夏に涼しい家をつくる必須条件
冷房のことを温度差の熱伝導だけで考えると暖房と違って内外の温度差が冬より小さいため冷房負荷はとても小さくてすみます。
ところが冬には有難いエネルギーとなる生活発熱と窓から入る日射エネルギーは今度は反対に夏には冷房負荷を上げる要素となってしまうためにとても邪魔な存在となります。
窓から入る日射エネルギーはとても大きいのです。
例えば軒や庇の出が少ない住宅の場合には床や壁、天井が100mmGW、窓の熱伝導や換気によって室内に入る熱のおよそ4倍もあります。
日射遮蔽がなければ(あっても少なければ)冷房は主に窓とか換気から入ったエネルギーを冷やすためだけに使われることになります。
一方,窓からの日射エネルギーを80%カットできれば冷房機はとても小さくすることが可能となります。
今まで、一部屋で使っていたエアコン1台でも間取りを開放的に造ることで住宅全体を冷房することも可能です。窓からの日射エネルギーを100%カットすることは不可能ですが軒や庇は標準につけて、さらに横から差し込む西日もカットするように日射遮蔽部材を設計の段階で考えるととても効果があることがわかってきました。
※写真は日射遮蔽が不足している参考例
暖房時には、日射エネルギーや生活発熱のプラスになるエネルギーも夏にはこのプラスになる分を今度は冷やすために余計なエネルギーを使わなければなりません。
GW100mm断熱の気密住宅でも日射遮蔽ができないと冷房能力は大きくなってしまいエアコンが1台ですむとろを2台以上必要となってしまいます。
これでは無断熱で日射遮蔽した昔の住宅と変わらない夏の性能だということになります。
高気密・高断熱住宅は夏は暑いといわれる理由の一つには日射遮蔽ができていない家にあります。
夏の涼しさを確保するためには窓の日射遮蔽が非常に大きなポイントになります。
日射がいったん室内に入ってしまうと熱エネルギーは物に吸収され波長が変わり、外に逃げなくなります。
また、カーテンのように室内で日射遮蔽をすると窓の表面温度が高温になり、その輻射熱で体感温度上げてしまうことになり、窓際がムッと熱く、不快な感じがします。
できれば、日射エネルギーは窓の外で処理をしたいものです。
夏になると一般的には室内の温度より窓の表面温度は10℃以上高くなります。
そのため、涼しさは少しも感じられません。
理想は冬と同じように窓の表面温度を室内温度と同じ環境にしてやることです。
暖房の場合は日射取得はプラスに働きますが、冷房の場合は日射の侵入がマイナスになります。
その意味で、窓で日射侵入をコントロールする必要があります。
そこで次世代省エネ基準前の新省エネ基準では日射遮蔽という考え方が示され窓の日射遮蔽係数という基準が導入されました。
この日射遮蔽の基準は窓の3mm透明ガラスに入る熱を1として日射遮蔽係数が0.6以下という基準としました。数値が小さいほど日射遮蔽ができていることになるのですが南面の窓にカーテンをかけたり、庇の出を600mmくらい取れば窓になにもつけなくてもクリアしてしまい割と甘い基準に設定されました。

左図は室内で日射遮蔽をした場合の日射遮蔽率で下図は日射遮蔽を外部でした場合の日射遮蔽率です。ぺアガラスだけでも単板ガラスに比較すると下の表のように0.88と12%も日射侵入率は落ちてしまいます。
これ見ると一目瞭然です。
日除けテントなどで軒や庇の出を長く取ったり、外付けタイプのルーバーなどで太陽を遮ることが効果があることがわかります。
高気密・高断熱住宅はかなり普及してきましたが、夏の暑さを防ぐためには断熱・気密の性能を上げる前に日射遮蔽が基本とされている家づくりを目指したいものです。
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ところが冬には有難いエネルギーとなる生活発熱と窓から入る日射エネルギーは今度は反対に夏には冷房負荷を上げる要素となってしまうためにとても邪魔な存在となります。

例えば軒や庇の出が少ない住宅の場合には床や壁、天井が100mmGW、窓の熱伝導や換気によって室内に入る熱のおよそ4倍もあります。
日射遮蔽がなければ(あっても少なければ)冷房は主に窓とか換気から入ったエネルギーを冷やすためだけに使われることになります。
一方,窓からの日射エネルギーを80%カットできれば冷房機はとても小さくすることが可能となります。
今まで、一部屋で使っていたエアコン1台でも間取りを開放的に造ることで住宅全体を冷房することも可能です。窓からの日射エネルギーを100%カットすることは不可能ですが軒や庇は標準につけて、さらに横から差し込む西日もカットするように日射遮蔽部材を設計の段階で考えるととても効果があることがわかってきました。
※写真は日射遮蔽が不足している参考例
暖房時には、日射エネルギーや生活発熱のプラスになるエネルギーも夏にはこのプラスになる分を今度は冷やすために余計なエネルギーを使わなければなりません。
GW100mm断熱の気密住宅でも日射遮蔽ができないと冷房能力は大きくなってしまいエアコンが1台ですむとろを2台以上必要となってしまいます。
これでは無断熱で日射遮蔽した昔の住宅と変わらない夏の性能だということになります。
高気密・高断熱住宅は夏は暑いといわれる理由の一つには日射遮蔽ができていない家にあります。
夏の涼しさを確保するためには窓の日射遮蔽が非常に大きなポイントになります。
日射がいったん室内に入ってしまうと熱エネルギーは物に吸収され波長が変わり、外に逃げなくなります。
また、カーテンのように室内で日射遮蔽をすると窓の表面温度が高温になり、その輻射熱で体感温度上げてしまうことになり、窓際がムッと熱く、不快な感じがします。
できれば、日射エネルギーは窓の外で処理をしたいものです。
夏になると一般的には室内の温度より窓の表面温度は10℃以上高くなります。
そのため、涼しさは少しも感じられません。
理想は冬と同じように窓の表面温度を室内温度と同じ環境にしてやることです。
暖房の場合は日射取得はプラスに働きますが、冷房の場合は日射の侵入がマイナスになります。
その意味で、窓で日射侵入をコントロールする必要があります。
そこで次世代省エネ基準前の新省エネ基準では日射遮蔽という考え方が示され窓の日射遮蔽係数という基準が導入されました。
この日射遮蔽の基準は窓の3mm透明ガラスに入る熱を1として日射遮蔽係数が0.6以下という基準としました。数値が小さいほど日射遮蔽ができていることになるのですが南面の窓にカーテンをかけたり、庇の出を600mmくらい取れば窓になにもつけなくてもクリアしてしまい割と甘い基準に設定されました。

左図は室内で日射遮蔽をした場合の日射遮蔽率で下図は日射遮蔽を外部でした場合の日射遮蔽率です。ぺアガラスだけでも単板ガラスに比較すると下の表のように0.88と12%も日射侵入率は落ちてしまいます。
これ見ると一目瞭然です。
日除けテントなどで軒や庇の出を長く取ったり、外付けタイプのルーバーなどで太陽を遮ることが効果があることがわかります。
高気密・高断熱住宅はかなり普及してきましたが、夏の暑さを防ぐためには断熱・気密の性能を上げる前に日射遮蔽が基本とされている家づくりを目指したいものです。
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