スケルトン・インフィルの高性能住宅
スケルトン・インフィルのスケルトンとは骨組み指し、インフィルとは内装や住宅設備を指します。骨組みは丈夫で長持ち、内装(間仕切り)や住宅設備は住む人の住み方などによって容易に変更できることがメリットです。この考え方で建てられた住宅をスケルトン・インフィル=SI住宅と呼んでいます。
今日はそのスケルトン・インフィルの考え方で建てられた高性能住宅N邸の2年後のレポです。
このN邸の大きな特徴はタイトルの通り骨組みがが90%以上見える家です。勿論、高性能な断熱、気密性能はバッチリの次世代省エネ基準Ⅱ地域を楽々クリアする住宅です。このN邸は内装が殆んどないフリープランの家に作られていますが基本の構造部分と断熱、気密、換気、暖房はしっかり計画、施工されています。
室内から見える部分は数箇所を除き殆んど構造材であり下地材が仕上げ材としている所に特徴があります。
RC構造の場合はコンクリート打ちっぱなしという工法がありますが木軸構法の場合は構造材表し工法?になります。窓廻りの額縁(内部側の木の四方枠)もありませんし、1〜2Fの天井もないのです。つまり、2Fの床の下面は、1Fの天井になります。)唯一、仕上げしている場所は和室の壁(天井は仕上げなし)、キッチンの壁とユニットバスだけでしょうか。欠点は音が反響することですがこのN邸は了解して施工になっています。

写真1:(Nさんの奥様のご感想)碍子(がいし)の電気配線昭和初期以前の建物に見られる碍子を使った電気配線。
これをピーンと張れる職人さんも今は数少ないそうです。
赤い線と白い陶器の碍子が、見るたびにとても懐かしく、暖かい気持ちなります。(飾り物ではなく、本当に電気が通っています。)その他の換気の配管、暖房配管、給排水の配管もも全て露出になっています。

写真2;
(奥様のご感想)広い玄関土間正面の木製玄関ドアはスェーデン製のスェーデンのスウェドア、以前住んでいた貸家の玄関は、座布団1枚分の広さでした。その反動なのか、開放的な広々とした玄関(土間)がほしいと思っていました。
車庫に場所をとられた分、必然的に広さが決まって丁度よかったです。
また、土間の下に温水を回しているので、雨や雪に濡れた靴もすぐに乾いてとても便利です。

写真3:子供部屋
外壁と間仕切壁の間柱間は一般的な石膏ボードを打ちつけていないため奥行105mm×幅455mm×高さ・・にコの字に隙間ができます。そこに、お父さんが自由に(必要な位置に)棚をたくさん作ってあげています。
取り外しが簡単にできて、小物好きな子供さんにとっては、とても嬉しいことです。

●このN邸はお邪魔するたびに中が変化しています。
四季折々に着るものを替えるように住宅も時代によって変化させることは楽しいのではないでしょうか?
何よりも、お父さんが日曜大工で内作ができることがランニングコストでは嬉しいことです。
「ダダダダ!・・・格好いいども、これじゃこの家寒いべ!」
「エッ!!今、寒いですか?」 「ん!!今日はあったげ〜からな?」
「雪が降ってれば、これは寒いべ!」
この会話は2年前の展示会で50才代男性の方が屋根を見ての第一声です。

それでも家の中は22.4℃と外との温度差は16℃もあります。これだけの温度差があれば、暖かい、寒いの感覚は肌で感じると思うのですが、何故寒いと感じたのかを伺うと。

すると・・・・・「断熱材が一つも入っていねべ!」というご返事です。
「いえ!」「外断熱なので断熱材が見えないんです。」
「ホントが〜?」
「ハイ、暖かさを証明する写真(熱画像)があります。」

トップライトのガラス面の表面温度は屋根面に比較して低いことがわかります。
周囲のオレンジ色は断熱材がある部分22℃を示しています。
外断熱の恩恵で断熱欠損が小さく熱画像では見られません。
この表面の22℃の輻射熱があって・・・暖かさが感じられるのです。
「フーン・・・・・・・・。」と無言でしたが・・アンケートにはもう少し詳しく聞きたいとの回答でした。(参考にしていただいていい家を建ててもらえれば・・と願うばかりです。)
ところで、その他にご夫婦で気に入った所は和室の「和紙でなごむ部屋」だとか、以下は奥様の声
「2階の和室には東山和紙を使っています。障子は年数とともに色あせて張り替えしたくなりますが、和紙はその色の変化に味があり、質感も色々あって楽しいです。電灯の笠も和紙なので透かした灯りは優しい感じがします。
壁は珪藻土を使っていますので部屋が呼吸しているような、とてもくつろげる場所になりました。その他トイレの床には竹のフロアにしていただいたこと。とても掃除がしやすく、汚れにくく、スッキリした色で見た目も木の色調に合ってとても気に入っています。
スケルトン・インフィル住宅は一般の高性能住宅に比べると建築コストを大幅に低減できますが断熱性では次世代省エネ基準クラスまで、Q1住宅クラス以上になると充填断熱あるいは加断熱工法にする必要があるため、スケルトン・インフィル住宅にすることは難しくなります。
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