礎パッキンの場合は外気が玄関に侵入し寒さを感じます。
正しい施工方法は下写真の右図です。合板下の気密シートは土間のコンクリート下まで伸ばすことポイントです。

このことを指摘すると「土台と合板の間にびっちり挟み込んだから大丈夫だろう!」と言われますが、問題は土台と合板との隙間のことではなく基礎と土台との隙間にも問題があるのです。
その断面図は左図のようになっています。
さらに一般的に気密ではなく断熱工事にも問題があることが多いのです。
この現場の(左図)基礎の立ち上がりに断熱材がありません。これでは玄関は冷たい外気にさらされて冬には寒い空間になってしまいます。
問題の部分の解決策は右図ですが床下側から土台と基礎の立ち上がりの隙間(●印)を一液性のウレタン剤で隙間を埋めてから二液性の現場発泡で吹き付けして断熱補強をします。(スタイロフォームのような発泡系プラスチック断熱材を貼り付けてもOKです。)
※土間がある勝手口の場合も玄関と同じように施工しないと冷気は防ぐことができません。
こうすることで玄関周りと勝手口の気密・断熱欠損を改善することができます。
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