寝前の夜11時に近所の一人暮らしのおばーちゃんから緊急の電話が入りました。
「夜遅くてすみません。町内会の○○副会長から紹介いただき電話をいたしました。」「どうしました?」「和室の天井から水がどんどん流れ落ちています。深夜で本当にすみませんが見てもらいたいのですが?」・・・という電話です。日中であれば、おばーちゃんの家を建てた施工業者にお願いすればいいのですが、何しろ深夜の11時では業者には連絡は取れません。そこで町内会の副会長にお願いして・・・私に依頼をしたというのが・経過のようです。

おばーちゃんの家とは車で3分程の距離にあります。外張り工法で建てられた築13年の高断熱・高気密住宅(?)です。おばーちゃんの家に着いて、すぐ和室を見せてもらうとなんと天井から柱を伝って水が滴り落ちています。
擬音で表現すると滴り落ちているというより「トク、トク」といった・・・水がどんどんと天井から柱を伝ってどんどんと流れ落ちているのです。(とんでもない量です。)雨漏りにしては多すぎる量です。ここ二三日は雪は少し降ったものの雨は降っていません。また和室の上(二階)はトイレとかキッチンとかの水回りはありませんので不思議です。
しかし、2階に上がって和室の天井に当たるる箇所を見てわかりました。
なんと、バルコニーになっていて(上の写真)FRP防水で造られたバルコニーが水で満杯なプールになっているのです。また昨日と今日は氷点下まで気温が下がったため表面が薄く氷が張っています。
※写真のバルコニーは翌日に溜まった雨水を処理(排水処理を)後の様子を映しています。そうです。!!
雨漏りの原因はバルコニーに溜まった雨水が壁内に侵入したからなのです。

雨水がベランダに溜まった原因は秋の「シーズンに落ち葉が排水皿を塞ぎ、少しづつ雨がバルコニーに水を溜めて、左写真のテラス戸の下枠まで溜まったところで、
→の箇所(隙間がある。)から雨水が侵入したことが原因だったのです。
FRPは防水としてはとても優れた防水材ですが、意外と写真のようなテラス戸の下端は高さが100mm~150mm程度と低いため、施工しづらく サッシとFRP防止のジョイントの防水処理は雑になりがちです。そのため、きちんと目視でジョイント部が隙間なく防水処理がされているか確認することが大 事です。
ところで、このようにバルコニーから雨水が侵入したとしても通気層工法であることと、外張り工法であることで漏水は通気層を通り水切りの下端から流れ出るので和室には漏水はしない筈なのですが・・・・・。
関連記事:通気層には4つの機能がある!?⇒
http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-136.htmlしかし、漏水してしまった原因は他にもありそうです。
そのもう一つの原因は次のようではないかと想像することができます。
一般的に外張り工法の気密処理は外部側からジョイント部分を気密テープで張り処理をしています。しかしこの外部からの気密テープだけの気密処理は不完全な施工が多いのです。
関連記事:
外断熱工法の開口部の気密の取り方 外断熱工法の外張りボードの気密の取り方そのため、気密テープの接着の甘さから、部分的に剥がれ、その部分から・・・サッシとバルコニーの隙間から侵入してきた雨水が入り込み、室内に漏水したと思われます。
今回は外張り断熱のジョイント気密テープの施工確認と補修はバルコニーを解体する大掛かりな施工となってしまうので、バルコニーとサッシの下端の防水処理で終了としました。
最近の住宅は通気層工法を取り入れているために、外壁で雨水の侵入を防止し、さらに断熱材の外側でタイベックなどの透湿防水シートで雨水の侵入を防 止する二重構造の役割を持っているので、雨漏りの原因のチェックには外壁側と透湿防水シートの最低でも二か所は必要となります。
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