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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

人体と照明の熱容量と蓄熱性

室内に大勢の人がいると、暖房しなくても部屋が暖かく感じられることがあります。

318zgmwotaxmdhz_w.jpgこれは人の体から発する熱が原因です。
人は作業量や室内温度との温度差に応じて放熱していますが、安静にしていても体内の栄養分を消化することで熱エネルギーを生み出しています。照明や調理器具、テレビ、冷蔵庫からも熱が発せられています。

夏の場合には、
これら熱は冷房の妨げになりますが冬には室内の温度を温かく保つ助けになります。(室内の冷房の妨げにならず、冬には捨ててしまう熱を利用する方法としては暖房ボイラーを室内に取り込んでしまうことです。熱も利用できますがボイラー本体が風雨にさらされないため寿命が倍以上持ちます。)


暖冷房計画の際には部屋の広さだけではなく、どれだけの人がいるのか?
どんな熱源があるのかといった生活の仕方をも考慮しなければなりません。
室内の温熱環境は、気候条件、壁体の素材や厚み、照明器具、冷暖房器具など、様々な要素によって形成されます。

人にとって最適な温熱環境づくりを計画するときは冷暖房器具による発熱を考慮するだけでは十分ではありません。
室内はもとより建物全体の熱収支まで目を向けて計画する必要があります。

また、外部から伝わったり、室内で発生した熱が、どれだけ室内側に蓄えられるかも忘れてはなりません。物質が熱を蓄える性質は熱容量はW/℃で表され、物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量を示しています。熱容量の小さいものは温めやすく冷めやすい資質があります。
一方、熱容量の大きいものは温めにくい反面、いったん温まったら冷めにくい性質をもっています。

したがって、熱容量が大きいと多くの熱を蓄えることができ、蓄熱性に優れていると言い換えることできます。
熱容量は比熱や比重に関係し、熱の伝えやすさを示す熱伝導率とは直接には関係はありません。
熱伝導率が大きく断熱性能が悪くても蓄熱性に優れた物質もあれば、断熱性は高いが蓄熱性が悪い物質もあります。
熱容量の大きな物質には土壁や石やコンクリートなどがあります。
これらでできた建物は温まりにくく冷めにくい性質を持っています。
土壁や山肌深く掘られた氷室やトンネルが夏の貯蔵庫になるのは、外気温温度の影響を直接受けにくいことが原因です。

しかし、熱容量の大きな材質が全て建築材料として優れているわけではありません。
これらは、やはり建物の気密化、断熱化と併せて考える必要があります。


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昆寛(コン ヒロシ)

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住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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