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「エッ!気密住宅が欠陥住宅?]

2011/04/12 Tue


●これは2006/8/8に投稿したものです。
ブログの引っ越しに伴って、記事が分散してあるものを集約し読みやすいように修正編集して再投稿になっています。




自信を持って建てた気密住宅がお客様からクレームがあり

「気密住宅ではなく昔の住宅の方が良かった!」

・・・と言われたらどうしますか?

そんな事件(クレーム)のリポートです。

16zjawnja1njlfmjmxmdi4ojrm.jpg写真1:は小屋裏(屋根面)で結露とカビがびっしり
この住宅は2×4工法で床はプラスチック系断熱材、天井はセルローズファイバーの吹込み壁はプラスチック系の断熱材の外張りの複合工法になっています。

気密性能は0.5cm²/m²で断熱性能も当時の新省エネ基準をクリアする住宅です。暖房は蓄熱暖房機とFFヒータの併用、換気は第三種換気装置です。

販売に携わった工務店の友人から 「一生のお願い!」

「クレームだけど、ちょと行って診てくれないか」・・・・の電話があり調査することになりました。
(電話の説明によると雨漏りが原因でカビだらけの欠陥住宅だというのです。)

16zjawnja1njlfmtmymdm5mtfmlq.jpg
現場に着くと・・リォーム会社?の職人さんがなにやら工事をしています。

建て主さんにお話を伺うと
「雨漏りがひどく欠陥住宅だ・・・その工事をしている。」
とのお話です。

その小屋裏の状況が上の写真1です。
小屋裏に上がって職人さんに訊いてみました。

「何の工事をしているんですか?」

職人さんは「雨漏りだ!」・・と言います。(成る程雨漏りのように見えますが・・ハテ?)

天井ではこんな凄い光景を見るのはは久しぶりです。
ある意味ではやりがいのある仕事です。
(難しいものに対してはチャレンジ精神が旺盛になるから不思議です。)

実はこの建物を建てた工務店は岩手県では高気密高断熱住宅の先駆者であって人気のある工務店だったのですがで倒産してしまい、やむを得ずリフォーム会社に雨漏りの修理を依頼した経過のようでした。

さて、天井グルリと見回して写真を撮って、室内、床下、外部を見て・・本当に雨漏りかを考えます。

雨漏りにしては屋根全体が?・・・・・おかしい?





先ず残念なことは
原因を突き止めずに「だから・・気密住宅はダメ」ということでリフォーム会社の言い成りにリフォーム工事をしてしまっているということです。

事の発端は軒天と外壁の塗装の塗り替えをして1年で軒天にシミが出て、外壁の塗装も剥がれ始めたたことと、部屋中が給気口(外部から空気を取り入れるところ)からカビ臭さが強くて閉めきってしまったことから始まっていたのです。

カビ臭さに困っていたところに・・・・リフォーム会社の営業マンの訪問です。

塗装の塗り替えをした後に・・床下の湿気が問題だと法外な50万円の床下換気扇をつけさせられて
・・それでも直らないため・・
今度は室内の換気扇(第三種換気装置)がダメだから局所換気扇に交換した方がいいということでの・・・リフォーム工事のようでした。

次は・・雨漏り?と決めつけていますから屋根のトタンの貼り替えと続くような感じがします。

17zjawnja1njlfmje1mte5nddjnq.jpg写真の①第三種換気システムの吸気(排気)口で②は新たに設置された(工事中の)局所換気装置です。

施工中の現場を見ましたが気密住宅仕様ですから気密シート0.2mmが天井にきちんと施工されています。
そこに局所換気をつけるための穴を気密補修処理を行わずに無造作に開けています。(これでは今度は気密欠損による結露が発生する心配も出てきます。)



さて外部に廻って建物の不具合を調べます。

17zjawnja1njlfmjmxnzq0mjfqsq.jpg外壁も部分的にもろくなっていて割れも生じています。
軒天も全体にシミだらけです。
玄関ドアーも・・少し歪みが生じています。


17zjawnja1njlfmti0mjgynpva.jpgすでに,2箇所の局所換気工事が終了していましたが第三種換気装置の吸気口をテッシュペーパーで吸うか調べて見ました。(テッシュが吸い込まれるので十分な量が排気されていることがわかります。)

(換気風量が充分あるのにおかしい?)


もう一度小屋裏に戻って換気の本体部分と配管状態をチェックです。
セルローズファイバーが200mm程度吹き込まれているので配管状況を調べるのには難儀します。
(理由は配管がセルローズファイバーの中に潜ってしまっているのですから・・)

頭に手拭をほっかぶりして換気ダクトを一本一本接続状態をチェックするのです。

何故そんなことをするのかというと・・吸気口の吸気量はOKで汚れ状態から見て確実に排気されているのに相対湿度が高すぎるのはおかしいからです。

床下の湿気も考えましたが気密性の高い住宅ですから別な原因によるものだと推測されるからです。

「エッ!」「アッ!」

という表現しかないのですが根本的な原因が見つかったのです。

それは・・なんと
換気本体から集中して排気されるダクトがベンチキャップから外れているのです。

セルローズファイバーの中に潜っていますから目視では見つかる筈はありません。

17zjawnja1njlfmti0odc2blm.jpg左の太いダクトが排気で引っぱったら手元までスルスルと来てしまいました。右側の細いダクトはリフォーム会社の職人さんが局所にするため配管した状態。

職人さんも一緒でしたからそのことを話すと「どうせ局所換気にするのだから、その換気装置は止めてしまうからいいべ!」という返事です。

色々「あーだこーだ」と話し合ったのですが、上司から指示されたことだけやって帰るといった雰囲気なのです。
(バカたれ・・・と心の中で思ってしまいました。)
とにかく・・第一の原因はわかりました。

それで室内の汚れた空気とお風呂、トイレから発生する水蒸気は天井裏で排出、軒天とセルローズファイバーの中で吐き出して徐々に湿気を帯びさせて天井裏で悪さをしていたのです。

小屋裏の相対湿度が高い理由はわかったが
それが・・どうして室内の湿度を高くするのか?????




雨漏り?(結露)の発生原因は換気のダクトが外れているためでしたが・・

その室内から排出された空気と水蒸気は小屋裏で充満し屋根の垂木、野地合板に表面結露として現われ、セルローズファイバーの上に雨漏りのようにポタポタ滴り落ちていたと考えられます。

一般的に天井断熱の場合の小屋裏は外気に近い温湿度と考えます。そのため妻側に換気ガラリを設けて通風させるか、あるい小屋裏空気を外部に放出させるたがめ棟換気を設ける方法がとられます。

しかしこの現場では
屋根は寄せ棟ですから妻換気はつけることができません。
そうすると棟換気があれば例え小屋裏に室内の温湿度が入り込んでも写真のような現象は起こり得ないのです。

が・・・現実に起こっています。


18zjawnja1njlfmtq3ndi2nj7x.jpgそこで外部に出て屋根の棟をチェックすると
[アリャー!?」
棟換気が見当たりません。






ここで第2の原因が掴むことができました。

18zjawnja1njlfmjmyndq5nzbxwa_20110413003308.jpg
その結果が写真1です。
矢印(→)垂木の両サイドの部分が最もひどく濡れています。

この理由は次のように考えられると思います。
屋根を葺く場合は垂木を野地合板の下地とするため、
その部分が野地合板のジョイントとなります。

そして
その上にアスファルトルーフィングを敷きこみ、屋根トタンを葺きます。
しかしそのジョイントは多少なりとも隙間が生じます。
(この部分は一般的にはテープ処理はしないものです。)

そのためその部分は断熱性能が少し劣る理屈です。
想像の域ですが20℃前後の温度で相対湿度が80%くらいの温湿度は夜に温度が降下したとき隙間のアスファルトルーフィングの内側に結露が発生し、結露水として隙間に溜まり、滲み出た状態と思われるのです。

※ある地点で結露が発生すると、最初の発生点を中心に広がっていきます。

その理由とは・・・?

①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇することになります。
熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうことになるのです。
そのため露点温度がより低くなって、ますます結露の発生が増大する経過をたどってしまうのです。

②また、表面結露が発生すると、小屋裏の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少してしまう。
そのため、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。

ちなみに

内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気は水になってしまうので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大する。
従って一度結露が発生すると、自然に増大してしまう現象が起こるのです。

●小屋裏の雨漏り(結露)?は
このような理屈で発生したのではないかと推測されます。

しかし、ここで残念なのは気密断熱工事ではきちんと施工されているのに小屋裏を換気をする方法がとられていないことです。





これで小屋裏で結露が発生する原因を突き止めました。

この写真の

20zjawnja1njlfmtmymjaxn5k9.jpg丸印の部分は有孔ボードの代わりに使う軒天ガラリ(参考です。)です。
軒天の周囲にグルリと設置します。
こうすることで有孔ボードよりはるかに通気性が良いのです。

しかし、この現場ではこれだけでは解決しません。
これにプラスして棟換気を設置します。

棟及び垂木の両サイドを中心にして結露が発生し、その結露水がさらにその表面温度を降下させて「結露は結露を呼ぶ!」現象を起こさせていました。

小屋裏の湿気はさらに軒天の中まで悪さをし始めます。

写真のように
一般的に軒天が施工される方法としては小屋裏の通風を考えて有孔ボードと無孔ボードを交互に貼る貼る施行がされています。有孔ボードは穴が開いている割合にしては無いよりは増しといった通気性しかないため様々な不具合が生じます。屋根と軒天の(断面で見た場合)三角形の部分も垂木が通っているため、その垂木の両サイドで小屋裏の同じ現象が起こります。

特に小屋裏の場合は天井にセルローズファイバーがあるため、主に天井の垂木に結露が起こるのに対して、軒天の場合は薄い断熱性の低いボードのため外気の温度にすぐ反応します。

そのため軒天のボードを結露水で濡らし始める仕組みになってしまいます。
さらにその結露水が外壁の通気層を流れ落ち、氷点下の温度の時には凍り、暖かい日中などは融ける、また凍る繰り返しをして外壁にも悪影響を与える仕組みにもなってしまったったのだと推測されます。

それが外壁のモロモロの柔らかさと、塗装の剥がれに繋がっています。

さらに通気層の中でカビが発生して・・・その匂いを入れないため吸気口(パッコン)を閉じてしまう。

●そのため新鮮な空気は入らず、天井裏で換気ダクトの外れで建物内で湿気は排出されることなく、貯めてしまう現象・・・これが今回の仕組みであることが推測できたと思っています。

20zjawnja1njlfmjmymzmzmzpp.jpgこの写真の丸印の部分は有孔ボードの代わりに使う軒天ガラリです。軒天周囲にグルリと設置します。
こうすることで有孔ボードよりはるかに通気性が良いのです。

しかしこの現場ではこれだけでは解決しません。
これにプラスして棟換気を設置します。
しかし、またこの施行方法にする前に10日くらいは軒天は貼らずにオープンにしてできるだけ小屋裏の湿気を排出させるようにします。

もし、これが不可能であれば小屋裏の棟の付近に中間ダクトファンを一時的に2台くらいつけて強制的に棟から排出させます。

●外壁については既存の外壁を撤去して、カビ処理を行い、新たに外壁を設置する必要がります。この段階で平行して局所換気は止めて、現在まで設置されていた第三種換気装置を復活させます。

●雨漏りだとリフォーム会社では言いますが

この結露改善方法を行っても小屋裏の屋根面が濡れるようであれば、雨漏りの対策を考えても遅くはない。
さらにコストの面から考えるとこの方法(順序)が良いのではないかと考えています。
また
建て主様にも気密住宅と昔の住宅の違いをよく説明する必要があります。

20zjawnja1njlfmjq3njmza14.jpg
写真のように洗濯物を干すベランダがあるにもかかわらず昔スタイルで室内(ここでは吹きぬけの階段室)に干すのが日課なのそうで、できるだけ止めてもらわなければなりません。

今回の悲劇は建てる側の無知な施行方法と換気ダクトが外れたことと、無知なリフォーム会社によってさらに悪化させる施行にされてしまっていることと、建て主様の気密住宅に対する認識が薄かったことが重なり合って起きたクレーム?でした。


「気密住宅より昔の住宅の方がいい」・・・・筈がありません。

健康で快適で省エネになる住宅は気密住宅です。

(私だけでしょうか?)

20数年の実績と経験の結果そう思います。

で!!・・・結論はどうなったか?・・・って

残念ながら
リフォーム会社の施工方法でどんどん進み、(大金を払い)
屋根も葺き替えし、外壁も再塗装をし、外観が奇麗になったものの
住環境は以前と同じなのです。

だから 「気密住宅より昔の住宅の方がいい」 
・・と建て主様の声です。



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(設計事務所:高性能住宅専門)
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