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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

木製サッシの結露対策

今日の最低気温は-10℃前後の寒い一日でした。朝方の8時頃の外部温度は-5.1℃で室内は21℃の温度環境で我が家の木製窓が結露していました。我が家は21年前の1999年7月にデンマーク製の木製サッLOW−Eガラス(アルゴンガス入り)の窓を採用した家です。(当時としては最先端で木製でドレーキップ、オーニング、ヘーベーシーベを採用)写真のように木製サッシであってもガラス下端に結露が発生し、水玉ができています。表面結露の集合体(水)です。この時の結露発生付近の相対湿度は53.9%で温度は15.3℃を示していて露点温度は6.0℃を計測しています。つまり、この窓付近の温度が6.0℃になると表面結露が発生しますよ!ということのお知らせなのですが、それではどの部分から露点温度に達するのでしょうか?その、結露が発生するポイントを探します。
131508491_3853268898050466_3231991253262450626_o.jpg

写真①はレーザー式表面温度です。測定ポイントは●印の所です。ここではペアガラスのアルミスペーサー部分を測定しています。レーザーポイントがスペーサーを照射しています5℃を指しています。
写真②ではペアガラスのグレチャン(ガラスを抑えるビート)の表面の温度を測定、6℃であることが確認できます。つまり、露点温度は6.0℃でしたから、先ず最初に結露はここのグレチャンから始まるだろうことが推測されます。
しかし、写真①ではグレチャンの表面温度より低い5℃ですから温度だけから判断すると最初に結露が出るのはこの中であるように思われますがペアガラスの中空層は室内より乾燥空気で水蒸気量が少ない(絶対湿度は低い)ので温度が低くても露点温度は高いことが推測されます。
写真③はグレチャンより室内側の木製の障子の下端を測ると10℃
ついでに周囲の表面温度も測ってみました。
写真④は18℃写真③と同じ木製サッシの障子ですが、こちらは縦枠を測っています。写真③では10℃でしたから8℃の温度差が出ています。
同じ場所の障子なのに高さが少し違っただけでこんなに違うのです。(それは何故なんでしょうか?)
実はこれ!コールドドラフトを防ぐために窓下にはパネルヒーターが設置されていますが机の左に設置されている所はテーブル代わりになり、パソコンやケーブルが乱雑に置いたため空気の流れが悪くコールドドラフトを防ぐ役割を果たしていないのです。そのため窓の直下は寒く、窓上は高い温度になっています。
写真⑤は室内側の4方枠の縦枠・・の表面温度は22℃です。
写真⑥は室内側の壁面の・・・表面温度は写真③と同じ22℃です。
検証の結果は?暖房器があるにもかかわらず断熱性能が低いアルミスペーサーが原因で窓下面の表面温度を上げることができなかったこと、さらアルミスペーサーが外気の-5℃の影響を受けて露点温度に達してしまい結露が発生!と考えられます。
131899662_3853269248050431_6208143193832043541_o.jpg
簡易の改善策は写真2のように下枠に木の押縁を追加することで改善されましたが市販のシート、テープ類写真3では結露防止には役に立ちませんでした。最近ではアルミスペーサに変わって樹脂スペーサーになっているサッシが多くなりました。樹脂スペーサーはアルミと比較すると熱伝導率が約1000分の1しかありませんのでペアガラスのスペーサーを樹脂製に変えることでと断熱効果がさらに上がり安定感のある室内環境を実現できます。
さらに、高断熱サッシの結露に原因と改善策の詳細解説について知りたい方は日経ホームビルダー編者の「100の失敗に学ぶ結露完全対策」26P~29Pに記載されていますのでご覧下さい。

過乾燥対策と窓の結露対策

冬場に換気を十分取ると、室内が乾燥して喉を痛めるという話を聞きます。「昔の家はこんなことがなかった!」と言われることもあります。昔の家は断熱も気密も換気も意識せずに作られて、ストーブの上にヤカンを置いて湯気を出していた頃は喉に適度な湿気があって良かったのです。
最近の住宅は、湿度計では冬場には35%~40%前後の相対湿度を指します。私たちが昔から聞いている「快適な温度は40〜60%」という物差しからは大きく外れています。
そこでその解消方法として
①観葉植物を沢山置いて、その水やりの湿気を利用する方法。
(これには生活主体となるリビングなどに観葉植物を置く。別室にまたグリーンエリアを作り、鉢物や観葉植物などを置きその部屋から湿気の多い空気を取り入れる方法)
②洗濯物を室内に干す方法。
シーツとか毛布のように表面積がおおきいものが加湿に有利です。
③風呂の湯を流さないで、扉を開けておく方法。
などがありますがあまり湿度を高くして結露を起こすと、カビやダニが発生して、逆に健康上の問題になることが考えられます。③の風呂の湯を利用する方法は、さほど体感的にまた湿度計でも大きな変化はありません。高断熱・高気密・計画換気・全室暖房がうまくいっている家では冬場で23℃で35%前後を指す時があります。湿度が35%というと、すごく乾燥しているように感じますが、生活して慣れてくると以外にも乾燥感を感じなくなります。
dc011026 コピー1 - コピーそれは室内に隙間風や強制的な温風がないために、空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることがないためのようです。ホテルのように静電気が起きるほど乾燥する話も聞きません。湿度35%前後という数字を気にするよりは、感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。
快適な湿度は40〜60%という説も必ずこのゾーンでなければならないという意味ではなくて35%前後でもさほど健康には問題はないのです。また、市販の湿度計は≒10%くらい狂いやすい計器ですから、湿度計の数字はあまり当てにならないということも言えます。
最も効果があり省エネ対策としての過乾燥対策は室温を下げて湿度を上げる方法です。湿度を様々な方法で上げるのではなくて、室温を下げることで乾燥感をなくすることを考えましょう。乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも寝ている時ですから夜間は室温設定を低くすることで乾燥感を体感的にかなり解消できます。例えば、22℃/40%の空気が18℃まで温度を下げると、湿度は51%まで上がります。
組写真また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られますし過乾燥で喉がカラカラになりません。低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を個別に温度調節ができるパネルヒーター中心の暖房にするほか、何といっても窓の断熱性能を上げることです。

最近は断熱性能の高いアルゴンガス入りLOW-Eペアガラス、トリプルガラスが販売されています。これを使うと100mm厚以上の木材とほぼ同じくらいの断熱性がありますので窓周辺部の施工ミスによる断熱欠損とか空気溜まりが発生するケース以外は結露はほとんど起きません。低温でも快適に生活できるので過乾燥対策をしながら省エネにもなるので家計も大いに助かります。
しかし、困ったことに冬の外気温が氷点下-5℃を下回る北国地方では相対湿度が50%台になると窓の下端に結露が出始めることがあります。この原因はガラススペーサーがアルミで作られているため熱橋となり、ガラスの下端(特に隅部)がもっとも外気の影響を受けて表面温度が8℃前後になるためです。(参考写真:外気温が-6.1℃室内22.2℃/40.1%の時の露点温度は8℃ですので当然この部分から結露に見舞われる。)この結露を解消する方法は窓の下端の表面温度を上げる工夫、例えば窓下にパネルヒーターを設置するとほとんどの結露から回避できるようになります。

また、スペーサーの技術情報㈱テクノフォルムバウテックジャパンの資料によるとアルミスペーサーを断熱スペーサーに変更することでガラスの下端の表面温度が4℃前後高くなるそうです。これだと-5℃超える北国地域でも結露から免れることになりますのでお薦めです。(これからは断熱スペーサーが主流になりそうです。)


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新築の引き渡し時に床下に結露が!


ここ最近、床下の結露とカビについてのご相談が増えてきましたので過去の実例を回答といたします。参考にどうぞ!。
12月に数年前に数回にお付き合いした工務店の現場監督さんから携帯電話にSOSが入りました
684zgmwmzmxmdmgusvfsdfbaq.jpg
そのSOSとは気密住宅として建築された気密住宅の引き渡し時に設備業者が床下点検口を開けて配管を説明しようとすると写真のように塩ビ排水管、給排水管、その周囲の基礎に水で濡れたようになっていたというもの。(塩ビの排水管にも雨だれのように水滴がついているのが見える。)

咄嗟に設備業者の担当者は「排水管か給水管のジョイント部分の水漏れだと思いますので至急手直しいたします」と説明。そこで、その場で設備業者がチェックしてみると・・・給排水管からの漏水はないことが判明。
担当者は「よく、わからないけれど・・結露でないのか?」ということになって弊社に、配管廻りが濡れた原因と解決策のレポートしてほしいと調査依頼があったのです。

そこで、原因は結露なのかを判定するために目視と露点温湿度計で床下を調査してみました。
その結果、この濡れたポイントの温湿度は13.3℃/81.3%で露点温度は10.1℃になっていました。
つまり10℃前後の状態であれば結露する環境にありますよ!というお知らせなので温度度が下がる原因を探ることで解決することになる筈です。測定した時間はPM2:30頃でしたから推測ですが深夜から朝方に外気温が降下して露点温度に達しているのだろうことが想像します。しかし、気密住宅であるこの物件は1F、2Fの各部屋は湿度は少し高目であって、この写真のような状態は施工に余程のミスがなければあり得ない現象なのです。

なのに・・床下に結露?が出るのは何故か?
実はこの悪さの原因は設備業者のちょとした気遣いがなかったことが結露を発生させる原因だったのです。

その原因とは↓
684zgmwmzmxmdioj0oqrjepilrl37ax7hw.jpg
その原因は写真のように給湯用(オレンジ色)と給水用(手前の白とブルー色)の配管材を通している土間床下のスリーブの処理方法に問題があったのです。
→のようにスリーブと給湯、給水管との隙間から床下の冷気と湿気を室内(床下)に呼び込んでいます。

684zgmwmzmxmtaoj0oqrjephsy.jpgそのため、この給排水管の周囲は湿気で相対湿度が上がり、深夜から朝方にこの床下は温度は降下しているのが原因でした。

翌日の早朝に表面温度計で測ってみると・・・5℃になっていました。
これでは・・結露は当然です。






684kweoypbeilrl37axqdc.jpg
そこで、原因がわかったことで写真のようにスリーブの隙間に一液性のウレタンで充填補修を行います。
(※土間床のスリーブの土間シート0.2mmと土間下の断熱材の部分に断熱・防湿欠損がないことが正しい施工方法ですが・・・欠損があることも考えられるので予め、ウレタンを充填する前に、この隙間の下部には防湿のためにコーキングを充填するのが正しい補修施工方法。)

これで、床下の結露は解決です。


似たような参考例⇒http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-214.html


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換気がされているのに結露?


「換気がきちんとされていても結露は出るのですか?」というご質問がありましたので旧ブログでUPしていたものを回答といたします。
(内容は追加、修正下部分があるので旧ブログと少し異なっています


換気量がきちんと確保されているのに結露が起きる事例は少なくはありません。
このような場合に先ず考えられるのは、工事水の可能性がもっとも高いのです。

コピー (1) ~ dc080601未乾燥材はもちろん、基礎のコンクリートから出る水分がとても多いのです。特に冬近くに完成した住宅はこの傾向が強いため、初年度には必ず結露に悩まされます。(結露といっても、従来の住宅の結露と違って出る結露範囲(面積)が違います。左図のように冬に窓の下枠付近に結露が出るのが気密住宅の特徴です。)若し、できれば換気本体を施工途中から仮設電気を利用して運転すると水蒸気を多量に排出してくれます。
また、換気が確保されていても、窓の断熱性能が低いとか、ペアガラスのアルミスペーサーの部分が結露する時があります。これは換気システムの問題でありません。窓ガラスの性能が高くても熱を伝えやすいアルミで作られているため、ガラス面で結露する場合は先ず、この部分でいち早く結露するのです。このような場合は、上図のように窓の天板(カウンター)にスリットをつくると→のように温かい空気が窓下の温度低下を防ぐため結露の発生は防ぐことができます。また、1~3年経過し、工事水が抜け切るとピタッと結露は止まるようになります。

組写真

その他の事例としては、換気システムの換気量が確保されているのに、換気不足が原因のような現象の場合は、上写真のよに排気フードの防虫ネットの目詰まり原因です。局所換気でタイマー付きの浴室ファンやトイレファンやレンジフードなどは殆ど防虫ネットがついていますので、これに綿埃などが付着すると換気量が半分以下になってしまいますので、防虫ネットは外した方がいいでしょう。

dc110349 - コピーまた、最近の事例では梅雨時から夏にかけて、何等かの原因によって床下とか小屋裏、壁内に湿気を多く吸湿してしまい、通常の換気回数だけでは湿気を排出できない現場もあります。このような現場では暖房する冬になると大量の湿気(水蒸気)が室内に放出されるため、窓の結露だけではなく壁の隅などで結露、カビに悩まされる危険があります。最近は、気密と断熱には注意を払う現場が増えましたが、換気の換気量については無頓着な現場が多いのも事実です。換気がされているのに結露?と思った時は換気の排気(吸気)量だけではなく、給気量もチェックし、バランスよく空気が流れているかをチェックする必要があります。
※写真はイメージ


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二階が熱いのでどうにかしてほしい!(2)

二階が熱いのでどうにかしてほしい! では確かにかに断熱は足りませんが・・・断熱材だけで解決するのでしょう?という問いかけ(続き)で終わりました。

実は天井に敷きこまれた断熱材には屋根面に発生した結露が水滴となり、その水滴が断熱材にしたたり落ちて溜まったり、乾いたり・・の繰返しをしていた痕がはっきりと見ることができます。調査をした日の屋根の表面温度(室内側)は51℃という高温のため乾燥していて写真のように断熱材にも木材にも水滴はありませんが滲みになった痕がはっきりと見ることができます。

調査の目的は「二階が熱くて眠れない」ことの原因究明と改善でしたが、、結露でカビだらけの小屋裏の結露を防がないことには腐朽が始まっている部分があるので家の耐久性能が損なわれてしまいます。早急に改善しないと室内にもカビが侵入蔓延することになり居住者の健康に心配があります。
dc052601.jpg

●小屋裏の結露とカビを防ぐ方法
天井は写真のように断熱材を敷き込むと天井から下の各部屋の温度は改善されるのですが間仕切り間の気流止めがないことで基礎あるいは一階、二階の湿気が小屋裏まで上昇して湿度を高めてしまっています。温度が低下する冬の時期には(小屋裏の空気が天井断熱の効果が大きいほど)小屋裏は低温になるため相対湿度が高くなり、露点温度に達しやすく結露が発生しやすい環境になっています。

この結露は写真のように野地板や金物に結露が発生して水滴が滴り落ちて断熱材を濡らしています。これを防ぐには、一般的には小屋裏に換気口を設けて、小屋裏に集まった水蒸気を換気口から外気に排出させて、小屋裏の空気の湿度を低くして結露を防ぐ方法が取られています。
しかし、実際には水蒸気をスムーズに排出させる換気口を設けると、雨や雪の吹き込みの原因をつくるために小さくしてしまうので効果が小さく、結露の発生が見られる家が多くあります。
dc052604 - コピーところが、
今回の調査の物件は排気口はなく軒天に小さいガラリを数個つけただけで給排気口としていますが・・・これでは小屋裏の換気はほとんどされません。
軒天には軒天ガラリをつけることで小屋裏換気がさらに促進されます。




dc052602(修整2)熱さをやわらげる方法としては棟に新たに左写真のような棟換気口(棟換気)を新たに設置することで解決されます。



ところが
一階の和室、リビングのが外周廻りと間仕切り壁の幅木付近には写真のようにカビが発生しています。


dc052603(修整1)

これはどうしたものでしょうか?
続きます!
参考:気流止めを作る方法⇒


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二階が熱いのでどうにかしてほしい!


夏の暑さ対策のために、過去の調査事例を投稿です。
2012年の夏に
「二階の寝室がが熱くて眠れない!」という相談があり原因と改善のために調査に向かいました。
dc052002.jpgこのお宅は築25年の在来軸組構法で建てられた二階建ての住宅です。断熱材は屋根、壁とも密度10kg/m3品の100mm厚のグラスウールが使われています。二階に上がって小屋裏を覗くと写真(上)のように棟の部分には白くカビが発生しているのが見えます。
また、右の屋根面は濡れていてカビも生えているように見えます。
左の屋根面は比較的に綺麗に見えます。



dc052001(修整1)左の写真はその右側の屋根面の下(天井)を写しています。
天井に敷き込まれたグラスール断熱材の上にシミが点々と見ることができます。これは屋根面に結露が生じて、その水滴がグラスウールに滴り落ちた痕です。この調査を行った時の外気温28℃でしたが小屋裏に上がって見るとサウナ室いるような熱さで長く居ることはできない環境ですがカラッとしています。
dc052001(修整2)
サウナ室は100℃前後の温度ですが体感的にはサウナ室に入っている、あの温度環境です。 屋根面を表面温度計で測ってみると51℃もあります。


51℃の温度というのは、手に持っている表面温度計の金属部分は「アツ!」と感じる熱さがあります。また、黒く、白カビが発生した部分を手で触ってみると、サウナ室の壁面に触るとカラッとした熱さ!・・・あの触感なのです。一般的にこのような環境の小屋裏の場合には湿度が高くムッとして眼鏡が曇るような環境なのですが・・・カラッとしています。しかし熱すぎます。

これでは熱くて熟睡はできないのは当然です。

この熱さを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?

大工さんは「断熱材が100mmと薄いので断熱材を天井に足すと良いといいます。」

確かに断熱は足りませんが・・・断熱材だけで解決するのでしょうか?
 

続きます!
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木製サッシの結露

Facebook仲間のH・Kさんからのご質問に対しての回答です。
>我が家は、デンマーク木製サッシ。4-A18-4 Low-e アルゴンでも結露してしまうんですよね・・・。スペーサーがアルミだからでしょうか? 冬期の相対湿度50%です。


以下は旧ブログ(2008.1.26作成)にUPしたものを転写して回答としています。
↓↓↓↓↓↓↓
昨日は全国的に大荒れの天候でしたが、こちら岩手では大吹雪で気温も朝方は−5.1℃で寒い一日でした。最近、結露の無料相談コーナー(無料相談)に多くの方々から「露点温度」についての問い合わせ、質問がありましたので露点温度から目視で結露が発生する流れを検証したいと思います。

dc051404.jpg左の温度計は内外の気温を測る温度計です。
朝方の8時頃の温度で外部は-5.1℃で室内は21℃の我が家の環境です。








dc051405.jpg左り写真は我が家の木製サッシ・デンマーク製のLOW−Eガラス(アルゴンガス入り)の窓です。

ご覧のように木製サッシであってもガラス下端に結露が発生し、窓台の楕円形の水玉ができています。
所謂、表面結露の集合体(水)です。この時の結露発生付近の相対湿度は53.9%で温度は15.3℃を示していて露点温度は6.0℃を計測しています。


つまり、この窓付近の温度が6.0℃になると表面結露が発生しますよ!ということのお知らせ。

それではどの部分から露点温度に達するのでしょうか?
その、結露が発生するポイントを探します。

dc051402 コピー1写真はレーザー式表面温度です。測定ポイントは印の所です。ここではペアガラスのアルミスペーサー部分を測定しています。レーザーポイントがスペーサーを照射していますが若干ガラスに反射してしまうので表面温度に誤差があり正確ではありませんが一応5℃を指しています。

写真ではペアガラスのグレチャン(ガラスを抑えるビート)の表面の温度を測定、6℃であることが確認できます。つまり、露点温度は6.0℃でしたから、先ず最初に結露はここのグレチャンから始まるだろうことが推測されます。

しかし、写真ではグレチャンの表面温度より低い5℃ですから温度だけから判断すると最初に結露が出るのはこの中であるように思われますがペアガラスの中空層は室内より乾燥空気で水蒸気量が少ない(絶対湿度は低い)ので温度が低くても露点温度は高いことが推測されます。

写真はグレチャンより室内側の木製の障子の下端を測ると10℃

dc051401 コピー1
ついでに周囲の表面温度も測ってみました。

写真は18℃写真と同じ木製サッシの障子ですが、こちらは縦枠を測っています。写真では10℃でしたから8℃の温度差が出ています。

同じ場所の障子なのに高さが少し違っただけでこんなに違うことがあるのです。

(それは何故なんでしょうか?)

実はこれ!コールドドラフトを防ぐために窓下にパネルヒーターが設置されていているのですが私の机の左に設置されている所はテーブル代わりになったりして、ケーブルや雑物が乱雑に置いてあるため空気の流れが悪くコールドドラフトを防ぐ役割を果たしていないのです。そのため窓下は寒く、窓上は高い温度になっています。さらにガラス押さえのグレーチャンに隙間があり外気に影響されやすくなっています。、ちなみにこれ以外の窓では結露は出ていないのです。

また結露が出る条件を測定前日に意図的に作っておきました。
それは換気回数なのですがおよそ0.3回/hに設定した結果です。
写真は室内側の4方枠の縦枠・・の表面温度は22℃です。
写真は室内側の壁面の・・・表面温度は写真と同じ22℃です。

検証の結論は?
換気回数が少ないことと、暖房器があるにもかかわらず窓面の表面温度を上げることができなかったことと、さらにグレーチャンの隙間が外気の影響を助長し、小さい温度変化でも露点温度に達してしまい結露が発生!と考えられます。

あれから5年経った今年の2013年は、この木製窓の東側と南側と西側の木製サッシにコールドドラフト対策(窓下にパネルヒーター設置)していても結露が出るようになりました。その原因は、5年間の寒暖の差が原因でグレーチャンに伸縮が始まり、コーナー部に隙間が生じ熱伝導率は値が大きいアルミスペーサーに、その部分から外気の影響を受けて結露しやすくなっています。今年はその部分をグレーチャンに替えてシーリング材で隙間を防ぐ予定です。その結果はどうなったか?は今年の冬に再度投稿いたします。
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「断熱リフォームをすると結露が出ない」と言ったのに

「断熱リフォームをすると結露が出ない」と言ったのにというクレームを時々耳にすることがあります。
写真のようにプラスチックサッシのペアガラスの下端にうっすらと結露が発生しています。

dc022648 - コピーこの写真だけを見せられるとリフォーム業者の施工に問題があって結露が発生したのではないかと思ってしまいます。実際に建て主様はこれを見てクレームとして改善を要求したのです。「リフォームする前は結露は少なかった!」リフォームしてから結露がひどくなったからリフォーム会社が悪いというものです。

寒い時期になるとこういう結露の相談が多くなりますが、原因は施工業者に非がある場合が多いのですが、意外と住人様の住まい方にも問題がある場合が多くあるのです。これは住まい方を改めることで「結露」の発生を簡単に防ぐことができます。

今回の結露は・・・住まい方がその原因のお話です。
さて、話は元に戻って、この結露の原因は「エッ!!」と驚く、住まい方に問題がある光景が見られました。

152zgmwmtaxmdtu2g.jpgなんと・・結露の原因は?
そうです!原因は左写真に写っているストーブにありました。

ペアガラスに結露が発生した2Fの増築された洋室です。日中にカーテンが閉めきってあって、局所換気扇があるが、稼動していない(使っていない。)最もひどいのはポータブルのファンヒーターを使用していることです。


152a2v0dxjvnydzzq.jpgポータブルのファンヒーターのよう開放型ストーブを使用すると石油は1当たり1.100gプロパンガスは1.630gも水蒸気を室内に撒き散らしているのです。換気をこまめにするか、FF型ストーブに替えないかぎりは改善は無理な状況です。

さらに、1Fの部屋(既存の住宅)ではこれでもか!これでもか!と水蒸気を撒き散らしている光景がみられます。なんと、台所では反射式ストーブにヤカンをのせてお湯沸しです。さらに部屋の中で洗濯物が干されています。
152zgmwmtaxmtbx3g.jpg152zgmwmtaxmjpv3q.jpg
これでは結露が出るのは当然ですよね!
開放型ストーブから密閉型ストーブに替えることが先決なのですが、建て主様が替えないだろうことも考慮してルームドライヤーを提案!これは除湿器と第三種換気扇を併用したもので除湿しながら換気するもの。除湿器との違いは気体のまま水を排出するので水捨ては不要という優れもの。(価格は定価で50.000円)
問題点:正しい解決策でないため、ルームドライヤーで除湿しても防湿バリヤがないと壁内に入った水蒸気は結露(内部結露)を起こす可能性があります。

このようなクレームにならない方法としては、新築同様に断熱と気密と換気計画と暖房計画をセットとしてバランスよく計画するようにします。例えば、天井、壁、床に断熱材をただ単に厚くする、窓をアルミサッシ単板ガラスからプラスチックサッシのペアガラスに変更しただけではダメ、気密・防湿も意識した施工をしないと断熱効果が半減し内部結露が発生する危険が多くあります。さらに暖房はお客様任せではなく、設計の段階から結露起こしづらいFF型の暖房機と常時24時間換気を計画し、さらに、従来の住まいと断熱リフォーム後の違いを解説してある「断熱リフォームの住まい方マニュアル」を作成してお渡しすることがとても大事なことです。
※住まい方に問題があるとしましたが、根本的な多くの原因は施工者側の断熱リフォームの施工知識の幼稚さにあります。
断熱リフォームする場合には施工側は結露防止についての様々な事柄、知識をマニュアル化して見積もり書に添付、断熱リフォーム後の住まい方の注意点を説明をするようにする必要があります。
断熱リフォームは新築同様に断熱・気密・換気・暖冷房の4点セットがなくてはならないものです。
この4点の中から何か一つでも欠けてリフォームしようとする施工業者とはお付き合いをしない方が無難だと思います。


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気密住宅で結露が出る主な原因

建物から自然換気が望めない高気密住宅では、機械換気に頼らないと、結露に見舞われることになります。高気密住宅で換気が悪いために発生する結露は、今のところ、全体の割合としてほんの一部に過ぎません。
これは高気密住宅と称しても性能が出ていない住宅が多いため、自然換気が多く不幸中の幸いと言うべきか結露が起きていないのだと考えられます。

逆に、本当に気密性のが高い住宅が結露するケースも増え始めています。
そこで、そんな主な結露が出た事例を列記します。

267zgmwntewntgduofbg2mbw49vkyundg.jpg事例1:第一種及び第三種換気システムの配管ダクトの圧損抵抗が大きいための結露発生、100mmVU管の枝分かれ配管では、配管の曲がりが換気本体までの箇所数が多く、ダクトも長いため、水廻りの排気量が3〜5m3/hと少なく窓と天井に結露が出たケース。

事例2:排気フードの目詰まりによる結露発生
排気フードに防虫ネットがついている場合は要注意!
建物内からの埃や塵で防虫ネットに目詰まりを起こしたため換気量が減り、窓ガラスに結露が出たケース。(防虫ネットを取り除いて解決)

dc111623(修整1)事例3:出窓、コーナー窓での換気不足による結露発生
全室暖房であってもコーナー出窓のある部屋が換気不足でガラスの表面温度が上がらず、低下して結露になるケース。

事例4:浴室が換気不足で水蒸気を排出できず結露が発生
浴室を単独で換気する場合はドアーにアンダーカットがないと換気扇が空回りして、換気不足のため結露が出ます。(常時換気であってもドアーのガラリがあるかチェック)


事例5:圧力の出ない換気扇を使用したための結露が発生
換気扇はカタログの静圧ゼロの時の換気扇を目安に選択することが多いようですが、実施工では五分の一の換気量しかなく結露したケース。

事例6:第一種換気装置のフィルターの目詰まりによる結露発生
換気システムの中のフィルターは定期的に清掃しないと目詰まりを起こし、換気量が不足するため結露が発生するケース。

※いずれも、換気量が出ていれば防げる事例がほとんどです。
換気量の保障と換気量の測定、点検がこれから一層必要になってきます。


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結露がない家づくりのポイント

結露が発生する原因は様々な要素が絡み合っていて即座に特定することは難しいのですが、結露の最大の原因になっている問題(ポイント)を取り除いてやると、不思議にもぱったりと結露が止まることがあります。そこで、結露のない家づくり、結露のない暮らしをしてもらうためには当たり前のことですがポイントを整理してみました。

その前に断熱・気密性能がしっかりしていることが大前提になります。

必ず全館暖房をする。
家の中に16℃以下になる寒い空間を作らないことが第一のポイントです。若し断熱・気密性能に自信がない住宅の場合は16℃以下になる所はトイレ、洗面脱衣室、浴室などです。リフォームで予算が限られている場合には集中してこの問題の場所を断熱リフォームをして暖房器を設置すると意外と簡単に結露が解消されます。ヒートショクからも解放されて一石二鳥です。
23組写真 - コピー
●写真↑は洗面脱衣室に設置された温水パネルヒーターですが、暖房器の役目を果たしながらバスタオルとかタオルの乾燥器になり1台二役をしています。
※電気パネルヒーターもあります。


十分な換気を行う。
これは台所使用時のレンジフードとか浴室使用時の換気扇をある一定時間使うことです。用を足してしまうと電気代がもったないということですぐ換気扇をOFにしてしまいがちですが用をたしても多めの時間で換気することが重要です。(特に浴室に集中換気とは別に換気扇がついている場合です。)
気密性能が良く、換気扇の排気能力が十分であれば義務付けの24時間換気をしていれば結露は余程のことがない限りは結露は発生しません。

窓への暖気の供給をする。(窓の表面温度を上げる)
理想的な窓への暖房方式はパネルヒーターを窓下に設置なのですが、蓄熱暖房機のように大きな暖房能力のものを数台置く程度では窓の結露は防ぐことができません。その場合には第三種の換気装置と連動して計画することで解決することがあります。(例えば暖房機を給気口の側に設置すると、暖められた空気は吸気口がある部屋に誘引されて排気され、その部屋ん暖房器がなくても暖かくなります。浴室も同様で浴室に暖房器がなくてもリビングと浴室は同じ温度になりヒートショクが起こることは一切ありません。)
58組写真 - コピー
※窓下に暖房器を置いても結露する場合があります。・・・・・・これについては後日レポします。



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外断熱で気密が出ない理由

在来木造住宅の外断熱工法を採用しているが
気密性能が1.0cm2/m2以下にならないのはどうしてでしょうか?
と大工さんに聞かれることがあります。

ツーバイフォー工法や新在来木造構法で施工している仲間の大工はきちんと高い気密を出しているのに外断熱だから気密には簡単に有利な工法なはず・・・というのです。

どこに問題があるのか知りたい・・・という質問です。

266zgmwnje5mtgcfg.jpg軸組み工法の軸間断熱工法に対し、外張り断熱工法は、気密施工はしやすいはずと、ほとんどの人が考えていますが、実際は必ずしもそうとは限らないのです。

それは外張り断熱に限らず、気密にする仕組みが基本的にできていないからです。


強いてあげると、ツーバイフォー工法が、気密にする仕組みがよく、性能が出しやすいといえます。

木造軸組みから外側から板状の断熱材を張る気密シートを使わない工法の時代には隙間相当面積は3〜5cm2/m2位の性能値でした。
それが防湿気密シートを張ることで1〜2cm2/m2のランクに性能が出てきます。
さらに、防湿気密シートのジョイント部分にテープ処理をする大工さんの場合は0.5cm2/m2前後に気密性能をコンスタントに出しています。
在来工法の外張り断熱の場合は先張りシートが奇麗に連続して施工されていれば気密性能は軽く1.0cm2/m2うぃ切ります。

dc122702.jpgほとんどの現場は、防湿シートが不連続だったり、破けていたり、テープを使っていない施工ミスがあるため性能が出ないのです。
基礎断熱工法や屋根断熱工法を採用すると0.5cm2/m2位の性能まで達成可能です。

ただし、木下地のあるところで防湿シートがボーでで抑えられていることです。
外断熱工法は、多くの場合、防湿シートの規格サイズに神経を使ってなく、板状断熱材と防湿シートが単独で気密性能を保っていることです。

ですから、シートと断熱材を一体にすると、高い性能が得られ、さらにテープも使うと一気に向上します。

防湿シートの貼り継ぐ部分に木下地を作るか、一階毎に張れる3mの防湿シートを一気に張ることで0,5cm2/m2まで向上します。
さらに、一度合板を張ってから、防湿シートを施工すると非常に高い気密性能を出すことができます。ツーバイフォー工法の外断熱が特別なことをしなくても高い気密性能が出るのはこのためです。要は、気密性能が出やすい構造(下地処理)にすることが一番のポイントです。
私の外張り工法の場合のお薦めの施工方法は防湿シートを使わないで、板状の断熱材に防湿シート(アルミの蒸着された断熱材)が貼られらた物を使って、施工手間を省きながら気密性能を上げるように工夫をしています。


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サッシが凍る?のは何故?(2)

夜から朝方にかけて外気温が降下環境になると連動してKさんの室温も降下、特に断熱性能が低いアルミサッシ、単板ガラスの表面が露点温度に達してしまい結露の発生してしまうというメカニズムになっているようです。

20080208-9-1.jpg前回の記事は
サッシが凍る?のは何故?でした。

そのメカニズムをもう少しつっこんで何故結露するのか?考えてみます。
生活上(人体からの発熱と調理、お風呂等)で発生した水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い非暖房室では含むことができないためいち早く露点温度に達してしまいます。そこで発生した最初の結露は最初の発生した地点を中心に広がっていく性質があります。

その理由は?

①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇してしまいます。熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうのです。そのため露点温度がさらに低くなり、ますます結露の発生を助長させる経過をたどります。

②また、表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。

ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気 は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大するのです。
しがって、困ったことに一度結露が発生してしまうと住まい方とか結露の原因を取り除かないと自然に結露は増大してしまいます。

それでは
■もう少し結露発生の性質を知った上で解決策考えてみることにします。
1・結露は最初に部屋の隅と窓ガラスで発生します。
部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内温度はの対流によって天井面は床面より高いのですが窓ガラスの表面及びアルミサッシ枠は最も低いので表面結露は最初にここから始まります。

部屋の隅の場合は空気のよどみができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなります。さらに隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため隅部での表面温度は他より3℃前後低くなるので部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く内部結露が発生しやすくなるのです。

2・夜間、暖房が止まってから結露する

暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しません。住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20〜25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。間欠暖房でFFヒーター以外の開放型のファンヒーターとか反射式ストーブとかガスストーブを使い、夜は暖房を止める生活をしている場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要があります。しかし、排出した量だけ温度が低い外気が入ってくることになり小さな温度降下でも露点温度に達してしまい結露は防げません。

3・冬の空気を取り入れる場合。
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。絶対湿度でいうと、北国では2g/m3前後、本州では4g/m3前後あるようですが、この空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となります。例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になります。したがって、の外気を積極的に取り入れる場合には、外気を暖房で温めることで露点温度を上げることで結露防止に非常に効果があります。

4・水蒸気は建物内に分散される。

建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散されます。
炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向って拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mm(100m先の米粒を見るくらいの大きさ)と極微小粒子と言われ、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまいます。

そのため、できるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切となります。



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サッシが凍る?のは何故?

ここ最近「無料相談コーナー」に2名の方からサッシの結露のついてのご質問がありましたので、旧ブログに似たような記事を投稿してありますので、転写して回答とさせていただきます。
以下は旧ブログの投稿記事です。

「質問」
サッシが凍る?
我が家の二階、滑り出し窓(60cm角くらい)が2個並んでおります。この窓のアルミサッシ部分が他の窓が結露しなくても結露します。それが今朝は凍っていました。結露した水滴が凍ったのはわかるのですが、何故この窓は結露するのか?私たちは夫婦二人暮らしです。私の部屋なのですが実際ほとんど使いません。エアコンもかけません。ただ日当たりが非常に良いので日中に部屋が暖まり、その後の夜中の冷たい外気が影響するのでしょうか?

「回答」
写真はプラスチックサッシの枠とLOW−Eガラスの表面に結露が発生している場面を表面温度計と露点温度計で測定しているところです。
「エッ!プラスチックサッシが結露するの!?」
「LOW−Eガラスが結露するの!?」とご質問を受けそうです。

Kさんのご質問はアルミサッシの結露ですがアルミより断熱性能がいいプラスチックサッシでも発生条件が揃えば結露するのです。

それでは何故結露するのでしょうか?
考えてみましょう!!

20080121_5_1.jpgその前に写真の説明です。
プラスチック枠の表面温度は-2℃を表示しています。
右の温度計は露点温度計ですが室内温度が11.9℃相対湿度は36.7%の表示の時の露点温度(結露の発生が始まる温度)は-2.5℃を表示しています。つまり、プラスチック枠とガラスの表面の下端の表面温度は室内の温度が-2.5℃になると結露が出ますよ!というお知らせを表示しています。
-2℃の測定した時間は朝の8時30分頃ですがその前にプラスチック枠とガラス面の温度が-2.5℃に降下して露点温度に達し結露として現れたのということになります。

通常の生活ではありえない寒い温熱環境ですが「これはどんな環境なの?」問われそうですが、実はこれ!現在高性能住宅を新築中の現場なのです。

玄関も窓もついているが換気はなし(かろうじて5個の吸気口(スリーブ)+暖房、給湯機、換気(排気)のスリーブがあって昔の住宅のように換気は風任せ、温度任せの環境になっています。
断熱は次世代省エネ基準Ⅰ地域仕様で作られていても、もちろん未完成ですから暖房も機械換気はなしです。
建物内の温かさは暖房はなくとも建物内で働いている人と投光器から発熱するくものと日中の太陽の日差しが入っている熱くらいでしょうか。

いくら、断熱性能の高い断熱材、サッシを使っても室温が低下したことで露点温度に達してしまうと結露が発生するのです。
そんな実例をあげてみました。

さて、Kさんのご質問のアルミサッシの結露の原因も同じく露点温度に達したため結露が発生したことになります。それでは何故露点温度に達するのか考えてみましょう?

窓ガラスで単板ガラスの場合は室内側の表面温度は断熱材を入れない外壁面と比べても単板ガラスの方が極端に低くなります。そのため室内側の表面温度が低すぎて、いち早く結露が現れてしまうのです。ガラスは熱伝導率が大きいので、3mmでも5mmでも8mmの厚さであっても、その厚さで結露が発生する変化(有無)は関係がありません。
さらに、ガラスの表面温度が低いと、それに触れている空気が冷やされて密度が大きくなり、コールドドラフトが促進されると同時に、ガラスに触れている空気温度が他の空気より低くなるため、当然ながらガラスの表面温度がより降下することで結露が促進されることになります。

アルミサッシの枠の部分は熱橋となり、この部分もガラス同様に極端に温度が低くなります。
20080121_5_2.jpg左の表のように木及びプラスチックの熱伝導率はアルミや鉄に比べて熱を通しにくいので、室内表面が極端な低温にならないがアルミはプラスチックよりおよそ120倍の熱を通す材料なので強い冷熱橋になってしまいます。

ガラスは結露に対してはペアガラスが非常に有利。ペアガラス内の密閉空気層の熱抵抗で、およそ6℃くらい表面温度を上げることができます。

例えば、室温が20℃、外気温が0℃の場合の単板ガラスの表面温度は7℃くらですが室内の空気の相対湿度が43%になると結露が発生してしまうことになります。一方、ペアガラスの場合は64%にならないと結露は発生しないのです。また、二重サッシも室内側のガラスの表面はガラス同士の隙間に生じる空気層で断熱されて温度が上昇します。そのためぺアガラスと似た感じになるのですが密閉空気層でないために室内の水蒸気がこの層に入り込み外部側のガラス面の結露は防ぐことは難しいのです。

窓改修する場合はプラスチックのぺアガラスにするか大信工業のプラストサッシのような室内の水蒸気が入らない気密性の高いプラスチックサッシを設けることが改善に繋がるようですがプラストサッシの場合でも開け閉てするのでやはり室内の水蒸気が空気層に入り外部側に結露することを免れません。

実例としてプラスチックサッシのLOW−Eガラスでも窓枠にもガラスにも露点温度に達すれば表面結露が発生することを実例として挙げ説明いたしました。

20080128_3_1.jpgまた、アルミサッシも単板ガラスは室内側の表面温度が低すぎていち早く結露が現れてしまうことも説明いたしました。したがって、逆を考えれば表面温度を上げることで解決することになります。ご質問の内容から判断するとその部屋の室温を上げるのは日中の太陽の日差しだけのようです。つまり非暖房室になっているところに問題がありそうです。
それでは何故?非暖房室は問題なのでしょうか?

それは、熱と水蒸気は均等になろうとして同じ方向に流れるからなのです。冬の暖房時には室温が外気に比べて非常に高く、熱は常に外に向かって流れることになります。しかし、この室内の空気に含まれる水蒸気は、相対湿度は外気の相対湿度より低くても、絶対湿度が高いので室内側の水蒸気圧が高いため低い外に向かって流れることになります。一般に冬の生活からみると、人体からの発熱と調理、お風呂、照明等の発熱と水蒸気の発生で室内の絶対湿度は暖房している部屋で10g/m3前後あります。一方、非暖防室の場合は7g/m3前後で暖防室より若干少なめ、これに対して、外気の絶対湿度はそれよりも小さくて1〜5g/m3が一般的です。

今回のご相談のKさんの場合には、家族で生活している空間では調理、お風呂、人体からの発汗などで水蒸気が増大、しかしその空間では人体、照明器具、暖房器などで室温を上がるため露点温度に達しないので結露しないのです。一方、非暖部室のKさんの部屋では絶対湿度(水蒸気量○○g/m3)が低いことと室温も低いため高い居住空間から低い居住空間(Kさんの部屋)へと熱と水蒸気が向かって移動します。
その他の部屋では日中の日差しで室温が若干あがります。そのため、日中は露点温度に達しない室温なので結露が発生しないのです。

しかし、夜から朝方にかけて外気温が降下環境になると連動して室温も降下、特に断熱性能が低いアルミサッシ、単板ガラスの表面が露点温度に達してしまい結露の発生してしまうというメカニズムになっているようです。

それでは、解決するためにはどうすればいいのでしょうか?

明日に続きます!


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床下の湿気対策

床下空間を密閉した時には床下の湿気は2〜3年かかることがあります。
その間、今回のような原因であるいは別な原因で湿気が抜けきらずに逆に増大する事があると木材にカビや腐朽菌が発生するかもしれません。

床下の温度が低いと相対湿度が低下して結露が発生しやすくなるので床下空間の温度はできるだけ室内に近い温度に保つことが大切です。

そのためには床下空間は密閉しないことです。
床面に湿気を排出する目的で換気ガラリをつけると結露やカビを防止することが可能です。
床下空間はおよそ6畳くらいの大きさがあるので暖房や給湯の配管、あるいは温水器を床下に連動させると特別な設備がなくても」床下空間を暖めることは十分です。

コンクリートや木材からの工事水が抜けた後は室内空間としての床下は温度を一定に保つようになると湿度が低く、乾燥状態になります。

689zgmwndaxndlz7w.jpg特に第三種の換気システムを設置した場合には床面に換気ガラリををつけて床下に数か所吸気口を設置すると早い時期に床下が乾燥します。

それでも床下の湿気が心配な場合には基礎断熱であっても基礎換気口を設置します。
この換気口は断熱気密型換気口で冬と梅雨時には閉めてそれ以外は開放するというものです。
電動型の換気口もありますが気密と断熱がしっかりした商品を選ぶことが大事です。

実際に採用してみて年に数回の開け閉めでいいですので低コストの手動型で十分です。

※貴方は新築引き渡し時あるいはモデル展示場を見学する時には床下を覗いてチェックしますか?

下の写真はある冬季の新築引き渡し前日の床下(基礎断熱・土間床工法)の状態です。
689zgmwndaxndkgusvfsdeoj0oqrjep9_g.jpg
基礎のコーナーの立ち上がりには結露の発生で濡れた様子がはっきりと見られます。
(土間の表面も同じように濡れているのがわかります。)

こんな状態が基礎周囲全体になっているのであれば床材、土台にカビが発生して大騒ぎになるのは時間の問題です。そこで、それ以外の基礎の周囲もこのような状態になっているのかチェックすると・・幸いにも問題となる結露の発生は全体ではなく3か所だけが(コーナー2か所含めて)結露で侵されていることがわかりました。

さて・・・原因は?と何かとくまなく眼をこらしてその基礎周囲を探すと、
これが結露を助長させる原因だったのです。
689zgmwndaxndkgusvfsdjkoq.jpg
実は・・その原因はこの土間床に開けられた穴?だったのです。

基礎工事の施工ミスかと現場監督に尋ねると雨と雪がが土間床に吹きこみ・・それが溜まったため穴を開けて水になってから土間床に穴を空けて地面に流した。・・・というのが経緯のようでした。

この現場の基礎土間の断面構成は上からコンクリート120mm、スタイロフォーム(B3)50mm、防湿シート0.2mmとなっいるので溜まった水を抜くためには防湿シートまで穴を空けなければなりません。その結果この穴を通して湿気を床下に引きこんだため、この穴の付近の相対湿度が上がり、小さな温度降下で露点温度に達してしまったと思われるのです。

この穴の処理は防湿シートの破れ補強にシーリングを注入して、硬化してから一液性ウレタンで充填補修することで解決します。


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気密性能が高いので結露が起きる?

気密性能が高いので結露が起きるのだ…という人がいます。
そうでしょうか?
実際では気密性能が低い住宅では断熱も気密も換気も暖房も曖昧な低気密住宅では表面結露も内部結露も気密住宅よりはるかに多いのです。
268wmpbd05qqtfoamxmtvrreu5etxlosmju.jpg原因は断熱欠損や無断熱や窓の断熱不足の上に部分暖房による温度低下や、開放ストーブの使用様々です。
低気密住宅での結露は
①発湿量が極端に多い場合
②部分暖房で表面温度が低い場合
③換気不足の結露・・などが考えられますが
住宅の場合は、使い方で結露の発生を防止することが簡単にできます。欠陥のある住宅でも人の使い勝手で防止することは可能です。
しかし、説明不足や施工の配慮不足で、結露が起きることだけは避けたいものです。
現在の住宅、特に低気密住宅での水蒸気を通しにくいクロスなどで仕上げたり、防湿シートで施工すると、予想に反して気密性能が高くなることがあります。

結露表面結露が予想される場合は、どんな住宅でも室内で開放型ストーブを使うと、灯油やガスは燃やしただけの水蒸気が発生します。浴室など水蒸気が多く発生する場所では換気扇を回さないと、結露やカビやダニが発生しやすくなります。また、部屋の気積が小さい場所では結露の発生が非常に多くなります。

発湿量が極端に多い場所は浴室と洗面脱衣室です。一般に浴室の換気扇は局所換気で対応しています。
しかし、換気時間が短すぎて、水滴が天井についていたり、換気不足で結露が発生するので少し大きな換気扇をつけて、「浴室が乾くまで、換気扇を回して下さい。」と使用説明書に記載する必要があります。(ちなみに、高性能住宅では25m3/h前後で常時換気すれば、一切結露がない環境が得られます。)

単層の窓は極端に表面温度が下がりますので間欠暖房が常識の中では結露は避けられません。
断熱性能の高いサッシ(PVCサッシのペアガラス以上)を使用することが常識すが単層より性能がいいと言って二重サッシを使っている場合がありますがこれも条件によっては結露に悩まされる原因の一つにもなります。

また、
押入れの布団が壁についた場合でも、室内側の壁に結露が発生します。
押入れの床、壁面にスノコを敷いて、壁に布団がつかないようにして通気を確保する工夫が必要です。

押入れの建具には上部と下部にスリットとかガラリをつけたりして通気を確保します。
収納や物入れの中にも結露することが考えられますので、ここにも同じくスリットやガラリをつけます。

低気密住宅での結露防止は
温度低下の防止、換気の確保が結露防止のポイントになります。

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土間床は結露に対しては安全!

基礎の湿気対策として、いくら地盤の防湿や床下換気を図っても効果が得られない場合があります。例えば地下水位が高く、地盤から床下空間に大量の水分が補給される時ですが地盤の排水が悪い時は暗渠排水の設備と地盤の改良が必要となります。
床下の土台周りの木材の腐朽は地盤の排水が悪い地域に多く発生する傾向にあります。
ナミダダケなどの腐朽菌が発生する多くは工事の最中に切り落とした木片のなどの残材が原因です。

dc073156.jpg土台の防腐剤の効き目があるうちは、この木片などの残材に取りついていて、防腐効果が薄れた時に、土台周りの木材に浸食するようです。(工事中は残材を100%床下に落とさない、残さないように清掃することです。)

ひどい時には床下に合板の切れ端や電気の配線の切れ端などが落ちている現場も多々あります。

腐朽菌は、温度、湿度、栄養の条件が整った時に大繁殖します。工事中の現場には常に栄養となる木材が存在しているので温度、湿度条件(80%以上)を与えないようにしなければなりません。

腐朽菌の胞子は空気中に常にありますが、原因を一つでも取り除くと腐朽菌は発生しなくなります。

dc011619.jpg築30年前後に建てられた建物に多くは床下は防湿処理がされていませんので夏も冬も高湿状態になり床下の環境は非常に中途半端な空間になっています。
そのため、床下をそのままにしておくと、リフォーム工事を機に一気に腐れ出すことなりまねません。床下の地盤の土や砂が湿っている状態が見られる時には防湿シートなどの対策を必ず講じましょう。



dc112623_2_20111220230146.jpg新築でも地下の水位が高い時には床下が高湿になることがあります。床下空間が冷えたままだと高湿状態になりますが、基礎断熱で床下を室内空間とし、床下の温度を保つと乾燥側に向かうので、床で断熱するより問題が起きにくい工法となります。

床下地盤は地盤の発湿防止のポリエチレンフィルム0.2mm以上を敷き込み、土間コンクリートを打設します。ただし、床下の温度を保たないと同じ結果になります。
基礎断熱は床で断熱はしていないので床下空間の温度は高く推移しますが、床の防湿シートもないので室内の水蒸気が入りやすく結露や高湿状態になる時があります。

そのような場合は、床下に暖房器を設置するとか、ガラリとか床下に計画換気で吸気口を設けて換気がされるように床下の温度を上げる工夫をすると問題は起きなくなります。

基礎断熱+土間床(あるいはベタ基礎)は布基礎+床断熱より結露対策としては安全性の高い工法といえるのでお薦めです。


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結露防止の4原則

冬になると結露で悩まされる住宅、アパート、マンションにお住まいの方からのご相談が増えます。
そこで、結露を起こさない基本的な住まい方を勉強しましょう!
結露を起こさないためには結露防止の4原則というものがありますので、この原則に沿って原因と解決を考えてみましょう。

結露防止の4原則の1
①湿度のコントロール(室内の湿度の上限は60%前後までコントロール) 
家の中で湿気を出す要素はたくさんあります。
conv0002.jpg 例えば、イメージ的には左図の炊事、洗面、洗濯、洗濯し、入浴、暖房、加湿器、鍋物から出る水分などです。
これらは生活する上で絶対にやめるわけいきませんが、こんなことが頻繁にあれば、むやみに出さない意識が必要です。

湿気のコントロールができていない家庭の多くは洗濯物を室内で干している例があります。
脱水した洗濯物には、乾燥している時の衣類と同じ量の水分が含まれています。
conv0003.jpgそのため、(表1を参照)例えば冬に、6畳の室温を21℃にしている場合は661g湿気を含むことができますが・・・jこの状態のまま18℃になる部分があると、そこに含むことができる量は555gなので、その差し引きの106gが結露として現れます。
このように湿気量は室内の大きさ(体積)によって含むことができる量が決まっていますのでその量を超えると低温の部分で露点温度に達し、結露が出てくることになります。

ちなみに(表2を参照)では、パジャマは230g湿気があるので枚を6畳で干してもOKであっても19℃に室温が下がると結露が出ることになります。


しかし、どうしても室内で洗濯物を干さなければならない時には室内に湿気を出さない衣類乾燥j機などを使うようにすることが大事です。

室内の湿度で問題となるのは、急に湿度を下げると身体によくないと言われますが、1週間以上かけて少しづつ下げると体調を悪くすることはありません。
あまり湿度を低くすると風邪を引きやすくなったり、静電気で不快になるのでよくないと言われますが・・・・それは30%以下の低湿度であって、40~50%ではそのような影響はありません。
最大でも60%を超えないようにコントロールsれば結露防止になります。

結露防止の4原則の2
②換気の促進
①のように洗濯物など発生させてしまった湿気も、すぐに室外に出してしまえば結露は起きません。
したがって、常に換気を心がけ、窓や換気扇を有効に使うようにすることが大事です。

冬に結露に見舞われるという家の最も多い原因には換気がされていない例がとても多くあります。
計画換気システムがあって24時間常時換気がされていても結露が出る場合は換気量不足(室内の空気の入れ替わり=換気回数の不足)ですが、従来の住宅では主に換気扇は風呂(局所換気扇)、トイレ(局所換気扇)、台所(レンジフード)設置されていても、ほとん使われることがなく、使われても使用時間が短く、思ったほど湿気量を室外に排出されることがありません。
やむを得ずファンヒータなど開放型ストーブを使ったり、洗濯物を干す場合は窓を大きく開けて換気するのが最も効果がある方法です。
特に冬は室温と外気温の差が大きく、室外の湿気の量が少ないので熱も湿気も室内から室外に移動するため大きな効果が期待できます。

窓を開けれない場合はレンジフードを廻すなどして積極的に換気する必要があります。
レンジフードは炊事する時に使われるものですが、排気量がとても大きいので咄嗟の排気にはとても便利です。

結露防止の4原則の3
③空気の流通を図る。
conv0006.jpg外壁面に接している部分に家具を並べると、家具の裏側は空気の流通が悪くなるので、温度が低下して結露が出やすくなります。
どうしても外壁側に置かなければならない時には左図2のように5~10cm程度隙間を空かせて置きましょう。
また、できれば家具の下にはスノコを敷いて下側も空気の流をよくしましょう。
(この場合には地震で倒れないように家具を鴨居などに固定することを忘れないようにしましょう。)
壁や外気に面する場所の押入れは空気の流通が悪く、湿りやすい所なので布団などが壁や床に接しないようにスノコを敷き空気が流れるようにすると効果的です。

結露防止の4原則の4
④室温を適温に保つ
室温は20℃前後の適温をキープし、家の中で低温の場所を作らないように心がけます。
暖房時に室温を高くしすぎると、湿度が下がって乾燥感強くなり、加湿しなければ快適にならなくなります。
こうなって加湿をすると、今度は空気中の湿度の量が多くなり、暖房を止めて室温が下がった時などは結露しやすくなります。

結露は冷えた所に発生しますので、家の中をできるだけ低温の場所を作らないようにしましょう。
特に冬は全室暖房をしたいところですが、高断熱・高気密住宅でない場合は、なかなかそうはできませんので、できるだけ家の中で温度差が激しくならないように気をつけます。
例えば暖房している部屋のドアを閉めても、ドアの隙間から暖房していない部屋に暖かい湿気を含ん空気が入り込み結露を生ずることがあります。
そのため暖房室の押し入れや襖などできるだけ開けて家全体を暖めることが結露防止になります。

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tag : 換気結露

断熱ビフォーアフターの結露(2)

最近、無料相談コーナーにはリフォームについての(不具合)相談が増えています。
最も多い相談は「断熱リフォームをすると結露が出ない!と言われて契約したが以前と変わらず結露が出る」と言った内容のレポートでした。

前回は断熱ビフォーアフターの結露の6項目の中の①②③のレポートでした。
今日は④⑤⑥のレポートになります。

4番目に多い④結露の原因は暖房機器の選定間違いのため結露発生。
744sw1hz2xkfa.jpgこれはリフォームを請負う業者が施主と契約で暖房器は別途にして契約していることの理由があります。
新築物件でもそうですが・・オール電化住宅であれば蓄熱暖房器とかエアコンをシステムとしで契約されますが・・・・オール電化住宅でない場合の新築あるいは断熱リフォームとか、あるいは高気密・高断熱のリフォームでは暖房器は別途工事として見積もりの中に含まれないで契約されている例が多いのです。

そのため施主は後で自由に好みで買うことになります。
自由に買うことは結構なことなのですが「ファンヒーターを使うと、これこれの理由で結露の原因になりますよ!」といった説明をすることはほとんどないのです。

リフォームする多くの方は「勿体ない精神で?」今まで使っていたファンヒーターや反射式ストーブを使ってしまうため必然的に結露を助長させてしまっていることが多くの実例にあります。

断熱リフォームする場合には施工側は結露防止についての様々な事柄、知識をマニュアル化して見積もり書に添付、断熱リフォーム後の住まい方の注意点を説明をするようにする必要があります。
断熱リフォームは新築同様に断熱・気密・換気・暖冷房の4点セットがなくてはならないものです。
この4点の中から何か一つでも欠けてリフォームしようとする施工業者とはお付き合いをしない方が無難だと思います。

744zgmwnzexmzp3ag.jpg⑤に多いのは気密化工事をしない単に断熱工事だけした例の場合です。

気密測定をすると、当たり前ですが隙間が多い抵気密住宅では負圧にならないため測定ができません。気密化を意識しない断熱リフォームは隙間風が多く、換気ロスが多く省エネにはならないばかりか、それよりも隙間があることで露点温度に達しやすく結露が発生しやすい室内環境になってしまうことです。

断熱リフォームを意識する場合には気密化も意識して隙間相当面積C値=1.0cm2/m2以下の実測値が出る条件をクリアできる施工業者に依頼するようにしましょう!
744ojfnjsqqxiipq5cumskobq.jpg⑥は断熱欠損による結露発生です。
一般的に断熱工事だけはもきちんと施工されているかどうかは内装下げをする前に目視でチェックする必要があります。
写真は断熱リフォームの完成後のオール電化仕様お宅です。断熱材はグラスウール16kg/m3×100を充填しています。

しかし、サーモグラフィーで撮影してみると部屋の隅部の壁、床はあきらかに断熱材が入っていないか、入っていても雑に施工されているため断熱欠損となっていることがわかります。そのため、この部分は温度差で露点温度に達しやすく結露が発生し、土台周りにはカビも発生し、省エネにもならない不健康な環境になってしまいます。

やはり、これも断熱・気密・換気・暖冷房の4点セットを意識しない業者に依頼すると、この現場のように未熟な施工をされてしまいます。そのため施主は未熟な施工をされないようにを優れた業者を選べる眼を養うことが大事です。

選ぶポイントは断熱・気密・換気・暖冷房を基本とした業者であるか?
また、その結果を各調査機器で実測できる業者であるか?
がポイントになります。


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断熱ビフォーアフターの結露(1)

寒きなってきますと、無料相談コーナーにリフォームについての(不具合)相談が増えています。

最も多い相談は「断熱リフォームをすると結露が出ない!と言われて契約したが以前と変わらず結露が出る」と言った内容が最も多くなりました。

その例の内容と原因をを列記すると
①換気されているが換気不足が原因で結露発生。
②基礎断熱にして床下を土間床にしたら以前より結露が発生。
③全体の換気量は確保されているが換気の経路が確保されていないため部分的に結露発生。
④暖房機器の選定間違いのため結露発生。
⑤低気密のため結露発生。
⑥断熱欠損(施工ミス)のため結露発生と続きます。

742zgmwmza0nth19a.jpg①の換気がされて換気量確保されている場合の結露は工事水であることの原因が高いのです。
未乾燥材やコンクリートから出る水分は非常に高く、1~2年経過しないと工事水が抜けないことがあります。

特に冬近くに完成した住宅はこの傾向が強いので、換気本体を早めにつけて施工途中から運転すると水蒸気を多量に排出してくれます。
(ダクトの配管を後にしても換気本体だけを先につけて仮設電気運転するとよい。)

また、換気量が確保されていても窓の断熱性が低い時、ペアガラスのアルミのスペーサーなどはガラスの性能が高くても結露することがあります。
また、予算の関係で既存のアルミサッシをそのまま使いガラスだけをペアガラスに替えた場合には表面温度を相当高くしないとアルミサッシ枠には結露が出てしまいます。
これは換気システムの問題ではありません。

また②の基礎断熱土間床にリフォームする場合には気密性能、断熱性能が高くなればなるほど床下は結露に侵される危険があります。
新築と違って数か月の養生期間を置く訳ではないので床下に換気システムの排気口を数か所つけるか、あらかじめ断熱・気密型の基礎換気口を取り付けて工事中と2年くらいは冬と梅雨時以外は極力開けて通風させる必要があります。

742zgmwmze2mdt29w.jpgまた、以前に数回投稿しましたが排気量不足には防虫ネットがついているため埃が付着すると換気量が半分に以下になってしまいます。
防虫ネットは取り外しして24時間連続換気を行います。
(防虫ネットは虫が入ることを防ぐためですが連続運転では排気力で虫は一切入ることはありません。そのため局所換気扇であっても防虫ネットを外して24時間換気をすることをお勧めいたします。)

次に③の換気経路の確保ですが
室内の換気経路を確保する場合にはドアのアンダーカットが一般的です。
経路が万全でもこのアンダーカットの幅やガラリの幅が少ないことと工事水が原因で結露が出たことがあります。

トイレや子供部屋のアンダーカットは最低でも幅10mm以上は確保しましょう。
ガラリやスリットも同様です。
幅10mmの隙間は圧損抵抗により。実際の開口面積の半分しかありません。
10mm幅で600mmの長さがあると30cm2です。


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換気がされていても結露する理由

昨日から気温が下がって、寒くなってきましたがそれに伴って窓に結露が出る現象が出始めています。
無料相談コーナーに2件の「換気がされていても窓に結露が出る」についての同じようなご相談がありましたので投稿を回答とといたします。
dc112302.jpg換気量がきちんと確保されているのに結露が起きる事例は少なくありません。このような場合に先ず考えられるのは工事水の可能性がもっとも高いのです。

未乾燥材はもちろん、基礎のコンクリートから出る水分がとても多いのです。特に冬近くに完成した住宅はこの傾向が強いため、初年度には必ず結露に悩まされます。(結露といっても、従来の住宅の結露と違って出る結露範囲(面積)が違います。左図の左図のように窓の下枠付近に結露が出るのが気密住宅の特徴です。)

新築の場合は、できれば換気本体を施工途中から仮設電気を利用して運転すると水蒸気を多量に排出してくれます。
また、換気が確保されていても、窓の断熱性能が低いとか、ペアガラスのアルミスペーサーの部分が結露する時があります。これは換気システムの問題でありません。

窓ガラスの性能が高くても熱を伝えやすいアルミで作られているため、ガラス面で結露する場合は先ず、この部分でいち早く結露するのです。このような場合は左図のように窓の天板(カウンター)にスリットをつくると→のように温かい空気が窓下の温度低下を防ぐため結露の発生は防ぐことができます。

また、1~3年経過し、工事水が抜け切るとピタッと結露は止まるようになります。

629ahvsaxj1dgetkweoypbe32y_002.jpgその他の事例としては、換気システムの換気量が確保されているのに、換気不足が原因のような現象の場合は排気フードの防虫ネットの目詰まり原因です。

局所換気でタイマー付きの浴室ファンやトイレファンやレンジフードなどは殆ど防虫ネットがついていますので、これに綿埃などが付着すると換気量が半分以下になってしまいますので防虫ネットは外した方がいいでしょう。



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tag : 換気結露

RCアパートの結露被害の調査

RC構造の建物、特に賃貸アパート、マンションなどは入居者が部屋を綺麗に使っていても壁や窓にに結露やカビが出て困っている例がとても多く見受けられます。

RC構造で造られたアパート、マンションは戸建て住宅より必然的に高い気密性能を持っているため室内の温度は安定しています。しかし、もう一方では低い気密性能で室内の温度が安定しないRC構造のアパート、マンションもあります。窓は主に南側と北側だけに設置することが多く、換気扇も浴室・トイレ・台所以外には設置されていないのも賃貸アパート、マンションの特徴です。また、多くは高い気密性能をあるにもかかわらず明確な吸気口(外気を取り入れ口)がなく、また部屋を換気しないで、室内に洗濯物を干している世帯もあり、室内のどこかで結露を助長させている間違った生活スタイルが見受けられます。

押入やクローゼットは、換気をしても換気の効率が悪いため水蒸気を排出させることができません。そのためそこにどうしても結露が発生することになります。

702zgmwntezmdx2q.jpgこのRCアパートは1DK?の学生さんを対象とした間取りになっているためこじんまりとした造りになっています。
玄関周囲、特に洗濯置き場を中心として結露、カビに悩まされていることのようです。居住者が短期間で転居してもこの玄関周囲はカビで汚れるため、クロスの張り替え、石膏ボードの張り替え、床の張り替えなどの必要性が出て、これにかかる費用が思ったよりかかってしまっていることが調査依頼の理由です。

そこで一般的には解決策には左下平面図のように第三種の換気で画で行うことを考えます。(これで簡単に解決しそうな気がします。)換気不足が原因であればこの換気計画で結露とカビからは解放される筈です。


706g4abw4n0g4ydtonnglock5cj.jpg・・・が果たして・・・これで解決するのでしょうか?(提案の換気計画だけでいいのでしょうか?)図面だけでは判断するのは簡単ですがいい加減な解決策を提案することになります。やはり現場を調査することが解決の早道となります。


そこで実際に現地での調査を行います。机上の換気計画で結露を防ぐことができるかを現地で検証するのです。
結露は周知の通り主に断熱・換気・住まい方の三つのバランスがとれていない時に発生します。
机上の図面では換気のバランスが悪いので第三種のセントラル換気の設置でで解決することを計画しました。…がそれ以外・・・つまり断熱は必要な厚さを必要な箇所にきちんと施工されているのか?居住者の住まい方はどうなのか?それ以外はないのか?を聞き取りを行いながら目視と機器を用いて原因を探ります。

現場を見ることで様々な結露の原因となる問題点が見えてきます。結露の原因を換気だけでではなくそれ以外にないか?原因を探るための調査風景を動画にしています。
動画では結露の原因となる箇所をポイントで示しております。




一般的にRC構造の場合の問題点は気密性が高い割には換気効率が低いのが原因で室内で発生した湿気を十分排出できず結露のを助長させているのが多くの原因と思われています。そのため解決する方法としては換気効率を上げるために換気効率の高い換気扇に交換したりするのですが・・・やはり結露は改善されない事が多々あります。

このRC構造のアパートの問題点は玄関周囲、特に洗濯置き場を中心として結露、カビに悩まされていることでした。居住者が短期間で転居してもこの玄関周囲はカビで汚れるため、クロスの張り替え、石膏ボードの張り替え、床の張り替えなどの必要性が出て、これにかかる費用が思ったよりかかってしまっていることが調査依頼の理由です。

711kpsr85fnjsqqxkwd.jpg左写真はその問題となっている玄関脇の洗濯置場のコーナーが結露・カビに侵されている様子ですが単純にこの部分の換気が悪いだけなのでしょうか?

その前に室内の換気の様子を換気の風量測定器でトイレとユニットバスの排気能力を測ってみました。するとその換気量は25m3/hです。部屋の容積は≒68m3ありますので換気回数は0.36回/hほどあることになります。この回数だけを見ると結露は起きないだろうと思われるラインに入っています。

しかし、これは常時24時間換気をしている場合であれば問題にはなりませんがON,OFFのスイッチついていますので24時間常時換気にしていないと思われます。



そこで、このアパートの住人さんから換気の使い方の聞き取り調査を行いました。
当然、その回答は浴室は使用時にはスイッチは入れるものの風呂から上がると切ってしまうので換気扇は止まる。またトイレは電気をつけると自動的に換気扇は回るようになっているので電気を消すと換気扇も止まる。・・・といった状態でほとんど換気扇は使用されてい状況と同じになっています。

また、問題の玄関脇の洗濯置場は洗濯時には水を大量に使う場所であるのにも拘らず換気扇がないのです。そのため洗濯機の影は特にジメジメした状態になっているので結露、カビに侵されています。

それでは洗濯置場に換気扇をつけると解決するのでしょうか?
また、浴室もトイレも常時換気をすれば解決するのでしょうか?


713c2grz47kkf4wzq.jpg写真は共有廊下にあるパイプシャフトの設置されているパイプシャフトドアです。
(※パイプシャフトとは・・・一戸建て住宅やマンションなどにおいて、竪方向の各種配管(給排水管やガス管等)を通すために、床や天井などを貫通して設けられる垂直方向の空間のこと。)このパイプシャフトには給排水管の他にガス給湯機が設置されています。吸排ができるようにFF式になっているので、扉の上下にスリットがついています。

RC構造のアパートとかマンションで結露とカビの大きな原因の一つにはこのパイプシャフトの空間を・・断熱区画を内部側とみるか?外部側とみるか?・・・を明確にしていない現場が多いのです。外部廻りの壁面には断熱されていても・・・・この空間は温熱環境の観点からみるとスリットがあり断熱性の低いスチールドアを使っているので、当然、外部とみなさなければなりません。

外部になると、この空間と接している内壁には断熱がされなければなりませんし、気密もきちんと確保しなければ結露が発生しやすい環境を敢えて造っていることになります。所謂、パイプシャフトは当然ですが非暖房室扱いの空間と考える必要があります。

しかし、この現場では・・・
このパイプシャフトを断熱区画を内部と考えているためパイプシャフトの壁面(外部側)を綺麗に現場発泡ウレタンで断熱されいても、内壁は無断熱となっているので断熱の効果はほとんどありません。当然、その無断熱の内壁(ここでは洗濯置の後方の壁面と天井、トイレの壁面)は外気の温度に近づいているため表面結露はこの低温室で発生しやすくなります。
※一般に室内外の温度差が大きいと結露しやすいと思われ、断熱付加工事だけをして解決を計画をされることが多いのですが、それよりも室内側の温度が低くて相対湿度が高いことによる影響で結露が発生することの方が大きいので注意が必要です。
しかし、その前にやはり無断熱は問題ですので・・この部分はきちんと断熱する必要があります。

713zgmwntiwmdmoj0oqrjephzg.jpg写真の●印は内壁で断熱が必要な箇所、⇒は隙間があり室内に外気が流入している。(これではRC構造であっても気密が低い理由はわかりますよね!)








719sw1hz2vkyapw.jpgおさらいすると、左平面図に⇒の部分が無断熱でした。実際どうなっているのかというと⇒の部分は軽天下地に石膏ボードを洗濯場からとパイプシャフト側から石膏ボードを張ってあり、その間には断熱材は施工されていないのです。一般的に多くのRC構造の建物は・・・このパイプシャフトの納まりはこの現場と同じような納めになっています。

では、どうしてこのような間違った?施工になるのかというと、断熱区画を左平面図のように決定してしまうこととパイプシャフト内の壁を後付けで施工するからのようです。後付けになる壁は室内側の間仕切り壁の考えてしまい、無断熱にしてしまうのです。
この断熱欠損の改善工事の方法としては⇒の壁の部分はパイプシャフト側からの断熱・気密工事は配管材とか給湯機が混在して施工は無理なので洗濯場、トイレの壁、天井、床を剥がし硬質ウレタンで壁、床天井を吹き付けする方法を取ります。

719sw1hz2vzwnq.jpg左写真は浴室の点検口から覗いたトイレの天井の様子です。左●印の部分の外側はパイプシャフト内になります。右●は熱橋となる折り返しの部分隣室の間仕切り壁です。
新築時にはスラブに綺麗に現場発泡ウレタンを吹き付けしているのに壁の部分は吹き付けされていません。






713zgmwntiwmdmoj0oqrjephzg.jpgこの写真は上の写真と同じトイレの天井を覗いています。上に見えるのはレンジフードの排気のためのスパイラル管です。この写真からは見えませんが、さらにトイレと浴室の排気用の配管材は左側にあり、写真よのように壁に配管材を通すために、人通孔のように隙間を作り、その隙間を配管材を通しています。実は、これが断熱欠損でありながら気密欠損の大きな要因になっている部分なのです。従って、レンジフードで排気するとか、浴室、トイレの換気扇を回すと給気はこの隙間を通して行われます。勿論、冬にはマイナスの冷気も入ってくることになります。当然、冬にはトイレ、洗濯置場付近は洋室8帖でエアコン暖房していても冷えた空間になり結露を起こさせる大きな要因になっています。


それではそのパイプシャフトを断熱をして気密を取る施工をきちんとすれば解決するのでしょうか?
実はこの現場はこれだけではまだ結露を防ぐことは難しいのです。パイプシャフトの断熱・気密をする他に4つ問題を解決しなければなりません。

その4つの問題の一つ目の問題点は
720zgmwnti5mdmoj0oqrjepki9dkk4xksun.jpg左図は第三種換気装置を設置する換気計画案です。
換気装置を設置すると取り入れた外気は⇒のように移動する筈なのですが・・・計画図面上では移動することになるのですがリビングのドアとトイレのドアにはスリットがないので移動しないのです。



その写真はこちら↓
720zgmwntezmtmgusvfsdfehq.jpg
下枠とドアとの隙間はほとんどありません。これはリビングのドアも同様です。このままでは各ドアで空気の流れは遮断されてしまい、換気も充分行われないことになり・・・換気装置はつけたけれど結露が改善されないことがあるのは・・・こんなことが原因であることが意外と多いのです。


720zgmwntezmjf6_w.jpg





次に二つ目の問題点はリビングに外気を取り入れる給気口がないことです。
計画図では2箇所設置することを提案しています。
RC構造のアパート、マンションでは給気口があって写真の指を指している上部ではなく下部に設置されていることがあります。この場合には冬の場合にリビングで暖房していても下部から冷気が常時入りこんでくるため、足元がヒヤヒヤして不快です。そのため、上部につけることで冷気を希釈させるので直接冷気を身体で感じることを防ぐことができます。

720zgmwntezmjn8ag.jpg次に三つ目の問題点
指を指している箇所は内窓(プラスチック窓)ですが二重サッシではなく後付けのプラスチック窓ですので額縁とサッシ枠とに隙間が生じています。窓は外部はアルミ引き違い窓で内窓は障子タイプの召し合せの框なので高気密ではありません。
少しでも気密を高めるために窓廻りの周囲をシーリングして気密化を図ります。

720z2arz47kkf4pka.jpg次に四つ目の問題点は玄関です。
防化上の問題から枠はスチール枠かアルミ枠なので、どうしても熱橋になる箇所です。
解決策は外部から木枠で三方枠をつけて熱橋を防ぐことが理想ですが防火上無理があるので内部側から三方額縁をつけて熱橋になることを緩和させる工夫をするとよい。ただし、下枠がスチール枠であることと、鉄板で作られていて隙間だらけの郵便ポストがあるので完全に熱橋を防ぐことができません。

****「まとめ」****
■結露対策のための施工■
1・玄関のスチール枠には熱橋防止のために内部側に木額縁で三方枠を作る。
2・玄関のポストは気密が低いので気密処理を施す。
3・内窓の周囲をシーリングして気密を図る。
4・トイレ、洋室8帖のドアに幅10mm以上のスリットを設ける。(浴室はガラリで対応する。)
5・メーターBOXは外部とみなし断熱区画をする。(非暖房室)
6・常時24時間換気システムを新たに設置する。
その際既存のユニットバス、トイレの局所換気扇は撤去として排気口はユニットバス、トイレ、玄関の脇の洗濯置場に設置して0.5回/hになるように設定する。
また外気取り入れ口(給気口)を洋室⑧上に2箇所にに設置する。

※玄関周りはどうしても結露を防ぐ方法としては省エネにはなりませんが玄関脇に電気ヒーターなどの補助暖房を設置して室温を上げることで解決します。

先に結露は周知の通り主に断熱・換気・住まい方の三つのバランスがとれていない時に発生します。と言いましたが検証してみると断熱・気密・換気・暖冷房・住まい方の5つが結露を防止するための必要な事項だとわかります。




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築15年の賃貸マンションの結露


これは旧ブログに2006年10月に5回に分けて投稿したものを
読みやすいように(結露発生から原因解明、解決策までを)一つにまとめてあります。

築15年の賃貸マンション結露のリポートです。
躯体はALC100mmで室内側から現場発砲ウレタンがおよそ25mm程度吹きつけられています。
サッシは外部がアルミサッシの単版ガラスで室内側が後付の気密型PVCサッシの単版ガラスです。

局所換気がトイレ14m³の排気、ユニットバス36m³の排気、洗面所には22m³の強制吸気です。
暖冷房エアコン1台備え付けられていてFFヒーターはなかったが使った形跡がありますがよく問題となるファンヒーターではありません。
80zjawnja1njlfmtm0mjq0mjts.jpg
写真で見られるように開口部(サッシ廻り)が一番ひどく、周囲のクロスのジョイントは剥がれかかってカビも発生しています。
その部分を指で押して見ると石膏ボードが柔らかくフニャフニャしています。
そこで石膏ボードを剥がすことにしました。
それが上の写真・・石膏ボードの下地材が黒くカビだらけになっています。
そこに露点温度計で測定します。

温度は12.8℃で湿度は85%~露点温度が10.3度を示しています。
(現在は12.8℃あるもの10.3℃になると結露が発生する環境にあることを教えてくれています.)
温度も低いのも問題ですが相対湿度が人が住んでいないのに異常に高いのです。
その時の外気温は4℃、室温、湿度は18℃で60%ですから外気温が氷点下になると当然測定した場所が温度が降下するのですぐに露点温度に達する環境のようです。

80zjawnja1njlfmtm1ntizntdkqw.jpg●通常は25mmのウレタン材が
吹きつけられているのであればこんなことはないのですが・・・・・・・?
カビの発生は開口部の周囲に集中しているように見えます。
・・・・がよくチェックをして見ると外壁の外周部のあちこちに点々とカビが発生しています。

どうも開口部だけではないようです。

●結露の原因と対策については↓に続きます。

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基礎断熱の床下は結露するか?


これは2回に分けて投稿したものを
引っ越しに伴って、修正、訂正、編集して読みやすいように一つにまとめています。


本来、高気密、高断熱住宅の床下の環境は結露とは無縁な環境になるのが普通です。すべて、未熟な施工、現場管理によるものが多く、○○工法だからいいとか、悪いとかの問題ではないのです。その意味から言えば、施工がしっかりしている施工会社を選ぶことができれば結露のない高性能住宅を手に入れることできるのです。

●以下は真冬の我が家の室内と床下の環境を測定してみました。
66zjawnja1njlfmjm1mjiwotaxmszk.jpg写真1:床面の表面温度が21℃を示しています。全室パネルヒータ設置の恩恵ですがこの床下(床の裏面)には断熱材が一切入っていません。

実は基礎断熱ベタ基礎工法のため床面に断熱材を入れない代わりに基礎の立ち上がりに断熱材を外部側から貼りつけて、ベタ基礎の下にも全面断熱材を敷き込んでいます。

室内空間を床面からではなくベタ基礎のコンクリートの上から室内と考えているためです。
昔の家は床で断熱して基礎の立ち上がりに換気口を設けて、防湿シートもなしで土の状態が一般的な工法でした。
(注)最近は床断熱であっても床下の換気を促進するために基礎パッキン工法があります。

最近は換気口を設けるにしても必ず防湿シートを敷きこんで土なり砂なりコンクリートだったり様々です。しかし基礎の換気口は一般に換気が悪く、地面の湿気でカビの生えやすい空間です。床下収納庫の蓋を開けると床下の湿ったカビ臭い匂いがすることがあります。それを改善したのが基礎断熱ベタ基礎、あるいは土間床工法なのです。

66zjawnja1njlfmjm1mjuwmtqxmizj.jpg写真2:その床下のコンクリートの表面温度ですが19℃を示しています。(床下には暖房器は一切ありません。)
冬期はおよそ床の表面より1~2℃前後低くなっています。

床面の必要なあちこちに写真のように床下にガラリを設けています。室内空間と考えていますので床上で暖められた空気を床下まで送りたいからです。
もちろん床の温度21℃の輻射熱がコンクリートに伝わっているのですが、在来構法外断熱工法で建てられているので根太と土台に隙間があり壁の中も暖かい空気が移動していることになります。その恩恵がコンクリート面19℃の表面温度、室内の表面温度が21℃になっています。

66zjawnja1njlfmtgzndgxm578.jpg写真3:基礎断熱ベタ基礎工法なのに換気口を設けています。15年くらい前までは高気密高断熱で建てた住宅には一切換気口を設けることはしませんでした。

1年を通して温熱環境の調査をして現在は竣工時の基礎のコンクリートの水分を早期に吐き出させることと、夏に欲しいパッシブ的な涼しさを取り入れたいために採用しているのです。

この換気口は断熱気密型換気口で冬と梅雨時には閉めてそれ以外は開放するというものです。

電動型の換気口もありますが気密と断熱がしっかりした商品を選ぶことが大事です。
実際に採用してみて年に数回の開け閉めでいいですので低コストの手動型で十分です。

●床面と床下の温度の差が小さい理由は
気密性が高く全館暖房できる住宅だからこそできる技です。



続きあります。↓

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モデル展示場で起こった大事件!



この記事は4回に分けて投稿したものを引っ越しに伴って、修正、訂正、編集して読みやすいように一つにまとめています。


予め、お断りしますが大事件(結露のクレーム)での実例では2×4工法を取り上げますが2×4工法を非難、中傷するものではありません。在来軸組工法でも同様の問題が起こります。

私は住宅のクレームは当たり前のことですが施工者の意識、知識、経験の希薄さで起こるものと考えています。○○工法だから、いいとか、ダメだと考えていません。どんな素晴らしい工法であっても工事に係わる関係者に意識、経験、知識がなければクレーム住宅が建てられてしまうことです。

73zjawnja1njlfmdmzmzcxyzo.jpg●掲載写真は「イメージです。」
昨年の2月に○○県の名の知れたハウスメーカーの展示場での出来事です。

私の知人の設備業者さんからの依頼です。

「建てたばかりのモデル展示場のすごいことになっているらしいので診てくれないか?」
という電話。

「どうしたの!何?」 「カビだらけらしい」
「何処の工務店?」 「いや○○○○○だ!」
「クレーム「専門のプロがいる会社だから・・そこに依頼したら」
「いや・・・ダメらしい」
「何で?」 「色々やったらしい・・が・・」
「誰かいないかということで住環境アルテさんを推薦したんだけど・・・」

そこで翌日現場に行ってみました。

外観は窓は格子入りのPVCサッシを使って輸入住宅をイメージした豪華な50坪くらいのオール電化住宅です。
断熱仕様は天井(GW18kg/300mm厚)壁GW18kg/m3で100mm、天井、壁とも防湿シート0.2mmで気密、防湿を施しています。基礎は基礎の外側にスタイロフォーム50mm(B-3)断熱、土間床工法(土間下は全面スタイロフォーム(B-3)を30mm敷き込んでいます。気密性能は0.1cm2/m2ですから抜群の気密性能です。玄関に入ると担当営業マンが説明のため待っていました。

リビングで状況を説明をしてくれました。
(ザーッと見たり、嗅いだりした感じではカビの匂いはしません。)

「カビの匂いと聞いてきたけど匂いしないけど」
「床下です。カビ臭くて・・それとカビだけでなく土間全面が水浸しなんです。」
「エッ!」
キッチンの床下収納庫を開けてビックリです。確かに全面鏡面状態になっています。

「いつ、わかったの?」
「契約までこぎつけたお客さんに・・高気密高断熱だから床下も室内と同じ環境なんですよ!」
と説明をして、この床下収納庫を開けたらカビの匂いが凄かったんです。

その時に床下の土間には今日のような水が(鏡面の状態のこと)そんなになかったのですが、会社のクレーム担当課に来てもらったら、工事中に雨が降った時の雨水が若干残ったの原因だということで、カビを除去し土間の水を吹き取ってみたがが・・・1ヶ月後には前よりひどくなったのです。」という経過です。

続きます。↓

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新築1年後に起きた大結露(結露調査の実例1)



この記事は旧ブログで4回に分けて投稿したものを引っ越しに伴って、修正、訂正、編集して読みやすいように一つにまとめたものです。



実例1●在来工法の気密住宅での床下結露

在来工法、外断熱工法、気密性能0.2cm2;/m2基礎断熱ベタ基礎(床断熱はなし)基礎換気口なし、第三種換気システム、暖房は1FにFFヒーター(1台)と2Fに暖冷房エアコン(1台)

dc012004(修整1)■経過:着工は12月で完成は3月中旬、引渡しは4月
翌年の6月末にお住まいの奥様から畳下にカビ、トイレ、流し台付近でカビ臭いということから調査開始。

床下に潜ってみると水廻り付近が特にひどく、北側の廊下付近の土台、根太にカビが発生して居間(南側)には土間コンクリートのコーナー部分にうっすらと濡れた部分がみられた。。

温度は20℃で相対湿度は90%を示し、サウナに入っている感じで、露点温度は18℃、長期の温湿度計を設置して1週間様子をみることにしました。1週間後再び訪れて床下を見ると土間床部分のうっすらと濡れている部分が広がっています。当然居室もジメジメした環境になっています。
(昔の隙間だらけの住宅の梅雨時の室内の環境と同じです。)

換気の風量はきちんと0.5回/hで正常に稼動しています。
2Fの寝室にはエアコンがあってドライでかろうじて生活できる状態です。

■原因の特定(究明)
データーを基に結露によるカビの増殖と考えてたのですが、結露を発生させるだけの水分(水蒸気)が何処からか発生しているのか、なかなか探し出すことは困難でした。
目視だけでなく着工時の天気状況を現場監督から聞き取り調査することにしました。

そこで、意外なことを聞くことができました。

(基礎の天端ならしの時は小雨であったこと、養生期間を1日だけ置いて柱建てをしたこと。尚且つ中間検査を早めるため(工事代金の早期回収のため)屋根を葺くまでを短期で施工したこと。その間幾度か雨が降り、土間にも水が溜まって拭きったとこともことが判明しました。

●ここで原因を推定
原因なのですが以下のように結論づけをしました。
大きな原因は小雨の中の柱建てで基礎コンクリートの中に水が滲みこんでしまったこと。そのご乾燥期間を十分置かずに気密化工事をしてしまったこと。
気密性能が0.2cm²/m²ですから超高気密となっています。

全部の隙間を合わせても0.44cm×0.44cm角の隙間しかないということになります。
密閉された状態でクロスを貼る時には乾燥させるためにジェツトヒーターを使用したこと。
(灯油を燃やした分だけ水を撒き散らしたと同じになります。)

引渡しは4月ですから・・・換気の正常稼動はここから始まっています。また4月ですので暖房は未使用で生活のスタートです。その年の冬には当然のように暖房開始です。

施工期間中に基礎の土間、柱、石膏ボード等の建材に滲み込んでいた水分が暖房したことによって一気に室内に放出されたのです。その場合は先ず最初に結露として現われる箇所は床下なのです。(理由は非暖房室のため)

もちろん暖房する前の期間も床下は少しずつ結露が出始めていたことが想像されます。春、夏、秋においては換気システムだけでなく、窓を開けたり、閉めたりの生活をします。換気回数は0.5回/hから1~2回/hの環境になります。住んでいる方は気がつきません。

しかし床下は2×4工法と比較して床下と壁の中は通風するにしても駆動ファンがないため空気を移動させるには微々たるものです。

●調査報告と改善策をを工務店の社長に提出、しかし、社長は結露ではないと言います。

そのやりとりの会話と解決までの話は続きます。

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欠陥住宅!の原因は何?(換気編)

朝早く「●●設計事務所さんからご紹介された者ですが」と、Aさんから電話があり「欠陥住宅ではないかと思うのですが見てもらえますか?」という依頼の電話がありました。

詳しく状況を伺うと
「高気密高断熱住宅なのに窓が結露だらけでひどいんです」という内容です。
施工業者と築何年経過しているのかを確認し調査道具を用意して向いました。

冬になるとマンションの結露の相談はあるのですが今の時期はとても最近珍しいことです。

さて、欠陥住宅と思われている家の玄関に入ると私のメガネが雲ってしまいました。
肌に触る感覚は湿っぽくファンヒータでお湯を沸かし時のあの湿っぽい感じに似ています。
つまり、家の中の湿気が多く相対湿度が異常に高く感じられます。

温度はどうなっている?・・・22℃・・・チェックOK
各部屋は・・・・チェックOK
換気はどうなっている?・・・モーターは・・う~ん動いているな!・・チェックOK

ところが・・・・うん!何だ?

少し匂いがします。(生活臭というかよくわかりませんがそんな匂いです。)

臭気判定士の石川さんだと一発で判断できるのでしょうが私には匂いについては専門分野外です。

(換気が悪いな!)
ユニットバスの中にフロアを覗くと一日経っても床面が乾燥せずにで濡れた状態です。
(ダクト式換気装置でユニットバスの換気は局所換気扇ではなく、ダクト方式のの24時間換気の場合は、翌日には奇麗に乾燥します。)

換気の本体のモーター音も聞こえて問題ないように感じられます。

一応、全部排気口をチェック、チェックと思いながら車に戻り、換気風量測定器を取りに行こうと・・ふと・・台所上の排気口を見るとびっくりです。

26c291ammrz47kkf5tlw.jpgなんだ・・・これか!原因は
そうです。

排気口の見事な詰まりが原因です。

排気口が埃で目詰まりしているのです。

テッシュペーパーを排気口に当てても吸わないためヒラヒラと下に落ちてしまいます。
関連記事:素人でもできる換気(吸気)量の簡単チェック方法

築5年間一度も掃除をしていないとの事
、これでは吸わないのは当たり前です。

それからAさんに換気装置の役割と掃除の方法を説明をして、換気風量測定器で風量調整をして終了です。



●欠陥住宅かと思われることは施工業者だけでなくお住まいの貴方にも原因がある場合があるので気をつけましょう。(注)このような居住者に原因がある場合でも、引き渡し時の換気の取り扱い説明、あるいは高断熱・高気密住宅の住まい方マニュアルが渡されていない場合は・・・このようなことが起こりがちです。



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「エッ!気密住宅が欠陥住宅?]


●これは2006/8/8に投稿したものです。
ブログの引っ越しに伴って、記事が分散してあるものを集約し読みやすいように修正編集して再投稿になっています。




自信を持って建てた気密住宅がお客様からクレームがあり

「気密住宅ではなく昔の住宅の方が良かった!」

・・・と言われたらどうしますか?

そんな事件(クレーム)のリポートです。

16zjawnja1njlfmjmxmdi4ojrm.jpg写真1:は小屋裏(屋根面)で結露とカビがびっしり
この住宅は2×4工法で床はプラスチック系断熱材、天井はセルローズファイバーの吹込み壁はプラスチック系の断熱材の外張りの複合工法になっています。

気密性能は0.5cm²/m²で断熱性能も当時の新省エネ基準をクリアする住宅です。暖房は蓄熱暖房機とFFヒータの併用、換気は第三種換気装置です。

販売に携わった工務店の友人から 「一生のお願い!」

「クレームだけど、ちょと行って診てくれないか」・・・・の電話があり調査することになりました。
(電話の説明によると雨漏りが原因でカビだらけの欠陥住宅だというのです。)

16zjawnja1njlfmtmymdm5mtfmlq.jpg
現場に着くと・・リォーム会社?の職人さんがなにやら工事をしています。

建て主さんにお話を伺うと
「雨漏りがひどく欠陥住宅だ・・・その工事をしている。」
とのお話です。

その小屋裏の状況が上の写真1です。
小屋裏に上がって職人さんに訊いてみました。

「何の工事をしているんですか?」

職人さんは「雨漏りだ!」・・と言います。(成る程雨漏りのように見えますが・・ハテ?)

天井ではこんな凄い光景を見るのはは久しぶりです。
ある意味ではやりがいのある仕事です。
(難しいものに対してはチャレンジ精神が旺盛になるから不思議です。)

実はこの建物を建てた工務店は岩手県では高気密高断熱住宅の先駆者であって人気のある工務店だったのですがで倒産してしまい、やむを得ずリフォーム会社に雨漏りの修理を依頼した経過のようでした。

さて、天井グルリと見回して写真を撮って、室内、床下、外部を見て・・本当に雨漏りかを考えます。

雨漏りにしては屋根全体が?・・・・・おかしい?





先ず残念なことは
原因を突き止めずに「だから・・気密住宅はダメ」ということでリフォーム会社の言い成りにリフォーム工事をしてしまっているということです。

事の発端は軒天と外壁の塗装の塗り替えをして1年で軒天にシミが出て、外壁の塗装も剥がれ始めたたことと、部屋中が給気口(外部から空気を取り入れるところ)からカビ臭さが強くて閉めきってしまったことから始まっていたのです。

カビ臭さに困っていたところに・・・・リフォーム会社の営業マンの訪問です。

塗装の塗り替えをした後に・・床下の湿気が問題だと法外な50万円の床下換気扇をつけさせられて
・・それでも直らないため・・
今度は室内の換気扇(第三種換気装置)がダメだから局所換気扇に交換した方がいいということでの・・・リフォーム工事のようでした。

次は・・雨漏り?と決めつけていますから屋根のトタンの貼り替えと続くような感じがします。

17zjawnja1njlfmje1mte5nddjnq.jpg写真の①第三種換気システムの吸気(排気)口で②は新たに設置された(工事中の)局所換気装置です。

施工中の現場を見ましたが気密住宅仕様ですから気密シート0.2mmが天井にきちんと施工されています。
そこに局所換気をつけるための穴を気密補修処理を行わずに無造作に開けています。(これでは今度は気密欠損による結露が発生する心配も出てきます。)



さて外部に廻って建物の不具合を調べます。

17zjawnja1njlfmjmxnzq0mjfqsq.jpg外壁も部分的にもろくなっていて割れも生じています。
軒天も全体にシミだらけです。
玄関ドアーも・・少し歪みが生じています。


17zjawnja1njlfmti0mjgynpva.jpgすでに,2箇所の局所換気工事が終了していましたが第三種換気装置の吸気口をテッシュペーパーで吸うか調べて見ました。(テッシュが吸い込まれるので十分な量が排気されていることがわかります。)

(換気風量が充分あるのにおかしい?)


もう一度小屋裏に戻って換気の本体部分と配管状態をチェックです。
セルローズファイバーが200mm程度吹き込まれているので配管状況を調べるのには難儀します。
(理由は配管がセルローズファイバーの中に潜ってしまっているのですから・・)

頭に手拭をほっかぶりして換気ダクトを一本一本接続状態をチェックするのです。

何故そんなことをするのかというと・・吸気口の吸気量はOKで汚れ状態から見て確実に排気されているのに相対湿度が高すぎるのはおかしいからです。

床下の湿気も考えましたが気密性の高い住宅ですから別な原因によるものだと推測されるからです。

「エッ!」「アッ!」

という表現しかないのですが根本的な原因が見つかったのです。

それは・・なんと
換気本体から集中して排気されるダクトがベンチキャップから外れているのです。

セルローズファイバーの中に潜っていますから目視では見つかる筈はありません。

17zjawnja1njlfmti0odc2blm.jpg左の太いダクトが排気で引っぱったら手元までスルスルと来てしまいました。右側の細いダクトはリフォーム会社の職人さんが局所にするため配管した状態。

職人さんも一緒でしたからそのことを話すと「どうせ局所換気にするのだから、その換気装置は止めてしまうからいいべ!」という返事です。

色々「あーだこーだ」と話し合ったのですが、上司から指示されたことだけやって帰るといった雰囲気なのです。
(バカたれ・・・と心の中で思ってしまいました。)
とにかく・・第一の原因はわかりました。

それで室内の汚れた空気とお風呂、トイレから発生する水蒸気は天井裏で排出、軒天とセルローズファイバーの中で吐き出して徐々に湿気を帯びさせて天井裏で悪さをしていたのです。

小屋裏の相対湿度が高い理由はわかったが
それが・・どうして室内の湿度を高くするのか?????




雨漏り?(結露)の発生原因は換気のダクトが外れているためでしたが・・

その室内から排出された空気と水蒸気は小屋裏で充満し屋根の垂木、野地合板に表面結露として現われ、セルローズファイバーの上に雨漏りのようにポタポタ滴り落ちていたと考えられます。

一般的に天井断熱の場合の小屋裏は外気に近い温湿度と考えます。そのため妻側に換気ガラリを設けて通風させるか、あるい小屋裏空気を外部に放出させるたがめ棟換気を設ける方法がとられます。

しかしこの現場では
屋根は寄せ棟ですから妻換気はつけることができません。
そうすると棟換気があれば例え小屋裏に室内の温湿度が入り込んでも写真のような現象は起こり得ないのです。

が・・・現実に起こっています。


18zjawnja1njlfmtq3ndi2nj7x.jpgそこで外部に出て屋根の棟をチェックすると
[アリャー!?」
棟換気が見当たりません。






ここで第2の原因が掴むことができました。

18zjawnja1njlfmjmyndq5nzbxwa_20110413003308.jpg
その結果が写真1です。
矢印(→)垂木の両サイドの部分が最もひどく濡れています。

この理由は次のように考えられると思います。
屋根を葺く場合は垂木を野地合板の下地とするため、
その部分が野地合板のジョイントとなります。

そして
その上にアスファルトルーフィングを敷きこみ、屋根トタンを葺きます。
しかしそのジョイントは多少なりとも隙間が生じます。
(この部分は一般的にはテープ処理はしないものです。)

そのためその部分は断熱性能が少し劣る理屈です。
想像の域ですが20℃前後の温度で相対湿度が80%くらいの温湿度は夜に温度が降下したとき隙間のアスファルトルーフィングの内側に結露が発生し、結露水として隙間に溜まり、滲み出た状態と思われるのです。

※ある地点で結露が発生すると、最初の発生点を中心に広がっていきます。

その理由とは・・・?

①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇することになります。
熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうことになるのです。
そのため露点温度がより低くなって、ますます結露の発生が増大する経過をたどってしまうのです。

②また、表面結露が発生すると、小屋裏の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少してしまう。
そのため、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。

ちなみに

内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気は水になってしまうので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大する。
従って一度結露が発生すると、自然に増大してしまう現象が起こるのです。

●小屋裏の雨漏り(結露)?は
このような理屈で発生したのではないかと推測されます。

しかし、ここで残念なのは気密断熱工事ではきちんと施工されているのに小屋裏を換気をする方法がとられていないことです。





これで小屋裏で結露が発生する原因を突き止めました。

この写真の

20zjawnja1njlfmtmymjaxn5k9.jpg丸印の部分は有孔ボードの代わりに使う軒天ガラリ(参考です。)です。
軒天の周囲にグルリと設置します。
こうすることで有孔ボードよりはるかに通気性が良いのです。

しかし、この現場ではこれだけでは解決しません。
これにプラスして棟換気を設置します。

棟及び垂木の両サイドを中心にして結露が発生し、その結露水がさらにその表面温度を降下させて「結露は結露を呼ぶ!」現象を起こさせていました。

小屋裏の湿気はさらに軒天の中まで悪さをし始めます。

写真のように
一般的に軒天が施工される方法としては小屋裏の通風を考えて有孔ボードと無孔ボードを交互に貼る貼る施行がされています。有孔ボードは穴が開いている割合にしては無いよりは増しといった通気性しかないため様々な不具合が生じます。屋根と軒天の(断面で見た場合)三角形の部分も垂木が通っているため、その垂木の両サイドで小屋裏の同じ現象が起こります。

特に小屋裏の場合は天井にセルローズファイバーがあるため、主に天井の垂木に結露が起こるのに対して、軒天の場合は薄い断熱性の低いボードのため外気の温度にすぐ反応します。

そのため軒天のボードを結露水で濡らし始める仕組みになってしまいます。
さらにその結露水が外壁の通気層を流れ落ち、氷点下の温度の時には凍り、暖かい日中などは融ける、また凍る繰り返しをして外壁にも悪影響を与える仕組みにもなってしまったったのだと推測されます。

それが外壁のモロモロの柔らかさと、塗装の剥がれに繋がっています。

さらに通気層の中でカビが発生して・・・その匂いを入れないため吸気口(パッコン)を閉じてしまう。

●そのため新鮮な空気は入らず、天井裏で換気ダクトの外れで建物内で湿気は排出されることなく、貯めてしまう現象・・・これが今回の仕組みであることが推測できたと思っています。

20zjawnja1njlfmjmymzmzmzpp.jpgこの写真の丸印の部分は有孔ボードの代わりに使う軒天ガラリです。軒天周囲にグルリと設置します。
こうすることで有孔ボードよりはるかに通気性が良いのです。

しかしこの現場ではこれだけでは解決しません。
これにプラスして棟換気を設置します。
しかし、またこの施行方法にする前に10日くらいは軒天は貼らずにオープンにしてできるだけ小屋裏の湿気を排出させるようにします。

もし、これが不可能であれば小屋裏の棟の付近に中間ダクトファンを一時的に2台くらいつけて強制的に棟から排出させます。

●外壁については既存の外壁を撤去して、カビ処理を行い、新たに外壁を設置する必要がります。この段階で平行して局所換気は止めて、現在まで設置されていた第三種換気装置を復活させます。

●雨漏りだとリフォーム会社では言いますが

この結露改善方法を行っても小屋裏の屋根面が濡れるようであれば、雨漏りの対策を考えても遅くはない。
さらにコストの面から考えるとこの方法(順序)が良いのではないかと考えています。
また
建て主様にも気密住宅と昔の住宅の違いをよく説明する必要があります。

20zjawnja1njlfmjq3njmza14.jpg
写真のように洗濯物を干すベランダがあるにもかかわらず昔スタイルで室内(ここでは吹きぬけの階段室)に干すのが日課なのそうで、できるだけ止めてもらわなければなりません。

今回の悲劇は建てる側の無知な施行方法と換気ダクトが外れたことと、無知なリフォーム会社によってさらに悪化させる施行にされてしまっていることと、建て主様の気密住宅に対する認識が薄かったことが重なり合って起きたクレーム?でした。


「気密住宅より昔の住宅の方がいい」・・・・筈がありません。

健康で快適で省エネになる住宅は気密住宅です。

(私だけでしょうか?)

20数年の実績と経験の結果そう思います。

で!!・・・結論はどうなったか?・・・って

残念ながら
リフォーム会社の施工方法でどんどん進み、(大金を払い)
屋根も葺き替えし、外壁も再塗装をし、外観が奇麗になったものの
住環境は以前と同じなのです。

だから 「気密住宅より昔の住宅の方がいい」 
・・と建て主様の声です。



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新築初年度の結露の原因は?

宅の初年度の主な結露の原因は木材とコンクリートによるものなのですが、ではどの位の水分が発生するのか調べてみました。

118zjawnja1njlfmjm0ndq1mzdlsg.jpgまず木材は1m3で含水率が1%低下すれば、およそ5Lの水分が放出されます。含水率19%の木材が一冬で14%まで低下したとしたら25kgの水分が吐き出されたことになります。
木材の内、防湿、気密層の室内側に使用したものは室内に湿気が放出されることになります。木材だけでも相当量の湿気が出るのです。

一方、コンクリートの場合は次世代省エネ基準の解説書によると、コンクリート打設から1年程度で1m3当たり30~40kgの水分が放出されます。木造住宅で床断熱をしている場合にはコンクリートの湿気が室内に放出されることがありませんが、床下はかなり高湿になりやすいことに注意しなければなりません。また、基礎断熱をした基礎空間も室内に取り込んだ場合は湿気が室内に放出されることになります。

木材、コンクリートの他には、クロス施工字の水分、糊、(特に冬場の施工時に乾燥させるために使われることがあるジェツトヒータ-の水分)玄関モルタル、タイル、塗り壁施工時の水分、施工中の雨による建材の塗れ・・・などが考えられます。

この中で一番多く感じられますが、ジェツトヒーターなどを使用しない場合は、乾きやすさは室内に露出しているかどうかで決まるので、クロスはわりと早く乾燥するようです。
逆に乾燥しにくいのは壁の中に入ってしまう木材です。
木材の芯まで乾燥するには、およそ3年はかかるといわれています。

●このように初年度結露は、木材などの建材に加え、家具や生活用品からの放出により湿気が増えることが原因ですから、どの部位が結露しやすいというより、室内が乾燥しているときよりも(高い温度で)結露する・・・ということなのです。
例えば、室内温度が20℃ときにガラス(空気層12mmのペアガラス)に結露が始まる時のガラスの表面温度は、相対湿度が40%の時にはおよそ6℃ですが、湿気が多く50%の時は9℃とと約3℃も高くなります。
この時の外気温は、相対湿度が40%の時はマイナス15℃以下ですが、50%ではおよそマイナス10℃、外気温が5℃以上高い状態で結露するわけです。

●初年度結露は一般的にには特定の部位に結露するわけではありません。
工事中の雨などによって木材、建材が濡れていたり稀にどこかがプール状態になっている場合はその付近で結露が発生します。

最も気をつけなければならないのは基礎断熱をした床下。
捨てコンの上に水溜りができて床下にカビが発生する場合ですが・・・
これは初年度結露ではなく施工上の管理上の問題になります。


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熱カメラで見る結露

熱の移動については人間の目には見えないものでも熱カメラで撮影してみることによってよく見えてきます。

高断熱高気密で施工されているといわれる住宅でも下の写真のように性能の良し悪しを正直に知らせてくれます。

83juu3jtg2juixjuuzjtgyjufcjuuzjtg_2.jpg写真1:冬の夜外部から熱カメラで撮影

黄色と赤い部分は室内からの熱が外部に放熱されている風景
この住宅は比較的に高断熱高気密住宅といわれているが・・・?

屋根周りからの室内の暖かい熱の漏気がひどいことがわかる。
床部分も床暖房?外部に暖かい熱が非常に多く放熱されていることがわかる映像

そこで●結露は何故起こるのかを考えてみましょう?
寒い朝、電車に乗り込んだ時メガネが曇ったという現象があります。
実はこれも結露の一例なのです。

では、気温や電車の空調、混雑の仕方によって曇り具合いが変化するのは何故なんでしょうか? 
また結露はどうやって発生するのでしょうか?

その原理を考えてみると、空気中に含まれる最大水蒸気量は温度が高いほど多くなり、温度が低いほど少なくなるのです。

ある温度の空気中に含まれる最大水蒸気量に対して、その時点での実際の水蒸気量の割合を表したものを相対湿度といいます。

従って水蒸気量が一定で温度が変化すれば温度も変化するのです。

例えば温度が20℃で相対湿度が60%の状態から温度が15℃に変化すると相対湿度は82%に上昇するのです。

さらに温度が下がって相対湿度が100%を超えると空気中の水蒸気は水滴に姿を変えてしまいます。この時の温度を露点温度といい、この水滴が結露の正体というわけです。

先程のメガネの例で考えてみると、電車の暖かい空気が露点より冷たい温度のレンズに触れた時に曇り始めます。
また空調や混雑の仕方によって水蒸気の量が変化すると露点も変わるので同じレンズでも結露したり、しなかったりするのです。

住宅(マンション)の結露の仕組みは同じで部屋の空気が露点よりも冷たい窓ガラスに触れるとガラス面に結露が発生します。また部屋の水蒸気量が変化することで露点も当然変化するので、ガラス面の温度が同じであっても結露したり、しなかったりするのです。

もちろん水蒸気量の多いほど露点が高くなり、結露しやすくなってしまうのです。

83juu3jtg2juixjuuzjtgyjufcjuuzjtgzj.jpg  83juu3jtg2juixjuuzjtgyjufcjuuzjtg_3.jpg

写真2・3:部屋の入隅(コーナー)を熱カメラで撮影

左の写真はリフォーム後の目視した時の状態であるが熱カメラで見ると右写真のように天井と壁、壁と壁のコーナーはグリーン色に写っている。明らかに断熱欠損があり内部結露が発生していること教えてくれる映像である。

●結露対策には基本的に4つの原則があります。

・湿気を出さない。
入浴、調理、洗濯を干すなど生活する上で湿気が出てしまうが結露を起こさないためにはできるだけ出さない工夫が必要です。

・換気の促進
室内で発生した湿気も、すぐに外部に排出すると結露は発生しません。
窓や換気扇を有効に使うことが必要です。

・空気の流通をよくする。
部屋のコーナは空気がよどみ、暖房しても温度は低く相対湿度は高くなりがちです。こんな場所にタンスなど置くと空気の流通が悪くなり、低温、低湿度になり」結露が発生しやすくなります。
そのためにはタンスなどは壁から少し離して置く工夫が必要です。

・室温を全室適温に保つ
冷たいビールなどを入れたコップに水滴がつくことでもわかるように冷えた場所では結露しやすくなります。
室内では冷たい場所を作らないようにすることが必要です。


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結露を生じさせない設計と工夫

暖房の主役はあくまで建物であり、暖房設備は脇役であることは前にも説明いたしました。
そのためのは、せっかく室内で暖めた熱が簡単に逃げない建物をつくること。その上で建物内に温度差を作らないことが、快適生活の基本となります。


67zgmwotixmdfhbm4gihqi.jpg●温度差を解消する。
建物を断熱、気密化した上で、建物内に温度差が生じてくると、非暖房室(暖房器から離れた部屋、あるいは気密、断熱されていない部屋)には窓面や壁の隅角で表面結露など問題が生じてくるのです。
例えば、せっかく暖房やプラスチックサッシを使用しても、すぐ隣の部屋でさえ結露して困るという相談がけっこうあります。
(マンションにお住まいの方は特に多い現象です。)

もちろん、建物は断熱、気密化を徹底しているのですが、よく見ると、そういうケースに限って1箇所の個別暖房の例が多く、現実には暖房していない部屋が結露しているわけです。
そんなことがあると
「だから・・高気密、高断熱」が原因なのだ・・・という誤解も生じがちで、そした場合も暖房していない部屋をなくせば、暖房していない部屋の結露はほとんど解消されるのです。
もっとも、家族の発生あっせる水蒸気などの要素もありますが、先ずは建物内に温度差をつくらないこと、これが基本となります。

●設計上で工夫する
こうした現実を考えると、1台の暖房器だけで、その熱を建物全体に拡散させるには、かなり無理あることがご理解いただけるかと思います。
しかし、どうしてもコスト面で個別暖房にしたい場合は、設計の段階で、そのことを考慮していく方法があります。

例えばドアーガラリをつけたり、吹き抜けをつくったり、家全体を開放的につくって熱を動かす工夫をすることはいうまでもなく、通風換気などのルートも検討する必要があります。
これを吟味することで、全室床暖房やパネルヒーターを設置した場合に比べるとかなわないものの最小限のコストで暖房の原則が守られることになります。

しかし、35坪前後の建物であればこの方法も通用しますが、それ以上の建物になると、無理があることを認識すべきかもしれません。


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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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