充填(内)断熱で気密・防湿層があっても気密測定をしてみると思ったほど気密性能が出ない現場があります。その現場は先張りシートが施工されてきちんと連続して気密・防湿シートが張られていても・・ある原因で思ったほどでないのです。
その原因の多くは気密・防湿シートの規格サイズの選定に問題があり、住宅の気密性能に大きな影響を与えています。

高断熱高気密用の気密・防湿シートの規格寸法は2.1m、2.4m、2.5m、2.7m、3.0m、3.2mが一般的な寸法です。これは外周壁を一気に横 張り施工してシートのジョイントを極力少なくしようとする方法なのですが、これに対して、気密が思ったほど出ない施工のやり方をみると高断熱高気密用の気 密・防湿シートではなく農業用のポリエチレンシート1.8mサイズのを使っている場合が多いのです。
このサイズを縦張りに張ると、中途半端な長さとなり、現場では上手く施工することはできません。
しかも縦張りにすると重ね代が確保できません。気密防湿シートを連続して設けることは不可能に近いのです。気密化をしようとすると木下地のないところ(左図の右図面)でテープ処理をしなくてはいけません。
押さえが効かないのでテープ処理はほとんど意味がない無駄な施工になってしまいます。
押さえが効く施工は経年劣化による気密性能の低下がみられません。
たかが気密シートと思うかもしれませんが、とても大事な施工のポイントなのです。
北欧の施工マニュアルをみると建築の図面に気密・防湿シートは木下地のある所で連続して張る張り方を明記しています。
気密を意識する工務店さんはこの気密防湿シートの規格サイズにもっと重要性を感じてほしいものです。
上図の右のように下地のない所で気密防湿シートを連続させているような現場は気密測定をしてみるとは通気量が極端に低下する場合があります。これは圧力差が 小さい時にはテープ処理が効いていて高い気密性能を保持するものの、徐々に強い圧力差を生じさせるとテープが剥がれ圧力差が小さくなることが原因にありま す。木下地のあるところで施工されている現場ではこのようなほとんどみられず高い気密性能を保持することできます。
一方、気密テープ処理をどんなに丁寧に行っても高い気密性能を出せない工務店さんがいます。それは防湿シートを木下地のない所で重ね、テープ処理をしているからですが高い気密性能を出すポイントは内断熱、外断熱ともジョイント部分を木下地をどういう方法で作るかが気密化の一番のポイントになります。
どんなに丁寧な気密施工をしても、気密性能が隙間相当面積で1.0cm2/m2以下のレベルを達成できない理由は、ボード押さえの下地を作らないで、テープに依存しているケースがとても多いのです。

左図は木下地のない所でテープ処理をした断面図です。
防湿シートと気密テープの効果的な使い方は下図のように
気密テープの使用方法は「下地があり押さえの効く場所でテープ処理をする。」が基本です。意外とこの原則は現場では守られていません。
多くは下地のない所でテープを張っているケースがとても多いのです。

木下地のある所で防湿シートを張り継ぐためには使用する防湿シートの長さが大切で、どこで重ね合わせるかがポイントになります。
また、その防湿シートは建築用に開発された厚手の0.2mm以上を使用することが条件です。
0.1mmや0.15mmのポリエチレンフィルムでは高い気密性能は望めないのです。
弊社でも・・・この原則を守らないと1.0cm2/m2以下の気密性能を出すことは困難です。
重ね代を150mm以上確保してボードで押さえることによって、防湿シートが密着し、気密パッキンの役目を果たすのです。
気密テープで片面テープを使用する場合は防湿シートの重ね目の中央に沿って上から手でしごくように(ローラーがあればもっと良い)押さえつけます。その後処理した場所はボードで必ず押さえつけます。
両面テープの場合には木下地のある場所で防湿シートの上からテープを張り、剥離紙を剝しながら連続させて防湿シートを張ります。
テープは耐久性と粘着性の優れたブチルテープを使います。
間違って耐久性のないガムテープは使ってはいけません。
参考:気密・防湿シートの販売メーカー
①ジェイベック
http://www.jbeck.co.jp/products/kimitsu/border/index.html② 日本住環境
http://www.njkk.co.jp/product/sheet/dantaito/index.html
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