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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

天井断熱で確実に気密を上げる方法

壁の断熱工法には大きく分けて主にグラスウールなど繊維系断熱材を構造材の間に充填する(内断熱)と構造材の外側からボード状のグラスウール、スタイロフォームのような発泡プラスチック断熱材を貼り付ける二種類の方法があります。

dc112201_2.jpg 一方、小屋裏の部分の天井の断熱工法には一般的に行われている天井断熱の仕方がありますが、その他には桁上断熱というものがあります。この桁上断熱は天井断熱に比べて、非常に施工がしやすく確実に高い気密性能を出すことが可能な施工方法です。

この工法は断熱・気密層が外壁と屋根で独立した構造になるので合板の上に気密防湿シートを敷くだけで気密性能が完了するのが大きなメリットです。

(左写真は針葉樹合板を気密・防湿層と仕上げ材として施工)



dc112203_2.jpg桁上の防湿シートは桁の外側に垂らしておき、防風層を合板で気密パッキンを使って押さえます。室内側の気密・防湿シートは桁横に内装下地の上に防湿シートを気密テープで貼り、ボードで押さえます。

一階が下屋根の場合も桁上断熱は有効です。

ユニットバスを設置する時には、外壁の断熱材と気密・防湿シートが先行し、合板で押さえると、気密構造が簡単に出来上がります。

dc112202_2.jpg しかし従来の天井断熱の気密・防湿シートは断熱材受け材に乗っかっているだけなので不安定な気密・防湿施工になってしまいます。

浴室の上部に大きな開口が空いていると、この部分が気密性能を大きく低下させる原因になっています。

ひどい時には、信じられないことですが壁には気密・防湿シートの施工がきちんとされていてもユニットバスの上部には気密・防湿シートはなしで耳付きのがグラスウールを乗っけただけの現場も多々あります。

それでも、気密試験を行わないので高気密・高断熱のオール電化住宅として広告宣伝していることは残念なことです。

弊社の設計・技術部ではどんな工法にでも対応できる気密・断熱の施工マニュアルを作成しています。設計・技術部のブログはこちら→http://q1kannkyou.blog15.fc2.com/


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間違ったタイベックの納め方

気密という技術が導入されてから最近までは高気密住宅の外壁は主に100mm厚の繊維系断熱材で施工されてきました。これは気密化を行った住宅と気 密化しない住宅の200mm厚の断熱材で施工された住宅とほぼ同じ暖冷房のエネルギーを消費する断熱工法ですが地球温暖化対策や木材のヒートブリッジ(断 熱材と比較して木材の断熱性能が低い)の影響と、エネルギー消費量が2割も違うということがあって付加断熱工法のQ1住宅のような高性能住宅の普及活動が 広まっています。

ところで断熱材を付加するとどれだけの効果があるのでしょうか?


断熱材を使う目的は天井(屋根)壁、床などの表面温度を上げて快適な室内環境にすることですが100mm断熱の壁の表面温度は岩手の真冬日には室温が 20℃であっても表面温度は19℃と1℃低い状態になります。どんなに完璧に施工しても100mm断熱は高い温度にすることはできません。

そのため体感温度を20℃にしようとすると室温を21℃にしなければなりません。また室温を1℃上げると暖房エネルギーの消費量はおよそ一割ほど増加してしまいます。

一方、100mm断熱の壁をに200mm断熱にすると周囲の壁の表面温度が0.5℃の低下ですみ体感温度が室温に近づきます。質の高い快適性を求め るためには100mm断熱では物足りないのです。付加断熱を100mm厚ではなく、例えば60mm厚の断熱材でも密度の高いものであれば高い断熱効果を期 待できるので160mm厚でも200mmと同等な室内環境を造ることが可能となります。 付加断熱部分の目標は最低でも一般的な繊維系断熱材100mmと同等な断熱性能を持たせるようにしなければなりません。。

dc0306472 - コピーさらに、断熱材の効果を最大に引き出すためには防風シートの施工位置を正しい位置にすることが大事です。最近繊維系の付加断熱が増えてきましたが、現在多 く行われている防風シートは※左写真のように柱の外側に施工し、その外側に付加断熱(繊維系)を貼っているケースがありますが、これは付加断熱の中に風が 入るので、せっかく貼っても断熱効果が薄れてしまいます。





dc102501.jpg正しい施工方法は※左写真のように断熱材の一番外側に防風シートを張ることが良い壁構造になりますし雨仕舞いも良くなります。一般的な付加断熱は外側に付加していますが、スェーデンでは厚い断熱をする時は構造材の内外両方に断熱付加することが多いようです。

付加断熱を外側でするか内側でするか悩むところですが、内側に付加断熱をすると気密施工が煩雑になり室内の空間が狭くなります。一方、外部の付加断 熱の場合は気密施工は比較的に簡単に行うことができヒートブリッジが内側より改善されやすいことがメリットになります。内側に付加断熱をすると防湿シート の破損をしないで電気の配線スペースを確保できるので耐久性の配慮した住宅出来上がります。

いづれにしても、在来軸組構法のQ1住宅クラス以上になると内外のダブル断熱=付加断熱あるいはトリプル断熱にしなければその性能値を達成できないようです。


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高気密住宅建てられた気密漏れの以外な箇所!


気密住宅で建てられた住宅には主に何処に隙間があるのですか?というご質問がありましたので旧ブログで掲載した記事を再投稿しています。
気密測定の結果、単位隙間相当面積0.35cm2/m2の住宅の漏気する意外な箇所を偶然発見することができました。

充填断熱で気密性能を高いレベルに安定させるためには施工の面で意識して行うことがあります。それは意識して防湿(気密)シートを止めるための下地を入れると気密性能が0.5cm2/m2前後の一定した範囲の中に入ります。違った大工さんが施工しても下地をきちんと入れると安定した性能値になります。弊社のデーターでは大工さんが違ってもその誤差は±0.1cm2/m2程度という高い性能値になります。

勿論、外張工法も同じで下地を意識しないで施工された住宅の気密性能の平均値はよくても0.7cm2/m前後になります。きちんと下地を作ると0.5cm2/m2以下の気密性能になります。

一般的に断熱・気密の施工マニュアルは屋根、外壁、基礎、ベランダ廻り、外気床など大まかな断面詳細マニュアルしかありません。そのため、現場に よってはマニュアルにない納まり部分は大工さん任せの納めになっています。気密施工に熟練された大工さんであれば安心ですが、そうでない場合は不安が残り ます。その不安を解消するのが断熱・気密施工の詳細マニュアルによる施工なのです。

同じ構法、工法であっても住宅の姿、形、間取りが異なるため、各住宅ごとの施工マニュアルが必要になります。詳細な施工マニュアルがあれば誰でも高い気密性能を作り上げることは容易で確実な気密性能を担保する方法となります。

動画で紹介した気密漏れ!の住宅は弊社の設計・技術部が作成した断熱・気密施工の詳細施工図に基づいて施工された住宅です。
ただし、施工した工務店の大工さんは、高気密住宅の施工は初めての経験でしたが気密性能は0.35cm3/m2と初めて施工とは思えない超気密住宅となっています。

20101119-1-1.jpgこの住宅は高気密を意識したため引き違いテラス戸の設置をビング、和室、老人室3か所だけにしています。
漏気する場所は引き違いの召し合わせ、上框、下框のレール部分と同時給排のレンジフードの電動シャッターの隙間が主な漏気箇所と思っていましたが・・・・なんと勝手口ドアが以外と気密性能が悪いことがわかりました。一般的な外開きのドアであれば問題はありませんが今回採用されていたのは通風のために扉に上げ下げ窓を複合しているサッシです。

この上げ下げのスライドする部分(気密パッキンはありますが?)から漏気しているのです。また、ドアクローザーのカバーの周囲(上框に止めたビス部分から)から外気が侵入していることが、引き渡し時に発見したものです。

どうしても、この勝手口を使いたい場合はこの周辺にパネルヒーターなどの熱を供給できるヒーターを設置してガラス面の表面温度を上げる工夫をします。そうしないと真冬日には室温が低下することと窓面に結露が見られるようになり不快な空間となります。

気密施工の下地施工は最も意識しなければならない大きなポイントですが、気密が高まれば高まるほど微妙な隙間が不快となるので開口部(窓、ドア)の選定には充分気をつけたいものです。


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エアコンの穴の気密処理方法

完成引き渡し後に後付けでつけられる設備機器にはエアコンがあります。
予算の関係で後付けする場合には予めエアコン用のコンセントとホース用のスリーブ(エアコンのホースが壁の中を予め貫通させておく管材)をつけておく必要があります。
このスリーブをつけるとつけないとでは断熱効果の低下と内部結露発生を起こさせる大きな原因となります。
20090227-3-1.jpg写真は予めスリーブが設けられないで後付けでエアコンを設置された例です。
壁の中にはグラスーウールが充填されている充填断熱工法です
気密性能は0.5cm2/m2以下(エアコンをつける前の気密性能値)の高気密住宅ですが完成後の気密試験をする前に赤外線サーモグラフィ(熱カメラ)で後付けされた部分を見てみました。

エアコン設置業者が気密住宅であることを知らないのか、単純に壁の中に穴を空けて、エアコンのホースを通したようです。目視では(上の写真)とても綺麗に取り付けられていて何の問題がないように思えます。

しかし、赤外線サーモグラフィで覗いて見ると・・・何と写真(下写真)のようにホースの穴から外気(冷気)が侵入している様子が見られます。エアコンの穴付近は結露の発生が見られれ、その周囲の断熱材(グラスウール)の断熱効果が低下していることが熱画像で判断することができます。

このように気密処理がきちん施工とされない場合には↓のように気密部材を使って補修をすると問題はなくなります。
20090227-3-3.jpg①左図のよう気密シート0.2mm以上のものを写真のようにカットしてにスリーブを通します。
②室内側の気密シートはスリーブの丸くカットするのではなく折り返しがあるようにカットしてスリーブを指し込みます。
③外部ハタイベックシートを気密シートのやり方と同じように気密処理をします。)=内外二重気密処理をします。
④次に折り返しがある部分を気密テープで気密テープ同志に隙間がないように重ねながらスリーブと気密シートの折り返しを接着させます。

後付けの場合には外壁は大きくカットできないので室内側から①②④を外部用のスリーブの気密処理を室内側から行います。


エアコンの孔ちょと面倒ですが・・・・きちんと気密補修を行いましょう!
左写真は予めスリーブ管を入れて施工した例です。(上がエアコンスリーブ、下はエアコン用の気密コンセント)








dc030277_20120805212840.jpgきちんと施工した場合はこん感じになります。
※エアコンをつけた後のスリーブ管の隙間は一液性ウレタン剤で充填して補修するのですがウレタン剤の充填が少し甘かったので多少熱ロスがみられます。しかし、先の後付エアコンと比較するとGOODであることがわかります。








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昆寛(コン ヒロシ)

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(高性能住宅設計:技術顧問)

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