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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

リフォーム工事の断熱欠損の補修方法(発泡系断熱材)

新築と違って、構法によっては古民家のような断熱リフォームは断熱材を入れるための下地がない場合があるため、現場の下地状況にに合わせながら下地補強をする必要がでてきます。
そのため、外側に下地材が付加されることで従来の躯体の外面から付加されることになり、当然そこに隙間がでることになります。その隙間に断熱材を細切れに切り、隙間に挟み込むように入れる作業がでてくるのですが実際に施工してみると、細かい作業になるので気の長い職人さんでなければ断熱欠損をなくすることは難しい作業だということがわかります。
dc110932 - コピー写真①は外張り断熱の床断熱の外壁側の土台廻りの断熱補強(気流止め)の様子です。既存の柱、間柱に断熱材の厚さ分の下地材を取り付けます。そのためその断熱材の厚さの分だけ隙間がでるので、そこに断熱材の切れ端を利用して挟み込みます。しかし細切れに挟み込むために断熱材と断熱材のジョイント部分が多くなり、多くなる分だけ隙間がたくさんできることになり断熱欠損、気密欠損もたくさんることになります。
一般的には、この処理方法は隙間に①気密テープを貼って終わりにするか、②隙間に一液性のウレタン発泡で隙間を充填する方法を取ります。気密テープだけで処理をしてしまうと気密を確保することは可能ですが、断熱欠損になるため結露の心配があります。
一方、一液性のウレタン発泡の充填の場合は気密欠損と断熱欠損を一挙に解消する方法として採用している例が多いのですが下写真をご覧下さい。
637g0wdjineg5opw5nvzgmwmta1mtkxwa_20131110202318e54.jpg637kfz1cmv0yw5uzgmwmta1mjlzcq_20131110191822c59.jpg隙間にウレタンを充填しても施工方法によってはウレタンが充填されていても断熱不足になることがあります。
その充填した状態を調べるために縦に切った断面は半分(25mm)程度しか充填されていないことがわかります。
一方、5mm程度の隙間を作って表面の隙間を10mm程度にVカットした場合は50mmの厚さに綺麗に入ることがわかります。



※5mm程度の隙間でもストロー式の先が小さいノズルを使うと奥まで充填が可能ですが綺麗に施工できない難点があります。そこで、目視できるのが10mm以上のVカットで奥まで充填しやすい施工方法がお薦めです。


dc110933 - コピーdc110938 - コピー
上写真(右)は10mm程度にVカットしてた様子。
右写真はウレタンを充填した様子です。
dc110932 - コピーdc110953.jpg
柱廻りもVカットしてウレタンを注入すると写真のようになります。
この後はウレタンンで気密を担保するのではなく防湿シート0.2mmを床の防湿シートと連続させて外壁の外張り断熱ボードに密着させて気密化を図ります。
dc110970.jpgdc110966.jpg
写真は防湿シートを貼った様子。

外張り工法でのQ値(熱損失係数)の信頼性を担保するためには、このように施工上でやむを得ない断熱欠損の処理は見かけではなく確実に断熱材の厚さになるように補修施工することがとても大事です。またリフォーム工事は新築と違って、施工しづらい部分が多く存在するので、できるだけ断熱・気密欠損がないように切れ目なく連続させる工夫をすることが結露のない家づくりが可能です。

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透湿防水シートの誤った施工

繊維系の断熱材とか低発泡のウレタン材を充填工法として施工する場合に
外壁の防風層に構造用合板やシージングボードのようなボード状のものを使う場合と透湿防水シート(防風層)を使う場合があります。

dc112801.jpg透湿防水シートはシンプルで施工は比較的に簡単で半透明のため、このシートを張った後に直接充填すると養生シート代りにもなり作業もしやすい利点があります。しかし、最大の欠点は通気層がふさがれてしまい、本来に通気層の役割を果たさない箇所があちこちに存在してしまう心配があります。
通気層の縦同縁の間にプラスチック系のボードを防風シートの抑えとして挟み込んでも、よほどしっかり留めないと結果的には通気層がつぶれてしまうケースがあります。

20090213-7-1.jpg左図は筋カイの周囲の断熱材は外側に押されて、防風シートを外壁側に押し出している様子を表しています。

通気層がふさがれても結露しなければ良いという意見もありますが住宅の気密性能が向上し、通気層の役目は単に壁内結露の防止だけではなく夏の防暑対策の一つとしても重要な役割があるので多くの通気量を取りたいのでつぶれずに厚さを確保したいものです。

一方、ボードー状の防風層の構造用合板とかシージングボードを使うと耐力壁にもなり、筋カイが不要になり断熱欠損が少なくなり、地震に強い構造となりますが欠点は風密性能が取れないことにあります。風密が取れない軸間の断熱材は冷気が入り込み断熱の効果を半減させてしまいます。
断熱材の効果を100%発揮させるためにはボードの4周囲を気密パッキンで挟み込んで押さえるか、ボードを張ってからボードとボードのジョイント部分を気密テープで処理をする必要があります。
その後、防風シートを貼ると防水シート役目もあり二重の効果が発揮されます。

また、一般には防風シートは1m幅のもの使っている例がありますが3m幅のものを使うとジョイント部分が減り風密欠損も少なくなり、またテープのコスト削減にもなります。

20090213-7-2.jpgまた、防風シートの施工で多く見られる間違った施工方法は雨水防止シートと思っているのか、シートとシートのジョイント部分とか窓廻りとの取り合い部分では一切テープを使わず、タッカーで止めただけになっています。これでは隙間だらけに冷気が繊維系断熱材に入り込み断熱効果が半減してしまいます。

気密試験で高い気密性能がでても、この風密処理がきちんとされないと断熱効果は弱くなり高気密・高断熱住宅で造っても高気密中断熱住宅になってしまいます。
結果・・・・思ったより暖房費がかかることになりクレームになる場合があります。



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高性能住宅のトップライトの納め方

屋根断熱でトップライト(天窓)を採用するケースが増えていますが天窓の廻りが気密になっていなかったり、雨仕舞いが悪く、結露が発生したり、漏水事故が起きては開放感あふれる屋根断熱の魅力が半減してしまいます。

屋根断熱は小屋裏空間を有効に利用できる他に採光を図ることができることが大きなメリットですが同時に熱エネルギーも室内に入れることになります。南面に天窓を設置すると夏はかなりの熱を取得することになり室内環境を悪化させてしまいます。冬は太陽エネルギーで日だまりの暖かさを得ることができますが反面オーバーヒートの危険を抱えています。採光を期待するときは南面を避けて北面に設置するようにしましょう。
関連記事→南面は厳禁ですよ!

20100716-2-2.jpg室内で発生する熱や窓から入る日射エネルギーは室内温度を5~8℃前後上昇させてしまいます。南面に何個もつけたモデルハウスがありましたが常に冷房をしていないと、夏に暖房している環境と同じ状態が作られていてとても不快だった経験があります。

このように天窓を設置する場合は何処の位置に設置してもいいのではないのです。また、北面に天窓を設置していても、納め方にも工夫をこらさないと色々不具合なことが起こることがあります。左写真のような納め方にすると熱の流れがガラス全体に届きにくくガラス面の上下に2℃前後温度差ができることがあります。条件よっては、ちょとした外気温の降下でガラスの下端に結露が出ることがあるので注意が必要です。
20100716-2-1.jpg
その改善方法としては、左図のように角を切って斜めの納め方をすると、窓ガラスに熱が伝わりやすく、窓ガラスの表面温度を上げることができ、結露防止にとても役立ちます。



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気密住宅の気密型ポストの作り方


気密住宅の外壁側につける郵便ポストについてのご質問がありましたので旧ブログ記事を訂正、追加、変更をして回答といたします
高性能住宅は高い断熱性と高い気密性が基本なので外壁側(気密断熱層)につけるオプション部材は極力気密断熱性能が高いものをつけたいものです。しかし、要求されるものが市販されていない場合は現場で加工して設置する必要があります。例えば郵便、新聞受けポストの気密・断熱型の性能の高いものは知る限りでは市販されていません。類似品の場合は気密型であっても断熱性が劣ったり、反対に断熱性が高いいが気密性は低いなど両方の性能をカバーできるいい商品が見当たりません。そんな時には下図のように現場で加工することで郵便ポストを独立型ではなく壁に一体型として設置することができます。

納まり図は充填断熱の納まりですすが外張り断熱でも基本的には同じです。(但し、納まり図はイメージ図ですので詳細の納まり図は記載されていません。正式には別途制作・加工図が必要です。)
       dc040804 コピー1
             参考図の出典:(社)北海道住宅リフォームセンター(北方型住宅の熱環境計画)
図(断熱戸)の場合は室内側に断熱扉を建具屋さんに作ってもらい開閉する扉の周囲には気密パッキンを取り付けて締め付けハンドルをつけます。扉の断熱材は断熱性能が高いプラスチック系断熱材のものを使うと扉を薄くできます。
※欠点は室内側からは、郵便物、新聞等が入っているか扉を開けないと確認できないことですが作製コストを低減できます。


図(内窓型)の場合にはポストの中に新聞、郵便物が入っているか確認できるように建具屋さんに作製してもらいます。ガラス戸は最低LOE−Wガラスを使うなどを使います。ガラス戸するとコールドドラフトに悩まされる箇所なのでこのポストの傍にパネルヒーター等の暖房器を設置する工夫が必要です。
この方法で既製の窓(ドレーキップ窓)を利用して②を進化させた方法で気密型郵便ポストを作った方いらっしゃますのでご紹介いたします。
135bmf0bynog4ybw4nmg2kddjou_20130408220648.gif

白いガルバの家(気密ポストの作り方)
http://the.asablo.jp/blog/2007/11/08/1898273

超高気密 2×6 平屋(気密ポストの作り方
http://ameblo.jp/cgr-home/entry-10396854372.html
http://ameblo.jp/cgr-home/entry-10397906028.html
http://ameblo.jp/cgr-home/entry-10411311172.html






ドレーキップ窓の開閉の仕方↑
図の場合はプラスチック系の断熱材でBOX状にすることで断熱・気密性能を上げています。尚且つ、BOX内に新聞、郵便物が来ているか気密型の小窓で確認しやすくする工夫をしています。
これも①と同じように郵便物、新聞が入っているか見えませんが幅広に作るので大きな郵便物も入れることができます。

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外張り工法の気密の取り方(窓廻り)


※注意
外張り工法でも様々な施工方法があり、様々な納め方がありますが気密処理を何処でどのように取ることが必要なのか?は基本的には同じです。
紹介している方法は私が過去に様々な納め方を実施工をした結果、最もシンプルで信頼おける気密の取り方だと思って紹介していますことをご了解下さい。
前回までの外張り断熱の施工マニュアルはこちら↓
外張り(付加)断熱の気密の取り方(屋根)
外張り(付加)断熱の気密の取り方(屋根:付加断熱)
外張り工法の気密の取り方(ウレタンボード下地)
外張り工法の気密の取り方(外壁:先張りボード)


dc030202_20130302155257.jpg外張り工法の窓廻り(開口部)は充填断熱の付加断熱以外と違って、構造材の柱の外側に断熱材を取り付けるためにその断熱材の厚さ以上の窓を取り付けるためにフカシ枠が必要になります。

印の2か所は気密パッキン材(ノルシールV754)で気密と防水処理をした部分。印はフカシ枠の一般的な出隅コーナー部分のとめ方(フカシ材とフカシ材のジョイント部分)



詳細はこちら↓
dc030201 コピー1指さしている印の部分には気密パッキン材が取り付けられています。
フカシ枠をビスで留めることで気密パッキン材は締め付けられて気密・防水化を図ることができます。


この部分はフカシ枠と窓枠の気密・防水を図るために気密パッキン材を取り付けてから窓枠を取り付けます。


次に、この部分は窓枠のツバを中心に気密テープをさらに気密・防水のために上から貼り付けます。
※写真では仮に気密テープを貼った状態です。実施工ではサッシのツバと気密パッキン材の余分な部分は切り取ってから気密テープでL型に貼り付けます。二重の気密・防水の納め方になります。
(参考:気密パッキン材には寸法が色々です。30mm幅がちょうどいいでしょう。写真では45mm幅の物を使っています。)


指差している印の部分はフカシ枠同士の接合部分。
この部分は気密が高まることで、この小さな隙間から漏気するので窓の表面結露発生の原因になるので気密パッキン材を挟むか内側からコーナー部分に気密テープを貼ってで隙間がないようにします。

使用されている材料は
屋根:ウレタンボード50mm+30mmの付加断熱
外壁:ウレタンボード50mm
基礎:基礎断熱土間床工法スタイロフォーム(B3)50mm
気密パッキン:ノルシールV754(45mm×30m)
気密・防水テープ:寺岡製作所
補修部材:ハイプレンガンフォーム(三井化学産資)






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外張り工法の気密の取り方(ウレタンボード下地)

外張り工法でも様々な施工方法があり、様々な納め方がありますが気密処理を何処でどのように取ればいいのか?の基本的な考え方は同じです。
紹介している方法は私が過去に様々な納め方(工法)を実施工をした結果、最もシンプルで信頼おける気密の取り方だと思って紹介していることをご了解下さい。

前回までの外張り断熱の施工マニュアルはこちら↓
外張り工法の気密の取り方(屋根)
外張り(付加)断熱の気密の取り方(屋根:付加断熱)

外張り断熱で意外と基本から外れた施工の仕方が多く見受けられます。
外張り用の断熱材は繊維系の断熱材と比べて硬質なため、ボードを抑えるための下地材が一部分なくても施工が容易にできます。また、合板気密工法で気密化を図る場合でも下地材は四方に必ず必要とされます。

647zgmxmji1mtl1q.jpg例えば左の写真は開口部(窓廻りの下部)ですが窓下に下地材が入っています。(その下地材に気密パッキンノルシールV754を貼ろうとしている様子です。)
一般に在来軸組構法で繊維系の断熱材の施工方法は壁、あるいは屋根に充填するだけです。

袋入りの耳付きの断熱材を使うのであれば内側からタッカーで間柱、柱に止めるのが一般的、また裸のグラスーウールの場合には密度が高いのでそのまま隙間なく充填することでダレがなく抑えておくことができます。そのため、外張り断熱でも繊維系の断熱材充填の場合のように下地材は入れないで施工されケースがあります。

当然、窓枠と外張りボードとに隙間が生じるためコーキングとかパテとか補修用のウレタンあるいは気密テープで気密を取ることになります。
勿論、気密試験では気密材料は何を使っても、その材料で隙間が埋められていれば高い気密性能を出すことは可能です。しかし、この方法では木、断熱材の収縮とか地震の動きなどに追従できず切れたり、割れたりして隙間が出てしまう危険があります。
そこで、外張り断熱の場合には必ず断熱ボードの周囲に下地材が必ずあることが条件とされます。

写真のようにその下地材には気密パッキン(ノルシールV754)が取り付けられてその上に外張りボードを仮止めし・・・ボードとボードとのジョイントには気密テープ(防水とW気密の意味で)を綺麗にしごいて貼りつけます。その後、通気胴縁でビスで締め付けることで下地材に貼られた気密パッキンが押しつぶされて高い気密性を長期にわたり確保することができます。

647zgmwmta4mdggusvfsdfilw.jpg左写真は外張りのボードとボードのジョイントに下地材がない様子。
一般的にはこの部分はこように気密テープで処理されるケースが多いのですが、微妙に断熱欠損が出てしまうので下地材を入れて施工するようにします。

やむを得ず、下地材を入れれない場合には、このジョイント部分を内外からVカットして一液性のウレタン材で充填し、さらに気密テープを内外でしごいてW気密化を図ります。

※一液性のウレタン材は強力な接着力があり断熱欠損もカバーできます。

構法:在来軸組構法
断熱工法:外張り断熱工法
基礎:基礎断熱工法
屋根:ウレタンボード成形版50mm+30mmの付加断熱
外壁:ウレタンボード成形板50mm
基礎:基礎断熱土間床工法スタイロフォーム(B3)50mm
気密パッキン:ノルシールV754(45mm×30m)
気密・防水テープ:寺岡製作所
補修部材:ハイプレンガンフォーム、ハンディーフォーム(三井化学産資)

続きます!


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外張り(付加)断熱の気密の取り方(屋根)

ここでは
「気密の取り方のポイント」を簡潔に理解できるように簡潔にまとめておりますので参考にして下さい。

気密を意識して建てられる住宅には気密を構造材の内側で取る充填断熱(内断熱)と構造材の外側で取る外張り断熱(外断熱)がありますが最近はQ1住宅とかパッシブハウスのように熱損失係数(Q値)の性能を上げるために外張り断熱の施工方法と充填断熱の施工法を学ぶ必要があります。
そこで、ここでは参考に気密を構造材の外側で取る外張りW(ダブル)断熱工法(次世代省エネ基準Ⅱ地域仕様クラス)の施工を簡潔にレポートいたします。
外張り工法には○○○○外張り工法というたくさんの工法名がありますがご紹介するのは比較的に低コストで高い気密性能を上げることができる工法です。
組写真

この工法は私が建築会社に勤めていた頃に採用していた工法でアキレス外張り工法、クラボウ「恵みの家」工法です。この二工法に似たような他社工法もありますが、ここではアキレス外張り工法と、クラボウ「恵みの家」工法についての説明となります。
この工法のメリットは使われる発泡系断熱材はある条件の素材のものを使うことで気密工事の一工程をカットすることで気密部材もカットしていることです。

そのある条件の素材とは?
発砲系プラスチック断熱材で片面あるいは両面にアルミ箔が防湿層として蒸着されている素材です。
一般的な次世代省エネ基準のⅠ~Ⅱ地域の外張り断熱の場合は、①室内側に防湿フィルムを張る。②屋内側に構造用合板など通気性の低い、乾燥した面材を張る。③屋外側もしくは屋内側に透湿防湿シートを張る。この三工法が望まれる仕様とされています。

ちなみに、Ⅲ~Ⅴ地域の場合は①外張りの断熱ボードの繋目を、気密テープなど補助部材を用いて塞ぐ。②二層以上の繋目が重ならないようにする。の二工法が望まれる仕様となっています。

写真は屋根にウレタンボード50mmを外張りした様子です。
この現場の熱損失係数はQ値1.9W/m2Kで気密性能の目標値は0.2cm2/m2前後です。
構法:在来軸組構法
断熱工法:外張り断熱工法
基礎:基礎断熱工法
屋根:ウレタンボード成形版50mm+30mmの付加断熱
外壁:ウレタンボード成形板50mm
基礎:基礎断熱土間床工法スタイロフォーム(B3)50mm
気密パッキン:ノルシールV754(45mm×30m)
気密・防水テープ:寺岡製作所
補修部材:ハイプレンガンフォーム(三井化学産資)

dc020801 コピー1屋根タル木が取り付けられるとウレタンボード(910mm×3.030mmのサイズのウレタンボード成形版50mm)を外張りする前にボード同士が接続するジョイント部分に気密パッキン材(ノルシールV754)を貼りつけます。
ウレタンボードの周囲の4方向の面に気密パッキンが取り付けられるように屋根タル木に貼り付けます。

多くの外張り工法はこの気密パッキン材を取り付けないでウレタンボードを外張りしてから・・そのジョイント部分の上に気密テープを貼ることで気密化を図っています。
こ の方法の欠点は気密テープが外気にさらされることになり寒暖の差と施工精度の良し悪しで気密テープが剥がれたりすることがあります。気密は必ずウレタン ボードの内側(内部側)で取るようにします。こうすることで外気に影響されることがないので気密化と耐久性を確実に保つことできます。
(※屋根垂木の上に屋根下地合板を張ってから、その上にウレタンボード成形板を張りるける方法もあります)

屋根タル木に気密パッキン材(ノルシールV754)を貼っている様子。

一層目のウレタンボード50mm×910mm×3.030mmを張り終えた様子です。ジョイント部分には主に防水を意識して気密テープ(テラオ カ)を綺麗にしごいて貼りつけます。接着力が強いので簡単にウレタンボードに貼ったように見えますが空気たまりができて剥がれやすくなるので丁寧に手でし ごいて強く貼りつけます。

その後に通気タル木(二重タル木)を取りつけます。

一層目のウレタンボードに通気タル木が取りつけられた様子。

⑥〜⑦棟の部分と屋根と壁の部分は写真のように内側の気密防湿層(アルミ箔)が切れないように外部側の防水クラフト紙の方をカットして折り曲げま す。こうすることで気密防湿層は途切れることなく連続させて気密化を図ることができます。カットして口が空いた外部側はウレタンの補修材(ハンディー フォーム)で断熱欠損補修を行います。

室内側から屋根の内側を見ている写真。タル木とタル木の間にアルミ箔が蒸着されているウレタンボードの面が見える。




続きます!!





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基礎断熱の施工ミス

今まで床断熱を基本とする工務店さんが床断熱をやめて基礎断熱にすると気密性能を0.5cm2/m~1.0cm2/m2の性能をUPさせることができるようになります。

従来の床断熱方法で気密化を図ろうとすると例えば
(1)床から貫通する給排水管とか暖房の配管材
(2)床下点検口の気密処理
(3)ユニットバス廻りの気密施工
(4)床の間仕切り間の気流止め先張りシート
(5)玄関の土間部分の周囲の土台廻りなど多くの気密処理をする箇所が増えてきます。
当然、気密箇所が増えることは、それだけ施工ミスが多くなります。

一方、基礎断熱は土台廻りの土台と布基礎の外周壁の気密化を意識することで床断熱の煩雑な床廻りの気密施工から解放されるのでとても合理化ができ気密性能もUPします。

基礎断熱断熱では気密化に意識する箇所が少ないので、余程のことがなければ施工ミスは生まれません。
ところが・・・施工指導に行っている現場で、その余程でないことが起こってしまった基礎断熱の施工があったのです。

20090130-10-1.jpg左図は玄関(左側が外部、右側が玄関の内部)ドアの断面図です。
ピンク色は断熱材で基礎断熱の場合の玄関付近はこのような納まりになるのが一般的です。

ところがこの基礎断熱の断面図と異なった納まりで玄関廻りの基礎施工になっているのを発見したのです。

若し、気がつかず家が完成され引き渡しされた場合には以前にUPした「 新築なのに家(うち)は寒い?」というクレームどころか欠陥住宅となるかもしれないのです。

その誤った施工とは?↓こちら

625a2lzb5fnjsqqxvgx.jpg(1)左の写真の→×印部分は玄関戸がつく場所です。ピンク色になっている部分は基礎断熱がされている部分です。

この断熱の仕方は室内に非暖房室を作る場合の基礎断熱の方法です。
しかし、この部分は室内側になるので誤った施工になっているのです。




(2)下写真はコナー部を拡大したもの。→×は玄関戸がつく位置です。

問題はこの部分です。
この玄関戸がつく位置は外部に接する部分なので・・・この位置に基礎断熱の断熱材が収まっていなければなりません。

それが外部のポーチと内部の玄関内は断熱材がなく外部のポーチと通じているため熱橋になっています。これでは玄関内はいくら全室暖房住宅でも暖かくならず、玄関戸に結露が発生する可能性があり欠陥住宅としてクレームになる可能性があります。

この解決策としては→×の部分のコンクリートをハツって改めて規定の断熱材を入れて熱橋を遮断することで欠陥防止をします。(この現場ではスタイロフォームⅢ種の50mm)
※参考
リフォームで玄関廻りを断熱リフォームをする場合には、既存の玄関内のタイルとコンクリートをハツッて断熱材を敷きこんで、今回の誤った施工のように立ち上がりを断熱材を貼り付けて玄関の土間及び立ち上がり周囲からの熱橋をカットして冷気対策をします。


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レンジフード(ダクト)の気密処理(2)

前回のレンジフード(ダクト)の気密処理(1)では外壁を貫通する気密処理の方法を説明いたしました。
http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-227.html
外壁に貫通する部分(スリーブ管)の気密処理は完了しているので、レンジフード廻りの気密欠損の可能性はなくなり、気密の本試験では仮試験に近い同等な性能が出そうな気がします。

しかし、実は最も大事な部分の欠損部分を何とかしなければいい性能は確保できないことがわかりました。それは、この同時給排型のダンパーの構造にあります。・・・その構造を何とかしなければ明らかに気密性能が落ちてしまいます。

433zgmwmtizmtioj0oqrjephic.jpg写真は同時給排型のレンジフード本体です。
上部についている印のBOXは

は給気側では排気側です。
その中についているダンパー(電動シャッター)が次の写真です。






レンジフード組写真写真①は給気あるいは排気される時はダンパーが縦軸に180℃開き、給排気の役割を果たします。







しかし、写真の②は閉じた状態ですがダンパーとダクトの周囲に2mmほどの隙間があります。
これでは、せっかく外壁とレンジフードダクトの気密化を入念に施工した意味がなくなってしまいます。

そこで現場でできるだけダンパーの隙間を少なくする工夫をしてみます。


433g4ydk4nxg3sbw4noglcrz47kkf7wzg.jpgその方法は簡単です。
次をご覧下さい。

写真③2mm程度の隙間がある部分を指さしています。





写真④その隙間に縦軸に開くダンパーなのでダンパーの周囲に手前半分(半周)その反対側に半分(半周)に写真のように気密パッキン材を貼り付けます。
このパッキン材で施工するとダンパーが閉じると気密パッキンで密閉されるので100%完全ではなくても(縦軸の心棒は回転する所なので隙間は防ぐことはできない。)この処理をすると気密性能は仮測定に近い数字になります。



写真⑤●●●・・・・がついている部分
気密パッキンを貼り付けた状態です。





写真⑥
ダンパーが少し開いたようです。
(黒い気密パッキンが手前に見えます。






写真⑦ダンパーが完全に開いた状態です。
左側に手前に気密パッキンが右側には少し奥に気密パッキンが見えると思います。





写真⑧は外部から排気側のフードの中を覗き、シャッターの周囲の隙間が埋まっている様子が見られます。






●気密住宅の場合で気密試験の仮測定より本測定に方が気密性能が低下する原因はここにあるようです。意外とこの部分の隙間は気がつかないようですので新築される方はチェックしてみましょう。

※レンジフードを気密を高めることはいいことですが、この部分のメンテナンスがしづらいのが欠点です。ダクト周囲につけられた気密パッキンは油、ゴミ、埃などで当然数年で劣化します。しかし、素人の方がこの劣化した気密パッキンを交換するのは大変です。
レンジフードメーカーでこの部分の気密化とメンテナンスのしやすい商品を開発してもらいたいものです。


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真壁の気密施工

在来軸組構法の和室(真壁)の気密化施工はとても煩雑になりがちです。

conv000001_002_20121021234151.jpg
真壁は大壁のように柱にきっちりと断熱材を入れることができる構造なのに対して、下図のよう断熱材が入る部分の見込寸法が小さくなってしまい大壁と同等の断熱性能の断熱材を確保することができません。
その場合の真壁は外張りに施工することが合理的な方法なのですが外張りする分だけ外側に厚くなってしまうため外壁の通りがよくありません。

そのためこの部分の断熱材は密度が高く、断熱性能の高い材料を入れるようにします。

(悪い例ですが大壁に入れる同じ材料を無理やり押し潰して入れている例がありますが・・・これはよくありません。)


真壁の充填断熱工法の気密施工は左図のように気密テープで処理をします。中折れテープを使うか小さくカットしたテープを仮止めした後、丁寧に挟み込みながら指でしごきながら押さえます。

和室に見せるために付け柱とか付け長押とか付け鴨居で納める方法にすると大壁の断熱・気密の施工法と同じくなり断熱欠損は免れますが和室の本物志向?の方には不向きかもしれません。

最近、充填工法+外張り工法の付加断熱工法普及しています。この場合は断熱材が少し弱くなる真壁にしても気にならない程度の断熱性能となるので心配はいらないでしょう。



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充填断熱で高い気密が出ない理由

充填(内)断熱で気密・防湿層があっても気密測定をしてみると思ったほど気密性能が出ない現場があります。その現場は先張りシートが施工されてきちんと連続して気密・防湿シートが張られていても・・ある原因で思ったほどでないのです。

その原因の多くは気密・防湿シートの規格サイズの選定に問題があり、住宅の気密性能に大きな影響を与えています。
conv000001_2.jpg高断熱高気密用の気密・防湿シートの規格寸法は2.1m、2.4m、2.5m、2.7m、3.0m、3.2mが一般的な寸法です。これは外周壁を一気に横 張り施工してシートのジョイントを極力少なくしようとする方法なのですが、これに対して、気密が思ったほど出ない施工のやり方をみると高断熱高気密用の気 密・防湿シートではなく農業用のポリエチレンシート1.8mサイズのを使っている場合が多いのです。

このサイズを縦張りに張ると、中途半端な長さとなり、現場では上手く施工することはできません。

しかも縦張りにすると重ね代が確保できません。気密防湿シートを連続して設けることは不可能に近いのです。気密化をしようとすると木下地のないところ(左図の右図面)でテープ処理をしなくてはいけません。

押さえが効かないのでテープ処理はほとんど意味がない無駄な施工になってしまいます。

押さえが効く施工は経年劣化による気密性能の低下がみられません。

たかが気密シートと思うかもしれませんが、とても大事な施工のポイントなのです。

北欧の施工マニュアルをみると建築の図面に気密・防湿シートは木下地のある所で連続して張る張り方を明記しています。

気密を意識する工務店さんはこの気密防湿シートの規格サイズにもっと重要性を感じてほしいものです。

上図の右のように下地のない所で気密防湿シートを連続させているような現場は気密測定をしてみるとは通気量が極端に低下する場合があります。これは圧力差が 小さい時にはテープ処理が効いていて高い気密性能を保持するものの、徐々に強い圧力差を生じさせるとテープが剥がれ圧力差が小さくなることが原因にありま す。木下地のあるところで施工されている現場ではこのようなほとんどみられず高い気密性能を保持することできます。


一方、気密テープ処理をどんなに丁寧に行っても高い気密性能を出せない工務店さんがいます。それは防湿シートを木下地のない所で重ね、テープ処理をしているからですが高い気密性能を出すポイントは内断熱、外断熱ともジョイント部分を木下地をどういう方法で作るかが気密化の一番のポイントになります。
どんなに丁寧な気密施工をしても、気密性能が隙間相当面積で1.0cm2/m2以下のレベルを達成できない理由は、ボード押さえの下地を作らないで、テープに依存しているケースがとても多いのです。

dc0627012_1_3.jpg左図は木下地のない所でテープ処理をした断面図です。

防湿シートと気密テープの効果的な使い方は下図のように

気密テープの使用方法は「下地があり押さえの効く場所でテープ処理をする。」が基本です。意外とこの原則は現場では守られていません。
多くは下地のない所でテープを張っているケースがとても多いのです。
dc062701.jpg木下地のある所で防湿シートを張り継ぐためには使用する防湿シートの長さが大切で、どこで重ね合わせるかがポイントになります。

また、その防湿シートは建築用に開発された厚手の0.2mm以上を使用することが条件です。
0.1mmや0.15mmのポリエチレンフィルムでは高い気密性能は望めないのです。
弊社でも・・・この原則を守らないと1.0cm2/m2以下の気密性能を出すことは困難です。

重ね代を150mm以上確保してボードで押さえることによって、防湿シートが密着し、気密パッキンの役目を果たすのです。

気密テープで片面テープを使用する場合は防湿シートの重ね目の中央に沿って上から手でしごくように(ローラーがあればもっと良い)押さえつけます。その後処理した場所はボードで必ず押さえつけます。
両面テープの場合には木下地のある場所で防湿シートの上からテープを張り、剥離紙を剝しながら連続させて防湿シートを張ります。
テープは耐久性と粘着性の優れたブチルテープを使います。
間違って耐久性のないガムテープは使ってはいけません。

参考:気密・防湿シートの販売メーカー
①ジェイベックhttp://www.jbeck.co.jp/products/kimitsu/border/index.html
② 日本住環境http://www.njkk.co.jp/product/sheet/dantaito/index.html


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天井断熱で確実に気密を上げる方法

壁の断熱工法には大きく分けて主にグラスウールなど繊維系断熱材を構造材の間に充填する(内断熱)と構造材の外側からボード状のグラスウール、スタイロフォームのような発泡プラスチック断熱材を貼り付ける二種類の方法があります。

dc112201_2.jpg 一方、小屋裏の部分の天井の断熱工法には一般的に行われている天井断熱の仕方がありますが、その他には桁上断熱というものがあります。この桁上断熱は天井断熱に比べて、非常に施工がしやすく確実に高い気密性能を出すことが可能な施工方法です。

この工法は断熱・気密層が外壁と屋根で独立した構造になるので合板の上に気密防湿シートを敷くだけで気密性能が完了するのが大きなメリットです。

(左写真は針葉樹合板を気密・防湿層と仕上げ材として施工)



dc112203_2.jpg桁上の防湿シートは桁の外側に垂らしておき、防風層を合板で気密パッキンを使って押さえます。室内側の気密・防湿シートは桁横に内装下地の上に防湿シートを気密テープで貼り、ボードで押さえます。

一階が下屋根の場合も桁上断熱は有効です。

ユニットバスを設置する時には、外壁の断熱材と気密・防湿シートが先行し、合板で押さえると、気密構造が簡単に出来上がります。

dc112202_2.jpg しかし従来の天井断熱の気密・防湿シートは断熱材受け材に乗っかっているだけなので不安定な気密・防湿施工になってしまいます。

浴室の上部に大きな開口が空いていると、この部分が気密性能を大きく低下させる原因になっています。

ひどい時には、信じられないことですが壁には気密・防湿シートの施工がきちんとされていてもユニットバスの上部には気密・防湿シートはなしで耳付きのがグラスウールを乗っけただけの現場も多々あります。

それでも、気密試験を行わないので高気密・高断熱のオール電化住宅として広告宣伝していることは残念なことです。

弊社の設計・技術部ではどんな工法にでも対応できる気密・断熱の施工マニュアルを作成しています。設計・技術部のブログはこちら→http://q1kannkyou.blog15.fc2.com/


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間違ったタイベックの納め方

気密という技術が導入されてから最近までは高気密住宅の外壁は主に100mm厚の繊維系断熱材で施工されてきました。これは気密化を行った住宅と気 密化しない住宅の200mm厚の断熱材で施工された住宅とほぼ同じ暖冷房のエネルギーを消費する断熱工法ですが地球温暖化対策や木材のヒートブリッジ(断 熱材と比較して木材の断熱性能が低い)の影響と、エネルギー消費量が2割も違うということがあって付加断熱工法のQ1住宅のような高性能住宅の普及活動が 広まっています。

ところで断熱材を付加するとどれだけの効果があるのでしょうか?


断熱材を使う目的は天井(屋根)壁、床などの表面温度を上げて快適な室内環境にすることですが100mm断熱の壁の表面温度は岩手の真冬日には室温が 20℃であっても表面温度は19℃と1℃低い状態になります。どんなに完璧に施工しても100mm断熱は高い温度にすることはできません。

そのため体感温度を20℃にしようとすると室温を21℃にしなければなりません。また室温を1℃上げると暖房エネルギーの消費量はおよそ一割ほど増加してしまいます。

一方、100mm断熱の壁をに200mm断熱にすると周囲の壁の表面温度が0.5℃の低下ですみ体感温度が室温に近づきます。質の高い快適性を求め るためには100mm断熱では物足りないのです。付加断熱を100mm厚ではなく、例えば60mm厚の断熱材でも密度の高いものであれば高い断熱効果を期 待できるので160mm厚でも200mmと同等な室内環境を造ることが可能となります。 付加断熱部分の目標は最低でも一般的な繊維系断熱材100mmと同等な断熱性能を持たせるようにしなければなりません。。

dc0306472 - コピーさらに、断熱材の効果を最大に引き出すためには防風シートの施工位置を正しい位置にすることが大事です。最近繊維系の付加断熱が増えてきましたが、現在多 く行われている防風シートは※左写真のように柱の外側に施工し、その外側に付加断熱(繊維系)を貼っているケースがありますが、これは付加断熱の中に風が 入るので、せっかく貼っても断熱効果が薄れてしまいます。





dc102501.jpg正しい施工方法は※左写真のように断熱材の一番外側に防風シートを張ることが良い壁構造になりますし雨仕舞いも良くなります。一般的な付加断熱は外側に付加していますが、スェーデンでは厚い断熱をする時は構造材の内外両方に断熱付加することが多いようです。

付加断熱を外側でするか内側でするか悩むところですが、内側に付加断熱をすると気密施工が煩雑になり室内の空間が狭くなります。一方、外部の付加断 熱の場合は気密施工は比較的に簡単に行うことができヒートブリッジが内側より改善されやすいことがメリットになります。内側に付加断熱をすると防湿シート の破損をしないで電気の配線スペースを確保できるので耐久性の配慮した住宅出来上がります。

いづれにしても、在来軸組構法のQ1住宅クラス以上になると内外のダブル断熱=付加断熱あるいはトリプル断熱にしなければその性能値を達成できないようです。


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外壁の二重防水機構

これまでの通気層工法としない従来の壁構造は、外壁に直接いくつもの機能(防犯、防水、防雪、防風、防音、遮光、耐熱、防虫他には紫外線、埃、ゴミ、花粉等の防御)を持たせていました。

dc122302.jpgそのため、外部からの雨水の侵入に対しては主にコーキング等の防水剤を使い徹底的にシールすることで防水効果を図ってきました。従来の木造住宅の壁 が損傷が大きくなる理由には、この防水のためのコーキング等のシールが切れることで漏水になってしまうのが大きな原因でした。また室内で発生した水蒸気を 室外に排出させることはできないため壁内結露の要因にもなっていました。
※左図は従来の通気層がない住宅の断面図

外壁材に過度の防水性を持たせるとシールが切れてしまうと風の圧力で雨水が壁の奥まで入るポンピング現象が起こります。そのため外壁の性能は気密性能よりも水密性能が要求される材料です。

conv000001_20120727231837.jpg通気層工法は外壁に雨、風等のいくつもの機能をを持たせて外壁の役割を躯体から分離することで漏水もなくすることができるようになりました。
通気層工法の外壁は極端にいうと二重構造の躯体側(例えば、透湿・防水・防風シート)がきちんと施工されていれば外壁の施工が大雑把でもトータル的には高 い外壁の機能を持たせることができます。万一外壁から漏水しても通気層で減圧されるため通気層を通じて雨水は下に落下するので壁の中まで雨水が侵入するこ とは少ないのです。


※上図は通気層工法の断面図

しかし、外壁と同じ面つく窓の機能は防犯、日射遮蔽、採光、日照、通風、換気等の機能が要求されますが、当然高い防水機能も必要です。窓自体は高い防水性能を持っていますが窓を納める方法(マニュアル)は外壁の通気層工法のような位置づけがされていませんので納め方を工夫をしないと窓廻りから漏水する危険があります。
※参考:窓の納め方⇒http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-186.html

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先張りシートの簡略化


この記事は2010/12/17に旧ブログにUPされたものです。先張シートの簡略についてのご質問がありましたので回答として再投稿させていただきました。

確実で高い気密性能を確保するためには在来工法でも2×4工法であってもパネル工法であっても気密の取り方を先張りシートを施工することいいのですが金物を使った構造材を使用する構法の場合(金物の取り合い部分)とか根太レス工法の場合は予め先張りシートするためには複雑な気密化施工になりがちです。(参考:金物工法
20101217-8-1.jpg

例えば胴差に床梁を接合する時には受け金物が邪魔して先張りシートが分断されます。後張り施工も金物と絡むので気密テープの処理もやりづらい所です。現場発泡ウレタン剤を使っても気密シートとなじまないため処理はできません。複雑な気密施工をすると手間がかかり、せっかくのパネル工法のメリットが薄れてしまいます。

そこで先張りシートを簡略に施工することが必要となります。


その簡略した気密施工方法は↓
20101217-8-2.jpg


外壁の気密シートは胴差しまで張り上げて木材の防湿シート押さえ材で止めるようにします。
床と外壁の取り合い部分は床の合板の上に下げて施工します。


下の写真は金物工法であっても土台先張りシートができる例です。
20101217-8-3.jpg

20101217-8-4.jpg

受け金物をつける前に気密防湿シートを写真のように立ち上げてから、受け金物を取りつけます。
気密防湿シートは切れ目なく連続していることが理想ですが工法、納まりによっては断続してしまう場合があります。
その場合は上図のように端部を気密テープでしっかり止めて更に押さえ材で止める施工すれば問題はないと思います。




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付加断熱の気密の取り方(開口部の納め方と気密テープの選定)

今日は開口部(窓廻り)の気密・防湿シートの施工方法です。
下左図、下右写真は窓の下部断面図です。
ー線の部分の気密・防湿シートの先張り施工方法です。
dc031302.jpg
右の写真は気密・防湿シートが半透明なので見えづらいですが窓台の四方に気密・防湿シートが先張りされ状態になっています。

この先張りシートが完了すると内壁に断熱材(GW100mm)が充填されて内壁の気密・防湿シートが取りつけられて先の窓廻りの先張りシートとジョイントすることになります。

その施工上の注意点はこちら↓
dc031301.jpg①窓廻りの気密・防湿シートの施工で特に注意しなければならない箇所があります。

内壁に断熱材(GW)が取り付けられると幅広の気密・防湿シートが内壁前面に張り付けられます。

開口部では気密・防湿シートは窓台の方に折り曲げる必要があるので窓のコーナーを対角にカッターで切り、窓台に取り付けられたサッシ枠の内側で止めるように切り取ります。

この時にコーナー部分は当然下図のように気密・防湿シートが切り取られて口が空いた状態になります。


そのため、口が空いた状態の気密欠損を防ぐためには下図の右上のキミツマドコーナー(気密副資部材)を取り付けることで簡単にコーナー部の気密化を図ることができます。



「気密テープの選定」
しかし、この部材を使わないでコーナー部の気密処理ができないのか?・・という質問がありましたので今回の現場ではキミツコーナー部材を使わないで気密処理をする方法を採用しました。

その処理方法は気密テープだけで行います。
一般的に気密テープとして採用されているものには片面テープあるいは両面テープであっても比較的に厚みのあるブチルテープを使うことが多いので重ね貼り(二重、三重の重ね貼り)するとその部分が厚くなりすぎて使用はできません。
また、カッターで切り取らなければならないため手切れ性、作業性が悪いのです。
また、接着強度も意外と弱く私にとっては不満なのです。
そこで、厚みが薄く接着力が強い、尚且つ、手切れ性が良い(縦横にカッターなしで手で切ることができる)気密テープを使うようにしています。

一般的に多くの現場ではカラー色(ホワイト、ブラック色の気密テープを使うことが多いのですが私は敢えて半透明の気密テープを採用しています。
その理由はカラー色の気密テープでは貼りつけた部分はテープが強調されて綺麗に見えますが、テープの下の施工後の様子が確認できません。一方、半透明の気密テープは貼った施工後の様子がよく見えます。(欠点は見えるので綺麗には見えないことですが)
しかし、気密テープの下が見えることで処理状況が目視で簡単にチェックできるのがメリットです。)

こんな理由で外貼り工法でも充填工法でもこの気密・防湿テープを採用しています。

※参考部材:日本住環境のシールドコーナー
※参考部材:寺岡製作所の気密テープ↓↓
20100304215044901.jpg



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金物工法の熱橋対策

組み立て方が容易で現場での工期は早く、剛接なので3階建住宅など、あるいは梁を大きく飛ばす大空間の空間を演出でき、接合部に継手仕口を使わないので軸材(梁・柱)の断面欠損が少ない金物(ドリフトピン)工法が増えてまいりました。

構造的に見ると『金物工法』は通常の『在来工法』と比較すると安定かつ強度があることは間違いがないようですが熱環境の面から見ると熱橋が非常に多く存在し、ピンあるいはボルトの部分に結露が起こる心配がありますにで施工には気をつけなければなりません。

583zgmxmdazmtqoj0oqrjiphyq.jpg例えば、これは在来金物工法で
屋根、壁に構造用合板を張り断熱は屋根、壁は充填断熱(軟質ウレタンフォーム吹付け)仕様の場合は外観では気密性も断熱性も高いようにに見えます。
断熱施工精度もムラなく綺麗に施工がされていて問題はないように見えますが写真の丸印のドリフトピンが外部に貫通していて構造用合板9mm一枚で熱橋を防御している(構造用合板がないドリフトピンが剥き出しの部分があります。)ことになり熱橋対策としては不完全です。

外張り工法のように外部からスッポリ包むことができれば、この欠点は解消されます。

金物工法のピン
上の写真は付加断熱(外内ダブル断熱)のボルトとドリフトピンです。ボルトの部分は座彫り(ざぼり)をして一液性のウレタンを充填して熱橋を防御しています。しかし、ドリフトピンの部分は隙間は小さいのでウレタンでも充填が難しいため防御できません。

dc012102.jpgこの写真の現場では幸いにして外側にグラスウールを外側に付加するのでドリフトピンの熱橋になる欠点は防止されます。
最近は在来軸組み構法でQ値を高めようとすると、必然的に外側か内側に断熱材を付加する必要があります。
金物工法の熱橋となる欠点もQ値を高めることで解決しそうです。
いずれにしても、付加断熱しない場合は熱橋にならないように部分邸に対策が必要です。

「参考」木造軸組構造との違い
木造軸組工法では柱と梁を接合するために柱や梁に「継手」と呼ばれる欠けこみを作り、これらをはめるように柱と梁を接合します。金物工法では、継手を作る代わり柱に金具を埋め込み、梁には柱に埋め込まれている金具の厚みの分(わずか数ミリ程度)の溝と、最後にボルトで固定するためにセンター部分に欠けこみをつけ、そのままの状態で両方を左右から専用のボルトとピンで固定させます。




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土台廻りの漏気をゼロにする方法

高い気密性能を誇る高気密住宅であっても、必ず何処かに無意識な施工ミスで起こる隙間が生じてしまい、その隙間が原因で結露に見舞われることがあります。

高気密住宅になってくると気密漏れする場所が限定されてくるので発見しやすくなります。
例えば日本特有の引き違い窓、一昔前の引き違い窓に比べると気密性が向上しましたが開き窓の気密性能にはかないません。またレンジフードの同時給排シッッターの隙間など、これらは気密施工ミスではなく後で設置する機器の機能の問題です。しかし、機器に多少問題があっても、せめて施工による気密漏れミスは是非防ぎたいものです。

そんなことにならないために、
一般的な基礎断熱の場合に起こる無意識な施工ミスのトラブル回避方法ご紹介します。

基礎断熱断面左の写真の写真のの部分の隙間に一液性のウレタン剤を注入します。(ここでは白アリ対策として防蟻用のウレタンフォームを使用しています。一般に基礎断熱の場合には基礎と土台との間の気密化を図るためにキミツパッキンを敷き込んで密着させることで隙間をゼロにする施工方法を採用しています。しかし、基礎などの天端を水平になるように平らに均す天端均し(てんばならし)がされるのですが微妙に不陸があり隙間が生じる場合があります。
そこで、基礎の立ち上がりの発泡系断熱材を基礎の天端より10mm以上高くして土台との間に隙間を敢えて作り、そこに一液性のウレタン剤を注入します。こうすることで万が一、基礎の天端均しに不陸が生じても気密漏れは回避できます。つまり、土台廻りのダブル気密施工をすることで漏気をゼロにしようというものです。

この時の一液性のウレタン剤を注するための隙間は注入する幅(隙間)をできるだけ多く取るようにします。
dc022802_20120228094557.jpg幅が狭いとウレタン剤が奥まで充填されません。
参考⇒ウレタン剤の注入断面写真の記事http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-189.html

 ※(参考)基礎の鉄筋コンクリートが打ち上がった時点で、天端を直押さえするのが良いが、作業が難しいので最近では液状になったレベラーという材料を、型枠のあいだに流し込んで水平面を作り出す。もしくは、型枠を解体したあとで、左官屋が厚さ15mm前後のモルタルで基礎天端を均す方法があります。





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断熱欠損の補修施工を検証!

断熱・気密の施工後に欠損となる隙間は硬質ウレタンボードであろうと押出し法ポリスチレンフォームであろうとビーズ法ポリスチレンフォームであろうとフェノールフォームあろうと欠損をカバーするためにはほとんどの場合にはウレタンを充填(注入)して欠損カバーすることが一般的施工方法になっています。。

しかし、充填されたウレタン剤がその断熱材の厚さと同じかどうかわかりません。
ウレタンは発泡するために、どんな隙間でも充填できるのがメリットですが使用される断熱材に厚さと同じくならなければ外断熱のメリットが薄れてしまいます。
静止空気だから断熱効果があるからいいのだと言う人もいますが、施工の仕方できちんと断熱材に厚さに充填できるのですからウレタンのメリット(静止空気より断熱効果がある)を充分生かした方がいいと思います。

637g0wdjineg5opw5nvzgmwmta1mtkxwa.jpg左写真は外張り用のウレタンボード50mmの接合部の隙間(5mm程度と10mm程度)の隙間に一液性のウレタンを断熱欠損防止のため充填した二種類の上から見た状態。




637kfz1cmv0yw5uzgmwmta1mjlzcq.jpg左写真は・・・
その充填した状態を調べるために縦に切った断面
※表面(左写真)から見ると綺麗に充填されているように見えるが半分(25mm)程度しか充填されていないことがわかる。
一方、5mm程度の隙間を敢えて表面の隙間を10mm程度にVカットして一液性のウレタンを充填すると50mmの厚さに綺麗に入ることがわかる。

※5mm程度の隙間でもストロー式の先が小さいノズルを使うと奥まで充填が可能であるが綺麗に施工できない難点があります。そこで、目視できるのが10mm以上のVカットで奥まで充填しやすい施工方法です。

外張り工法でのQ値(熱損失係数)の信頼性を担保するためには、このように施工上でやむを得ない断熱欠損の処理は見せかけではなく確実に断熱材に厚さになるように補修施工することがとても大事です。

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付加断熱の気密の取り方(開口部の収め方:外部)

前回までは
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・土台)
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・胴差し)
付加断熱の気密の取り方(軒桁~母屋~棟木の先張シート)
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・間仕切り壁)の施工方法を説明いたしました。

今回は開口部(窓)の外部廻りの納め方です。
dc103101(修整1) - コピーdc011817.jpg
左図は窓の納まり断面図、右写真の手前は開口部のタイベックを内側に折り曲げ仮止めして周囲に気密・防水パッキン(ノルシールV754)を貼りつけます。
その上にサッシをつけフカシ枠を取りつけます。
右はその状態が写っている写真です。


一般的に気密住宅として意識しないで建てられている住宅ではタイベックシートの張り方は防水機能を優先させているためサッシをつけてからタイベックを貼り、サッシの大きさに合わせてタイベックを切りとりタッカーで止めただけになっているのが多く見られます。
タイベックの本来の目的は透湿・防水の効果を得ることができるシートですが防風効果もあるので繊維系断熱材の場合は特に断熱材の中に気流を起こさせないようにタイベックシートなどの防風シートで綺麗に包み込みます。
そうすることでことで断熱材の断熱効果を100%発揮させることができます。
そのためこの部分の納め方はとても大事なのです。
詳細はこちら↓
609bw6rz47kkf4da.jpg①タイベックを窓台の内側に折り曲げて仮止めしておきます。
指を指しているコーナーはテープなどで外気が侵入しないように気流止めをします。



②その上にフカシ枠をつける前に気密・防水パッキン材(ノルシールV754)を開口周囲に写真のように貼りつけます。
※外部側からのタイベックシートと内部側の気密・防湿シートが窓台の真ん中で接合されていれば、この気密・防水パッキン材(ノルシールV754を省略することができます。

③その上にフカシ枠を取り付けて・・・今度はフカシ枠とサッシの間に気密・防水材(ノルシールV754)を取り付けます。




④ノルシールV754を取り付けたらサッシを取り付けます。





⑤次にサッシがついたフカシ枠の周囲をタイベックシートを取り付けます。
特にコーナー部分は綺麗に納めるように施工します。




⑥手前の窓はタイベックシートまで完成させた状態で奥の窓は未完成の状態です。




⑦これはフカシ枠とサッシの間に施工する気密・防水パッキン材(北海道気密販売のマドエース)です。
ノルシールV754同等品として扱われます。




●建築の設計施工は(有)山井建設
●熱環境(断熱・気密・換気・暖房)の設計。監理は弊社:住環境アルテの設計技術部
●次世代省エネ基準Ⅰ地域仕様(建設地はⅡ地域)
●熱損失係数Q値=1.47W/㎡・k
●床面積:150.57㎡ 気積:376.33&㎥
●屋根:グラスウール(パラマウント硝子工業)240mm
●外壁:グラスウール105mm+付加断熱32kg/㎥品45mm
●基礎:基礎断熱土間床工法防蟻用スタイロフォーム(B3)75mm
●基礎:外周⇒防蟻用スタイロフォーム(B3)50mm(床全面に敷設)
●気密部材:土台気密パッキン、先張り気密ート、気密シート他(ジェイベック
●開口部気密部材:ノルシールV754
●合板気密用パッキン:ノルシールV754
●気密テープ:寺岡製作所
●気密コンセント:日本住環境
●換気システム:日本住環境
●防蟻用ハイプレンフォーム:三井化学産資
●暖房(HRヒーター): ピーエス㈱盛岡




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付加断熱の気密の取り方(先張りシート・間仕切り壁)

前回までは
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・土台)
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・胴差し)
付加断熱の気密の取り方(軒桁~母屋~棟木の先張シート)の施工方法を説明いたしました。

今回は間仕切り壁の先張シートの施工方法です。
607itsozjdyguicujfnjsqqxjs2.jpg左図は1F平面図の一部です。

●印は外周部の間仕切り壁がつく場所。この場所が予め先張りをシートを施工する場所になります。

●印間仕切り壁に先張りシートが予め取り付けない気密施工は両サイドの壁の気密シートとが途切れた不連続の状態になるので防湿層の役割が大きく低下します。

先張りシートは不連続にならないように予め気密シートを施工する作業です。

赤線は断熱・気密区画層を表しています。








607itsozjdyguicuyrukweoypbem1k.jpg①胴差しから先張りシート400mm程度を間仕切り壁が取り付けられる場所に予め写真のように取り付けます。








②横から見るとこのように床面まで垂れ下げておきます。







③これは胴差し廻りの先張りシートと間仕切り壁の先張りシートの施工が完了した様子です。










これで先張りシートの施工は完了です。

次回は窓廻りの気密の取り方のレポートをしたいと思います。

●建築の設計施工は(有)山井建設
●熱環境(断熱・気密・換気・暖房)の設計。監理は弊社:住環境アルテの設計技術部
●次世代省エネ基準Ⅰ地域仕様(建設地はⅡ地域)
●熱損失係数Q値=1.47W/㎡・k
●床面積:150.57㎡ 気積:376.33&㎥
●屋根:グラスウール(パラマウント硝子工業)240mm
●外壁:グラスウール105mm+付加断熱32kg/㎥品45mm
●基礎:基礎断熱土間床工法防蟻用スタイロフォーム(B3)75mm
●基礎:外周⇒防蟻用スタイロフォーム(B3)50mm(床全面に敷設)
●気密部材:土台気密パッキン、先張り気密ート、気密シート他(ジェイベック
●開口部気密部材:ノルシールV754
●合板気密用パッキン:ノルシールV754
●気密テープ:寺岡製作所
●気密コンセント:日本住環境
●換気システム:日本住環境
●防蟻用ハイプレンフォーム:三井化学産資
●暖房(HRヒーター): ピーエス㈱盛岡




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付加断熱の気密の取り方(軒桁~母屋~棟木の先張シート))

気密を意識して建てられる住宅は気密を構造材の内側で取る充填断熱(内断熱)と構造材の外側で取る外張り断熱(外断熱)がありますが最近は熱損失係数(Q値)の性能を向上さるために充填断熱+外張り断熱=外内断熱の住宅が増えてきました。
その外内断熱住宅を岩手の(有)山井建設さんが初挑戦することになり外内断熱の施工技術の支援要請がありました。商品名は高性能住宅「エコヴェール」ですがその付加断熱の気密化の施工状況を数回に分けてレポートしています。

付加断熱の気密の取り方(先張りシート・胴差し)
付加断熱の気密の取り方(先張りシート・胴差し)では胴差し廻りの先張りシート

今回は赤丸印の軒桁~母屋~棟木の先張シート納め方です。
dc103105(修整1)(修整1)(修整1)左図は棟木、母屋、軒桁の先張りシートの位置を示しています。













dc010943.jpg写真は棟木と母屋部分の先張りシートが取り付けられてから屋根タル木を取り付けた状態です。









dc010923.jpg①母屋と棟木に取り付けられた先張シート
幅800mm程度の先張りシートを棟木と母屋の長さより少し下写真のように長めにカットして左写真のように棟木、母屋の上にタッカーで止め取り付けます。







dc010942.jpg②軒桁、母屋、棟木の先張シートに屋根タルキが取り付けられた様子。
先張り気密シートは0.2mm厚を使いますが強風などで煽られてタッカーで止めた部分が破けることがありますので屋根タル木を取り付ける時にはこの部分は特にチェックして気密テープで補修しましょう!
(若し、破けていて屋根の野地合板が取り付けられると覗いてチェックすることは不可能ですので必ずチェックです!)



dc010955.jpg③棟木に先張りシートが取り付けられた状態を下から見る。









dc010908.jpg④軒桁の先張シート施工の様子










次は間仕切り間他の先張りシートの施工へと続きます。
●建築の設計施工は(有)山井建設
●熱環境(断熱・気密・換気・暖房)の設計。監理は弊社:住環境アルテの設計技術部
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付加断熱の気密の取り方(先張りシート・胴差し)

付加断熱の気密の取り方では土台廻りの先張りシートの施工方法を説明いたしました。
この先張りシートの土台廻りは床断熱の場合は必要ありませんが1Fの間仕切り間の床面と外壁面は先張りをする必要があります。(このことについては後日解説いたします。)
dc103105(修整1) コピー2


土台に続いて1F部分の各柱が立ちあがると胴差しも設置されて2Fの柱建てに進みます。

その胴差しと床梁などと1Fの天井下地に挟み込まれる部分は左図の青線のように先張りシート800mm程度を取り付けます。一般的な在来構法は受け金物がないので、この現場のように金物部分を先張りするのではなく800mm幅の先張りシートを胴差し廻りをグルリと通して一気に施工することができます。

通し柱とかくだ柱などの胴差しが接合する部分に梁受け金物がある部分は受け金物をいったん外して先張りシートを取り付け受け金物を再取付します。※先張りをする金物の部分は外壁に面した部分全てです。


dc010902 - コピー4①左写真のように胴差しについている梁受け金物を取り外して300mm×高さ800mmくらいに気密シートをカットして先張りシートとします。
dc010904 - コピー3







②左写真は柱につく梁受け金物につけた先張りシートを取り付けた様子です。


dc010715 - コピー







③大工さんが梁受け金物に先張りシートを取り付けている様子。
dc010927 - コピー2








⑤これで胴差し廻りの梁、床梁の先張りシートが完了です。










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次は屋根の先張りシートの施工へと続きます。


施工の流れは動画をご覧下さい。



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付加断熱の気密の取り方(先張りシート・土台)

気密を意識して建てられる住宅は気密を構造材の内側で取る充填断熱(内断熱)と構造材の外側で取る外張り断熱(外断熱)がありますが最近は熱損失係数(Q値)の性能を向上さるために充填断熱+外張り断熱=外内断熱の住宅が増えてきました。

その外内断熱住宅を岩手の(有)山井建設さんが初挑戦することになり外内断熱の施工技術の支援要請がありました。商品名は高性能住宅「エコヴェール」ですがその付加断熱の気密化の施工状況を数回に分けてレポートいたします。
施工には動画もUPしていますので参考にご覧下さい。

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充填(内)断熱工法では気密性能を担保するためは先張りシートが基本です。
この先張シート施工は気密住宅としては当たり前の作業ですが、現場ごとによって気密する部位(特に先張りについて)は異なるためプロでも見落としてしまうポイントがあり思ったほど目的の気密性能が出ないことがあります。気密を高めるための秘訣は、当たり前ですが気密シートが途切れないように連続させるだけの作業につきます。
※最近では先張シートをラフに施工する合板気密工法がありますが、ここでは合板気密工法であっても先張シートを優先させています。)

dc012401(修整1)
土台気密パッキン



上右図は基礎廻りの断面図です。赤線部分が気密パッキンを表しています。
上右写真は①土台の先張りシートには土台用レール120(ネダレス工法)を使います。

気密パッキン(コーナー②出隅、入隅(コーナー)はこのようになります。
コーナーではシートとシートが切れる場合は気密テープで補修をします。これで土台廻りの気密パッキンの施工は完了です。







通気パッキン写真は土台の外周部は気密パッキンを使い、室内側にはキソパッキンを使って床下の換気の流通を良くし、床下の結露防止に工夫を凝らしています。
(住環アルテのオリジナル工法です。







その詳しい施工の様子はこちらをどうぞ!



次回は1Fの柱を建と先張シート施工が必要な部位に移ります。
続きます!

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屋根の充填断熱の施工ミス

充填断熱工法で屋根断熱の場合には断熱効果を100%発揮させるためにはタイべックなどの防風シートで外気の侵入を防止しないと繊維系断熱材の効果が発揮されません。
下写真は屋根断熱で屋根と壁の取り合い部分で誤った施工例です。

640zgmxmjeymzaoj0oqrjepxzexkg.jpgこの現場は通気層を確保するために通気君という部材が使われていますが壁からのタイベックシートと通気君が連続されていないため隙間が生じてグラスウール見えています。
これでは屋根のグラスウールの断熱効果は半減してしまいます。気密性能が良くてもこれでは以前にもレポートしましたが、この現場のQ値は「絵に書いた餅」となり暖冷房負荷計算しても能力不足の暖冷房計画がされることになりクレームになってしまいます。

640zgmxmja2oth7ba.jpgこの解決策は左写真のように通気君とタイベックシートが予め連続する先張りがポイントです。
こうすることで壁側のタイベックシートのジョイント処理は比較的に楽にでき気密テープを接合部に貼ることで断熱材に外気のし侵入を防ぐことができます。

気密を上げるために内部の気密シートの施工にはけっこう気を遣う職人さんが増えてきましたが防風シートの施工はラフな施工している職人さんがいるのは驚きです。

dc010901.jpg  dc010906.jpg

左上写真は外~見たタイベックシートの正しい施工、気密施工と同じく防風シートも先張りがあったり、接合部は気密テープでしっかりと押さえて外気の侵入をシャットアウトします。
右上写真は同じ場所を建物の中から見た様子、白っぽく見える部分がタイベックシートで光が透けて見えています。このような施工をすると繊維系に断熱材は100%発揮されるのでQ値から暖冷房負荷計算も信頼度が増します。

そのため、充填断熱工法で建築を依頼する場合は建築中の現場を外部から見て、このように防風シート施工がされているか確認できれば安心して依頼できるのではないでしょうか。

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新築なのに寒い訳(玄関廻り)


この記事は旧ブログでUpいたしましたが「新築なのに家が寒いのは何故か?」とのご質問がありましたので、原因の一つにユニットバス廻りの断熱・気密欠損があることをレポートしました。今日はもう一つの原因、玄関廻りについて投稿して回答とさせていただきます。
床断熱で気密を取る場合は当たり前ですが合板か気密シートで隙間なく、切れ目なく連続しているかを見ることがポイントです。しかしその当たり前の施工がされていない例がとても多いのです。(手抜きこうじではなく、うっかり工事をしなかった!?・・・ではなく、その部分の気密・断熱の施工方法を知らない場合がとても多いのです。)

512zgmwnte0mdyoj0oqrjipjm8_20111231225651.jpg一般的に気密を意識した床の施工方法は断熱材はポリスチレンフォームを気密は気密シート0.2mmを使い気密テープと併用するか、気密テープを使わないで合板のジョイント部を気密テープで処理し気密化を図る方法がになっています。

写真は玄関の上がり框の土台の基礎の隙間があり外気が侵入するだろうことを青→で示しています。

もう一つの気密が出ない理由はこの部分にあります。
特に最近は床下の通気を効率よく図るために床下換気口ではなく基礎パッキン工法が採用されています。
この基礎パッキン工法を採用している場合にはユニットバスの廻り(四方)と玄関廻り(四方)は通気しないように気密パッキンを採用します。
こうすることで外気及び床下の冷気を防ぐことができます。

気密測定をすると床下が外気側ですから気密シートの処理がきれいになされていないか、基礎パッキンの場合は外気が玄関に侵入し寒さを感じます。

正しい施工方法は下写真の右図です。合板下の気密シートは土間のコンクリート下まで伸ばすことポイントです。
512zgmwnte0mdmoj0oqrjepki9dkk4xksip_20111231225645.jpgこの現場では途中で気密シートが切れています。
このことを指摘すると「土台と合板の間にびっちり挟み込んだから大丈夫だろう!」と言われますが、問題は土台と合板との隙間のことではなく基礎と土台との隙間にも問題があるのです。

その断面図は左図のようになっています。
さらに一般的に気密ではなく断熱工事にも問題があることが多いのです。
この現場の(左図)基礎の立ち上がりに断熱材がありません。これでは玄関は冷たい外気にさらされて冬には寒い空間になってしまいます。

問題の部分の解決策は右図ですが床下側から土台と基礎の立ち上がりの隙間(●印)を一液性のウレタン剤で隙間を埋めてから二液性の現場発泡で吹き付けして断熱補強をします。(スタイロフォームのような発泡系プラスチック断熱材を貼り付けてもOKです。)
※土間がある勝手口の場合も玄関と同じように施工しないと冷気は防ぐことができません。

こうすることで玄関周りと勝手口の気密・断熱欠損を改善することができます。

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新築なのに寒い訳(ユニットバス廻り)


この記事は旧ブログでUpいたしましたが「新築なのに家が寒いのは何故か?」とのご質問がありましたので、原因の一つにユニットバス廻りの断熱・気密欠損がありますので、再投稿して回答とさせていただきます。

dc122701 - コピー左図はよくある気密・断熱処理が不備なユニットバスの例です。
ユニットバスの底にウレタンで断熱しているからか床下の気密処理はうっかり忘れやすい場所です。
ユニットバスの下の基礎廻りの断熱も欠損していますが人通孔の四角い穴が空いた状態になっています。
信じられないことですがFFヒーター数台で局所暖房をしている場合は隙間だらけの気密住宅?であっても住んでいる方も低気密住宅だと気がつかないのです。

全室暖房をしている場合は燃費がかかりすぎることとお風呂、脱衣室付近はとても寒いため原因探しで床下に潜って気がつくことがあります。
(内装仕上げ前の仮気密測定をけしていれば防ぐことができる初歩的なミスです。)

またユニットバスの上・・・天井も気密シートも張らないで繊維系断熱材をユニットバスの天井に置いただけにしている例もあります。上図のようにのように隙間風が走るため暖かくなる訳はありません。

これを施工的に気密と断熱をきちんとするためには次のように施工すると解決します。

514zgmwnti2mdeoj0oqrjepki9dkk4xksdv.jpg左図のようにユニットバスの天井の気密シートは2階の壁の気密シートと1階の気密シートに連続して張ります。
の部分は内側から基礎断熱をします。
この時にユニットバスの配管廻りのメンテナンスのために床下に潜る必要があるため・・・やはり人通孔が必要です。この部分は気密と断熱をきちんとするために開閉可能な気密型点検人通口孔を作ることが大事です。





514zgmwnti2mdeoj0oqrjepki9dkk4ykshx.jpgこの図は洗面脱衣室とユニットバスの床下は基礎断熱をする方法です。
ユニット関係のメンテナンスの場合は洗面脱衣室に床点検口から入り点検します。図では洗面脱衣室の床には断熱材が入っていますがこの部分は室内側になるため断熱材を入れなくても問題はありません。

このように床断熱の場合のユニットバス廻りは気を使って気密処理をしないと目標の1.0cm2/m2以下は非常に難しいでしょう!


一方、基礎全体を基礎断熱をするとこのような気密と断熱欠損になることを防ぐことができます。
そのため外断熱でも内断熱であっても基礎断熱にすることをお勧めします。

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付加断熱と棟換気で夏対策

棟換気の役割は、水蒸気を屋外排出するだけではありません。気密性能が高いと、ほんの僅かな換気力があると室内側から漏れた水蒸気を屋外に排出することができます。
dc091601111_2.jpg棟換気の役割は夏涼しい環境を造るためもあります。
屋根材が高温になると小屋裏や通気層の温度が高くなります。冬は内外の温度差は(外気が-10℃、室内が20℃にすると)30℃ですが、夏の通気層は70℃にもなると、室内側の表面温度は10℃以上表面温度は高くなってしまいます。

室温が同じでも表面温度が上昇することで体感温度はとても不快に感じてしまいます。屋根の構成を工夫すると屋根材が過熱して室内に与える不快な影響を少なくすることができます。その仕様は通気層との間に付加断熱をすることですが、その付加断熱する方法にも大きく分けると4種類の付加断熱する方法があります。

①天井断熱の場合には屋根面を外断熱か内暖熱+棟換気で構成する方法
②屋根が充填断熱の場合には通気層を多く(30mm以上)確保して通気層の間に付加断熱+棟換気をする方法
③②の屋根の充填断熱と同じであるが付加断熱を外張り+棟換気をする方法
④天井断熱であっても屋根充填断熱であっても、外張り断熱であっても屋根材の部分に外張りにする方法+棟換気があります。こうすることで自然の空冷装置(通気層を外気温に近づけて)の働きを十分引き出すことができます。

最近は数多く高断熱・高気密住宅が多く建てられるようになりましたが、棟換気はつけるものの付加断熱で夏対策を考える家づくりはまだまだ少ないのが現状です。

多少の室内環境の違いがありますが、どの方法でも付加断熱で過熱した屋根材の熱さを緩和する方法ですので積極的に夏対策として採用し、冷房に極力頼らない生活をしたいものです。

dc012128.jpg参考:調査事例から
左の写真は天井断熱仕様でですが、棟換気が取り付けられていないため小屋裏は50℃の高温になっていました。
その影響もあって天井の断熱材の性能の低さと低気密住宅のため2階の居室は外気温が25℃であっても10℃高い35℃前後の体感温度になってしまい冷房なしでは眠ることができない環境です。

解決策には①棟換気を取り付けて小屋裏を通風する。
②現状の天井断熱に付加断熱をして断熱性能を上げる。また気密性能も現状より上げる工夫をすると外気温に近づき快適な空間を造ることができるようになります。


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外断熱と充填断熱の複合工法(外張工事、窓周り工事)



これは2007年11月に5回に分けて投稿したものを引っ越しに伴って、修正、訂正、編集して読みやすいように2回にまとめて再投稿しています。今日はその2です。
4年前の投稿記事ですが断熱・気密の施工マニュアルの基本は今でも変わらないので参考にして下さい。



外断熱と充填断熱の複合工法 (外張り(屋根)工事)

前回は先張りシート施工を説明いたしました。
充填断熱(内断熱)の気密住宅としての施工方法は合板で気密を取る場合と気密防湿シートで取る方法があります。

今回は外断熱との併用ですから外側はキュウワンボードと気密パッキンでしっかりと気密を確保し、内側は充填断熱のエコプロファイバーを充填し気密シートで外内とダブルで気密を確保します。

つまり外部からの隙間、内部からの隙間をできるだけ少なくして水蒸気の透過をできるだけ防ぎW結露防止をしようというものです。
さて・・・・
アキレスキュウワンボード50mmを外張りする準備ができました。


その施工内容は以下のようになります。

397bm2rz47kkf4dq_3.jpg1・屋根のタル木が取りつけられました。







2・タル木にサンゴバンの気密パッキン(ノルシールV754)45mm幅を貼り付けます。
キュウワンボードの寸法は910mm×3.030mmですので910mm幅に気密パッキンを貼り付けます。




3・拡大すると・・・・このように気密パッキンを貼り付けます。
(棟木の上には先張りのシートが見えています。)






4・次にキュウワンボード50mmを貼り付けます。
取り付けはいったん釘で仮止めをして本止めは二重タル木の上からビスで締めつけ取り付けします。こうすることで気密パッキンが圧縮されてタル木とキュウワンボードの間は隙間がなくなり気密化を図ることができます。
さらにボードとボードの接合の上には気密防水テープをしごきながら貼り付けます。気密を二重に内外から施工する方法です。一般的に多くの外張り工法は気密パッキンを使わないで気密テープだけで施工されるケースがありますが抑えがないために剥がれの原因になり、時間とともに気密が取れなくなる場合があるので注意が必要です。





5・棟の部分のボードとボードの接合部は敢えて10mm程度のクリアランスを取り、そこに一液性のハイプレンフォームで充填して断熱補修と強固な接着を図り、その上に気密テープで保護します。






6・屋根のキュウワンボードの外張りが完成した様子です。




●次は窓が取り付けられ、外壁の外張り工事へと進んで行きます。

記事の続きを読む...

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外断熱と充填断熱の複合工法(付加断熱工法の先張りシート1)



これは2007年11月に5回に分けて投稿したものを引っ越しに伴って、修
正、訂正、編集して読みやすいように2回にまとめて再投稿しています。
4年前の投稿記事ですが断熱・気密の施工マニュアルの基本は今でも変わらないので参考にして下さい。


外断熱と充填断熱の複合工法(先張りシート1)

次世代省エネ基準1地域仕様(1.6w/m2・K以下)の住宅建設のレポートです。
393zgmxmti5mdqoj0oqrjepki9dkk4ykst_.jpg■屋根の断熱仕様は
アキレスキュウワンボード50mm+エコプロファイバー184mm
■外壁の断熱仕様は
アキレスキュウワンボード50mm+エコプロファイバー100mm
■布基礎立ち上がりと土間(全面)
JSPのミラフォーム50mm

■気密部材は気密シート他:ジェイベック
■気密テープ:寺岡製作所
■気密コンセント:日本住環境
■気密パッキン:サンゴバンノルシールV754



熱損失係数Q値=1.51w/m2・Kで目標のⅠ地域1.6w/m2・Kを上回る性能です。ただし、1.0cm2/m2以下の気密性能の場合に当てはまります。

これは熱計算の時の換気による熱損失を0.5回/hと設定して計算しているために、1.0cm2/m2を超え始めると温度差と風圧で隙間からの自然換気回数が増加してしまいます。
そのためQ値=1.51w/m2・Kの信憑性が疑われ「絵に書いた餅」になってしまう心配があるからです。。

つまり、外風圧による隙間からの漏気とか温度差による隙間からの漏気を防ぐことで熱計算のQ値を担保しようとするものです。そのためのはできるだけ気密性能は小さく、悪くても1.0cm2/m2を超えないようにしなければなりません。

そのための気密施工は土台を敷く段階から高い気密を確保するためにきめ細やかな作業が必要になります。

それはではその土台からの気密工事は?
393iu6rypfnjsqqxq6v.jpg■土台先張りシートの設置

土台を設置する前に予め気密パッキンがレール上についている500mm幅の0.2mm厚のシートを外部廻り(断熱・気密区画)グルリと取り付けます。

その上に土台を敷きます。


土台を設置して先張りシートを真上に上げて火打ち材を取り付けます。

根太も同じように先張りシートの上に食い込むように差し込みます。
こうすることで気密が確保されます。


多少の欠損は気密テープで補修します。







393zgmxmtmwmjyoj0oqrjepiko.jpg土台廻りの先張りシート施工の完成です。

これに大引き、根太が取り付けられます。












外断熱と充填断熱の複合工法 (先張りシート2)

外断熱と充填断熱の複合工法 (先張りシート1)では土台廻りの先張りの方法を説明いたしました。

充填断熱(内断熱)で気密シートを使っても気密性能が1.0cm2/m2以下にならないという相談を受けることがありますが、その原因は先張りシートしたかどうかが性能に大きく影響します。
また、先張りシートを使っても気密が悪いという相談もあります。これは、シートとシートとの連続に気密テープを使わない場合にこのような問題が出ます。(このことについては後日実施工で説明したいと思います。)


395z2erz47kkf4qlw.jpg胴差し廻りと2階床梁の部分は予め先に気密防湿シート幅800mmで先張りをしておきます。






出隅の羽子板ボルトの部分も予め写真のように先張りをしてから羽子板ボルトを取り付けます。






梁の部分の外壁廻り予め先張りをしておきます。







棟木の部分も先張りシートを優先して取り付けてからタル木を取り付けます。






先張りシート施工が完了すると次にはアキレスキューワンボード50mmを外張りするための準備を行います。外張りですので全て外側から施工することになります。

明日に続きます!



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Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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