ここでは
「気密の取り方のポイント」を簡潔に理解できるように簡潔にまとめておりますので参考にして下さい。
気密を意識して建てられる住宅には気密を構造材の内側で取る充填断熱(内断熱)と構造材の外側で取る外張り断熱(外断熱)がありますが最近はQ1住宅とかパッシブハウスのように熱損失係数(Q値)の性能を上げるために外張り断熱の施工方法と充填断熱の施工法を学ぶ必要があります。
そこで、ここでは参考に気密を構造材の外側で取る外張りW(ダブル)断熱工法(次世代省エネ基準Ⅱ地域仕様クラス)の施工を簡潔にレポートいたします。
外張り工法には○○○○外張り工法というたくさんの工法名がありますがご紹介するのは比較的に低コストで高い気密性能を上げることができる工法です。

この工法は私が建築会社に勤めていた頃に採用していた工法でアキレス外張り工法、クラボウ「恵みの家」工法です。この二工法に似たような他社工法もありますが、ここではアキレス外張り工法と、クラボウ「恵みの家」工法についての説明となります。
この工法のメリットは使われる発泡系断熱材はある条件の素材のものを使うことで気密工事の一工程をカットすることで気密部材もカットしていることです。
そのある条件の素材とは?発砲系プラスチック断熱材で片面あるいは両面にアルミ箔が防湿層として蒸着されている素材です。
一般的な次世代省エネ基準のⅠ~Ⅱ地域の外張り断熱の場合は、①室内側に防湿フィルムを張る。②屋内側に構造用合板など通気性の低い、乾燥した面材を張る。③屋外側もしくは屋内側に透湿防湿シートを張る。この三工法が望まれる仕様とされています。
ちなみに、Ⅲ~Ⅴ地域の場合は①外張りの断熱ボードの繋目を、気密テープなど補助部材を用いて塞ぐ。②二層以上の繋目が重ならないようにする。の二工法が望まれる仕様となっています。
写真は屋根にウレタンボード50mmを外張りした様子です。
この現場の熱損失係数はQ値1.9W/m2Kで気密性能の目標値は0.2cm2/m2前後です。
構法:在来軸組構法
断熱工法:外張り断熱工法
基礎:基礎断熱工法
屋根:ウレタンボード成形版50mm+30mmの付加断熱
外壁:ウレタンボード成形板50mm
基礎:基礎断熱土間床工法スタイロフォーム(B3)50mm
気密パッキン:ノルシールV754(45mm×30m)
気密・防水テープ:寺岡製作所
補修部材:ハイプレンガンフォーム(三井化学産資)
①屋根タル木が取り付けられるとウレタンボード(910mm×3.030mmのサイズのウレタンボード成形版50mm)を外張りする前にボード同士が接続するジョイント部分に気密パッキン材(ノルシールV754)を貼りつけます。
ウレタンボードの周囲の4方向の面に気密パッキンが取り付けられるように屋根タル木に貼り付けます。
多くの外張り工法はこの気密パッキン材を取り付けないでウレタンボードを外張りしてから・・そのジョイント部分の上に気密テープを貼ることで気密化を図っています。
こ の方法の欠点は気密テープが外気にさらされることになり寒暖の差と施工精度の良し悪しで気密テープが剥がれたりすることがあります。気密は必ずウレタン ボードの内側(内部側)で取るようにします。こうすることで外気に影響されることがないので気密化と耐久性を確実に保つことできます。
(※屋根垂木の上に屋根下地合板を張ってから、その上にウレタンボード成形板を張りるける方法もあります)
②屋根タル木に気密パッキン材(ノルシールV754)を貼っている様子。
③一層目のウレタンボード50mm×910mm×3.030mmを張り終えた様子です。ジョイント部分には主に防水を意識して気密テープ(テラオ カ)を綺麗にしごいて貼りつけます。接着力が強いので簡単にウレタンボードに貼ったように見えますが空気たまりができて剥がれやすくなるので丁寧に手でし ごいて強く貼りつけます。
④その後に通気タル木(二重タル木)を取りつけます。
⑤一層目のウレタンボードに通気タル木が取りつけられた様子。
⑥〜⑦棟の部分と屋根と壁の部分は写真のように内側の気密防湿層(アルミ箔)が切れないように外部側の防水クラフト紙の方をカットして折り曲げま す。こうすることで気密防湿層は途切れることなく連続させて気密化を図ることができます。カットして口が空いた外部側はウレタンの補修材(ハンディー フォーム)で断熱欠損補修を行います。
⑧室内側から屋根の内側を見ている写真。タル木とタル木の間にアルミ箔が蒸着されているウレタンボードの面が見える。
続きます!!
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