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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

換気システムのメンテナンス

年末の大掃除にはレンジフードは忘れないで掃除をしますすが、忘れがちな換気システムの掃除は終わりましたか?掃除をしないと耐久性が2倍も悪くなります。

5-2-3-1.jpg●写真1:は
10年間掃除をしていない第三種換気装置の本体(輸入品)

高性能住宅に欠かせないものといえば換気システムではないでしょうか?
(最近の新築住宅では高性能住宅でなくても計画換気は義務化になりましたので必ずついています。))

とろで、この換気装置はどのくらいの耐久性があるのでしょうか?

明確なデーターは他の住宅部品同様差がありますがON/OFFがないもので電気的に負荷がかからないので最低でも10年〜15年は持つようです。
(実例としては輸入品の換気システムはでは28年経っても正常に稼動している例もあります。
一方、10年経たないでモーターに焼付けを起こして交換という場合もあります。)

写真のように羽根の部分、周囲のboxの部分に埃が溜まり、排気のパワーを減少させます。最低1年に1回は掃除する必要があります。
焼付けを起こす場合は、モーター部分だけでなく、吸気口の目詰まりによる負荷と排気側の外部フードの目詰まりがあり負荷のかかりすぎによるものです。

この吸気口は最低でも1ヶ月に一度は掃除したいものです。
また給気口は新鮮な外気を取り入れるところですから3ヶ月に1回は掃除したいものです。
また、外部排気口はステンレス網がついていないか?チェックが必要です。ついていればステンレス網は外しましょう。

5-2-3-2.jpg●写真2:は
8年間掃除していなかった熱交換換気システムの本体(国産品)

高性能住宅で多く使われる換気方法のもう一つがこのシステムで吸気、排気をともにファンの力を使います。
主に国産の場合はモーターの場合は設計時間で3万時間、24時間換気で換算すると約3年半ということになりますが、この写真のように8年経っても持っている例もあります。
設置条件と使い方によって耐用年数も変わるので、単純に何年といえません。

●メンテナンスのし易さだけを比べると第三種換気システムの方に軍配が上がりますが,
いづれにしてもメンテナンス(掃除)をこまめにすると長持ちします。


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外断熱で気密が出ない理由

在来木造住宅の外断熱工法を採用しているが
気密性能が1.0cm2/m2以下にならないのはどうしてでしょうか?
と大工さんに聞かれることがあります。

ツーバイフォー工法や新在来木造構法で施工している仲間の大工はきちんと高い気密を出しているのに外断熱だから気密には簡単に有利な工法なはず・・・というのです。

どこに問題があるのか知りたい・・・という質問です。

266zgmwnje5mtgcfg.jpg軸組み工法の軸間断熱工法に対し、外張り断熱工法は、気密施工はしやすいはずと、ほとんどの人が考えていますが、実際は必ずしもそうとは限らないのです。

それは外張り断熱に限らず、気密にする仕組みが基本的にできていないからです。


強いてあげると、ツーバイフォー工法が、気密にする仕組みがよく、性能が出しやすいといえます。

木造軸組みから外側から板状の断熱材を張る気密シートを使わない工法の時代には隙間相当面積は3〜5cm2/m2位の性能値でした。
それが防湿気密シートを張ることで1〜2cm2/m2のランクに性能が出てきます。
さらに、防湿気密シートのジョイント部分にテープ処理をする大工さんの場合は0.5cm2/m2前後に気密性能をコンスタントに出しています。
在来工法の外張り断熱の場合は先張りシートが奇麗に連続して施工されていれば気密性能は軽く1.0cm2/m2うぃ切ります。

dc122702.jpgほとんどの現場は、防湿シートが不連続だったり、破けていたり、テープを使っていない施工ミスがあるため性能が出ないのです。
基礎断熱工法や屋根断熱工法を採用すると0.5cm2/m2位の性能まで達成可能です。

ただし、木下地のあるところで防湿シートがボーでで抑えられていることです。
外断熱工法は、多くの場合、防湿シートの規格サイズに神経を使ってなく、板状断熱材と防湿シートが単独で気密性能を保っていることです。

ですから、シートと断熱材を一体にすると、高い性能が得られ、さらにテープも使うと一気に向上します。

防湿シートの貼り継ぐ部分に木下地を作るか、一階毎に張れる3mの防湿シートを一気に張ることで0,5cm2/m2まで向上します。
さらに、一度合板を張ってから、防湿シートを施工すると非常に高い気密性能を出すことができます。ツーバイフォー工法の外断熱が特別なことをしなくても高い気密性能が出るのはこのためです。要は、気密性能が出やすい構造(下地処理)にすることが一番のポイントです。
私の外張り工法の場合のお薦めの施工方法は防湿シートを使わないで、板状の断熱材に防湿シート(アルミの蒸着された断熱材)が貼られらた物を使って、施工手間を省きながら気密性能を上げるように工夫をしています。


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断熱・気密性能に万能な工法はない。

最近、高性能住宅を建てたい予定の方から
「○○工法は○○断熱だから気密性に間違いない工法ではないでしょうか?」という相談がよくあります。

そこで私の回答は
組写真「○○断熱だから気密は確実に取れるとは限りませんよ!」と答えています。
断熱工法には大きく分けて軸間に繊維系断熱材を充填する充填断熱(内断熱)と軸間の外側からプラスチック系断熱材を外張りする外張り断熱(外断熱)と軸間にウレタン現場発泡(硬質、軟質ウレタン)を充填する充填断熱(内断熱)に分けられています。
一般的に外張り断熱とウレタンの充填断熱は繊維系の充填断熱に比べて気密施工が楽で性能がでやすいと言われます。
↑↑外張り工法↑↑

一方、軸間に充填する断熱工法は断熱材のコストが安く、空いている柱間に断熱材を充填するのだから合理的とも言われます。

kk組写真しかし、いずれの工法にも一長一短がありどちらも万能ではありません。だからこそ、変形した様々な断熱工法がたくさんありますが気密性能値に関しては、気密化手法がいろいろと開発された現在は工法によって差はないと考えてよいと思います。

それでは何がいいのか?ですが
軸間断熱の充填工法でも隙間相当面積(C値)は1cm2/m2を軽く切り、0.2cm2/m2前後は切る住宅は実際に数多く建てられています。
↑↑GW充填工法↑↑

kkkk組写真その違いはその気密性能を出すために、どのくらいの腕がある職人がどれだけ手間をかけているか、断熱・気密施工を担当するのが大工さんか、専門業者の職人さんかという点の違いでも大きく性能に左右しているのです。

どの工法を採用するかというよりは、施工する職人さんを誰にするか?で決まってくるのです。



↑↑ウレタン吹き付け工法↑↑

そのため、要はそれぞれの会社工法の特徴を充分に検討し、長所を生かし、短所をカバーできるパートナー選びができるかにかかります。地域性をはじめ、必要な断熱材の厚さ、気密施工棟数や大工さんの人数、腕のバラツキ、気密測定は全棟おこなっているか?営業手法などそれぞれの会社の経営資源をじっくり検討することが必要です。
決して工法の謳い文句だけに惑わされていけません。

注意:数多くの気密住宅に係わってきた経験から言えば、充填断熱でも外張り断熱でもパネル工法でも気密性能がとても高い高気密住宅もあります、一方、低気密住宅も数えきれないほど多くあるのも事実です。

工法だけでは高い気密性能を確保した住宅はできないのです。
住宅を造る人は職人さんです!!


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冬場の室内乾燥問題 の対策

冬場に換気を十分取ると、室内が乾燥して喉を痛めるという話を聞きます。
「昔の家はこんなことがなかった!」と言われることがあります。

昔の家はは断熱も気密も換気も意識せずに作られて、ストーブの上にヤカンを置いて湯気を出していた頃は喉には適度な湿気あって良かったのです。

最近の住宅は、湿度計では冬場には35%前後の相対湿度を指します。
私たちが昔から聞いている「快適な温度は40〜60%」という物差しからは大きく外れています。
そこでその解消方法として
①観葉植物を沢山置いて、その水やりの湿気を利用する方法。
(これには生活主体となるリビングなどに観葉植物を置く。別室にまたグリーンエリアを作り、鉢物や観葉植物などを置きその部屋から湿気の多い空気を取り入れる方法)

②洗濯物を室内に干す方法。
シーツとか毛布のように表面積がおおきいものが加湿に有利です。

③風呂の湯を流さないで、扉を開けておく方法。
などがありますがあまり湿度を高くして結露を起こすと、カビやダニが発生して、逆に健康上の問題になることが考えられます。
③の風呂の湯を利用する方法は、さほど体感的にまた湿度計でも大きな変化はありません。
(やらないよりはやったほうがいいかも程度です。)

組写真mm高断熱・高気密・計画換気・全室暖房がうまくいっている家では冬場で23℃で35%前後を指す時があります。湿度が35%というと、すごく乾燥しているように感じますが、生活して慣れてくると以外にも乾燥感を感じなくなります。

それは室内に隙間風や強制的な温風がないために、空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることがないためのようです。ホテルのように静電気が起きるほど乾燥する話も聞きません。湿度35%前後という数字を気にするよりは、感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。

快適な湿度は40〜60%という説も必ずこのぞゾーンでなければならないという意味ではなくて35%前後でもさほど健康には問題はないのです。また、市販の湿度計は≒10%くらい狂いやすい計器ですから、湿度計の数字はあまり当てにならないということも言えます。



ところで、30%の湿度でも健康上さして問題にならないのではないか?と言いました。
そうは言っても粘膜アレルギーのように乾燥に敏感な方には、やはり何らかの加湿を考えなければなりません。その場合には加湿器のようなもので水を霧状に変えて発生させるのは菌の繁殖などの問題が生じあまり好ましくありません。

鉢ものや洗濯物などからの自然の放湿を蓄えられる調湿性のある仕上げ材を使うのが好ましいと考えられます。この点で珪藻土などは優れた機能性建材となのですが私は少し疑問に思っています。(使わないよりは使った方がいいかな~って感じです。)
(我が家でもけっこう広い面積で珪藻土を使って実験しましたが、体感的に調湿の効果はあるのかは疑問です。例えば梅雨時のジメジメした外気を取り入れるとある程度の湿気は吸収されるようですが塗り厚が10mm~20mm程度ではさほど体感的に感ずるものが少ないのです。また逆に乾燥時期に湿気が欲しい時も期待されるほど体感的湿度が上がるといったこともありません。

昔の土蔵のように200mmとか300mm以上であれば湿気も十分含むことができ、吸湿、放湿することが体感的にわかるのかもしれません。室内の空気を強制的に1時間に1/2回入れ換えている訳ですから余程保湿能力のある厚さでなければ間に合うわけがないのだと思われます。)

それではその他に何か対策はあるのでしょうか?
最も効果があり省エネ対策としての過乾燥対策は室温を下げて湿度を上げる方法です。湿度を様々な方法で上げるのではなくて、室温を下げることで乾燥感をなくすることを考えましょう。

乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも寝ている時ですから夜間は室温設定を低くすることで乾燥感を体感的にかなり解消できます。例えば、23℃/30%の空気が18℃まで温度を下げると、湿度は40%まで上がります。
また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られます。

低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を個別に温度調節ができる輻射と自然対流中心の暖房にするほか、何といっても窓の断熱性能を上げることです。

最近は断熱性能の高いアルゴンガス入りLOW-Eペアガラス、トリプルガラスが販売されています。
これを使うと100mm厚以上の木材とほぼ同じくらいの断熱性がありますので周辺部や空気溜まりが発生するケース以外はほとんど結露は起きません。低温でも快適に生活できるので過乾燥対策をしながら省エネにもなるので家計も大いに助かります。


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換気による空気の質

室内の空気を綺麗にすることが換気の大きな役目ですが引き渡しされた住宅に設置された換気の実測換気量を提示されることはほとんどありません。

換気設計をする設計士さんも換気を取り付けする業者さんも設置した換気の換気量を実測することはほとんどないのが実情です。提示の要求をすると住宅の全体の設計上の換気量の計算値を表示するだけです。

実際の換気量や各部位の換気量は必ず提示してもらいたいものです。

(かといって、きちんと設計上の換気量を実測をする設計士、施工業者さんも少なからずいることも知っていただきたいと思います。裏を返せば・・・こういう設計士、施工業者さんに新築、リフォームを任せることができる目安になるのではないでしょうか?)

727zgmwmji0mteoj0oqrjephzu.jpg空気の質は敏感な人なら完成時の匂いで判断できます。現在はシックハウス対策で新建材も比較的に安心できる建材が使用されるようになりましたが、換気システムが作動していても、あまり敏感でない人も新建材の匂いを感じたり、違和感を感じることがあります。
これは換気システムが効果的に働いていないことが原因です。
反対に換気システムが設計上の換気量が実測の換気量と合っている住宅の場合には・・空気はとても新鮮で美味しいという感じがあります。(例えば室内犬がいても換気システムがうまく働いている住宅はペットの匂いは気にならないものです。)

空気が綺麗にならない理由は、気密性が低い、内外差圧がない、換気量が少ない、換気設計が不良、換気のフィルター詰まり、換気のダクトの外れ、気密性能の低下などが上げられます。

dc120502 - コピー気密性能が悪い住宅でも生活臭がすることあります。
これは換気効率が悪いためです。
自然換気回数が3.0回/hの住宅でもペットの匂いや仏壇の線香の匂いがしみついていることがあります。

一方、気密性は高い住宅で換気回数が0.4回/hと換気量が少なめであっても、まったく匂いがしない住宅があります。空気の質は換気量には比例しないのです。
空気の質の良さは気密性能を高めることで換気効率がよくなり、空気の質を高めることができるのです。

換気が悪い時の現象は①新築時の匂いがする。②匂いがこもっている。③陽が室内に差し込んだ時に細かな粉塵が光の加減で見える。④窓に結露が見られる。などの現象が確認されます。

新築、リフォームをする場合は
空気の質にこだわる設計士、施工業者に、そして換気量を実測する設計士、施工業者依頼しましょう!



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サッシが凍る?のは何故?(2)

夜から朝方にかけて外気温が降下環境になると連動してKさんの室温も降下、特に断熱性能が低いアルミサッシ、単板ガラスの表面が露点温度に達してしまい結露の発生してしまうというメカニズムになっているようです。

20080208-9-1.jpg前回の記事は
サッシが凍る?のは何故?でした。

そのメカニズムをもう少しつっこんで何故結露するのか?考えてみます。
生活上(人体からの発熱と調理、お風呂等)で発生した水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い非暖房室では含むことができないためいち早く露点温度に達してしまいます。そこで発生した最初の結露は最初の発生した地点を中心に広がっていく性質があります。

その理由は?

①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇してしまいます。熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうのです。そのため露点温度がさらに低くなり、ますます結露の発生を助長させる経過をたどります。

②また、表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。

ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気 は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大するのです。
しがって、困ったことに一度結露が発生してしまうと住まい方とか結露の原因を取り除かないと自然に結露は増大してしまいます。

それでは
■もう少し結露発生の性質を知った上で解決策考えてみることにします。
1・結露は最初に部屋の隅と窓ガラスで発生します。
部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内温度はの対流によって天井面は床面より高いのですが窓ガラスの表面及びアルミサッシ枠は最も低いので表面結露は最初にここから始まります。

部屋の隅の場合は空気のよどみができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなります。さらに隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため隅部での表面温度は他より3℃前後低くなるので部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く内部結露が発生しやすくなるのです。

2・夜間、暖房が止まってから結露する

暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しません。住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20〜25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。間欠暖房でFFヒーター以外の開放型のファンヒーターとか反射式ストーブとかガスストーブを使い、夜は暖房を止める生活をしている場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要があります。しかし、排出した量だけ温度が低い外気が入ってくることになり小さな温度降下でも露点温度に達してしまい結露は防げません。

3・冬の空気を取り入れる場合。
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。絶対湿度でいうと、北国では2g/m3前後、本州では4g/m3前後あるようですが、この空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となります。例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になります。したがって、の外気を積極的に取り入れる場合には、外気を暖房で温めることで露点温度を上げることで結露防止に非常に効果があります。

4・水蒸気は建物内に分散される。

建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散されます。
炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向って拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mm(100m先の米粒を見るくらいの大きさ)と極微小粒子と言われ、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまいます。

そのため、できるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切となります。



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サッシが凍る?のは何故?

ここ最近「無料相談コーナー」に2名の方からサッシの結露のついてのご質問がありましたので、旧ブログに似たような記事を投稿してありますので、転写して回答とさせていただきます。
以下は旧ブログの投稿記事です。

「質問」
サッシが凍る?
我が家の二階、滑り出し窓(60cm角くらい)が2個並んでおります。この窓のアルミサッシ部分が他の窓が結露しなくても結露します。それが今朝は凍っていました。結露した水滴が凍ったのはわかるのですが、何故この窓は結露するのか?私たちは夫婦二人暮らしです。私の部屋なのですが実際ほとんど使いません。エアコンもかけません。ただ日当たりが非常に良いので日中に部屋が暖まり、その後の夜中の冷たい外気が影響するのでしょうか?

「回答」
写真はプラスチックサッシの枠とLOW−Eガラスの表面に結露が発生している場面を表面温度計と露点温度計で測定しているところです。
「エッ!プラスチックサッシが結露するの!?」
「LOW−Eガラスが結露するの!?」とご質問を受けそうです。

Kさんのご質問はアルミサッシの結露ですがアルミより断熱性能がいいプラスチックサッシでも発生条件が揃えば結露するのです。

それでは何故結露するのでしょうか?
考えてみましょう!!

20080121_5_1.jpgその前に写真の説明です。
プラスチック枠の表面温度は-2℃を表示しています。
右の温度計は露点温度計ですが室内温度が11.9℃相対湿度は36.7%の表示の時の露点温度(結露の発生が始まる温度)は-2.5℃を表示しています。つまり、プラスチック枠とガラスの表面の下端の表面温度は室内の温度が-2.5℃になると結露が出ますよ!というお知らせを表示しています。
-2℃の測定した時間は朝の8時30分頃ですがその前にプラスチック枠とガラス面の温度が-2.5℃に降下して露点温度に達し結露として現れたのということになります。

通常の生活ではありえない寒い温熱環境ですが「これはどんな環境なの?」問われそうですが、実はこれ!現在高性能住宅を新築中の現場なのです。

玄関も窓もついているが換気はなし(かろうじて5個の吸気口(スリーブ)+暖房、給湯機、換気(排気)のスリーブがあって昔の住宅のように換気は風任せ、温度任せの環境になっています。
断熱は次世代省エネ基準Ⅰ地域仕様で作られていても、もちろん未完成ですから暖房も機械換気はなしです。
建物内の温かさは暖房はなくとも建物内で働いている人と投光器から発熱するくものと日中の太陽の日差しが入っている熱くらいでしょうか。

いくら、断熱性能の高い断熱材、サッシを使っても室温が低下したことで露点温度に達してしまうと結露が発生するのです。
そんな実例をあげてみました。

さて、Kさんのご質問のアルミサッシの結露の原因も同じく露点温度に達したため結露が発生したことになります。それでは何故露点温度に達するのか考えてみましょう?

窓ガラスで単板ガラスの場合は室内側の表面温度は断熱材を入れない外壁面と比べても単板ガラスの方が極端に低くなります。そのため室内側の表面温度が低すぎて、いち早く結露が現れてしまうのです。ガラスは熱伝導率が大きいので、3mmでも5mmでも8mmの厚さであっても、その厚さで結露が発生する変化(有無)は関係がありません。
さらに、ガラスの表面温度が低いと、それに触れている空気が冷やされて密度が大きくなり、コールドドラフトが促進されると同時に、ガラスに触れている空気温度が他の空気より低くなるため、当然ながらガラスの表面温度がより降下することで結露が促進されることになります。

アルミサッシの枠の部分は熱橋となり、この部分もガラス同様に極端に温度が低くなります。
20080121_5_2.jpg左の表のように木及びプラスチックの熱伝導率はアルミや鉄に比べて熱を通しにくいので、室内表面が極端な低温にならないがアルミはプラスチックよりおよそ120倍の熱を通す材料なので強い冷熱橋になってしまいます。

ガラスは結露に対してはペアガラスが非常に有利。ペアガラス内の密閉空気層の熱抵抗で、およそ6℃くらい表面温度を上げることができます。

例えば、室温が20℃、外気温が0℃の場合の単板ガラスの表面温度は7℃くらですが室内の空気の相対湿度が43%になると結露が発生してしまうことになります。一方、ペアガラスの場合は64%にならないと結露は発生しないのです。また、二重サッシも室内側のガラスの表面はガラス同士の隙間に生じる空気層で断熱されて温度が上昇します。そのためぺアガラスと似た感じになるのですが密閉空気層でないために室内の水蒸気がこの層に入り込み外部側のガラス面の結露は防ぐことは難しいのです。

窓改修する場合はプラスチックのぺアガラスにするか大信工業のプラストサッシのような室内の水蒸気が入らない気密性の高いプラスチックサッシを設けることが改善に繋がるようですがプラストサッシの場合でも開け閉てするのでやはり室内の水蒸気が空気層に入り外部側に結露することを免れません。

実例としてプラスチックサッシのLOW−Eガラスでも窓枠にもガラスにも露点温度に達すれば表面結露が発生することを実例として挙げ説明いたしました。

20080128_3_1.jpgまた、アルミサッシも単板ガラスは室内側の表面温度が低すぎていち早く結露が現れてしまうことも説明いたしました。したがって、逆を考えれば表面温度を上げることで解決することになります。ご質問の内容から判断するとその部屋の室温を上げるのは日中の太陽の日差しだけのようです。つまり非暖房室になっているところに問題がありそうです。
それでは何故?非暖房室は問題なのでしょうか?

それは、熱と水蒸気は均等になろうとして同じ方向に流れるからなのです。冬の暖房時には室温が外気に比べて非常に高く、熱は常に外に向かって流れることになります。しかし、この室内の空気に含まれる水蒸気は、相対湿度は外気の相対湿度より低くても、絶対湿度が高いので室内側の水蒸気圧が高いため低い外に向かって流れることになります。一般に冬の生活からみると、人体からの発熱と調理、お風呂、照明等の発熱と水蒸気の発生で室内の絶対湿度は暖房している部屋で10g/m3前後あります。一方、非暖防室の場合は7g/m3前後で暖防室より若干少なめ、これに対して、外気の絶対湿度はそれよりも小さくて1〜5g/m3が一般的です。

今回のご相談のKさんの場合には、家族で生活している空間では調理、お風呂、人体からの発汗などで水蒸気が増大、しかしその空間では人体、照明器具、暖房器などで室温を上がるため露点温度に達しないので結露しないのです。一方、非暖部室のKさんの部屋では絶対湿度(水蒸気量○○g/m3)が低いことと室温も低いため高い居住空間から低い居住空間(Kさんの部屋)へと熱と水蒸気が向かって移動します。
その他の部屋では日中の日差しで室温が若干あがります。そのため、日中は露点温度に達しない室温なので結露が発生しないのです。

しかし、夜から朝方にかけて外気温が降下環境になると連動して室温も降下、特に断熱性能が低いアルミサッシ、単板ガラスの表面が露点温度に達してしまい結露の発生してしまうというメカニズムになっているようです。

それでは、解決するためにはどうすればいいのでしょうか?

明日に続きます!


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天窓のメンテナンス

築12年経過したBさん宅の天窓はこんな状況になっていましたが
もしかしたら、貴方の家の天窓もこのようになっていませんか?

316zgmwodaymtstvpgljiuysfgu.jpg天窓枠のコーナの右下隅がいつからか?
雨漏りか結露かで木部とクロスが汚れ黒くシミになっています。
また、カビも発生した痕もあります。

使われている天窓はベルックス製で夏は遮熱、冬は断熱効果を発揮するペアガラスになっていてガラスにLOW-Eガラスを採用されています。
夏は外部からの日射熱をできるだけ遮断して室内に暑さを入れない工夫がされていて、冬は室内の暖房熱を外部に逃さず暖房効果を高める優れものです。

しかし、開口部のサッシは全てそうなのですが気密と雨水侵入防止に障子の周囲にゴムパッキンを溝に埋め込まれています。

このゴムパッキン!
半永久的にゴムの弾力性能を初期と同じように維持してくれるといいのですが紫外線と夏の35℃を超える夏の暑さと−10℃前後になる冬の寒さの寒暖の差でゴムパッキン伸縮して劣化が始まります。

316zgmwodaymteok1ari4ylmemcuskbhw.jpg
その結果左の写真
赤→部分、隙間が空いています。
築10年前後のゴムパッキンは硬化し縮んで短くなり隙間を生じさせてしまいます。

雨が横風があって強い時この隙間から雨漏りが始まります。冬には温度差で確実にいくら断熱性能がよくても、先ず最初にガラスの隅に表面結露として現れ、その結露水が滴り、カビの発生へ進んで行きます。

ゴムの性質上やむを得ないので10年前後が目安で定期的にチェックする必要があります。
早めのチェックで発見できれば補修費用はそんなにかからないで済みます。


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図面だけでは性能を担保できない。

住宅の隙間はどのくらいあるかどうかの判断は気密測定をすればわかることですが、断熱リフォーム中に気密測定をせずに気密漏れがわかったリポートです。(但し、目視ですから隙間の大きさはわかりません。)

567zgmwodmwmdb5cq.jpg写真は築10年の気密住宅?の断熱改修中の現場です。
既存の断熱施工方法は壁はグラスウール16kg/m3×100mmの充填(内)断熱、天井は100mm2段の200mm敷き込みです。気密方法は防湿シート0.2mmの仕様となっているので内断熱の高断熱・高気密住宅のようです。
換気はノンダクトの第三種Mメーカー、暖房は各部屋にFFヒーターが個別設置されています。外観がとても綺麗なのに築10年でリフォームするとは不思議でしたが理由を伺うとお風呂、洗面所、トイレ、玄関が寒く、居室の壁と天井と壁のコーナーに結露が出てカビが発生したためだそうです。

家を新築した工務店は倒産したため、知り合いの工務店に相談したら「断熱不足のようだから今流行りの軟質ウレタンを壁、天井、床に厚く吹き付けすればいい!」と助言をいただいての断熱リフォームになったのが経緯のようでした。

567zgmwodmwmdx4ca.jpg予算の関係もあって室内側のリフォームはクロス張り替えのみで断熱のウレタン(軟質ウレタンフォーム)壁100mm、天井は200mmに吹き付けの断熱リフォームです。

当然、既存のグラスウールは撤去して気密シートの上に外部側から吹き付けです。(当然、外壁は張り替えとなります。)
気密は0.2mmの気密シートで確保されていることになっているので、軟質ウレタンを吹き付けしても室内側に漏れることはない筈ですし結露対策には適している方法だと思います。


しかし、残念ながら写真のように天井と壁の突き付けの部分、石膏ボードのジョイント部分、その他コンセントなどから軟質ウレタンが隙間を通して漏れていました。
(想像ですが・・・気密シートを使っても先張りシートもなし。気密テープもなし。気密コンセントもなし・・・の所謂、見せかけの気密住宅のようです。

今回の断熱リフォームの方法は軟質ウレタンが隙間を埋めることで気密は確保されそうですが気密シートが連続されていない軟質ウレタンが表しになる部分は防湿についてはどうか?の大きな疑問が残ります。

図面が高断熱・高気密仕様であっても図面だけでは性能を担保するものではないので気密測定は必ずするべきだという教訓です。

訂正:2014.7.4現在⇒軟質ウレタンの正式名称は建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームA-3種です。


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高気密化によるショートサーキット

建物の気密性能が0.5cm2/m2くらいに高くなってくると換気計画がとても重要になってきます。

第三種型の集中換気システムの採用されている多くの高気密な建物は給気口以外の隙間から給気されている場合がとても多いのです。しかし、隙間が少ない高気密の建物になると換気計画をしっかりと計画しないと室内で発生する匂いの排出が悪くなり室内の空気が思ったようにきれいになりません。

ショートサーキット現象の動画をご覧下さい。
※これは給気口が一個もないRCマンションでレンジフードとトイレと浴室の換気扇の排気口が近いため起こってショートサーキットの現象です。給気口がないためモーターの能力が弱い方が給気口になって強い方が排気口になっています。しかし、給気口は一個もついていないこの現場では必要とされる箇所に給気口がないので当然、排出されず室内に空気の淀みができています。

所謂、高気密化による換気計画の間違いでショートサーキットの発生です。

仮に建物の隙間がゼロで給気口が計画的にについている場合は、この排気口からの給気量は排気量に等しくなるので、換気風量測定器の羽根の回転速度は速くなります。そのため、室内全体の容積に対する換気回数は自由に設定ができる筈です。(しかし、この現場では隙間がない筈のRCマンションでしたが、パイプシャフトと浴室廻りの天井に大きな隙間があるため給気量は分散され少なくなっています。そのため、排出しようとする動画での給気側になっているトイレの回転数は緩やかになっています。)


一般的な気密住宅と言われている住宅でも建物全体の隙間から給気され換気されています。
そのため、換気計画で取り付けた給気口からの給気量は思ったほど(計画したほど)多くはありません。

一方、高気密住宅で給気口からしか給気されない時に給排気口の位置を間違えると空気がきれいにならないショートサーキットが起きてしまいます。

気密性能が低い場合は空気がきれいになりませんが0.5cm2/m2を超える高気密になると、換気計画の良し悪しが空気の質に大きく左右するようになります。

換気の機種選定には何がいいのか?だけではなく
換気のルート設計にも充分な時間をかけて検討することが室内の空気の質を高める方法になります。


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●換気の選定と換気計画は時間をかけるようにしましょう!

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熱カメラでQ1住宅(外部)を見る。

Ⅲ地域に完成したQ1住宅の断熱性能を外側から熱カメラ(赤外線サーモグラフィ)で見てみました。
※ 赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置です。

661awmrz47kkf4utq.jpg  661mzfnjsqqxnlg.jpg

このQ1住宅は次世代省エネ基準Ⅲ地域で次世代省エネ基準Ⅰ地区のQ値を大きくクリアする住宅で建設されました。夜間の熱損失をハニカムサーモスクリーンで軽減、ヒートポンプ式電気ボイラーによる給湯暖房(パネルヒーター)のオール電化住宅 
熱損失係数(Q値)1.26w/m2k
隙間相当面積(C値)0.47cm2/m2
自然温度差 9.4℃
暖房熱源(電気)
電気消費量 1,886w/年
CO2排出量( 832co2-kg)
撮影時間:AM4時30分
室内温度:18℃
外気温度:-3.5℃

熱画像の住宅の外壁のグリーン色の部分の表面温度は-3.5℃を示しています。
朝日に影響されない放射冷却を狙って撮影しています。
外壁で薄黄色の部分はタル木、軒桁の木部分です。
この木部は断熱材より断熱性能が低いため室内温度(18℃)に影響され木部の表面温度をあげていることを表しています。(これは充填断熱の特徴ですが断熱欠損ではないので特に問題はありません。)

また、同じく開口部のPVCの窓枠と窓ガラスも断熱材より断熱性能が低いため薄黄色〜赤色になっていて室内気温に影響されていることがわかります。PVCサッシの枠材の見付が大きいためガラスより熱が逃げやすいのです。(日射などを利用して効率的に室内に蓄えられた熱をキープするためにはガラスと枠材との比率を考えれば、同じサッシのサイズでもガラスの面積が大きいPVCサッシを使うことがQ1住宅を造るポイントになりそうです。)
赤外線サーモグラフィで見ると・・・・普段見ることができない画像を見ることができます。


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何故?高性能住宅にこだわるのか?

215rgmxmjgzki9dkk4ykqxp.jpg高性能住宅?硬い呼び名のため、あたかもぎっしりと仕掛けのある機仕掛けのように受け取られがちです。

しかし実際はとてもシンプルな家だということをご存知でしょうか?
全室暖房を低コストで抑えられるよう、断熱や気密を丁寧に施工し、新鮮な空気を得るために換気を確保してやるだけなのです。全室暖房は、なにも貧欲な環境に対する欲望のためだけの設備ではありません。
暖房という言葉から自分の家にあるストーブを連想するために、とても暑すぎる環境と誤解されることもあります。
暖かさには2つのタイプがあります。
空間の中で部分的に暖かいところがあるのと、空間の中に寒いところがないという2つです。前者は一般な暖房方式で、人間が直接暖房器の側で暖を採る採暖と呼ばれているものです。後者は・・房・・すなわち部屋全体を暖めるという考えです。そのため全室暖房の暖房器は寒いところをなくしようとするもので、暖房器の廻りだけ暑くなるということはありません。

アナタの家も高性能にできる。
●温度差をなくすることが健康
恒温動物である人間は、どんな環境においても、一定の体温を維持するように常に体温調節を行っています。
機能が低下して対応しきれない場合は温度差により脳卒中に悩まされます。東北は地域柄長年脳卒中に悩まされてきた経緯があります。塩分の取りすぎや疲労など複数の要因が重なった結果ですが、東北が長年上位を占めていた原因は採暖の家にあったといわれます。

東北の住まいはコタツとストーブのある居間がほとんどです。しかも室内の壁や天井は外気温に影響を受けて冷えるため、室温が高くないと暖かさを感じられません。室温が20℃でも壁面は20℃以下の効果しか出ません。コタツに入っていれば足元は30℃ですが頭部は10℃。立ち上がれば足元が10℃くらいで頭部は25℃といったアンバランスな環境ができてしまいます。そこからトイレに行けば5℃、風呂も3〜5℃、20℃の温度差に対応しようと体に負担がかかってしまいます。

お年寄りでなくても同じ室内で上下の温度差があるのは体の負担になります。
(こ の環境は私の30年前に建てられた実家です。壁の断熱材はGW16kg/m3を100mm厚に入れて、天井はGW100mm+セルローズファイバー 200mmなのですが気密は測定不可の低気密住宅・・・・サッシは当時としては珍しく枠はアルミであったが硝子はペア硝子、当時としては吟味したつもりで 建てられた在来軸組工法です。)

なのに・・・とても寒い家なのです。

足は寒くて頭が厚いとなれば体温調節も複雑になってしまいます。
温度差はけっして有益ではありません。

家の健康のためにも温度差をなくする
温度差のある家で問題にある現象がもう一つあります。それは・・・・結露です。冬は多くの家庭が結露に悩まされます。空気は温度によって含有できる水蒸気量が決まっています。

水蒸気がその限度以上、あるいは同じ湿度で温度が低くなった時、温度と湿度のバランスが崩れて結露が発生するのです。

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写真は低気密住宅とファンヒーター使用に起きたサッシの表面結露の状況
家の中で一番温度差を起こすところが窓というのもうなづけます。

しかし
結露は窓だけに発生するわけではありません。
布団がジメジメして重かったり、使っていない部屋がカビ臭かったり、使っている部屋は暖房によって湿気が多くてもそれを暖かい空気が受け止められるのです。

また、風通しを良くすれば風によっていくらか乾かすことができて多少は抑えることができますが根本的な解決ではありません。

温度差がなくならないかぎりは、いくら窓を拭いても、除湿器を回してもいたちのおいかけっこです。
結露は臭いや埃なども吸着させ、だんだん薄汚れて、家への愛着も薄れてきます。

結露で一番困ることは結露の水分でカビが繁殖しそれを餌にダニが増えること。アレルギーの2大要因に家を乗っ取られては大変です。家に使われている木材も住む人も大きな温度差がなければ、体に負担がかかりません。

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そこで全室暖房の登場です。冬はとにかくすべての部屋が同じ温度になるように家中を暖めてやる。夏は逆に涼しくしてやれば温度差がなく、結露も起こらず快適に暮らすことができます。自分の家も歴史的建築物と同様に100年先まで現存させることは夢でありません。
それは高性能住宅だからこそできる業なのです。

写真は全室好みの温度に設定できる温水パネルHRヒーターの自動温度調節器



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住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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