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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

断熱ビフォーアフターの結露(2)

最近、無料相談コーナーにはリフォームについての(不具合)相談が増えています。
最も多い相談は「断熱リフォームをすると結露が出ない!と言われて契約したが以前と変わらず結露が出る」と言った内容のレポートでした。

前回は断熱ビフォーアフターの結露の6項目の中の①②③のレポートでした。
今日は④⑤⑥のレポートになります。

4番目に多い④結露の原因は暖房機器の選定間違いのため結露発生。
744sw1hz2xkfa.jpgこれはリフォームを請負う業者が施主と契約で暖房器は別途にして契約していることの理由があります。
新築物件でもそうですが・・オール電化住宅であれば蓄熱暖房器とかエアコンをシステムとしで契約されますが・・・・オール電化住宅でない場合の新築あるいは断熱リフォームとか、あるいは高気密・高断熱のリフォームでは暖房器は別途工事として見積もりの中に含まれないで契約されている例が多いのです。

そのため施主は後で自由に好みで買うことになります。
自由に買うことは結構なことなのですが「ファンヒーターを使うと、これこれの理由で結露の原因になりますよ!」といった説明をすることはほとんどないのです。

リフォームする多くの方は「勿体ない精神で?」今まで使っていたファンヒーターや反射式ストーブを使ってしまうため必然的に結露を助長させてしまっていることが多くの実例にあります。

断熱リフォームする場合には施工側は結露防止についての様々な事柄、知識をマニュアル化して見積もり書に添付、断熱リフォーム後の住まい方の注意点を説明をするようにする必要があります。
断熱リフォームは新築同様に断熱・気密・換気・暖冷房の4点セットがなくてはならないものです。
この4点の中から何か一つでも欠けてリフォームしようとする施工業者とはお付き合いをしない方が無難だと思います。

744zgmwnzexmzp3ag.jpg⑤に多いのは気密化工事をしない単に断熱工事だけした例の場合です。

気密測定をすると、当たり前ですが隙間が多い抵気密住宅では負圧にならないため測定ができません。気密化を意識しない断熱リフォームは隙間風が多く、換気ロスが多く省エネにはならないばかりか、それよりも隙間があることで露点温度に達しやすく結露が発生しやすい室内環境になってしまうことです。

断熱リフォームを意識する場合には気密化も意識して隙間相当面積C値=1.0cm2/m2以下の実測値が出る条件をクリアできる施工業者に依頼するようにしましょう!
744ojfnjsqqxiipq5cumskobq.jpg⑥は断熱欠損による結露発生です。
一般的に断熱工事だけはもきちんと施工されているかどうかは内装下げをする前に目視でチェックする必要があります。
写真は断熱リフォームの完成後のオール電化仕様お宅です。断熱材はグラスウール16kg/m3×100を充填しています。

しかし、サーモグラフィーで撮影してみると部屋の隅部の壁、床はあきらかに断熱材が入っていないか、入っていても雑に施工されているため断熱欠損となっていることがわかります。そのため、この部分は温度差で露点温度に達しやすく結露が発生し、土台周りにはカビも発生し、省エネにもならない不健康な環境になってしまいます。

やはり、これも断熱・気密・換気・暖冷房の4点セットを意識しない業者に依頼すると、この現場のように未熟な施工をされてしまいます。そのため施主は未熟な施工をされないようにを優れた業者を選べる眼を養うことが大事です。

選ぶポイントは断熱・気密・換気・暖冷房を基本とした業者であるか?
また、その結果を各調査機器で実測できる業者であるか?
がポイントになります。


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断熱ビフォーアフターの結露(1)

寒きなってきますと、無料相談コーナーにリフォームについての(不具合)相談が増えています。

最も多い相談は「断熱リフォームをすると結露が出ない!と言われて契約したが以前と変わらず結露が出る」と言った内容が最も多くなりました。

その例の内容と原因をを列記すると
①換気されているが換気不足が原因で結露発生。
②基礎断熱にして床下を土間床にしたら以前より結露が発生。
③全体の換気量は確保されているが換気の経路が確保されていないため部分的に結露発生。
④暖房機器の選定間違いのため結露発生。
⑤低気密のため結露発生。
⑥断熱欠損(施工ミス)のため結露発生と続きます。

742zgmwmza0nth19a.jpg①の換気がされて換気量確保されている場合の結露は工事水であることの原因が高いのです。
未乾燥材やコンクリートから出る水分は非常に高く、1~2年経過しないと工事水が抜けないことがあります。

特に冬近くに完成した住宅はこの傾向が強いので、換気本体を早めにつけて施工途中から運転すると水蒸気を多量に排出してくれます。
(ダクトの配管を後にしても換気本体だけを先につけて仮設電気運転するとよい。)

また、換気量が確保されていても窓の断熱性が低い時、ペアガラスのアルミのスペーサーなどはガラスの性能が高くても結露することがあります。
また、予算の関係で既存のアルミサッシをそのまま使いガラスだけをペアガラスに替えた場合には表面温度を相当高くしないとアルミサッシ枠には結露が出てしまいます。
これは換気システムの問題ではありません。

また②の基礎断熱土間床にリフォームする場合には気密性能、断熱性能が高くなればなるほど床下は結露に侵される危険があります。
新築と違って数か月の養生期間を置く訳ではないので床下に換気システムの排気口を数か所つけるか、あらかじめ断熱・気密型の基礎換気口を取り付けて工事中と2年くらいは冬と梅雨時以外は極力開けて通風させる必要があります。

742zgmwmze2mdt29w.jpgまた、以前に数回投稿しましたが排気量不足には防虫ネットがついているため埃が付着すると換気量が半分に以下になってしまいます。
防虫ネットは取り外しして24時間連続換気を行います。
(防虫ネットは虫が入ることを防ぐためですが連続運転では排気力で虫は一切入ることはありません。そのため局所換気扇であっても防虫ネットを外して24時間換気をすることをお勧めいたします。)

次に③の換気経路の確保ですが
室内の換気経路を確保する場合にはドアのアンダーカットが一般的です。
経路が万全でもこのアンダーカットの幅やガラリの幅が少ないことと工事水が原因で結露が出たことがあります。

トイレや子供部屋のアンダーカットは最低でも幅10mm以上は確保しましょう。
ガラリやスリットも同様です。
幅10mmの隙間は圧損抵抗により。実際の開口面積の半分しかありません。
10mm幅で600mmの長さがあると30cm2です。


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tag : 換気結露

換気がされていても結露する理由

昨日から気温が下がって、寒くなってきましたがそれに伴って窓に結露が出る現象が出始めています。
無料相談コーナーに2件の「換気がされていても窓に結露が出る」についての同じようなご相談がありましたので投稿を回答とといたします。
dc112302.jpg換気量がきちんと確保されているのに結露が起きる事例は少なくありません。このような場合に先ず考えられるのは工事水の可能性がもっとも高いのです。

未乾燥材はもちろん、基礎のコンクリートから出る水分がとても多いのです。特に冬近くに完成した住宅はこの傾向が強いため、初年度には必ず結露に悩まされます。(結露といっても、従来の住宅の結露と違って出る結露範囲(面積)が違います。左図の左図のように窓の下枠付近に結露が出るのが気密住宅の特徴です。)

新築の場合は、できれば換気本体を施工途中から仮設電気を利用して運転すると水蒸気を多量に排出してくれます。
また、換気が確保されていても、窓の断熱性能が低いとか、ペアガラスのアルミスペーサーの部分が結露する時があります。これは換気システムの問題でありません。

窓ガラスの性能が高くても熱を伝えやすいアルミで作られているため、ガラス面で結露する場合は先ず、この部分でいち早く結露するのです。このような場合は左図のように窓の天板(カウンター)にスリットをつくると→のように温かい空気が窓下の温度低下を防ぐため結露の発生は防ぐことができます。

また、1~3年経過し、工事水が抜け切るとピタッと結露は止まるようになります。

629ahvsaxj1dgetkweoypbe32y_002.jpgその他の事例としては、換気システムの換気量が確保されているのに、換気不足が原因のような現象の場合は排気フードの防虫ネットの目詰まり原因です。

局所換気でタイマー付きの浴室ファンやトイレファンやレンジフードなどは殆ど防虫ネットがついていますので、これに綿埃などが付着すると換気量が半分以下になってしまいますので防虫ネットは外した方がいいでしょう。



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Q1住宅(開口部の断熱性)を検証!

Q1住宅の断熱性能を熱カメラ(赤外線サーモグラフィ)で見てみました。
※ 赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置です。

このQ1住宅は次世代省エネ基準Ⅲ地域で次世代省エネ基準Ⅰ地区のQ値を大きくクリアする住宅で建設されました。
夜間の熱損失をハニカムサーモスクリーンで軽減。
ヒートポンプ式電気ボイラーによる給湯暖房(パネルヒーター)のオール電化住宅 
熱損失係数(Q値)1.26w/m2k
隙間相当面積(C値)0.47cm2/m2
自然温度差 9.4℃
暖房熱源(電気)
電気消費量 1,886w/年
CO2排出量( 832co2-kg)
撮影日:2010年2月7日
撮影時間:AM4時30分
室内温度:18℃
外気温度:-3.5℃

665mterz47kkf6pla.jpgこれは玄関ドア(スウェドア)です。
スウェドアは表面は単板ですが、内部は多層構造で、アルミニウム板やクロス単板で反ったりするのを防止し、インシュレーションボードで耐火・断熱・遮音性能を上げています。
表面仕上げも未塗装・チークオイル仕上げ・ホワイト塗装等の種類があります。
スウェドアの特徴はなんといっても気密性と断熱性です。
スウェドアのK値(熱貫流率)は1W/㎡・KはPVCArLowEガラスのドレーキップ窓のK値=1.5W/㎡・Kより高い断熱性能の玄関ドアです。
その断熱性能の違いを赤外線サーモグラフィで確認してみました。

しかし、断熱性能が高い玄関ドアにしては下枠と扉の間は(グリーン色)で15℃前後の低い表面温度を示しています。
扉の上部はオレンジ色で20℃前後を示しています。
この表面温度が低い原因は建付けが甘いため下枠と扉に小さい隙間が生じていたためでした。
その隙間から冷気が入り込み表面温度を下げているのです。
(これは建付けの調整で簡単に解決されます。)






665n5fnjsqqxngl.jpg一方、左写真の窓のPVCArLowEガラスの表面温度は18℃~19℃前後を示しています。
PVC枠はさらに低く15℃前後を示しています。
壁全体は18℃~20℃前後になっていますが窓のコールドドラフトで室温が下がり平均18℃の環境になっています。

暖房開始から5日目ですので室温が20℃になるためには後数日暖房期間が必要です。
いったん家全体が暖まってしまえばとても快適な住環境になると思われます。

※掃き出し窓の下の赤い部分は床のガラリから床下のパネルヒーターからの熱が放出されていることを表しています。
※また、ガラス(ArLowEガラス)よりPVC枠材の方の表面温度が低いのでPVC枠で高い断熱性能の開発が望まれます。





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高気密住宅だからこそ利用できるエネルギー

断熱と気密性の低い住宅では入る熱より逃げる熱の方が大きいため、入る熱はあまり重要視されてきませんでしたが住宅内で発生する太陽の日射エネルギー、人体発熱、電気製品や照明器具、調理や洗濯など、人が生活する上で必ず発生する生活発熱と呼ばれる内部発熱は、太陽エネルギーの少ない地域で一時間当たり1162W以上の熱が発生しています。

今までの気密性能が低い住宅ではこの太陽のエネルギーは10%くらいしかキープできませんでしたが高断熱・高気密住宅になると30%くらいに増え、さらに付加断熱などをして気密性を高くすると30%以上の太陽熱を利用できるようになります。

気密住宅が認識される前には見込むことができないエネルギーでしたが高断・高気密住宅になると暖房のエネルギーとして計算できるエネルギーとなっています。

dc101916.jpg例えば、グラスウール100mmの断熱住宅にペアガラス仕様の高気密住宅(1.9w/㎡・K前後)の住宅では内外温度差が小さいのでお金を出さなくてもいい太陽エネルギーが増えるので、約40%程お金を出さなくても良いエネルギーになります。

これは1.16w/㎡・K前後の非常に高いQ1住宅のような住宅を造ったと同じことになります。
ただ、窓から入る熱エネルギーで夏はオーバーヒートを起こす危険があるので、日射を遮る庇とか植樹を利用することで熱をコントロールする必要があります。

高断熱・高気密住宅になると、この内部発熱のエネルギーで簡単に室温が上昇します。

この自然温度差を利用すると、その自然温度差を差しい引いた不足のエネルギーを暖房用のエネルギーでまかなうことができるのが高気密住宅ができるのが大きな特徴です。

高気密住宅の自然温度差は一般的には8℃前後になります。高気密住宅は少し断熱を付加するとすぐに断熱効果が現れるようになるので、よく高気密・高断熱住宅の謳い文句で言われる「春のようなポカポカした温かさ」の体感を実感できるようになります。

また、さらに断熱性能の高い窓を使うと特別なことをしなくても、パッシブソーラー住宅が可能となります。

参考:太陽エネルギーを積極的に取り入れ、主に冬季間の暖房などに利用する場合は、熱損失係数の基準値の補正が認められています。そのため熱損失係数の地域区分とは別に、パッシブ地域区分が表示されています。

自然温度差のわかりやすい説明は→たのしい家づくりの会をご覧ください。


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高断熱・高気密住宅の暖房は何がいいの?(2)


窓の断熱性能や暖房設備によって大きな室内環境に大きな差が出ることを住宅の暖房は何がいいの?(1) でレポートいたしました。
その他に重要なことは、住宅の気密性能によって室内環境の良し悪しに大きな差が出ることです。
しかし意外と一部の施工者も、ほとんどの一般のユーザーの方も意外とこのことを理解されておりません。

住宅の気密性能のレベルが北欧の水準をクリアーすると・・・・室内環境は設備機器や窓の断熱性能が快適な温度環境を決定できるようになります。

気密化を意識しないで造られた在来工法で建てられた住宅で昔ながらのストーブ暖房をすると繊維系の断熱材で100mm断熱にしても部屋の上下の温度差は10℃前後にもなってしまいます。
(この温度差は北国に住む人ならほとんどの人が経験した室内環境です。)

一方、在来工法よりRC住宅の場合は気密性能が高いため二重サッシを使うと気密性能が高くなるためストーブ暖房しても上下の温度差が小さくなります。

695npfnjsqqxnce.jpgさらに、気密性能を1.0cm2/m2以下にできるレベルで窓下にパネルヒーターをつけるセントラルヒーティングでは上下の温度差をわずかにすることができます。

このように気密性能を1.0cm2/m2以下にできると暖房の設備設計で快適性を左右することになります。

(このことは気密性能が高気密であっても暖房計画がきちんとされない現場が意外と多く・・・・「高気密・高断熱住宅、あるいはオール電化住宅なのに寒い・・といったクレームが増えています。)

大きなテラス戸の下(床面)にパネルヒーターを設置しなかったり、一階を床暖房にすると窓からのコールドドラフトによって上下の温度差は1.0℃くらい生じます。

また、極端な例では暖房計画がアバウトなため上下の温度差が逆転する高断熱・高気密住宅(オール電化住宅)も出るようになりました。


室内の温熱環境は、もはや気密性能のせいだけではなくなってきています。

温水式のセントラルヒーティングは低温の輻射暖房ですが熱の分散、室温の制御が自由にでき、クレームが少ない暖房です。
配管材も床暖房のように隠ぺいされることが比較的に少ないためメンテナンスのし易さがとても魅力です。

この他にセントラル暖房の方法には石油ストーブ一台の自然対流の暖房、床暖房併用のパネルヒーター、蓄熱暖房器、熱交換器暖房、エアコンなどがあります。
その快適性には格差があり、上下の温度差や部屋間の温度差、気流の発生、気流に伴う乾燥感、室温の制御性が違ってきます。

※貴方は暖房は何にしますか?
(私のお勧めの暖房システムは輻射式暖房のパネルヒーターです。)

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高断熱・高気密住宅の暖房は何がいいの?(1)

寒くなってきますと「高断熱・高気密住宅で計画しているが暖房機器は何がお薦めですか?」・・・と暖房機器の選定についての相談があります。今日はそのことについてレポートしたいと思います。

高断熱・高気密住宅を建てることを前提にすると高断熱・高気密住宅は暖房方式によって、いいも悪いも選定される暖房機器によって室内の温熱環境が決定されると言っても過言ではありません。ストーブ1台で暖める自然対流の全室暖房方式は窓の断熱性能が高くないと部屋の上下の温度差を感じます。

真冬日にはペアガラス程度の断熱性能の窓だと上下の温度差があることがはっきりと体感できます。特に和室とかリビングにつけられる掃き出し窓(テラス戸)の場合には冷えた窓で発生する冷気流(コールドドラフト)によって、上下の温度差が増幅されて上下の温度差は3~5℃にもなります。

その証明写真は↓の熱画像です。
dc110102.jpgこの住宅はQ値が1.9W以下の所謂次世代省エネ基準のⅡ地域をクリアしているオール電化住宅です。

単位隙間相当面積はは0.5cm2/m2ですので問題のない気密性能です。
ガラスはぺガラスよりワンランク上のLow-Eガラスで暖房機は蓄熱暖房器です。
それでもテラス戸周囲の上下の温度差は窓上の壁は17℃前後テラス戸の上部は14℃で下部は12℃となっていて5℃の温度差があることがわかります。


(※この住宅は竣工したばかりなので暖房はされておりません、室内の17℃前後の温度は日中の日射による取得によるものです。撮影はPM10:40頃に撮影したもの)

窓の性能を壁の断熱性能に近いレベルのもので気密性能の高いものを使うと開放的な間取りの場合には上下の温度差はほとんど感じなくすることが可能となります。

一方、温風暖房や熱交換気暖房はコストの面から配管ダクトは1階の天井のふところに設置されることが一般的です。この場合には1階の天井から温風が吹きだすことになるので高気密・高断熱住宅でも上下の温度差が2℃~3℃になることがあります。しかも温風方式の暖房に気流速度は1m~2mもあり気流感があり不快に感じます。

配管ダクトを大きく(例えば直径150mm以上)して気流速度を遅くし気流感を抑えるとか住宅の断熱性能Q値を現状の倍近く(Q1住宅のような熱性能)に上げないと乾燥感がありすぎて決して快適な暖房方式ではないのです。

一方、快適だと言われるものには輻射式暖房器があります。これは床暖房や蓄熱暖房器や温水パネルを窓下に設置したセントラルヒーティングがこれに該当します。しかし、床暖房や蓄熱暖房器は掃き出し窓(テラス戸)があると、冷えた窓からの冷気流と冷輻射を完全になくすることができません。

真冬日の冷気流は隙間風と間違うほど大きく感じられます。床暖房や蓄熱暖房器では実際の冷えた窓ガラスの冷気流を防止できないのです。

一方、窓下に温水パネルを設置したセントラルヒーティングは冷気流と冷輻射を防止することができとても快適です。また温水パネルを設置したセントラルヒーティングは各自部屋毎に好みによって暖房温度を設定できるので快適性の高い最も最良な暖房方法と言えます。

問題点は温風式の暖房や床暖房や蓄熱暖房機と比較するとイニシャルコストが高いことが難点です。

しかし最近普及しつあるQ1住宅とか無暖房住宅に近いレベルの高断熱・高気密住宅で建てるとパネルヒーターの台数も能力も少なく小さくすることができ上下の温度差も小さくできてイニシャルコストも下がって採用しやすくなります。

その輻射暖房方式のパネルヒーターのお薦めメーカーは
ピーエス株式会社→http://www.gogops.jp/


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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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