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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

新築なのに寒い訳(玄関廻り)


この記事は旧ブログでUpいたしましたが「新築なのに家が寒いのは何故か?」とのご質問がありましたので、原因の一つにユニットバス廻りの断熱・気密欠損があることをレポートしました。今日はもう一つの原因、玄関廻りについて投稿して回答とさせていただきます。
床断熱で気密を取る場合は当たり前ですが合板か気密シートで隙間なく、切れ目なく連続しているかを見ることがポイントです。しかしその当たり前の施工がされていない例がとても多いのです。(手抜きこうじではなく、うっかり工事をしなかった!?・・・ではなく、その部分の気密・断熱の施工方法を知らない場合がとても多いのです。)

512zgmwnte0mdyoj0oqrjipjm8_20111231225651.jpg一般的に気密を意識した床の施工方法は断熱材はポリスチレンフォームを気密は気密シート0.2mmを使い気密テープと併用するか、気密テープを使わないで合板のジョイント部を気密テープで処理し気密化を図る方法がになっています。

写真は玄関の上がり框の土台の基礎の隙間があり外気が侵入するだろうことを青→で示しています。

もう一つの気密が出ない理由はこの部分にあります。
特に最近は床下の通気を効率よく図るために床下換気口ではなく基礎パッキン工法が採用されています。
この基礎パッキン工法を採用している場合にはユニットバスの廻り(四方)と玄関廻り(四方)は通気しないように気密パッキンを採用します。
こうすることで外気及び床下の冷気を防ぐことができます。

気密測定をすると床下が外気側ですから気密シートの処理がきれいになされていないか、基礎パッキンの場合は外気が玄関に侵入し寒さを感じます。

正しい施工方法は下写真の右図です。合板下の気密シートは土間のコンクリート下まで伸ばすことポイントです。
512zgmwnte0mdmoj0oqrjepki9dkk4xksip_20111231225645.jpgこの現場では途中で気密シートが切れています。
このことを指摘すると「土台と合板の間にびっちり挟み込んだから大丈夫だろう!」と言われますが、問題は土台と合板との隙間のことではなく基礎と土台との隙間にも問題があるのです。

その断面図は左図のようになっています。
さらに一般的に気密ではなく断熱工事にも問題があることが多いのです。
この現場の(左図)基礎の立ち上がりに断熱材がありません。これでは玄関は冷たい外気にさらされて冬には寒い空間になってしまいます。

問題の部分の解決策は右図ですが床下側から土台と基礎の立ち上がりの隙間(●印)を一液性のウレタン剤で隙間を埋めてから二液性の現場発泡で吹き付けして断熱補強をします。(スタイロフォームのような発泡系プラスチック断熱材を貼り付けてもOKです。)
※土間がある勝手口の場合も玄関と同じように施工しないと冷気は防ぐことができません。

こうすることで玄関周りと勝手口の気密・断熱欠損を改善することができます。

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新築なのに寒い訳(ユニットバス廻り)


この記事は旧ブログでUpいたしましたが「新築なのに家が寒いのは何故か?」とのご質問がありましたので、原因の一つにユニットバス廻りの断熱・気密欠損がありますので、再投稿して回答とさせていただきます。

dc122701 - コピー左図はよくある気密・断熱処理が不備なユニットバスの例です。
ユニットバスの底にウレタンで断熱しているからか床下の気密処理はうっかり忘れやすい場所です。
ユニットバスの下の基礎廻りの断熱も欠損していますが人通孔の四角い穴が空いた状態になっています。
信じられないことですがFFヒーター数台で局所暖房をしている場合は隙間だらけの気密住宅?であっても住んでいる方も低気密住宅だと気がつかないのです。

全室暖房をしている場合は燃費がかかりすぎることとお風呂、脱衣室付近はとても寒いため原因探しで床下に潜って気がつくことがあります。
(内装仕上げ前の仮気密測定をけしていれば防ぐことができる初歩的なミスです。)

またユニットバスの上・・・天井も気密シートも張らないで繊維系断熱材をユニットバスの天井に置いただけにしている例もあります。上図のようにのように隙間風が走るため暖かくなる訳はありません。

これを施工的に気密と断熱をきちんとするためには次のように施工すると解決します。

514zgmwnti2mdeoj0oqrjepki9dkk4xksdv.jpg左図のようにユニットバスの天井の気密シートは2階の壁の気密シートと1階の気密シートに連続して張ります。
の部分は内側から基礎断熱をします。
この時にユニットバスの配管廻りのメンテナンスのために床下に潜る必要があるため・・・やはり人通孔が必要です。この部分は気密と断熱をきちんとするために開閉可能な気密型点検人通口孔を作ることが大事です。





514zgmwnti2mdeoj0oqrjepki9dkk4ykshx.jpgこの図は洗面脱衣室とユニットバスの床下は基礎断熱をする方法です。
ユニット関係のメンテナンスの場合は洗面脱衣室に床点検口から入り点検します。図では洗面脱衣室の床には断熱材が入っていますがこの部分は室内側になるため断熱材を入れなくても問題はありません。

このように床断熱の場合のユニットバス廻りは気を使って気密処理をしないと目標の1.0cm2/m2以下は非常に難しいでしょう!


一方、基礎全体を基礎断熱をするとこのような気密と断熱欠損になることを防ぐことができます。
そのため外断熱でも内断熱であっても基礎断熱にすることをお勧めします。

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寿命が縮む中途半端な高性能住宅

断熱・気密の先進地・北海道も高性能住宅の導入期には、結露からの木材腐朽菌の繁殖などで新築住宅の床が抜けたとといった事故が起こりました。

何で、今さら・・・昔の話かよ!と言われそうですが・・・
本州においても・・それも今日でも本州で起こっている事例は少なくはありません。

危険はずばり、断熱材の断熱性能と低価格の断熱材を選択してしまう施工業者、ユーザーの姿勢です。

断熱材を入れることは絶対的なものですが昔、グラスウール断熱材を50mm程度入れればすんだところが、今は100mm、あるいは外内の複合工法が必要とされています。
確かに、断熱材が厚くなればなるほど熱を遮断する効果は高くなります。

しかし、逆に内部結露の危険性は高くなります。
水蒸気が断熱層に入ったっ場合は断熱材は水蒸気の通り道になります。
厚ければ滞在する時間も長く、水蒸気が途中で冷たい空気に触れるとそこで結露を起こしてしまいます。

これまでの徹底されていない断熱・気密施工技術で、それほど大きな被害が出なかったのは断熱材が薄かったためとも言われています。内部結露を防ぐためには、室内の水蒸気を抑え、なるべく壁の中に水蒸気が侵入しないようにします。

その方法の一つが全室暖房であり、気密、防湿層と呼ばれる断熱材の室内側に設ける防湿層の施工です。

584zgmwoti3mzqciw.jpg(※写真は床断熱の結露発生の様子。根太も腐りかけている。)この気密性や断熱性が部分的に欠けていれば、そこが水蒸気の通り道になり内部結露が起こります。

そのため、全室暖房、断熱・気密、防湿・計画換気はけっして崩してならないルールです。

最近、リフォームが流行ですが性能の低い住宅はただ見栄えをよくするために1.000万以上かけて全面改修する価値があるかは疑問です。
住性能の高い住宅で行われてこそリフォームの真の価値がでてきます。

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土間床は結露に対しては安全!

基礎の湿気対策として、いくら地盤の防湿や床下換気を図っても効果が得られない場合があります。例えば地下水位が高く、地盤から床下空間に大量の水分が補給される時ですが地盤の排水が悪い時は暗渠排水の設備と地盤の改良が必要となります。
床下の土台周りの木材の腐朽は地盤の排水が悪い地域に多く発生する傾向にあります。
ナミダダケなどの腐朽菌が発生する多くは工事の最中に切り落とした木片のなどの残材が原因です。

dc073156.jpg土台の防腐剤の効き目があるうちは、この木片などの残材に取りついていて、防腐効果が薄れた時に、土台周りの木材に浸食するようです。(工事中は残材を100%床下に落とさない、残さないように清掃することです。)

ひどい時には床下に合板の切れ端や電気の配線の切れ端などが落ちている現場も多々あります。

腐朽菌は、温度、湿度、栄養の条件が整った時に大繁殖します。工事中の現場には常に栄養となる木材が存在しているので温度、湿度条件(80%以上)を与えないようにしなければなりません。

腐朽菌の胞子は空気中に常にありますが、原因を一つでも取り除くと腐朽菌は発生しなくなります。

dc011619.jpg築30年前後に建てられた建物に多くは床下は防湿処理がされていませんので夏も冬も高湿状態になり床下の環境は非常に中途半端な空間になっています。
そのため、床下をそのままにしておくと、リフォーム工事を機に一気に腐れ出すことなりまねません。床下の地盤の土や砂が湿っている状態が見られる時には防湿シートなどの対策を必ず講じましょう。



dc112623_2_20111220230146.jpg新築でも地下の水位が高い時には床下が高湿になることがあります。床下空間が冷えたままだと高湿状態になりますが、基礎断熱で床下を室内空間とし、床下の温度を保つと乾燥側に向かうので、床で断熱するより問題が起きにくい工法となります。

床下地盤は地盤の発湿防止のポリエチレンフィルム0.2mm以上を敷き込み、土間コンクリートを打設します。ただし、床下の温度を保たないと同じ結果になります。
基礎断熱は床で断熱はしていないので床下空間の温度は高く推移しますが、床の防湿シートもないので室内の水蒸気が入りやすく結露や高湿状態になる時があります。

そのような場合は、床下に暖房器を設置するとか、ガラリとか床下に計画換気で吸気口を設けて換気がされるように床下の温度を上げる工夫をすると問題は起きなくなります。

基礎断熱+土間床(あるいはベタ基礎)は布基礎+床断熱より結露対策としては安全性の高い工法といえるのでお薦めです。


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換気が原因で過乾燥になるか?

現在、ほとんどの住宅では24時間換気が全ての住宅に設置されていますが「換気をするから、過乾燥になるのさ」と言う人がいます。

本当でしょうか?
結論を言うと、過乾燥の人工的原因は暖房と冷房の二つのみで換気が主たる原因ではないのです。

これも本当でしょうか? (ちょと、考えてみましょう。)

435zgmwmte3mdgglscduonzgvsroq.jpg例えば冬に暖房するとどのくらいの湿度になるかを空気の性質から考えてみます。

例えば仙台市の11月~4月の平均気温4.8度で相対湿度は66.7%ですが、ここで暖房を21℃にした場合は相対湿度は22.7%になります。
空気は温度を上昇させることで、空気を乾燥させる性質があります。屋外空気をそのまま室内に入れるだけでは相対湿度は屋外と同じです。つまり、空気が乾燥することは暖房で空気の温度を上げること原因だということがよくわかると思います。
外気温と室内温度の差があればあるほど乾燥空気になります。

反対に、冷房することで空気が乾燥し、のどがカラカラ」になることはよく知られた事実です。
いくら、換気しても温度を変えなければ相対湿度を変えることはできません。「換気で乾燥すると思っていたのは実は間違いなのです。」換気で相対湿度が下がるのは、あくまで室内で人工的に加えた(発生した)湿気(調理、入浴、洗濯、観葉植物の水やり、発汗など)だけです。そのため、余計に室内温度を上げないように工夫することが必要です。

例えば、窓からの日射を多く取りすぎると、温度が上がるため乾燥度は当然増すことになります。あるいは、オール電化で入れた蓄熱暖房器も放熱制御がしづらいので乾燥の原因にもなっています。

対策としては
①自動温度調節器がついた輻射暖房器(パネルヒーター)を使い、オーバーヒートを起こさないように工夫します。
②必要以上に開口面積(窓)を大きくしないこと。
特に東西南面の屋根には天窓はつけない。太陽熱が入り過ぎると温度が上がり、乾燥が進むことになります。
③冬期の室内温度は16℃~22℃程度の範囲で部屋の用途や個人の感覚で決めるとよいでしょう。

日中に20℃以上にした空気は就寝時には温度を下げても乾燥感はすぐに反映されません。

一つの目安としては相対湿度30%の±5%(25~35%)の範囲が標準的なレベル」なようです。
※ヨーロッパ、アメリカ、カナダなどでの過乾燥だといわれる相対湿度は20%以下の場合だそうです。

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冬に肌が乾燥する理由

湿度を示すモノサシには相対湿度という尺度があります。
これは「割合」を示す尺度です。

例えば、相対湿度50%は飽和水蒸気量(空気中に目いっぱい水蒸気を含んだ状態の量)に対して半分の水蒸気量があるということになるのですが飽和水蒸気量は温度によって異なります。
例えば、0℃の空気の場合、飽和水蒸気量5gの半分2.5g、30℃では30gの半分の15g含んでいる意味になります。

つまり、0℃と30℃の空気では相対湿度が同じ50%でも水蒸気量そのものは6倍も違うのです。
その他に湿度を示す尺度には絶対湿度というものがあります。
これは1m3の空気に含んでいる水蒸気の量を表します。
単位はパーセントではなくグラム(g)で表します。
「ある温度の空気に何グラムの水蒸気を含む・・・。」といったっ場合の何グラムが・・・絶対湿度になります。

この絶対湿度が結露を考える上で重要です。
何故かというと,0℃と20℃の空気に含まれる水蒸気量を比較するためには相対湿度というモノサシは不適当なのです。

408zgmxmjewmdcoj0oqrjepidy.jpg相対湿度と絶対湿度の関係をもう少しわかりやすく説明すると
空気は水蒸気を入れる器(コップ)を持っていて、温度によってそれぞれの器の大きさが異なります。高い温度の方が器は大きく、低い温度の場合は器は小さくなります。

そこで,その器に入っている水(水蒸気)の量が絶対湿度,器(コップ)の目盛のどの辺まで水(水蒸気)がはいっているかが相対湿度というものになります。器(コップ)の水(水蒸気)がいっぱいになり、つまり湿度が100%になり、水があふれると結露です。

相対湿度は夏も冬もあまり変わりはないのに夏は蒸し暑くて、冬は肌が乾燥するのは、この相対湿度と絶対湿度の関係で説明ができます。つまり、冬の外の空気は極端に水(水蒸気)の量=絶対湿度が少ない(小さい)ので乾燥肌になりやすく、その上に室内でさらに暖房して温度を上げるのでさらに乾燥肌を助長させてしてしまうのです。

以前にも説明しましたが過乾燥対策は室温を下げることで改善されます。
省エネ対策上でもいい方法ではないでしょうか?
23℃の人は20℃に20℃の人は18℃にです。
ちなみに、我が家では今年から18℃にしています。

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結露防止の4原則

冬になると結露で悩まされる住宅、アパート、マンションにお住まいの方からのご相談が増えます。
そこで、結露を起こさない基本的な住まい方を勉強しましょう!
結露を起こさないためには結露防止の4原則というものがありますので、この原則に沿って原因と解決を考えてみましょう。

結露防止の4原則の1
①湿度のコントロール(室内の湿度の上限は60%前後までコントロール) 
家の中で湿気を出す要素はたくさんあります。
conv0002.jpg 例えば、イメージ的には左図の炊事、洗面、洗濯、洗濯し、入浴、暖房、加湿器、鍋物から出る水分などです。
これらは生活する上で絶対にやめるわけいきませんが、こんなことが頻繁にあれば、むやみに出さない意識が必要です。

湿気のコントロールができていない家庭の多くは洗濯物を室内で干している例があります。
脱水した洗濯物には、乾燥している時の衣類と同じ量の水分が含まれています。
conv0003.jpgそのため、(表1を参照)例えば冬に、6畳の室温を21℃にしている場合は661g湿気を含むことができますが・・・jこの状態のまま18℃になる部分があると、そこに含むことができる量は555gなので、その差し引きの106gが結露として現れます。
このように湿気量は室内の大きさ(体積)によって含むことができる量が決まっていますのでその量を超えると低温の部分で露点温度に達し、結露が出てくることになります。

ちなみに(表2を参照)では、パジャマは230g湿気があるので枚を6畳で干してもOKであっても19℃に室温が下がると結露が出ることになります。


しかし、どうしても室内で洗濯物を干さなければならない時には室内に湿気を出さない衣類乾燥j機などを使うようにすることが大事です。

室内の湿度で問題となるのは、急に湿度を下げると身体によくないと言われますが、1週間以上かけて少しづつ下げると体調を悪くすることはありません。
あまり湿度を低くすると風邪を引きやすくなったり、静電気で不快になるのでよくないと言われますが・・・・それは30%以下の低湿度であって、40~50%ではそのような影響はありません。
最大でも60%を超えないようにコントロールsれば結露防止になります。

結露防止の4原則の2
②換気の促進
①のように洗濯物など発生させてしまった湿気も、すぐに室外に出してしまえば結露は起きません。
したがって、常に換気を心がけ、窓や換気扇を有効に使うようにすることが大事です。

冬に結露に見舞われるという家の最も多い原因には換気がされていない例がとても多くあります。
計画換気システムがあって24時間常時換気がされていても結露が出る場合は換気量不足(室内の空気の入れ替わり=換気回数の不足)ですが、従来の住宅では主に換気扇は風呂(局所換気扇)、トイレ(局所換気扇)、台所(レンジフード)設置されていても、ほとん使われることがなく、使われても使用時間が短く、思ったほど湿気量を室外に排出されることがありません。
やむを得ずファンヒータなど開放型ストーブを使ったり、洗濯物を干す場合は窓を大きく開けて換気するのが最も効果がある方法です。
特に冬は室温と外気温の差が大きく、室外の湿気の量が少ないので熱も湿気も室内から室外に移動するため大きな効果が期待できます。

窓を開けれない場合はレンジフードを廻すなどして積極的に換気する必要があります。
レンジフードは炊事する時に使われるものですが、排気量がとても大きいので咄嗟の排気にはとても便利です。

結露防止の4原則の3
③空気の流通を図る。
conv0006.jpg外壁面に接している部分に家具を並べると、家具の裏側は空気の流通が悪くなるので、温度が低下して結露が出やすくなります。
どうしても外壁側に置かなければならない時には左図2のように5~10cm程度隙間を空かせて置きましょう。
また、できれば家具の下にはスノコを敷いて下側も空気の流をよくしましょう。
(この場合には地震で倒れないように家具を鴨居などに固定することを忘れないようにしましょう。)
壁や外気に面する場所の押入れは空気の流通が悪く、湿りやすい所なので布団などが壁や床に接しないようにスノコを敷き空気が流れるようにすると効果的です。

結露防止の4原則の4
④室温を適温に保つ
室温は20℃前後の適温をキープし、家の中で低温の場所を作らないように心がけます。
暖房時に室温を高くしすぎると、湿度が下がって乾燥感強くなり、加湿しなければ快適にならなくなります。
こうなって加湿をすると、今度は空気中の湿度の量が多くなり、暖房を止めて室温が下がった時などは結露しやすくなります。

結露は冷えた所に発生しますので、家の中をできるだけ低温の場所を作らないようにしましょう。
特に冬は全室暖房をしたいところですが、高断熱・高気密住宅でない場合は、なかなかそうはできませんので、できるだけ家の中で温度差が激しくならないように気をつけます。
例えば暖房している部屋のドアを閉めても、ドアの隙間から暖房していない部屋に暖かい湿気を含ん空気が入り込み結露を生ずることがあります。
そのため暖房室の押し入れや襖などできるだけ開けて家全体を暖めることが結露防止になります。

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tag : 換気結露

換気計画の給気口の冷気処理

冬に向かい寒さが増してきますが換気システムの給気口はつける位置によっては、ある工夫をしないと・・・冷気流を感じて快適さが失われてストレスが溜まるようになります。
換気の種類には大きく分けて熱交換タイプの第一種換気装置と集中排気システムの第三種換気装置がありますが第三種の換気システムの給気口については以下のように工夫あるいは冷気流を防ぐ給気口を採用することをお奨めいたします。

dc100227_3.jpg一般的な第三種換気システムの給気口は左写真のように外壁面に取り付けられます。しかし、寒い時期には気密性能の高い住宅は給気口からの冷気が居住者に不快感を与えることなく室内に新鮮な空気を取り入れる必要があります。気密性能の低い(例えば1.0cm2/m2以下でない気密住宅の場合は、給気口をつけなくても隙間から給気されるので不快だという感覚がありません。
だから、高気密にすると給気口が必要になり、冷気が感じるのであれば気密住宅でない方がいいのではないか?という疑問が出てきますが・・・気密性が低い住宅に設計上計画された給気口をつけると、建物の内外の差圧が低下し、思ったような換気が得られないのです。このことは以前にレポートしました。

dc1002281_5.jpg給気口からの冷気は直接下下降します。写真はパッコンと言われる外国製の給気口ですが隙間の大きさの調整と閉じる、開ける機能がついていますが何も手を加えないと直接冷気が下降するために・・・その周囲に例えばベットがあると安眠できないことがあります。

最近輸入品の給気口は冷気が下降しないように、冷気ストッパーがついている物が増えてきました。

左写真では従来の給気口に簡易にテープで下降防止をした様子です。見栄えが悪いですがテープの幅の大きさで自由に調節することができます。

dc1002311_2.jpg 左の写真は給気口の蓋が左右、上下自由に隙間と角度を調節ができて冷気を緩和させる工夫がされています。
この他に似たような物に角度が変えられないが隙間を塞ぐストッパーが自由に変えられる物もあります。また,外気温に連動して隙間を開閉する温度センサー付きの給気口もあります。すべて、輸入品の給気口です。
冷気がそれほど問題となっていないのは、気密住宅といっても、意外と住宅の隙間量が大きく、給気口からの少ないため問題にならないのです。

例えば気密性能が2.0cm2/m2の住宅の一個当たりの給気量は6m3前後、1.0cm2/m2の気密性能であれば10m3前後、0.5cm2 /m2の気密性能であれば15m3前後が給気されます。つまり、気密性能が高ければ高いほど給気口からの冷気が多くなり、あるいは給気口の設置数が少ないほど冷気が多くなります。そのため、冷気を防止する対策を取る必要があるのです。

第一種換気装置の熱交換タイプのメリットは冷気を加熱して室内に取り入れることですが、第三種換気システムでも、工夫次第で冷気を感じさせないことができます。
例えば居住域以外のクローゼットや納戸などに給気口を設置する方法です。
本来、第三種換気装置の給気口の設定は全室暖房で窓下にパネルヒーターを設置することが基本ルールです。このルールが守られれば上に給気口があっても冷気は緩和されて不快にならないのです。

いずれにしても、この給気口からの冷気流の不快感は気密住宅に住んでみないとわかりませんが・・・この部分まで深く考えてくれる設計事務所、工務店に依頼したいものです。


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換気計画でのレンジフード対策

レンジフードのファンは24時間換気システムのファンの能力より大きいのが一般的です。
そのため、レンジフードを回すと室内の換気バランスが崩れてしまうのが欠点でした。気密性の高い住宅は玄関のドアが重たくなったり、住宅の間取りによっては換気経路がバラバラになることもあります。

一方、気密の低い従来の住宅では隙間だらけで、それほど問題にはなりません。
高気密住宅でのレンジフードの取扱には十分に配慮する必要があります。

737zgmwnzixmdeoj0oqrjepki9dkk4xkv8x.jpg室内の圧力バランスを崩さないようにするためには同時給俳タイプのレンジフードを取り付けるとよいでしょう。
但し、給気口と排気口の取り付ける位置はショートサーキットが起きないように十分離して設置することが大事です。
最近、私はショートサーキットを防ぐために給気は外壁通気層を利用することをお勧めしています。
そのため外部から見て給気フードはなく、排気フードしか見えません。

737zgmwnzixmdeoj0oqrjepki9dkk4ykv8x.jpg排気タイプのレンジフードでは、排気量が多くなると給気口からの給気量が増加してしまいます。そのため寒い時期ににはその給気口付近は冷気を感じ不快な室内環境になってしまいます。
(この排気タイプのレンジフードを採用する場合には、給気口に給気量をある一定の量を給気しない調節機能がついた給気口を使ったり、給気口の真下に暖房機器を置くことで冷気を和らげるようにするとか、レンジフードの壁面近くにレンジフード用の給気口(同時給俳の役目を果たすように)をつけるなど工夫が必要です。

※ただ、この排気型レンジフードのほとんどは密閉ダンパーがついていないため未使用時には給気口になってしまうのが欠点です。そのため冬季にはレンジフード付近は冷気が入り寒い空間となってしまうのでお勧めできる方法ではありません。同時給俳型レンジフードは少しコストが割高になりますが・・・こちらを使うようにするべきです。)

最近は高気密・高断熱住宅を基本とするることは当たり前になっていますが、このレンジフードに関しては意外と意識が薄く、同時給俳のレンジフードを設置している建築業者が少ないように見受けられ残念に思います。


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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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