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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

気密住宅の過乾燥

冬場に暖房して換気を十分にとると、室内が乾燥してのどが渇くという話があります。


70zjawnja1njlfmjm2mjy2mzzu.jpg「昔、ストーブの上に鍋、ヤカンを置いて湯気を出していた頃は、こんなことはなかった」という想い出があるからでしょう。

確かに冬場に湿度計を見ると30%前後を指すことがよくあります。



昔からよく言われた快適湿度は50~60%という物差しから大きく外れています。

そこで多少の結露を覚悟して観葉植物とか鉢植えや、洗濯物を干して高い湿度で暮らす方がいいと思っている人もいます。
暮らし方の問題ですから良い悪いは一概にいえないのですが、あまり湿度を高くして、結露を起こすと、ダニが発生して健康上に問題が起こることになります。

高気密、高断熱住宅で全室暖房、計画換気がうまくいっている住宅は冬場の室内が23℃の時35%くらい指すことがあります。湿度35%ではいかにも乾燥しているような感じがしますが、生活に慣れてくると意外と乾燥感が気にならなくなります。
(我が家でも1年目は乾燥感に悩まされて時に家内が・・あ~だ、こ~だの文句がありましたが、2年目頃からは一切文句がなくなりました。)

また、過去に建てた多くの気密住宅の建て主さまの意見を聞いても前より乾燥感が気にならない・・・と言った意見もありました。

それは気密性が高いため、隙間風や温風などがないために空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることが少ないため・・・だといわれます。
ホテルのように静電気が起きるほど乾燥したという話も耳にしません。

湿度計を見て湿度30%を気にするよりは感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。

快適な湿度環境は50~60%でなければならないという意味ではなく、30%前後でも健康上には指して問題にならないと思います。
また市販の数千円程度の湿度計は狂いやすい計器ですから湿度計の数値自体があまり当てにならないということもいえます。

●そうはいっても、粘膜アレルギーのような乾燥に敏感な方には、
何らかの過湿を加えなければなりません。
対策はどうしたらいいでしょうか?>


続きます↓

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気密住宅の防音対策(給気口)

日本で販売されている多くの第三種換気システムはに吸気口は外国製の給気口です。
その多くは、音の対策は施されており、人の声程度は聞こえないほど防音効果があります。

しかし、工事や学校、交通量の多い場所では、耳障りな音だという声があります。高気密といっても少し気密レベルが低いと、給気口をつけなくても、家の隙間から十分給気されています。

給気口は気密性能が1.0cm2/m2よりかなり良くないと内外差圧が下がるだけで、あまり効果がありません。高気密住宅でも、給気口に換算すると、10個の給気口がついているのと同じ隙間量なのです。それなら給気口をつけないか、騒音がうるさいときには閉めて使う方がいいでしょう。

国産の給気口はあまり音の問題を重視されていないようです。
69zjawnja1njlfmji0mziznpjv.jpg(写真のオレンジの部分にグラスウールを詰める。)
●給気口の防音対策としては
①交通量の多い道路側には、給気口をつけない。
②通気層から給気を図り、直接給気口から入る音を軽減する。(ただし、気密性能が高くないと、温度差換気や風力換気の圧力の方が大きく、2階の窓から排気し、外壁材の裏側(通気層)で結露が発生し、凍害が起こる危険があります。)
③給気口のスリーブ管にグラスウールを詰め込んで吸音を図る。

グラスウールを詰め込んだだけでもかなりの効果的です。
気密性能が高いと②と③を併用するとかなりの効果が期待できます。
(但し、埃や塵がたまるのでマメに掃除する必要があります。)

冬は窓を閉め切って生活するので、給気口の効果が上がりますが、夏は自然換気で窓を開けて生活するので効果は期待できません。しかし、窓を閉めて冷房する時は効果的です。
また、熱交換換気システムを使うと、この問題が解決されますが、吸気能力が計画より少ないシステムがあるので注意が必要です。


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ブログを通じて新築依頼

今日、H様の地鎮祭でした。
このH様は私のブログの読者だった方で、以前投稿した
室内気候から考える断熱技術(1)をお読みなって高性能住宅を建てたいと考え相談に見えられた方です。

68rfndmdixntfa6w.jpg室内気候から考える断熱技術(1)では設計は四季設計さんですがローコスト住宅並みのコストで次世代省エネ基準をクリアする高性能住宅に挑戦した内容でした。その記事を読んで、四季設計さんを紹介して欲しい・・・という依頼です。
今回のH様のご要望は最低次世代省エネ基準を超える高性能な住宅を希望です。
しかし、困ったことに土地の購入に多くの費用をかけてしまい(二区画の土地を購入したため)建物にかける予算が減ってしまいました。そこで、四季設計さんには各業種の割り振りを使える予算から逆計算をして、構造と断熱、気密、換気、暖房にできるだけ要望に沿えるように配分調整をして設計を依頼、着工ができる状態に協力してもらいました。
68zgmwotizmdfhbm4gihyy.jpg
 H様邸の断面図

このH様邸のローコストで高性能住宅に挑戦の工事内容、進捗状況は時折報告したいと思います。


住まいの達人ブログで投稿して2ヶ月になります。
皆様の応援もあって、ランキングも少しづつですが上がっています。(皆様ありがとうございます。)
タイトルが「俺の家は高性能!」ですが果たして本当に高性能住宅はいいのか?
高性能住宅に住まわないでその長短を語れるのか?と思いながらも検証しないまま建築し普及活動をした経緯があります。
あるきっかけがあって、実際に住んでみないと語れない部分が多く出てきたため検証の意味もあって、思いきって自宅を新築してしまいました。
主に住宅全般というより、熱の分野に特化しているため興味がない方もいらっしゃるかと思いますが、わかっているようでわかっていない、曖昧な部分がこの断熱、気密、換気、暖房の分野です。

そんなことをブログを通じてわかりやすく発信して高性能住宅の普及とを建てる方の手助けになればと思っています。

そんな中、ブログを通じて高性能住宅を建てられる方が増えることは大変喜ばしいことです。


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結露を生じさせない設計と工夫

暖房の主役はあくまで建物であり、暖房設備は脇役であることは前にも説明いたしました。
そのためのは、せっかく室内で暖めた熱が簡単に逃げない建物をつくること。その上で建物内に温度差を作らないことが、快適生活の基本となります。


67zgmwotixmdfhbm4gihqi.jpg●温度差を解消する。
建物を断熱、気密化した上で、建物内に温度差が生じてくると、非暖房室(暖房器から離れた部屋、あるいは気密、断熱されていない部屋)には窓面や壁の隅角で表面結露など問題が生じてくるのです。
例えば、せっかく暖房やプラスチックサッシを使用しても、すぐ隣の部屋でさえ結露して困るという相談がけっこうあります。
(マンションにお住まいの方は特に多い現象です。)

もちろん、建物は断熱、気密化を徹底しているのですが、よく見ると、そういうケースに限って1箇所の個別暖房の例が多く、現実には暖房していない部屋が結露しているわけです。
そんなことがあると
「だから・・高気密、高断熱」が原因なのだ・・・という誤解も生じがちで、そした場合も暖房していない部屋をなくせば、暖房していない部屋の結露はほとんど解消されるのです。
もっとも、家族の発生あっせる水蒸気などの要素もありますが、先ずは建物内に温度差をつくらないこと、これが基本となります。

●設計上で工夫する
こうした現実を考えると、1台の暖房器だけで、その熱を建物全体に拡散させるには、かなり無理あることがご理解いただけるかと思います。
しかし、どうしてもコスト面で個別暖房にしたい場合は、設計の段階で、そのことを考慮していく方法があります。

例えばドアーガラリをつけたり、吹き抜けをつくったり、家全体を開放的につくって熱を動かす工夫をすることはいうまでもなく、通風換気などのルートも検討する必要があります。
これを吟味することで、全室床暖房やパネルヒーターを設置した場合に比べるとかなわないものの最小限のコストで暖房の原則が守られることになります。

しかし、35坪前後の建物であればこの方法も通用しますが、それ以上の建物になると、無理があることを認識すべきかもしれません。


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高性能住宅の10年後の暖房費はいくら?

この家は岩手で1996年に建てられてた住宅です。
ご主人は仕事の都合で北海道にいたTさんは寒さを考えた暖かい家から、岩手の仮住まいになった時は、1年で嫌になったそうです。
引越しを考えた時にいっそ家を建てようかと考え始めて、具体化したのは住宅金融公庫融資の利率が最低ラインの頃で後押しされる形になったのが建てる第二の理由でした。
64zjawnja1njlfmdm1ndy2mf8xkwg.jpg











●建てる・暮らす・いわての本」クラシェコ」に掲載
熱損失係数は1.78Kcal/mh.℃(現在はW表示ですから2.07Wm2Kです。)次世代省エネ基準のⅡ地域基準を少し下回る性能ですが当時の新省エネ基準の2.3Kcal/mh.℃を大きく上回る性能です。
・延べ床面積110.63m2
・断熱材は天井ポリスチレンフォーム300mm、壁は90mmのパネル工法です。
(当時は輸入住宅流行でアメリカから直輸入した「エコパネル」という商品でした。
・OSB+断熱材+OSBの一体成形板ですが気密は取れるものの防湿にこだわって内部よりアルミ箔蒸着の気密シートを貼り、気密防湿層とした。)
・開口部はペアガラス。
・基礎はウレタン40mm+コンクリート120mm、
・土間はウレタン30mm+コンクリート120mmの土間床工法、
・隙間相当面積が0.16cm2/m2の超高気密で0.4mm×0.4mmの総隙間面積しかありません。
鍵穴の隙間くらいでしょうか。

暖房はピーエス株式会社の「HRヒーター」
換気はアトム建築環境工学研究所の「ユーフレクト」

●以下はお住まいのTさんの感想です。
「ダクトで温風を回すのも均一性がなく、床暖房は北海道の友人の家で寝ころぶと熱すぎたという体験もあって、暖房を使ったパネルヒーターがお気に入り。
ただし放熱器のの形が薄いパネルが気になりませんが立体のコンベクタータイプは、床下に埋めたかったというのが本音。掃き出し窓はコンベクターをまたがないと外へ行けません。

室温は24℃くらい。動かないで入ると足元がちょと寒く、動くと暑いという感じ。(冬でも半ズボン)結露にはだいぶ悩まされていたので、建てる時の条件も「あったかいこと」「冬の結露がなくカビが生えないこと」「冬でもおいしいビールを飲めること」住まいはまさに条件どおり。お風呂場などにもカビはありません。朝の気温を気にして水を落とすこともない気持ちがいい朝です。

「給湯と暖房の石油代が1ヶ月15.600円。前の住まいで暖房だけで10.000円でしたから思ったほどではないです」・・と奥さんのK子さん。前の貸家より大きくなっていることを考えれば、暖房の効果はかなりレベルアップしているといえるでしょう。基礎の断熱材のお陰で床も冷えません。床暖房が入っているの?と聞かれます。そのため普段は冬でも裸足とか。湿度はやはり低めです。「油断すると観葉植物が枯れる」とご主人のTさん。暖かいので花は早く咲き、早く散るそうです。

一度暖まるとなかなか熱が抜けないため、夏は、夕方に窓を開け放して冷気を入れるようにしています。冷房器は入れておりません。夏の夜はウッドデッキがビアがーデン。美味しいビールが楽しめます。リビングの桟が格子に組まれている掃き出し窓は、気密を考えて方側しか開閉できません。桟はペアガラスの間に入っているので掃除は楽。玄関にあるガラスブロックは、やわらかな光彩をつくります。腰高の窓は上げ下げ窓でより洋風の印象に。網戸の設置が楽なので案外日本にピッタリです。」

●実際に住まわれているTさんの声でした。
室温24℃で給湯と暖房費が15.000円は安いと思いますが高いという意見あります。

全室均一な温度環境と新鮮な空気の入れ替えがあって、結露のない高性能住宅は長い目でみれば構造材の耐久性が飛躍的に延び、簡単なリフォームで50年以上も持つ資産価値の高い買い物だっのではないかと私は思っています。


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暖房は何を選択したらいいのか?

暖房機器は何を選択したらいいのか?と
訊かれると私は必ず「住宅に性能を高めた上で設備を決めましょう。」と言います。

それは何故なのか?でしょうか?

暖房の考え方の基本は、建物が主役で設備は脇役です。
建物の性能を高めることなく高額な暖房設備を設置しても無駄というものです。
石油やガス、電気などの消費量が膨大になるだけです。

暖かく又は涼しく、省エネに富んだ快適な住まいを作るためには、暖房設備そのものより建物全体の性能を向上させることが前提となります。
暖冷房の主役は暖房設備ではなく建物そのもだという認識を持つ必要があります。
    
63zjawnja1njnrug.jpg●図は「気温によって変わる体感温度と輻射熱の関係」

現在、坪なんぼ?で販売している住宅メーカー、工務店の場合は、ほとんど暖房器具は別途工事になっているか、FFヒーター1台ついて販売されている例がなんと多いことか、残念に思います。

また、事前に暖房機器が設置することがあっても建物の断熱、気密性能を確認しないため、過剰な暖冷房の設置をしてしまう例が多いのも事実です。
(寒い、暑いというクレームを防ぐため過剰設備をしてしまうのですが・・・当然コストが上がるのは当然ですよね!)暖房機器を考える時には、安全性、操作性、経済性、耐久性、デザイン性などを考慮して慎重に考えたいものです。

住宅の性能が高まって、高気密高断熱住宅というより高性能住宅とい言葉が普及している現在は、設備の容量も問題となります。先ほど坪なんぼの世界の住宅では容量の大きなボイラーやストーブを設置されがちですが、経済性を考えると多きいボイラーで時々燃やすよりは、小さめなボイラーで最大容量の80%くらいで常時使用する方が好ましいようです。

石油、電気、ガス代などランニングコストもよく計算した上で最適な暖房設備を選定したいものです。

それではお奨めは何か?と訊かれると

63zjawnja1njlfmjeymzi1npfj.jpg建物の断熱性、気密性能が高まったことが条件で」あれば「輻射暖房」が理想的と答えています。
放熱個所を分散させ、しかも低温度で熱を供給する温水パネルヒーターは建物の中に温度の差を作らず、どこでも一定に近い温度設定にするのに適した暖房設備といえます。この方式は、ボイラーで暖められた温水を利用することから、やわらかい暖房感が得られ、何処でも均一に暖まりやすい輻射式ならではの特色があります。

しかも部屋で火を使うこともないのでクリーンで空気も汚れません。
しかし、同じ輻射型の暖房でも、床暖房は室内が暖まるものの、窓際などは特に冷気の影響で寒さを感じたり、結露を発生させる場合があります。

春先や、秋口などは微妙な温度制御が難しく、安定した室温を保ちにくいといった短所あげられて、目に見えない床下、土間下などに設置されるため、将来にわたってメンテナンスが非常に難しいと考えています。

一方パネル式のセントラルヒーティングは、各部屋の最も冷える部分の窓下に設置されるためコールドドラフトを防いで、その外壁面の平均輻射温度を高めて、暖房温感を増幅させるメリットがあります。室温を低めに設定しても、あまり寒さを感じないのはそのためです。

●最近は
深夜電力で暖めた温水をパネルヒーターに利用するピーエス(㈱)の輻射暖房方式が脚光を浴びています。


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高性能住宅の基本とは?

欧米では100年住宅も珍しくないのに、
短命な住宅が多いのも日本の特色です。

長い年月を経て育った木が、僅か20~30年で寿命を迎える住宅のために伐採されている現実も無視できません。夏の暑さや、冬の寒さのために、大量のエネルギーが消費される住宅もエコロジーとはほど遠い存在といえます。

新しい工法がたくさんある一方で、「「高断熱、高気密」「高性能住宅」「オール電化住宅」「ゼロエネルギー住宅」の言葉だけが先走りして、未熟な技術が無秩序に建てられるケースが目立ちます。

特に「坪何ぼ?」で建てられた住宅です。

58zjawnja1njlfmdq2mjy0mzni.jpgその結果、結露や酸欠、汚染物質や有毒ガス、カビ、ダニによる人体の悪影響といった、およそ快適で健康的な住環境に逆行するような現象も数多く起きています。

(特に5~10年前に高断熱、高気密として建てられた住宅では、不快で省エネになっていない住宅が数多くあって、この頃クレームとして様々な現象を起こしています。)

これらは「断熱、気密、換気、全室暖房」の4つのバランスがとられていないことに原因があります。
特に換気の風量が大雑把、暖房では局所暖房で創られた住宅が多いのです。
「換気」「全室暖房」の欠如した高断熱、高気密住宅は室内の空気を汚染させるばかりか、カビや、ダニが生息する原因を作ってしまいかねません。
その上壁体結露を発生させて構造体の腐朽を促進させてしまうことすらあるのです。

58zjawnja1njlfmtq0mzg1a08.jpg4つのバランス「断熱、気密、換気、全室暖房」がひとつでも欠落してはならないのです。
もっとも、住宅の性能だけが住まいづくりの目的では」ありません。
外観や間取り、空間など住宅の快適性を決定づける要因は他にもたくさんあります。
家電製品や車にも最低限度の性能が求められているように、住宅にも性能を求められても当然だと私は考えています。
その結果、最小のエネルギーで最高の快適さを得ることは、地球にとってもやさしい行為だと思います。




58zjawnja1njlfmdq4mzuzave.jpg●高性能住宅を実現するための手法は数多くありますが、その最大のポイントは結露と湿気というハードルを確実に乗り越えられるか工法であるかということになります。

これまで投稿したように、屋内の湿度が高くなると結露発生の原因にもなります。

結露が発生すると、布団や衣類が濡れたり、大切な家具も傷めてしまいます。
結露はまた、人間の健康にも大きな影響を与えます。
ダニの繁殖は相対湿度60~80%になると始まります。
ダニは生きている時の排泄物で被害を与えるだけでなく、死骸となっても、気管支喘息やアレルギーの原因となります。

結露がおきやすい住宅は20~40種類、1000万匹以上のダニがいるといわれます。
せっかく建てた家で、不健康になり、しかも住宅ローンが終わる頃寿命というのでは何のなめの新築だったのかわかりません。

この結露という大敵から住宅を守るためには、
結露の起きない性能を持った住宅を建てることが基本中の基本なのです。


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何故?C値が2.0cm2/m2では不十分なのか?

住宅の気密性能は次世代省エネ基準クラスで2.0cm2/m2以下(Ⅰ~Ⅱ地域)、5.0cm2/m2以下(Ⅲ~Ⅵ地域)と義務づけられました。
気密性能で冷暖房を考えた時、できるだけ小さい数値が望まれます。


特に蒸暑地域では夏は冷房の使用量が増えるため、せっかく高気密住宅にしても5.0cm2/m2の気密性能では暖湿気が室内に浸入て冷房の効きが悪くなるばかりです。

何故そうなのかを具体的な例をあげて考えてみましょう。

標準的な大きさ120m2の住宅で、気密性能が単位隙間相当面積で1.0cm2/m2とします。

気積が288m3で換気量が120m3の換気量0.42回/hを計画したとします。
この時の住宅換気システム使用時の内外差圧はおよそ0.7mmAqです。


そこに給気口(パッコン)を5個設置したとします。(平均的な個数です。)
第三種タイプの換気システムでは0.3mmAqまで差圧が下がってしまいます。

冬期の内外温度差が(外気温-10℃、室内温度20℃)30℃あった場合温度差換気により、0.3mmAqの差圧が生じてしまいます。

2階建ての住宅は2階の給気口や隙間からはほとんど給気されないで、
少しでも風が吹くと風下の給気口や隙間から排気されるという結果となります。

一方、
気密性能が次世代省エネ基準で義務化とされている
2.0cm2/m2ではどうでしょうか?

この場合は内外差圧が0.2mmAqしかあがりません。
この状態では2階の給気口(パッコン)から排気してしまいます。
風が吹くとほとんど負圧給気が成り立たなくなるのです。
室内は風任せの空気の流れができて、換気システムの本来の空気コントロールが不可能となります。

(実際に2.0cm2/m2クラスの気密住宅の給気口の風量を測定してみると、
風量ゼロか排気されていることが実証されます。
建物の気密性能は測定機器を持っていなくても2階の給気口にタバコの煙などを当ててみると2.0cm2/m2以下の気密性能かそれ以上かの簡単診断ができます。)

一般的に使用されている給気口の隙間は12cm2くらいです。
給気口を5個つけると60m2になります。
気密性能が1.0cm2/m2の住宅が、
給気口をつけない気密性能が1.5cm2/m2の住宅と同じ差圧にしかなりません。

自然給気、強制排気タイプの換気システムで本来の性能を発揮させるためには、給気口を含め1.0cm2/m2以下の気密性能が必要なのです。

その意味では、
冬期では気密性能が1.0cm2/m2クラスの住宅でも給気口が必要ないということになります。

しかし換気システムでは内外温度度がない時期もあるので、冬期間は場合によっては給気口を閉じて、ある程度室内が暖まったら開ける使い方が良いのではないかと考えます。

(ただし住む方に給気口の使い方を説明する必要があります。)

●参考:1mmAq=9.807Pa

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暖房のランニングコストを計算してみよう!

次世代省エネ基準の告示をきっかけとして住宅の断熱性能を専門的な用語であるQ値(熱損失係数)で表すようになりました。

そのQ値を使って自分の新築する家,リフォームする家が簡単な計算で暖房のランニングコストが計算できると・・・もう少し断熱工事にお金をかけもメリットがあることわかるようになります。

今日は具体的なイニシャルコストとランニングコストの計算はしませんが、簡単にいうと次世代省エネ基準クラスの断熱はコストが上がるが暖冷房の消費量が減るため、年数が経てば経つほどお得な住宅を手に入れることができることが理解されます。
(この計算については後日)

51zjawnja1njlfmtmymjm0npfl.jpgしかしQ値を提示してくれるところは少ないのでないでしょうか?
Q値を提示するところがあってもモデルプラン次世代省エネ気密評定で評定されたモデルプラン住宅のQ値であって、貴方の建てるQ値ではないのです。

車のように工場生産されたものであれば同じくなるのでしょうが、住宅の場合のほとんどは1棟1棟が違うため、熱計算をしてみないとわからないのです。

Q値が適当な数字であれば当然暖冷房の機器のセットもアバウトになるしかありません。
アバウトとはクレームがこないように安全をみて、過大な暖冷房の機器を設置することになります。
結果的には設備費が高くランニングコストも高くなってしまうのです。

●簡易暖房灯油消費量計算式
灯油消費量の計算は、厳密には熱損失係数、建設地の暖房デグリディー、内部発生熱、太陽取得熱をもとに必要熱量を計算して、最終的に熱源とする機器の燃焼効率を加味して灯油に換算しますが簡単に計算する方法があるので下記に示します。

次世代省エネ基準では
単位がワットになりましたのでワットで計算をしてみましょう。
(キロカロリーで熱損失係数が出た場合は数値を0.86で割ってワットに直します。)

1・Q値に延床面積(暖房面積)をかけて総熱損失係数をだします。
2・これに暖房デグリーディーをかけて、さらに24(時間)をかけます。
3・この時、暖房デグリーディーはd18-18という数値ではなく概算値の数値を使うことがポイントです。(内部の取得熱をあらかじめ入れた数値です。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●主要地域の暖房デグリディー(概算値)
旭川:3.200/釧路、帯広、網走:3.100/札幌:2.600/函館、室蘭:2.400
青森、盛岡:2.200/秋田、山形、長野、松本:1.900
仙台、葺き島:1.600/宇都宮、新潟:1.400/金沢、前橋:1.200/名古屋、京都:1.050
東京、大阪、熊本:850
※いずれも余裕をみた概算値でこれ以外の地域は近い地域を使用します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●例題:盛岡でQ値が1.9wで120m2の住宅の場合
総熱損失係数×暖房デグリディー×24(時間)=年間暖房負荷
1.9w/m²×120m2=228w(総熱損失係数)
228×2.200×24=12.038.400w→単位が大きいのでキロワットに換算(12.038kw)
これを8.62で割れば灯油の消費量が出てきます。
従って、12.038kw÷8.62=1.397リットル/年
この式は1割程度安全をみていて、実際には1割程度は少なくなります。
(その条件としては隙間相当面積が1.0cm2/m2以下で換気回数が計画された0.5回/hになることです。)

●ワットで計算すると電気暖房の場合の電気量料も簡単に計算できます。
電気暖房の場合は暖房負荷をそのまま電気料金単価をかければいいのです。

※断熱性能、気密性能が高まれば、換気計画が容易になり、建物の熱ロス、換気ロスが明確にでき、暖冷房の機器設置にはアバウトではなく計画的なものになり、従来より暖房のイニシャルコストが少なくて済みます。
その少なくなったコストを・・・・断熱材付加にまわすことができれば・・・・。
そんなことを配慮してくれる設計事務所、工務店に頼みましょう。


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換気不足が原因の結露

気不足が原因の結露について考えてみます。

換気不足によって
結露発生する場合は相当気密性が高い場合に起こります。

50zjawnja1njlfmjmzmzu0nzvg.jpg気密性能が2.0cm2/m2以上の気密性能であればまだ隙間がけっこうあって、空気漏れによる自然換気が、特に寒い時や風が強い時に多くなりますので換気不足による結露は考えにくいのです。
R-2000住宅クラスの気密性能の住宅の場合は換気不足による結露発生の可能性があります。

換気すると結露が収まるのは、
湿気の多い室内の空気と乾燥した冬の空気を入れ換えることで、室内の空気の相対湿度が下がるからですが・・・・

それでは・・
結露を防ぐにはどの位の換気量が必要でしょうか
換気回数にして0.3回/h、換気量にして100立方メートルもあれば十分なのです。
結露を防ぐための換気量はさほど多くないのです。
換気が義務化になった現在の0.5回/h以上必要だとなっているのは室内の有害物質などを排出するためなのです。

そうすると、

結露する家とは
換気回数0.3回/hが行われていないことになります。

これにはいくつかの理由があります。
一つは換気システムがついていても必要換気量だけ換気されていないことです。
機械本体や設計施工に問題があるケースもありますが、居住者が勝手に換気量を変えたり、電気代節約といって換気を止めているケースがあります。
換気は24時間年中無休で運転させるものです。

換気本体や設計施工に問題がありそうなケースは換気風量を測定してみると結果はすぐ出るものです。
(私の最近13棟の換気風量調査の結果では平均0.25回/hしか換気されていないのです。
これでは結露が発生するのは当然です。)

その他全体換気量が十分であっても1Fと2Fの換気のバランスが悪く結露が発生した例もあります。
人間も呼吸や発汗で湿気を輩出していますから、夫婦の寝室などは、寝ている間は結露しやすい環境にあるといえます。

●換気計画する場合のメーカー選定は
カタログの能力で選ぶのではなく、換気風量実測測定をし換気量を保証するメーカーを選んでほしいものです。

残念なことに
選定には価格の安さだけに目を奪われている例がほとんどです。
その結果が・・・・・・・?


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掃除が苦手な人のための換気小物

換気システムの
吸気口、給気口の掃除は
平均3ヶ月毎にすることを推奨しています。


住宅を引き渡しする際は換気マニュアルをお渡しし取り扱い説明をするのですが掃除を実行されている方はそう多くはいません。数年経過して匂いやガラスに結露が発生したりして「欠陥住宅ではないか?」という問い合わせがけっこうあります。私もそうなんですが自宅の天井を特に換気の吸気口は吸い込み音が聞こえている間は見ることもないし、気にしないものです。

問い合わせで急いで駆けつけるとほとんどが掃除をされていないことが原因なのです。そんなことがあると初めてこの吸気口の掃除をしなければならないという意識を持ちます。

49zjawnja1njlfmtm4mjayykq.jpg


そんな人のために吸気口の小物を作りましょう。
用意するものはレンジフードに取り付ける油取りフィルターです。
できるだけ硬い素材を使います。

写真のように吸気口の大きさに(丸型、角型)に切り取り・・そのままあてがうだけです。
汚れてくると写真のように汚れで目詰まりを起こして吸い込めなくなると自然に落下します。
後はもう一度中性洗剤で洗い、乾かして再度使用します。

●掃除をするのが面倒臭い人にはお奨めです。
但し風量がおよそ20%ダウンしますので注意が必要です。

換気風量を設定する時に20%増しの0.625回/hにしてもらいこの小物を使えば0.5回/hになり便利です。

稀に新築当時から吸気(排気)能力が少ない換気システムを設置されていることがあります。この状態ではこの小物をセットしても吸う力がないためにすぐ落下します。

テイッシュを当てて落ちない程度であれば大丈夫です。
試してみてはどうでしょうか。


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換気システムの耐久性

写真1:は10年間掃除をしていない第三種換気装置の本体(輸入品)
48zjawnja1njlfmjezmde2njxkja.jpg高性能住宅に欠かせないものといえば換気システムではないでしょうか?(最近の新築住宅では高性能住宅でなくても計画換気は義務化になりましたが・・)

はたして、
どのくらいもつのでしょうか?

明確なデーターは他の住宅部品同様差がありますがON/OFFがないもので電気的に負荷がかからないので最低でも10年~15年は持つようです。
(実例としては輸入品の換気システムはでは20年経っても正常に稼動している例もあります。
一方、10年経たないでモーターに焼付けを起こして交換という場合もあります。)

写真のように羽根の部分、周囲のboxの部分に埃が溜まり、排気のパワーを減少させます。最低1年に1回は掃除する必要があります。
焼付けを起こす場合は、モーター部分だけでなく、吸気口の目詰まりによる負荷のかかりすぎによるものです。

この吸気口は最低でも1ヶ月に一度は掃除したいものです。
また給気口は新鮮な外気を取り入れるところですから3ヶ月に1回は掃除したいものです。

●写真2:は8年間掃除していなかった熱交換換気システムの本体(国産品)
48zjawnja1njlfmdmzntyxnjjw.jpg高性能住宅で多く使われる換気方法のもう一つがこのシステムで吸気、排気をともにファンの力を使います。
主に国産の場合はモーターの場合は設計時間で3万時間、24時間換気で換算すると約3年半ということになりますが、この写真のように8年経っても持っている例もあります。
設置条件と使い方によって耐用年数も変わるので、単純に何年といえません。

●メンテナンスのし易さだけを比べると第三種換気システムの方に軍配が上がりますがいづれにしても、メンテナンス(掃除)をこまめにすると長持ちします。
※自家用車は奇麗に掃除をする日本人ですが、換気システムについては無関心ようです。


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住まい環境プランニング(同)
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