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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

寒さは発生源で絶つ!

室温が20℃で外気温が-10℃であっても、100mm程度の断熱材をきちんと施工したとすると、壁や床、天井の表面温度は室温に近い温度になります。冬の窓際はそれに比べて複層ガラスであっても表面温度は10℃くらいという低さになります。気密部材によって高気密にして隙間を防ぐことができてもコールドドラフトや放射冷却が寒さとなります。

20071029-3.jpg最も効果的なのが窓下につけるパネルラジェターです。ラジェーターの上昇気流がコールドドタフトをくいとめ、表面からの放射熱が放射冷却を打ち消してくれます。コールドドラフトは暖気に出会うまで床を這っていきます。暖房器具と窓を繋ぐ線はいわば冷気の通り道になっています。寒さは元から絶つに限ります。 コールドドラフトを防ぐ上昇気流は床暖房ではつくれません。できれば大きい窓だけでもパネルラジェータで補助できるようにしたいものです。

床面までのカーテンでもある程度のコールドドラフト防止にはなりますが、カーテンや障子はあくまで目隠しです。冷気を防ぐつもりで使うべきではありません。

20071029-2.jpgカーテンや障子は窓との間に冷気が溜まり、結露が起こりやすくなります。少し、冷たさが感じるかもしれませんがカーテンの代わりにブラインドとかロールカーテンにすると適度な温度が得られるので窓面の結露を防ぐ役割があります。障子の場合は写真のように、予め上下にスリットを作っておくことで窓面の結露を防ぐことができます。予算の関係からも全窓にパネルラジェータを取り付けるわけにはいきません。そこで複層ガラスではなく低放射ガラスを使うようにすると、室温が20℃で湿度が50%であれば結露することはありません。
寒さの発生源のほとんどは窓ですからこのように低放射ガラスを使い、できるだけ窓下にパネルラジェータを設置することで寒さと結露を防ぐことができます。

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一年中使える暖房器

いつも私は新築される方にお勧めしているお気に入りの暖房設備があります。

グリーン色の格子状のパネルですが何だと思いますか?

20070711-1.gif実はこれ!   暖房器なのです。
暖房器は冬に使うものなのですが、このパネルはインテリア(小物掛け)としても使えるので1年中利用されます。

写真のようにサンプルにジャンバーを掛けていますが、冬には雪に濡れたコート掛けに利用します。訪問されたお客様のコートが雪で濡れていても、このヒーターのお陰でお帰りなる頃にはポカポカと暖かく、コートも乾いていて大変喜ばれます。

また、当然冬も使いますが普段は玄関のカギとか車のカギを掛けるパネルに変身です。このパネルヒータはスチールでできているためマグネット付のフックで簡単に取り外しができます。
自分の気に入った所にフックを取り付け小物掛けとして使います。また、このヒーターのカラーもお好みで選ぶことができます。

20070711-2.jpgこちらは、キッチンの袖壁に暖房と小物掛けを用途として設置されたものです。キッチンですから買い物用のメモとか料理のレシピメモなど・・・・又、台所用品も掛けておくことができる優れものグッズです。

それ以外の使い方では、寸法もオーダーできるので手すりとしても利用できるので、とても便利です。
このヒーターのメーカーはピーエス株式会社ですがパネルヒーターで暖冷房ができる一石二鳥の商品「冷温水HRーC]もあります。

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暖房費がかかりすぎる施工の実例(1)

家を新築して数年経ってから「どうも我が家は暖房費が●●万もかかる割には部屋の温度が上がらない!」という苦情が出て調査を頼まれることがあります。
特に一団の分譲販売土地に建売住宅とか注文住宅で建てられた方からが多いようです。
そこでその理由を何かと調べてみると
数年経つと当然のように近所とのお付き合いが始まり、
お互いに「お茶のみ会」は始まります。

そこでの会話に
「お宅の家はとても温かいのね!でも暖房費がかかるんでしょ!」

「いくら、かかるの?」「○○円」「エッ!お宅の建坪はどのくらい?」

「うちと同じくらいなのに・・・????」

「うちは●●円もかかった割には20℃に部屋の温度が上がらないし、それでも昔の家に比べたら温かいのでこんなものか?と思っていたんだけど・・・」

と、こんな会話の中で自分の家とお隣さんとの暖かさと暖房費の違いを初めて身をもって知ることになるのです。新築する時に意識して気密住宅で建られた場合は余程の施工ミスがなければ各部屋の温度のムラがあり暖房費に●●円かかかることはありません。

問題なのは気密住宅を認識しないで暖房設備に例えば熱源をヒートポンプ暖房にして全室暖房にした場合が要注意です。また、気密住宅で建てられても気密試験を実施しなかった場合は確実に安定した居住環境を得られるかというと宝くじを買うようなものです。

さて、問題の●●円もかかる全室暖房の家のつくりはこんな施工になっていました。

dc012401 コピー1写真は天井につけられるダンライトを下から見たところです。
気密シートがあるがダウンライトの気密処理がされていないため周囲に隙間があり天井裏に暖められた熱が逃げてしまいます。

※これは天井断熱の場合に起こる問題で屋根断熱の場合は屋根部分で気密処理をするのでこの部分は隙間があっても問題にはなりません。

dc120401(修整1) コピー1しかし、天井断熱の場合のダンライト部分の正しい施工法はダンライトを囲むようにBOXを作り、内側に気密シートを切れ目なく取り付けることです。こうすることでダンライトの隙間は一切ないので熱漏れを防止することができます。

若し、自分の家が室温が上がらなかったり、暖房費が思ったよりかかる場合はこの部分をチェックして見る必要があります。


きちんと気密処理がされた現場:参考ブログ⇒http://ameblo.jp/kby-s/entry-11451333560.html


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室内犬と暖房の関係


Q・室内犬にとって暖房機器は何がいいのか?
というご質問がありましたので、旧ブログにUPしたものを回答とさせていただきます。

ペット共生型宅での暖房器は室内犬とって何が理想なのでしょうか?
446y29udje1otwmgg.jpg犬は人間と比較すると、暑くもなく寒くもないと感じる温度が15〜25度と幅があるそうです。

冬の高性能(高気密・高断熱)住宅の室内温度の実際はどうなんでしょうか?我が家の暖房はピーエス㈱のHRヒーターを採用しています。
各部屋で18から20℃くらいにサーモバルブで調整していて全体的には平均20℃の環境になっています。
写真は我が家の愛犬(室内犬=ゴンタ)です。
サークルは使っていないので自由に家の中を走り回っていて主人の私が寝ると一緒に部屋で寝るという行動をしています。
夏はエアコンを使っていないので暑いのかいつも寝る時は玄関の土間に寝ています。

冬はどうかというと、私の部屋は和室ですので畳なのですが、初めは私の傍の畳に寝ていて、その後数時間でフロアの廊下に移動、さらに玄関の土間に移動して寝て、朝方には必ず私の傍に戻って寝る行動パターンです。

そこで、何故?そのようなパターンなのか?温度の面から調べてみました。
愛犬が寝ている場所の床面の表面温度を測ってみると
畳の表面温度:21℃
廊下の表面温度:20℃
玄関の表面温度:18℃になっています。

外気温が氷点下に下がっても室内温度はほぼ上記の温度で一定しています。

やはり寝ている時の接地面の温度はできるだけ低い方が快適なようです。

それでは床暖房はどうでしょうか?
床暖房のの表面温度は、24〜26℃が快適とされていますがこれは家の断熱性能高ければ表面温度は低く、断熱性能が低ければ表面温度は高くしないと人間にとっては快適ではありません。
玄関の土間、フロアの床も床暖房にした場合は人間にとって快適でも愛犬にとってはとても不快な温度になります。

愛犬の快適温度としてはぎりぎりのラインですので、現在の次世代省エネ基準以上の断熱性能にしなければ愛犬の居場所がなくなります。

床面の表面温度から判断すればFFヒーターがとても良さそうです。
FFヒーター本体付近は温度が高くても離れている所は床面の温度が低いので愛犬にとっては理想的な暖房器のような気がします。
しかし、大きな問題があります。
強制的にファンで暖気を室内にまき散らすので埃、特に犬の毛などが室内に舞っていることになります。
これではアレルギーの原因になりかねません。

dc0306225.jpg写真:右の窓下についているのが、そのパネルヒーターです。
コールドドラフトも防ぐ暖房器ですが床暖房と違って温度が高い時にはサーモバルブを閉じることで温水を止めることができます。その結果コールドドラフトにより土間面の温度が降下することになります。

愛犬にとって快適な温度を探さなければなりませんが自由に土間の温度でコールドドラフトで上げ下げすることが十分可能です。これは温水パネルヒータでなければできない手法のような気がします。
コールドドラフトも用途によっては歓迎する必要があるようです。


要は愛犬の居場所を作ってやり、結露が発生しない環境であれば多少の温度差は良しとしましょう。
・・・・ということになります。

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窓のコールドドラフトを防ぐ方法

コールドドラフトは冬期に、暖房室内の空気が、外気で冷やされた外壁や窓ガラス面に触れることにより温度が急激に低下し、冷気流となって降下する現 象ですが内外の温度差が大きいほど、また接触面の高さと床面の落差が大きいほど、この冷気流の流速が増し部屋に流れ込むので足元がとても寒く感じられて不快に感じてしまいます。

建物が高断熱で高気密で全室暖房であっても、この現象は防ぐことができません。そのため窓、特にテラス戸のような掃き出し窓の直下は冷気流を防ぐ何らかの暖房器の設置が必要です。

dc030477.jpg

一般的なパネルヒーターは左写真のような壁掛けあるいは窓下に取り付けられます。
窓の下枠と床面がフラットな窓(テラス戸、掃き出し窓)の場合は床の上に設置するため、パネルヒーターが床面より高くなるため掃除の邪魔になり掃き出しの用は成さないのが欠点となります。




そこで、その欠点をカバーできるのが床面とフラットになるパネルヒーターです。
dc0304130_2_20121118150415.jpg
これだと、フラットですから掃除も楽、コールドドラフトも防ぐことができる一石二鳥の暖房器です。

高性能住宅の住環境は、よく「冬の室内は寒くもなく暑くもなく、春のポカポカした体感温度」と言う表現で言われます。春に日差しが入る窓の下でウトウトと仮眠する・・・あのような温度環境です。
それはこのような暖房器でなければ得ることができないのです。

掃き出し窓及びテラス戸のコールドドラフトの防止はこの方法が最善策のようです。
上写真はFVL商品を使ってコールドドラフトを見事に防止したことを表す熱画像です。

その暖房器は→ピーエス(株)のFVLX商品です。

既存の建物で窓下につけるヒーターは↓
http://www.imliving.com/windowradiator/index.html
http://www.gogops.jp/pages/3-hre/hrephoto/vxrephoto.html

この暖房器だと隙間に埃、ゴミが入り掃除は大変ではないか?と言うご質問がありますが
この暖房器の掃除の方法は以下の動画をご覧下さい。(意外と簡単です!)
dc111805 - コピー①の隙間にフック棒を引っ掛けます。









②フック棒をそのまま持ち上げます。









③上げた状態で掃除機でゴミ。埃を吸い取ります。配管材が固定されていないので自由に上げ下げできます。









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暖房設計で快適性が左右される!

気密化を意識しない従来の住宅の場合には室内の上下の温度差は10℃もあり室内環境に大きな差が出ますが窓や暖房設備によっても室内環境は大きく差が出てしまいます。

住宅の気密レベルが1.0cm2/m2以下になると室内の温熱環境は設備機器や窓や構造体の断熱性能が環境を大きく変えてしまいます。しかし次世代省エネ基準以上をクリアする住宅で「気密性能が高いのに・・・思ったより室内環境が快適ではない!」と言った不満の声も聞かれるようになりました。

その原因には高気密で高断熱の住宅に住み始めると従来の家に住んでいた温熱環境より室内の温熱環境が安定してくるので微妙な温湿度の変化が繊細に感じられるようになります。
(例えば、窓をロックを甘く閉めてしまい数ミリ隙間があると・・・その隙間から入る冷気は微妙に小さい隙間風でも・・・「何処か窓が開いているな?」とすぐ感じることができるようになります。)

気密性能が1.0cm2/m2以下になると暖房機器の選択に時間を十分かけないと次世代省エネ基準クラスで気密性能が1cm2/m2以下であってもにコールドドラフト現象に悩まされることになり不快な温熱環境を経験することになります。

暖房設計は意外と暖房負荷計算をしないで何畳用の暖房機といった選定の仕方が一般的な現状です。ひどい例は暖房設備は別途になっていて、建て主が後で量販店で暖房機器を購入して、せっかくの高性能住宅の長所を生かしきれない生活をしている方もいらっしゃいます。

もはや、快適性は気密性能のせいではなくなってきています。

快適性能は暖房設計の善し悪しにかかっているのです。

(勿論、気密性能が1.0cm2/m2以下であることは基本です)

そこで、お奨めするのは・・・やはりセントラルヒーティングです。
50組写真 - コピー

温水のセントラルヒーティングは低温の輻射暖房ですが熱の分散、室温の制御性から好みの温度設定が可能なことからクレームの少ない暖房機器です。

自然対流による石油ストーブ1台、深夜電力を利用する蓄熱暖房機、土間床暖房、熱交換気のダクトを利用した熱交換機暖房などは室温の制御性が異なるため快適性はセントラルヒーティングより劣ってしまいます。

高性能住宅を予定しているのであれば・・・「セントラルヒーティング」がお奨めですよ!


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高断熱・高気密住宅の暖房は何がいいの?(2)


窓の断熱性能や暖房設備によって大きな室内環境に大きな差が出ることを住宅の暖房は何がいいの?(1) でレポートいたしました。
その他に重要なことは、住宅の気密性能によって室内環境の良し悪しに大きな差が出ることです。
しかし意外と一部の施工者も、ほとんどの一般のユーザーの方も意外とこのことを理解されておりません。

住宅の気密性能のレベルが北欧の水準をクリアーすると・・・・室内環境は設備機器や窓の断熱性能が快適な温度環境を決定できるようになります。

気密化を意識しないで造られた在来工法で建てられた住宅で昔ながらのストーブ暖房をすると繊維系の断熱材で100mm断熱にしても部屋の上下の温度差は10℃前後にもなってしまいます。
(この温度差は北国に住む人ならほとんどの人が経験した室内環境です。)

一方、在来工法よりRC住宅の場合は気密性能が高いため二重サッシを使うと気密性能が高くなるためストーブ暖房しても上下の温度差が小さくなります。

695npfnjsqqxnce.jpgさらに、気密性能を1.0cm2/m2以下にできるレベルで窓下にパネルヒーターをつけるセントラルヒーティングでは上下の温度差をわずかにすることができます。

このように気密性能を1.0cm2/m2以下にできると暖房の設備設計で快適性を左右することになります。

(このことは気密性能が高気密であっても暖房計画がきちんとされない現場が意外と多く・・・・「高気密・高断熱住宅、あるいはオール電化住宅なのに寒い・・といったクレームが増えています。)

大きなテラス戸の下(床面)にパネルヒーターを設置しなかったり、一階を床暖房にすると窓からのコールドドラフトによって上下の温度差は1.0℃くらい生じます。

また、極端な例では暖房計画がアバウトなため上下の温度差が逆転する高断熱・高気密住宅(オール電化住宅)も出るようになりました。


室内の温熱環境は、もはや気密性能のせいだけではなくなってきています。

温水式のセントラルヒーティングは低温の輻射暖房ですが熱の分散、室温の制御が自由にでき、クレームが少ない暖房です。
配管材も床暖房のように隠ぺいされることが比較的に少ないためメンテナンスのし易さがとても魅力です。

この他にセントラル暖房の方法には石油ストーブ一台の自然対流の暖房、床暖房併用のパネルヒーター、蓄熱暖房器、熱交換器暖房、エアコンなどがあります。
その快適性には格差があり、上下の温度差や部屋間の温度差、気流の発生、気流に伴う乾燥感、室温の制御性が違ってきます。

※貴方は暖房は何にしますか?
(私のお勧めの暖房システムは輻射式暖房のパネルヒーターです。)

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高断熱・高気密住宅の暖房は何がいいの?(1)

寒くなってきますと「高断熱・高気密住宅で計画しているが暖房機器は何がお薦めですか?」・・・と暖房機器の選定についての相談があります。今日はそのことについてレポートしたいと思います。

高断熱・高気密住宅を建てることを前提にすると高断熱・高気密住宅は暖房方式によって、いいも悪いも選定される暖房機器によって室内の温熱環境が決定されると言っても過言ではありません。ストーブ1台で暖める自然対流の全室暖房方式は窓の断熱性能が高くないと部屋の上下の温度差を感じます。

真冬日にはペアガラス程度の断熱性能の窓だと上下の温度差があることがはっきりと体感できます。特に和室とかリビングにつけられる掃き出し窓(テラス戸)の場合には冷えた窓で発生する冷気流(コールドドラフト)によって、上下の温度差が増幅されて上下の温度差は3~5℃にもなります。

その証明写真は↓の熱画像です。
dc110102.jpgこの住宅はQ値が1.9W以下の所謂次世代省エネ基準のⅡ地域をクリアしているオール電化住宅です。

単位隙間相当面積はは0.5cm2/m2ですので問題のない気密性能です。
ガラスはぺガラスよりワンランク上のLow-Eガラスで暖房機は蓄熱暖房器です。
それでもテラス戸周囲の上下の温度差は窓上の壁は17℃前後テラス戸の上部は14℃で下部は12℃となっていて5℃の温度差があることがわかります。


(※この住宅は竣工したばかりなので暖房はされておりません、室内の17℃前後の温度は日中の日射による取得によるものです。撮影はPM10:40頃に撮影したもの)

窓の性能を壁の断熱性能に近いレベルのもので気密性能の高いものを使うと開放的な間取りの場合には上下の温度差はほとんど感じなくすることが可能となります。

一方、温風暖房や熱交換気暖房はコストの面から配管ダクトは1階の天井のふところに設置されることが一般的です。この場合には1階の天井から温風が吹きだすことになるので高気密・高断熱住宅でも上下の温度差が2℃~3℃になることがあります。しかも温風方式の暖房に気流速度は1m~2mもあり気流感があり不快に感じます。

配管ダクトを大きく(例えば直径150mm以上)して気流速度を遅くし気流感を抑えるとか住宅の断熱性能Q値を現状の倍近く(Q1住宅のような熱性能)に上げないと乾燥感がありすぎて決して快適な暖房方式ではないのです。

一方、快適だと言われるものには輻射式暖房器があります。これは床暖房や蓄熱暖房器や温水パネルを窓下に設置したセントラルヒーティングがこれに該当します。しかし、床暖房や蓄熱暖房器は掃き出し窓(テラス戸)があると、冷えた窓からの冷気流と冷輻射を完全になくすることができません。

真冬日の冷気流は隙間風と間違うほど大きく感じられます。床暖房や蓄熱暖房器では実際の冷えた窓ガラスの冷気流を防止できないのです。

一方、窓下に温水パネルを設置したセントラルヒーティングは冷気流と冷輻射を防止することができとても快適です。また温水パネルを設置したセントラルヒーティングは各自部屋毎に好みによって暖房温度を設定できるので快適性の高い最も最良な暖房方法と言えます。

問題点は温風式の暖房や床暖房や蓄熱暖房機と比較するとイニシャルコストが高いことが難点です。

しかし最近普及しつあるQ1住宅とか無暖房住宅に近いレベルの高断熱・高気密住宅で建てるとパネルヒーターの台数も能力も少なく小さくすることができ上下の温度差も小さくできてイニシャルコストも下がって採用しやすくなります。

その輻射暖房方式のパネルヒーターのお薦めメーカーは
ピーエス株式会社→http://www.gogops.jp/


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コールドドラフト対策

仮に室温が20℃で外気温がー10℃であっても100mm程度の厚さの断熱材をきちんと入れたとすると、壁、床、天井の表面温度は室温に近い温度になります。

それに比較して
冬の窓際はペアガラスであっても表面温度は10℃
くらいという低さになります。

153a2etdgvubiag8ck.jpg気密性が高いサッシによって隙間が防いだとしても、コールドドラフトや放射冷却が寒さの原因となります。
最も効果的なのが、窓下に取りつけるパネルヒーターなのです。
ヒーターの上昇気流がコールドドラフトをくい止め、表面からの放射熱が放射冷却を打ち消しけしてくれます。

コールドドラフトは暖気に出会うまで、床を這って行きます。

暖房器具と窓を繋ぐ線はいわば冷気の通り道になってしまうのです。

寒さは元から絶つに限ります。

コールドドラフトを防ぐ上昇気流は床暖房では作れません。
できれば大きい窓だけでもパネルヒーターで補助できるようにしたいものです。

床面までのカーテンをすることでコールドドラフトをある程度防ぐことができますが、ガラスとカーテンの間には冷気が溜まりやすく結露が発生しやすくなります。

カーテンや障子はあくまでも目隠しとして使うべきです。
(我が家ではコールドドラフト対策として和室の掃き出し戸を除いて、全てブラインドにしています。見た目、冷たさを感じるかもしれませんが、カーテンよりコールドドラフト及び目隠しては理にかなった商品だと思っています。また、夏対策としてガブラインドの表裏の色を変えています。外部側は日射を反射させるようにシルバーかホワイトです。室内側は各部屋の好みに合わせています。)

窓の性能がある程度整ってくれば室温20℃湿度50%であれば
下の露点温度グラフ(省略型)(出展:板ガラス協会)の通り結露することはありません。
153a2v0dxjvbm96iw.jpg


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theme : 住宅・不動産
genre : ライフ

パネルヒーターの取りつけ方の失敗

住宅の暖房方式は様々ありますが岩手でもまだ床暖房が理想的だといわれています。

果たしてそうでしょうか?

25年前に高気密高断熱住宅の先駆けの頃は床暖房の普及に一生懸命でした。FFストーブに比較すると放熱する面積が広く、低い温度の熱で直接全体を暖めるので従来の寒い住宅でも暖かく感じられます。

今まではファンヒーターかFFストーブで間欠暖房で寒かったので床暖房の住宅は驚くほど暖かく感激するのです。

・・・が2年目に入ると微妙な温度の変化を感じるようになり窓からのコールドドラフトで寒さがかなり感じるようになります。

そんな理由で
私は輻射暖房のパネルヒーターの設置をお奨めしているのです。
しかし輻射暖房が設置されていても設置される場所に問題がある場合が多いのです。特にテラス戸とか引き違いの(掃き出し)の窓下に設置されず窓の袖壁に設置された場合です。

148kweoypbelmpwz5tkiniohq.jpgこれではコールドドラフトを防ぐことは困難です。
そんな経験があって我が家の和室の片引き戸(へーベントシーべ)は写真のように床下のBOXを作りその中にパネルヒーターを入れ簡単に取り外しができるガラリをつけたのです。

このようにするこでと窓からの冷気が一旦BOXに下降し、パネルヒーターで暖められた空気が窓面を上昇しコールドドラフトを防ぐことができるのです。

昨年ちょと色気を出してパネルヒータ入りBOXに加工を施しました。
(BOXに直径100mmの穴を数箇所開けたのです。)
BOXで暖められる空気を床下土間の方にも取り込むことによってコールドドラフトを防ぎながらも蓄熱の効果の一石二鳥を狙ったのですが・・・

その結果が熱カメラで検証・・・・悲惨な結果です。

左画像:ガラリ蓋をつけた状態ではロールカーテンの下は15℃くらいです。
掃き出し窓の側に座ると冷気を感じます。
(ヒーターの熱が上昇しないでBOXの穴を通じて床下に移動しているのです。その結果窓のコールドドラフトを防ぐことが難しくなってしまいました。)

右画像:BOX内の穴を改めて塞いだ状態です。
ロールカーテンの下部分は20どくらいに上がっています。
(穴を開けた熱画像は左写真ですのでこの右の写真と比較すると如何に穴を開けた方が悪かったか物語る熱画像になっています。)

ちなみにヒーターの表面温度は30℃になっています。
ボイラーのコントロールスイッチの設定目盛りは
10段階の1目盛りの24時間暖房

●欠点:このガラリ方式ではコールドドラフトを防止できるが埃、ゴミがBOXの中に入り掃除が大変なことです。
特に我が家では室内犬を飼っているのでその抜け毛の掃除はおっくうなものです。

148g3obw4nhg1h6wq.jpg●この欠点を解決した(ガラリ蓋もつけない掃除もしやすい)コールドドラフトを防止する床設置型のパネルヒーターが最近注目され販売されています。
見た目も奇麗でパネルの塗装色もオーダーできてインテリアにかなりお奨めです。




そのパネルヒーターの販売元はこちらです。
盛岡ピーエスのFVLXタイプ


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床暖房とセントラルヒーティング

気密性能が5cm2/m2以下になると今までの個別暖房のエネルギー消費量で全室暖房が可能となってきますそれでも気密性能が2.0c2/m2以下の温度環境を体験すると快適な温度環境とはいえなくなります。

高い気密性能の住宅では上下の温度差は2℃前後に抑えられるのに対して、5.0cm2/m2以上の低気密住宅は室内は気流が0.5cm/秒程度発生して、10℃の上下の温度差が激しく変化します。
102zjawnja1njlfmtmzmtq5mpnv.jpg
●写真1:熱カメラで見た低気密高断熱住宅の床暖房方式
(床面だけが温度が高く壁、窓ガラスの表面温度が上がっていない状況)

この室内環境では、暖房機の側で体がほてるような熱さにしないと暖かく感じられせん。さらに隙間が多いため過剰に空気の出入りがあり、そこにガンガン暖房する訳ですから極端な乾燥状態になってしまいます。加湿器をいくらたいても解消されません。そこで気流と温度差を緩和する床暖房の方が快適に感じられるのです。

一方、気密性能が2.0cm2/m2程度になるとセントラルヒーティング(低温輻射暖房)が快適な暖房方法になってきます。このレベルの住宅で床暖房をすると、快適より不快に感じてくるようになります。

一昔前に気密住宅の普及とともに床暖房も普及した時、お年寄りが床の高い温度による低温火傷?とか便秘になった例がたくさんありました。

それでも寒さが厳しい岩手でも高気密高断熱住宅を勧めて床暖房も勧めている工務店が多いことも事実です。

(断っておきますが・・
床暖房がダメだと言っているのではありません。住宅の気密、断熱性能でお奨めするべきだと考えています。)

102zjawnja1njlfmtg0mdqynzloug.jpg
●写真2:熱カメラで見た高気密高断熱住宅のセントラルヒーティング方式
(床面と壁面の表面温度が同じ、窓ガラスの低い表面温度をセントラルヒーティングがカバーしている状況)

高気密住宅では開口部は最低でもペアガラスを標準とするようになってきています。しかし、この暖かそうなガラスでも100mmのグラスウールの1/6断熱性しかないのです。

このぺガラスが住宅の中で表面温度が一番低い部分になりヒンヤリ冷気をかんじます。さらに冷えたガラスはダウンドラフトし隙間風と勘違いするほど気流が走ります。この気流が人の身体を覆っている暖かい空気の層を飛ばしてしまうので体感温度は下がってしまいます。風の強い時に体感温度が低下するのと同じ現象です。

そこで窓ガラスを暖め表面温度が低下しないようにセントラルヒーティングを窓下に設置すると快適さを感じることになります。断熱、気密化をより高めると低温水のヒーターでも床、壁、天井の表面温度が上がり、体感温度が限りなく室温に近づき春のような穏やかな暖かさを体験することができます。


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輻射暖房の利点とは?

住宅内の中に温度差をつくらず、何処でも一定に近い温度設定にするには、やはり高温度で熱を供給する個別暖房よりも、できるだけ放熱を分散させ、しかも低温度で供給する床暖房や温水パネルヒーターなどのセントラルヒーティングが理想的です。

この方式は、ボイラーで暖められた温水を利用することから、やわらかい暖房感が得られ、室内も均一に暖まりやすいという輻射暖房ならではの特色があります。
しかも、部屋でじかに火を使うことがないために空気もよごれません。

しかし、同じ輻射型でも床暖房は、室内が均一に暖まるものの、窓際などでは冷気の影響によって寒さを感じたり、結露を発生させる場合があります。

また、春先や秋口などは微妙な温度制御が難しく、安定した室温も保ちにくいといった短所もあげられ、目に見えない床下に設置設置されるため、将来にわたるメンテナンスの難しさがあります。

84zgmwndaxmdhhbm4gihqi.jpgこれらの問題は。温水パネルなどとの併用により解決されますが、あらかじめ住宅全体の設計などからも慎重に検討しておきたいところです。


その点、パネル式のセントラルヒーティングは、各部屋の最も冷える部分の窓下に取り付けられるために、コールドドラフト(冷気)を防いで、その外壁面の平面輻射温度を高めて、効果温度を増し、暖房温感をより増幅させるといったメリットがあります。

室温を低めに設定しても、あまり寒さを感じないのはそのためなのです。


FFストーブなどでは、平面計画上様々な制約を受けることになりますが、それに比較してこのシステムの場合は制約も少なく、自由な設計が可能になります。

●写真は和室の窓下に取り付けられた温水パネルヒーター
写真提供:(リードエンジニャリング) (パネルヒーター:ピーエス㈱)
84kmeww4lmloskcidrq.jpg
●輻射暖房の比較


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暖房の主役は建物!

せっかく高価な暖房器を導入したのに、
石油やガス、電気の消費量が膨大で大変な目にあったという話をよく耳にします。
また、高気密高断熱住宅で建てたのに、聞いたより消費量がかかるといった話も聞かれます。
78zgfubmjvdzfnjsqqxito.jpg
これは、建物の性能や質を無視したまま暖房設備にのみ目がいった典型的な例で、これでは毎月のランニングコストだけで四苦八苦させられます。

暖かく、省エネ性に富んだ住まいをつくるためには、暖房設備そのものよりも、建物全体の防寒性能を向上させることが大前提となります。

暖房の主役は暖房器ではなく、建物なのだという意識を、先ず明確に持つようにしましょう。
そうした考え方が理解できるようになると、今度は適切な温度を保つためのは暖房設備だけでなく、太陽熱や地中熱や人体発熱、生活取得熱なども積極的に暖房のエネルギー源として利用していこうという発想になってきます。
さらに蓄熱体の利用や熱交換機との併用で、より、一層省エネ性を高め、健康的な住まいが実現できることにも繋がってくるのです。

省エネ・快適・健康どれも欠かせない暮らしの基本事項。
それを実現するためには、
先ず、「建物の性能」・・・次に「暖房」なのです。



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暖房は何を選択したらいいのか?

暖房機器は何を選択したらいいのか?と
訊かれると私は必ず「住宅に性能を高めた上で設備を決めましょう。」と言います。

それは何故なのか?でしょうか?

暖房の考え方の基本は、建物が主役で設備は脇役です。
建物の性能を高めることなく高額な暖房設備を設置しても無駄というものです。
石油やガス、電気などの消費量が膨大になるだけです。

暖かく又は涼しく、省エネに富んだ快適な住まいを作るためには、暖房設備そのものより建物全体の性能を向上させることが前提となります。
暖冷房の主役は暖房設備ではなく建物そのもだという認識を持つ必要があります。
    
63zjawnja1njnrug.jpg●図は「気温によって変わる体感温度と輻射熱の関係」

現在、坪なんぼ?で販売している住宅メーカー、工務店の場合は、ほとんど暖房器具は別途工事になっているか、FFヒーター1台ついて販売されている例がなんと多いことか、残念に思います。

また、事前に暖房機器が設置することがあっても建物の断熱、気密性能を確認しないため、過剰な暖冷房の設置をしてしまう例が多いのも事実です。
(寒い、暑いというクレームを防ぐため過剰設備をしてしまうのですが・・・当然コストが上がるのは当然ですよね!)暖房機器を考える時には、安全性、操作性、経済性、耐久性、デザイン性などを考慮して慎重に考えたいものです。

住宅の性能が高まって、高気密高断熱住宅というより高性能住宅とい言葉が普及している現在は、設備の容量も問題となります。先ほど坪なんぼの世界の住宅では容量の大きなボイラーやストーブを設置されがちですが、経済性を考えると多きいボイラーで時々燃やすよりは、小さめなボイラーで最大容量の80%くらいで常時使用する方が好ましいようです。

石油、電気、ガス代などランニングコストもよく計算した上で最適な暖房設備を選定したいものです。

それではお奨めは何か?と訊かれると

63zjawnja1njlfmjeymzi1npfj.jpg建物の断熱性、気密性能が高まったことが条件で」あれば「輻射暖房」が理想的と答えています。
放熱個所を分散させ、しかも低温度で熱を供給する温水パネルヒーターは建物の中に温度の差を作らず、どこでも一定に近い温度設定にするのに適した暖房設備といえます。この方式は、ボイラーで暖められた温水を利用することから、やわらかい暖房感が得られ、何処でも均一に暖まりやすい輻射式ならではの特色があります。

しかも部屋で火を使うこともないのでクリーンで空気も汚れません。
しかし、同じ輻射型の暖房でも、床暖房は室内が暖まるものの、窓際などは特に冷気の影響で寒さを感じたり、結露を発生させる場合があります。

春先や、秋口などは微妙な温度制御が難しく、安定した室温を保ちにくいといった短所あげられて、目に見えない床下、土間下などに設置されるため、将来にわたってメンテナンスが非常に難しいと考えています。

一方パネル式のセントラルヒーティングは、各部屋の最も冷える部分の窓下に設置されるためコールドドラフトを防いで、その外壁面の平均輻射温度を高めて、暖房温感を増幅させるメリットがあります。室温を低めに設定しても、あまり寒さを感じないのはそのためです。

●最近は
深夜電力で暖めた温水をパネルヒーターに利用するピーエス(㈱)の輻射暖房方式が脚光を浴びています。


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暖房のランニングコストを計算してみよう!

次世代省エネ基準の告示をきっかけとして住宅の断熱性能を専門的な用語であるQ値(熱損失係数)で表すようになりました。

そのQ値を使って自分の新築する家,リフォームする家が簡単な計算で暖房のランニングコストが計算できると・・・もう少し断熱工事にお金をかけもメリットがあることわかるようになります。

今日は具体的なイニシャルコストとランニングコストの計算はしませんが、簡単にいうと次世代省エネ基準クラスの断熱はコストが上がるが暖冷房の消費量が減るため、年数が経てば経つほどお得な住宅を手に入れることができることが理解されます。
(この計算については後日)

51zjawnja1njlfmtmymjm0npfl.jpgしかしQ値を提示してくれるところは少ないのでないでしょうか?
Q値を提示するところがあってもモデルプラン次世代省エネ気密評定で評定されたモデルプラン住宅のQ値であって、貴方の建てるQ値ではないのです。

車のように工場生産されたものであれば同じくなるのでしょうが、住宅の場合のほとんどは1棟1棟が違うため、熱計算をしてみないとわからないのです。

Q値が適当な数字であれば当然暖冷房の機器のセットもアバウトになるしかありません。
アバウトとはクレームがこないように安全をみて、過大な暖冷房の機器を設置することになります。
結果的には設備費が高くランニングコストも高くなってしまうのです。

●簡易暖房灯油消費量計算式
灯油消費量の計算は、厳密には熱損失係数、建設地の暖房デグリディー、内部発生熱、太陽取得熱をもとに必要熱量を計算して、最終的に熱源とする機器の燃焼効率を加味して灯油に換算しますが簡単に計算する方法があるので下記に示します。

次世代省エネ基準では
単位がワットになりましたのでワットで計算をしてみましょう。
(キロカロリーで熱損失係数が出た場合は数値を0.86で割ってワットに直します。)

1・Q値に延床面積(暖房面積)をかけて総熱損失係数をだします。
2・これに暖房デグリーディーをかけて、さらに24(時間)をかけます。
3・この時、暖房デグリーディーはd18-18という数値ではなく概算値の数値を使うことがポイントです。(内部の取得熱をあらかじめ入れた数値です。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●主要地域の暖房デグリディー(概算値)
旭川:3.200/釧路、帯広、網走:3.100/札幌:2.600/函館、室蘭:2.400
青森、盛岡:2.200/秋田、山形、長野、松本:1.900
仙台、葺き島:1.600/宇都宮、新潟:1.400/金沢、前橋:1.200/名古屋、京都:1.050
東京、大阪、熊本:850
※いずれも余裕をみた概算値でこれ以外の地域は近い地域を使用します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●例題:盛岡でQ値が1.9wで120m2の住宅の場合
総熱損失係数×暖房デグリディー×24(時間)=年間暖房負荷
1.9w/m²×120m2=228w(総熱損失係数)
228×2.200×24=12.038.400w→単位が大きいのでキロワットに換算(12.038kw)
これを8.62で割れば灯油の消費量が出てきます。
従って、12.038kw÷8.62=1.397リットル/年
この式は1割程度安全をみていて、実際には1割程度は少なくなります。
(その条件としては隙間相当面積が1.0cm2/m2以下で換気回数が計画された0.5回/hになることです。)

●ワットで計算すると電気暖房の場合の電気量料も簡単に計算できます。
電気暖房の場合は暖房負荷をそのまま電気料金単価をかければいいのです。

※断熱性能、気密性能が高まれば、換気計画が容易になり、建物の熱ロス、換気ロスが明確にでき、暖冷房の機器設置にはアバウトではなく計画的なものになり、従来より暖房のイニシャルコストが少なくて済みます。
その少なくなったコストを・・・・断熱材付加にまわすことができれば・・・・。
そんなことを配慮してくれる設計事務所、工務店に頼みましょう。


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昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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