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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

ブレイクタイム(きのこ採り2)

皆さんはきのこといえばどんな姿を想像するのでしょうか?
おそらく、マツタケ、シイタケのような姿を頭に浮かぶのではないでしょうか?
ところが、きのこには種類が様々あるように姿も色々あるのです。
日本のきのこの数は5,000~6,000種だと言われ、その中で名前の付いているきのこの数は約2,000種、名前の付いているきのこ全体の約10%の200種程度が食用きのこと言われております。さらにその中でも、特に好んで食用に供されるきのこの数は、わずか70種程度だと言われております。

その色々ある中でドレスのような網目状の菌網を伸ばす姿の美しさから「キノコの女王」の異名を持つとても珍しいキヌガサタケを動画にしています。特に下段の動画は絶滅危惧Ⅱ類に指定されいる貴重なウスキキヌガサタケの成長過程を見事に綺麗に撮影しています。

キヌガサタケ.jpg
●キヌガサタケ(食)スッポンタケ科
初めは白色で球形で成長につれて本体が現われて網目状で鐘形の笠をつける。キノコの女王といわれるほど美しい姿をしている。一般的にキヌガサタケの成長は卵が破れて写真のような全容ができるまで約6時間30分と極めて短時間に生成するとされている。そのため、成長する場面に遭遇するためには偶然が大きく左右されるきのこです。



●下の動画はODAKATOSHIO さんのサイトから引用しています。
「キヌガサタケ」の成長過程が見事に撮影されています。






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tag : きのこ岩手自然

RCアパートの結露被害の調査

RC構造の建物、特に賃貸アパート、マンションなどは入居者が部屋を綺麗に使っていても壁や窓にに結露やカビが出て困っている例がとても多く見受けられます。

RC構造で造られたアパート、マンションは戸建て住宅より必然的に高い気密性能を持っているため室内の温度は安定しています。しかし、もう一方では低い気密性能で室内の温度が安定しないRC構造のアパート、マンションもあります。窓は主に南側と北側だけに設置することが多く、換気扇も浴室・トイレ・台所以外には設置されていないのも賃貸アパート、マンションの特徴です。また、多くは高い気密性能をあるにもかかわらず明確な吸気口(外気を取り入れ口)がなく、また部屋を換気しないで、室内に洗濯物を干している世帯もあり、室内のどこかで結露を助長させている間違った生活スタイルが見受けられます。

押入やクローゼットは、換気をしても換気の効率が悪いため水蒸気を排出させることができません。そのためそこにどうしても結露が発生することになります。

702zgmwntezmdx2q.jpgこのRCアパートは1DK?の学生さんを対象とした間取りになっているためこじんまりとした造りになっています。
玄関周囲、特に洗濯置き場を中心として結露、カビに悩まされていることのようです。居住者が短期間で転居してもこの玄関周囲はカビで汚れるため、クロスの張り替え、石膏ボードの張り替え、床の張り替えなどの必要性が出て、これにかかる費用が思ったよりかかってしまっていることが調査依頼の理由です。

そこで一般的には解決策には左下平面図のように第三種の換気で画で行うことを考えます。(これで簡単に解決しそうな気がします。)換気不足が原因であればこの換気計画で結露とカビからは解放される筈です。


706g4abw4n0g4ydtonnglock5cj.jpg・・・が果たして・・・これで解決するのでしょうか?(提案の換気計画だけでいいのでしょうか?)図面だけでは判断するのは簡単ですがいい加減な解決策を提案することになります。やはり現場を調査することが解決の早道となります。


そこで実際に現地での調査を行います。机上の換気計画で結露を防ぐことができるかを現地で検証するのです。
結露は周知の通り主に断熱・換気・住まい方の三つのバランスがとれていない時に発生します。
机上の図面では換気のバランスが悪いので第三種のセントラル換気の設置でで解決することを計画しました。…がそれ以外・・・つまり断熱は必要な厚さを必要な箇所にきちんと施工されているのか?居住者の住まい方はどうなのか?それ以外はないのか?を聞き取りを行いながら目視と機器を用いて原因を探ります。

現場を見ることで様々な結露の原因となる問題点が見えてきます。結露の原因を換気だけでではなくそれ以外にないか?原因を探るための調査風景を動画にしています。
動画では結露の原因となる箇所をポイントで示しております。




一般的にRC構造の場合の問題点は気密性が高い割には換気効率が低いのが原因で室内で発生した湿気を十分排出できず結露のを助長させているのが多くの原因と思われています。そのため解決する方法としては換気効率を上げるために換気効率の高い換気扇に交換したりするのですが・・・やはり結露は改善されない事が多々あります。

このRC構造のアパートの問題点は玄関周囲、特に洗濯置き場を中心として結露、カビに悩まされていることでした。居住者が短期間で転居してもこの玄関周囲はカビで汚れるため、クロスの張り替え、石膏ボードの張り替え、床の張り替えなどの必要性が出て、これにかかる費用が思ったよりかかってしまっていることが調査依頼の理由です。

711kpsr85fnjsqqxkwd.jpg左写真はその問題となっている玄関脇の洗濯置場のコーナーが結露・カビに侵されている様子ですが単純にこの部分の換気が悪いだけなのでしょうか?

その前に室内の換気の様子を換気の風量測定器でトイレとユニットバスの排気能力を測ってみました。するとその換気量は25m3/hです。部屋の容積は≒68m3ありますので換気回数は0.36回/hほどあることになります。この回数だけを見ると結露は起きないだろうと思われるラインに入っています。

しかし、これは常時24時間換気をしている場合であれば問題にはなりませんがON,OFFのスイッチついていますので24時間常時換気にしていないと思われます。



そこで、このアパートの住人さんから換気の使い方の聞き取り調査を行いました。
当然、その回答は浴室は使用時にはスイッチは入れるものの風呂から上がると切ってしまうので換気扇は止まる。またトイレは電気をつけると自動的に換気扇は回るようになっているので電気を消すと換気扇も止まる。・・・といった状態でほとんど換気扇は使用されてい状況と同じになっています。

また、問題の玄関脇の洗濯置場は洗濯時には水を大量に使う場所であるのにも拘らず換気扇がないのです。そのため洗濯機の影は特にジメジメした状態になっているので結露、カビに侵されています。

それでは洗濯置場に換気扇をつけると解決するのでしょうか?
また、浴室もトイレも常時換気をすれば解決するのでしょうか?


713c2grz47kkf4wzq.jpg写真は共有廊下にあるパイプシャフトの設置されているパイプシャフトドアです。
(※パイプシャフトとは・・・一戸建て住宅やマンションなどにおいて、竪方向の各種配管(給排水管やガス管等)を通すために、床や天井などを貫通して設けられる垂直方向の空間のこと。)このパイプシャフトには給排水管の他にガス給湯機が設置されています。吸排ができるようにFF式になっているので、扉の上下にスリットがついています。

RC構造のアパートとかマンションで結露とカビの大きな原因の一つにはこのパイプシャフトの空間を・・断熱区画を内部側とみるか?外部側とみるか?・・・を明確にしていない現場が多いのです。外部廻りの壁面には断熱されていても・・・・この空間は温熱環境の観点からみるとスリットがあり断熱性の低いスチールドアを使っているので、当然、外部とみなさなければなりません。

外部になると、この空間と接している内壁には断熱がされなければなりませんし、気密もきちんと確保しなければ結露が発生しやすい環境を敢えて造っていることになります。所謂、パイプシャフトは当然ですが非暖房室扱いの空間と考える必要があります。

しかし、この現場では・・・
このパイプシャフトを断熱区画を内部と考えているためパイプシャフトの壁面(外部側)を綺麗に現場発泡ウレタンで断熱されいても、内壁は無断熱となっているので断熱の効果はほとんどありません。当然、その無断熱の内壁(ここでは洗濯置の後方の壁面と天井、トイレの壁面)は外気の温度に近づいているため表面結露はこの低温室で発生しやすくなります。
※一般に室内外の温度差が大きいと結露しやすいと思われ、断熱付加工事だけをして解決を計画をされることが多いのですが、それよりも室内側の温度が低くて相対湿度が高いことによる影響で結露が発生することの方が大きいので注意が必要です。
しかし、その前にやはり無断熱は問題ですので・・この部分はきちんと断熱する必要があります。

713zgmwntiwmdmoj0oqrjephzg.jpg写真の●印は内壁で断熱が必要な箇所、⇒は隙間があり室内に外気が流入している。(これではRC構造であっても気密が低い理由はわかりますよね!)








719sw1hz2vkyapw.jpgおさらいすると、左平面図に⇒の部分が無断熱でした。実際どうなっているのかというと⇒の部分は軽天下地に石膏ボードを洗濯場からとパイプシャフト側から石膏ボードを張ってあり、その間には断熱材は施工されていないのです。一般的に多くのRC構造の建物は・・・このパイプシャフトの納まりはこの現場と同じような納めになっています。

では、どうしてこのような間違った?施工になるのかというと、断熱区画を左平面図のように決定してしまうこととパイプシャフト内の壁を後付けで施工するからのようです。後付けになる壁は室内側の間仕切り壁の考えてしまい、無断熱にしてしまうのです。
この断熱欠損の改善工事の方法としては⇒の壁の部分はパイプシャフト側からの断熱・気密工事は配管材とか給湯機が混在して施工は無理なので洗濯場、トイレの壁、天井、床を剥がし硬質ウレタンで壁、床天井を吹き付けする方法を取ります。

719sw1hz2vzwnq.jpg左写真は浴室の点検口から覗いたトイレの天井の様子です。左●印の部分の外側はパイプシャフト内になります。右●は熱橋となる折り返しの部分隣室の間仕切り壁です。
新築時にはスラブに綺麗に現場発泡ウレタンを吹き付けしているのに壁の部分は吹き付けされていません。






713zgmwntiwmdmoj0oqrjephzg.jpgこの写真は上の写真と同じトイレの天井を覗いています。上に見えるのはレンジフードの排気のためのスパイラル管です。この写真からは見えませんが、さらにトイレと浴室の排気用の配管材は左側にあり、写真よのように壁に配管材を通すために、人通孔のように隙間を作り、その隙間を配管材を通しています。実は、これが断熱欠損でありながら気密欠損の大きな要因になっている部分なのです。従って、レンジフードで排気するとか、浴室、トイレの換気扇を回すと給気はこの隙間を通して行われます。勿論、冬にはマイナスの冷気も入ってくることになります。当然、冬にはトイレ、洗濯置場付近は洋室8帖でエアコン暖房していても冷えた空間になり結露を起こさせる大きな要因になっています。


それではそのパイプシャフトを断熱をして気密を取る施工をきちんとすれば解決するのでしょうか?
実はこの現場はこれだけではまだ結露を防ぐことは難しいのです。パイプシャフトの断熱・気密をする他に4つ問題を解決しなければなりません。

その4つの問題の一つ目の問題点は
720zgmwnti5mdmoj0oqrjepki9dkk4xksun.jpg左図は第三種換気装置を設置する換気計画案です。
換気装置を設置すると取り入れた外気は⇒のように移動する筈なのですが・・・計画図面上では移動することになるのですがリビングのドアとトイレのドアにはスリットがないので移動しないのです。



その写真はこちら↓
720zgmwntezmtmgusvfsdfehq.jpg
下枠とドアとの隙間はほとんどありません。これはリビングのドアも同様です。このままでは各ドアで空気の流れは遮断されてしまい、換気も充分行われないことになり・・・換気装置はつけたけれど結露が改善されないことがあるのは・・・こんなことが原因であることが意外と多いのです。


720zgmwntezmjf6_w.jpg





次に二つ目の問題点はリビングに外気を取り入れる給気口がないことです。
計画図では2箇所設置することを提案しています。
RC構造のアパート、マンションでは給気口があって写真の指を指している上部ではなく下部に設置されていることがあります。この場合には冬の場合にリビングで暖房していても下部から冷気が常時入りこんでくるため、足元がヒヤヒヤして不快です。そのため、上部につけることで冷気を希釈させるので直接冷気を身体で感じることを防ぐことができます。

720zgmwntezmjn8ag.jpg次に三つ目の問題点
指を指している箇所は内窓(プラスチック窓)ですが二重サッシではなく後付けのプラスチック窓ですので額縁とサッシ枠とに隙間が生じています。窓は外部はアルミ引き違い窓で内窓は障子タイプの召し合せの框なので高気密ではありません。
少しでも気密を高めるために窓廻りの周囲をシーリングして気密化を図ります。

720z2arz47kkf4pka.jpg次に四つ目の問題点は玄関です。
防化上の問題から枠はスチール枠かアルミ枠なので、どうしても熱橋になる箇所です。
解決策は外部から木枠で三方枠をつけて熱橋を防ぐことが理想ですが防火上無理があるので内部側から三方額縁をつけて熱橋になることを緩和させる工夫をするとよい。ただし、下枠がスチール枠であることと、鉄板で作られていて隙間だらけの郵便ポストがあるので完全に熱橋を防ぐことができません。

****「まとめ」****
■結露対策のための施工■
1・玄関のスチール枠には熱橋防止のために内部側に木額縁で三方枠を作る。
2・玄関のポストは気密が低いので気密処理を施す。
3・内窓の周囲をシーリングして気密を図る。
4・トイレ、洋室8帖のドアに幅10mm以上のスリットを設ける。(浴室はガラリで対応する。)
5・メーターBOXは外部とみなし断熱区画をする。(非暖房室)
6・常時24時間換気システムを新たに設置する。
その際既存のユニットバス、トイレの局所換気扇は撤去として排気口はユニットバス、トイレ、玄関の脇の洗濯置場に設置して0.5回/hになるように設定する。
また外気取り入れ口(給気口)を洋室⑧上に2箇所にに設置する。

※玄関周りはどうしても結露を防ぐ方法としては省エネにはなりませんが玄関脇に電気ヒーターなどの補助暖房を設置して室温を上げることで解決します。

先に結露は周知の通り主に断熱・換気・住まい方の三つのバランスがとれていない時に発生します。と言いましたが検証してみると断熱・気密・換気・暖冷房・住まい方の5つが結露を防止するための必要な事項だとわかります。




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気密性能は工法の違いに左右されない。

住宅の気密性能の高い低いは工法とは関係しません。
「パネル工法であれば気密性能が高いとか2×4工法がいいとか外断熱工法が気密性能を出しやすいとか」と考えることは誤解です。気密性能はどの工法においても、それぞれの気密構造を把握して造ることができるかがとても大切です。気密構造がわからなければ当然、気密性能は上がりません。

例えば、2×4工法は在来軸組工法より気密を出しやすいと考えられていますが、床断熱工法の場合で浴室廻りや玄関周りの気密施工を確実に行わないと気密性能はどんな住宅でも1.0cm2/m2以下を切ることができません。外断熱でも防湿・気密シートを使わなかったり、、下地がない部分で断熱ボードのジョイントを気密テープで処理をすると気密性能が出ないことが多々あります。

dc021302_1.jpg左写真の気密化工法は在来軸組の軸間断熱の例です。軸間断熱工法は最も普及していて特別な工法を採用しなくても「気密の原理」さえわかると誰でも高い気密性能を出せる工法です。

基本的な構成は気密が図りやすい基礎断熱と屋根断熱を採用しています。天井断熱とか床断熱の気密化施工が不安定になる部分を簡単に処理をしています。

使用する防湿・気密シートのサイズを整理し、ジョイント部分には必ず木下地をどうのように配置するかを考えると比較的に安全に楽に気密施工が「できるようになります。若し、下地がない部分があれば、そこに必ず木下地を入れて気密化をはかります。防湿・気密シートを石膏ボードや木材などで止めつけて、防湿・気密シートを連続するようにします。左写真は防湿・気密シートを2m幅のものを使ったため木下地が必要になったが、最終的には木下地を入れないで気密テープで処理をしてしまった例


dc061512.jpg通常の壁の納まりでは2.7m幅の防湿気密シートを使うようにします。これだと中間に木下地が必要がないので施工ミスを極力防ぐことができます。左写真は防湿・気密シートを2.7m幅のものを使ったため木下地を入れなくても良いい例、横の木下地はGWの壁充填のためのネット用の下地材です。
大工さんに確実な気密施工をしてもらうポイントは防湿・気密シートと木下地材と気密テープと石膏ボードの4点の合体で気密が取れることを意識してもらうと高い気密性能を上げることができます。



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tag : 高気密省エネ住宅新築

ブレイクタイム(きのこ採り)

9月中旬頃から採れ始める「コウタケ」を探しに山に様子を見に行ってきました。
結果的にコウタケはは少し早いもののイグチ科系のきのこ達が顔を出していました。

dc090832.JPG
食用きのこの「アカヤマドリ」他数種を動画にしています。
ただ岩手では「アカヤマドリ」はあまり食されていないきのこです。

コウタケ」は来週が期待できるかも!


アカヤマドリは8月から9月にコナラ、クヌギ、アカマチ等の混生林地内に発生する。傘は18~22センチも大型菌で初めは黄褐色でつぶつぶのあ­る丸山形で成長すると傘にヒビが入り硬くしまった薄黄色の厚い肉が現れる。食べ方はあまり大きくならないものを採り、表皮や管孔を切り取ってから調理する。油いため、天ぷら煮付けなどでいただきます。


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tag : きのこ岩手自然

高性能住宅をローコストで作る方法!

最近「ローコストで高性能住宅を作る方法はないのか?」の質問が増えています。

その回答としては当たり前ですが「熱損失係数(Q値)の小さいシンプルな家を作りましょう!」と言います。
当然ですが「熱損失係数(Q値)の小さい家を作ろうとすると断熱・気密区画部位(屋根、壁、床、開口部、基礎等)の断熱性能を当初に計画より断熱性能を上げなければならず予定よりもコストがかかってしまいます。

それで予算内に収めようとコストアップした分を床面積を減らしたり内外装の、設備等のグレード調整をして検討することになるのですが・・・それでも不足する場合があります。

その他に方法はないのかと言うと・・・・あるのです。

それは一般的な設計では間取り(平面図)が優先されてから形状=外観が作られます。
そこで・・・その間取り優先順位を外観を優先にすると建築費は下がりQ値を上げることがわかります。?

下図は一般的によく見られる外観8種類です。
479z2erz47kkf4qlw.jpg

正方形の総二階建ての住宅の外壁面積を100として形状によって変わる外壁面積の比率を表しています。

一般的に見られる住宅の形状(外観)で外壁面積が大きいほど熱性能・・・熱損失係数(Q値)が悪くなってしまいます。総二階の住宅はかなり細長くても表面積がそれほど増えませんが、一部二階建の住宅の場合は15%以上も表面積が増えて、れだけ熱が逃げやすくなります。

つまり住宅の外壁の表面積が少なければ少ないほど熱損失係数(Q値)は良くなり、家計の暖冷房費も節約でき省エネに貢献する住宅を作ることができるのです。

欠点はどうしても外観にこだわる方にはお勧めできない方法です。
528zgmwnji3odicha.jpgちなみに左写真は我が家ですが土地が長方形だったので104の長方形の外観になっています。

特殊な外観形状の場合はかなりの熱ロスがあることがわかります。
少し乱暴な熱計算の仕方になりますが、例えば総二階の100の正方形の住宅のQ値に床面積を変えずに外観を変える場合には単純に表面積の指数をかけることでおおよその判断ができます。

つまり、平屋建てや一部二階建ての住宅の場合は、それだけ断熱仕様を上げないと同じ床面積でも熱性能は低下するのです。また、断熱・気密の施工性から考えてみてもシンプルな総二階の方が良いようです。


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tag : 新築建築図面

付加断熱と棟換気で夏対策

棟換気の役割は、水蒸気を屋外排出するだけではありません。気密性能が高いと、ほんの僅かな換気力があると室内側から漏れた水蒸気を屋外に排出することができます。
dc091601111_2.jpg棟換気の役割は夏涼しい環境を造るためもあります。
屋根材が高温になると小屋裏や通気層の温度が高くなります。冬は内外の温度差は(外気が-10℃、室内が20℃にすると)30℃ですが、夏の通気層は70℃にもなると、室内側の表面温度は10℃以上表面温度は高くなってしまいます。

室温が同じでも表面温度が上昇することで体感温度はとても不快に感じてしまいます。屋根の構成を工夫すると屋根材が過熱して室内に与える不快な影響を少なくすることができます。その仕様は通気層との間に付加断熱をすることですが、その付加断熱する方法にも大きく分けると4種類の付加断熱する方法があります。

①天井断熱の場合には屋根面を外断熱か内暖熱+棟換気で構成する方法
②屋根が充填断熱の場合には通気層を多く(30mm以上)確保して通気層の間に付加断熱+棟換気をする方法
③②の屋根の充填断熱と同じであるが付加断熱を外張り+棟換気をする方法
④天井断熱であっても屋根充填断熱であっても、外張り断熱であっても屋根材の部分に外張りにする方法+棟換気があります。こうすることで自然の空冷装置(通気層を外気温に近づけて)の働きを十分引き出すことができます。

最近は数多く高断熱・高気密住宅が多く建てられるようになりましたが、棟換気はつけるものの付加断熱で夏対策を考える家づくりはまだまだ少ないのが現状です。

多少の室内環境の違いがありますが、どの方法でも付加断熱で過熱した屋根材の熱さを緩和する方法ですので積極的に夏対策として採用し、冷房に極力頼らない生活をしたいものです。

dc012128.jpg参考:調査事例から
左の写真は天井断熱仕様でですが、棟換気が取り付けられていないため小屋裏は50℃の高温になっていました。
その影響もあって天井の断熱材の性能の低さと低気密住宅のため2階の居室は外気温が25℃であっても10℃高い35℃前後の体感温度になってしまい冷房なしでは眠ることができない環境です。

解決策には①棟換気を取り付けて小屋裏を通風する。
②現状の天井断熱に付加断熱をして断熱性能を上げる。また気密性能も現状より上げる工夫をすると外気温に近づき快適な空間を造ることができるようになります。


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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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