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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

換気システムの メンテナンス(掃除)はしていますか?

住宅を引き渡しする際は換気マニュアルをお渡しし取り扱い説明をするのですが掃除を実行されている方はそう多くはいません。数年経過して匂いやガラスに結露が発生したりして「欠陥住宅ではないか?」という問い合わせがけっこうあります。私もそうなんですが自宅の天井を特に換気の吸気口は吸い込み音が聞こえている間は見ることもないし、気にしないものです。
●掃除をするのが面倒臭い人にはお奨めです。
但し風量がおよそ20%ダウンしますので注意が必要です。
換気風量を設定する時に20%増しの0.625回/hにしてもらいこの小物を使えば0.5回/hになり便利です。
稀に新築当時から吸気(排気)能力が少ない換気システムを設置されていることがあります。この状態ではこの小物をセットしても吸う力がないためにすぐ落下します。
テイッシュを当てて落ちない程度であれば大丈夫です。
試してみてはどうでしょうか。
写真一枚目は第三種換気装置の吸気口に小物をつけた状態で写真二枚目は排気フードの目詰まりを起こした状態(防虫ネットはなくても掃除しないと目詰まりをお起こし換気本体にダメージを与え交換を余儀なくされます)
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換気システムの施工ミス!

換気システムの施工ミス!
二種類の換気システムが設置されているトイレは施工ミスです。天井にはセントラル換気システムの吸気口、壁に個別換気の排気口が設置されています。全館暖房(パネルヒーター)なのにトイレだけが寒いということでの相談でした。外壁の個別換気は稼働していない時は風圧シッターの隙間が給気口になり外気を誘引するショートサーキット現象が寒さの原因でした。
解決策は個別換気に一液性ウレタンを充填して密閉し気密化を図ります。外気を導入する給気口は外壁側に取り付けてありますので室内は負圧になり、外気は給気口から室内に入りトイレのドアの下端のスリットを通り、天井の級気口(排気側)を通りユニットバスの天井裏に設置されてある換気本体を経て外部に排出されます。写真2枚目は個別換気にウレタンを充填した状態です。

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温度差換気と気密

最近は、敷地いっぱいに家を建てるケースが増えてきました。
住宅密集地で建てた家では窓を開けても風がはいってきません。そんな時は高い窓と低い窓があれば温度差で風が入るようになります。これは温度差換気と呼ばれる換気方法の一つです。

※温度差換気:建物の内と外に温度差があるとき、室内の暖かい空気は、膨張して軽くなって上にのぼり、建物の上方の壁面に作用して外へ逃げようとする空気の流れが生じます。反対に建物の下のほうでは、外の冷たい空気の圧力の方が大きくなり、外から室内に流れ込みます。内と外の温度差が大きいほど空気が入れ替わり、温度差換気は内外の温度差に比例します。

363zgmwnji3otugiq.jpgひとつの空間に違う温度の空気があれば、上昇気流が起こるのでそれを利用するものです。この場合、高い窓と低い窓を使うことによって効果的な温度差換気ができます。
しかし、ひとつの空間が同じ温度であればそれ以上動きません。最近の住宅には24時間計画換気が備わっているので、それ以上の大きな換気が必要なのは日常生活外のことです。
例えば、煙草を吸う人がいる場合、通常より人が集まった時など、鍋物を使うため卓上のガスコンロを使いたい時など、それ以外でも24時間換気以外で窓を開けたいと思う人も多い筈。

高性能住宅で窓を開けることの意味は定期的な換気だけでは満足できない、風を直接浴びたい、解放感を味わいたいなどの気持ちがあります。しかし、窓を開けての通風や換気がなされるのは、温度差や風が実際に吹いているからで無風に近い日や室温と外気温が同じ時には通風や換気は期待できないことを頭に入れておきましょう。

狭い土地という事情もあって、本来は屋根裏の手の届く位置につけられている天窓も、吹き抜けの屋根部分の高い位置につけられ、電動式のものもあります。高い位置の天窓は室内にこもった熱気と匂いを開けることですぐにも排気できるメリットがありますがメンテナンスの事を考えると手が届く範囲にしておきたいものです。

ところで、温度差換気は高気密住宅でも低気密住宅でも温度差と高低があれば利用できる技です。しかし、気密性の低い住宅は内外に温度差がある冬期間では何も意図的に換気をしなくても建物の隙間から非常に多くの換気が図られます。換気が図られるといっても、気密性能が2.0cm2/m2クラスの気密住宅では2Fの給気口から給気されない現象が起こります。そのため2Fの寝室では換気がされないため身体から出た湿気の多い空気が滞留し窓に結露が出るといった問題が起こります。よく結露相談で「2Fの寝室に結露が出る?のは何故」といったことは、これが主な原因です。こうした問題にならないようにするためには、やはり気密性能を0.5cm/m2前後の高気密住宅にする必要があります。
参考:http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-253.html
貴方の家は気密試験をしていますか?


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換気は気密性能によっては計画通りにならない。

現在は、すべての新築住宅に気密性能の善し悪しに関係なく換気が設置されています。しかし、換気を計画通りに成立させるためには気密性能を高めなければならないということは意外と知られていません。
(参考)「換気が成り立つ家の条件とは」↓
http://q1kannkyou.blog15.fc2.com/blog-entry-227.html
RC造りの建物は気密性能が高い!と思っているレベルでも思ったほど機械換気のコントロールができません。できれば隙間相当面積を0.5cm2/m2にすることが理想です。気密の施工技術のレベルを考えると2階建ての場合には最低でも隙間相当面積1.0cm2/m2の気密性能にしないとショートサーキットを起こしてしまいます。
この根拠は、住宅からの空気漏れをなくして空気のコントロールすることができるのは隙間相当面積が1.0cm2/m2以下でないと成り立たない理由があるからです。

一般的に、冬は北西の季節風が吹きます。多くの住宅は北西に台所とかトイレ、風呂などの水廻りを配置する傾向があります。当然、屋外排気口も北西側につけられている家が多く見られます。
気密性能が悪いと北西側に風による圧力(風圧)がかかるので北西側の隙間から給気されてしまい、本来の排気側経路とは逆の空気の流れになることがあります。また建物の隙間が多いと、過剰換気になりやすく換気経路を明確にすることができません。

組写真換気ステムでつくり出す換気の圧力は1.0mmAqにすると、風や温度差換気の影響を受けにくくなります。反対に気密性能が高すぎてもレンジフード を廻した時には玄関ドアが重たくなったりします。お年寄りとか子供が外に出るときのはレンジフードを使っている時には出入りできない現象が起こることがあ ります。
また、建物の気密性能が1.0cm2/m2前後だと真冬日の寒い時には一階の隙間からの給気量が多く、ニ階の隙間から給気は少なくなる現象が起こります。

気密性能が1.0cm2/m2以下になってくると、最もいいことは給気口の設置個数の判断がつくことができます。気密性能にバラツキがある時は換気圧力が安定しません。気密性能が高いと隙間からの温度差換気、風圧換気の影響が少ないため、計画された住宅の換気量(0.5回/h)に限りなく近づいて、換気経路も換気量も非常に安定してきます。
よく、気密住宅は空気が美味しい!という表現を使うことがありますが・・・・この気密性能が最低でも1.0cm2/m2以下になるとこの空気感覚 は実感できるようになります。この感覚は実際に住んでみないと理解されないかもしれませんが、例えばペットが同居していても動物の匂いがしないといった感覚・・・などで判断できます。

このように、住宅の気密性能は換気計画と密接に結びついているため気密性能が高いと、換気計画が半分成功したと思っていいと思います。(後は機械換気の能力にかかってきます。)

換気計画は気密性能によっては計画通りにならないため高い気密性能が望まれます。

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給排気口の位置は何処にする?


排気型の第三種換気システムは気密性能が2.0c㎡を超えると冬期間は温度差換気の影響で二階に給気口からは給気されないで排気される現象が起こります。
20100820-10-1.jpgこの対処方法として当時は給気口を二階の床付近につけることでした。
しかし、この方法は二階につけた給気口は居住者に近いため、給気口からの冷気が床を這うため非常に不快に感じました。また、その冷気は床を這うため天井付近の空気は思ったほど換気されないのです。


20100820-10-2.jpg

そのため、外気を給気する場合は上方給気、下方排気が望ましい設置方法です。
排気型の第三種換気システムは給気口以外の隙間からも給気されているので換気経路の短略(ショートサーキット)はそれほど問題にはなりません。



20100820-10-3.jpg

一方、熱交換気システムは、建物の内外に差圧をつくらないことが多いので換気は機械の能力に依存することが高く、高気密住宅は上方給気、下方排気をすると一階では空気の滞留する部分がでてきます。
これは川の流れで渦を巻いて淀みができるのと同じことです。


20100820-10-4.jpg
次に下方給気、下方排気は二階の床付近しか換気されません。熱交換をしても外気が冷たいので加熱しないかぎりは、床付近に給気することはとても不快です。
ダクトのコスト削減のため、下方給気、下方排気している例が多いのですが、できれば一階と同じく上方給気、下方排気が望まれます。(部屋によっては上方給気、上方排気)室内の給排気口は部屋の対角線上に配置すると最も効的です

高気密住宅といっても建物の隙間から給気されているのが現実ですから部屋で三方が外壁に囲まれている場合は表面積が大きいので当然、隙間も点在しています。この場合十分な給気量を見込めますので、給気口を設けなくてもよい場合があります。

換気計画は気密性能によって給気の位置、換気量が変化しますので先ずは気密性能を上げましょう!
最低でも1.0c㎡/㎡以下を、できれば0.5c㎡/㎡以下にしましょう。


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換気計画のアンダーカット

換気計画で室内の換気経路を確保する時にドアのアンダーカットが一般的な方法です。

20100730-4-1.jpg意外とこのことが理解されずアンダーカットがない住宅がとても多いのです。アンダーカットの幅やガラリの幅が少ないと、その部屋に結露が起きることがあります。
各部屋のドアのアンダーカットは最低でも10mm以上確保しましょう!

ガラりやスリットも同様で幅10mmの隙間は圧損抵抗により実際の開口面積はおよそ半分くらいです。

10mm×600mmのスリットであれば30cm2です。

差圧が9.8Pa時には40cm2分の換気量が確保されます。



20100730-4-2.jpgこのアンダーカットは空気の流通を良くするため、全室暖房の住宅であれば
吸気(排気)口があるトイレやユニットバス、押し入れ等は
(暖 冷房器が設置されていなくても)冬は暖かく、夏は涼しい環境を
得ることができます。しかし反面、音も伝えることになるのでトイレなどは流す音が気になります。その他に音が気になる部屋には、アンダーカットは設けないで、
その部屋ごとに給気口と吸気(排気)口を設けると気にならなくなります。

ただし、給気は防音用の給気口が必要です。またその部屋の気密性を高めないと、せっかく防音用給気口を設置してもあちこちの隙間から音が漏れて効果が小さくなります。
また、その部屋の壁、天井にグラスウールとかロックウールをエコプロファイバー等を充填して吸音効果を高めると効果抜群です。

参考:防音用換気部材取扱いメーカー
http://www.showon.co.jp/bouon/3_syoon/syoon.html
http://www.seiho.com/jp/products/sound/npj.html
http://www.sylpha.co.jp/
http://www.imcompany.com/


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ペットの匂いを防ぐ方法


「高気密住宅でペット(愛犬)の匂いを防ぐ方法はありますか?」というご質問がありましたので旧ブログで投稿したもの再投稿して回答といたします。
飼い主には慣れたペットの臭いも、お客さまからすれば気になるものです。従来の気密を意識しなった住宅では隙間を通して風が強い時とか内外の温度差が激しい時には換気回数が1〜3回/hもなることがあり匂いも気になることがありませんでしたが無風の時と温度差がない時には換気がされない自然任せの匂い消し換気方式でした。

一方、高気密住宅とか気密が高いマンションでは隙間が少ないため自然まかせの換気方式ができないため(風があろうとなかろうと、また温度差があろうとなかろうの方法では)全然換気されない環境になっていて匂いが気になります。

287zgmwnte4mzk2khjhynvyywrvlxj1kfko.jpgそこで、ペットの匂いを気にしない環境を作るためには、ペットの部屋を設け、その部屋も換気計画をすることで気になる匂いは全て解消されようになります。
(写真のワンちゃんはは「ペット共生する高性能住宅」で建てられたM様宅のラブラドールです。)






287zgmwnte4mza2khdhbm4ykwnq.jpg左写真はワンちやんの部屋です。床はコンクリートで仕上げ排水口があり、床が汚れた時には水洗いができるようになっています。腰壁はタイルで仕上げ、その上(「天井までは)は無垢の羽目板で仕上げています。入口のドアーは室内ドアで写真の右側の嵌め殺し窓は覗き窓になっています。

こうすることで、部屋にいるワンちゃんの様子がいつでも確認できることになります。仕切りがない部屋も考えられるのですが、訪問客の中にはワンちゃん嫌いの方もいらっしゃいますので、Mさん宅では個室として提案させていただきました。
ワンちゃん嫌いのお客様の時には「ハウス!!」と命令して専用の部屋に入れてドアを閉めてしまえば普通の部屋に見えます。写真のように常時24時間換気されているのでワンちゃん独特の匂いもなく安心です。

dc041801.jpgまた、ドアーを開けていても、常に匂いは天井につけられた換気システムの吸気口に吸い込まれるので部屋の方には匂いは逆流はしません。床が汚れて水洗いをした場合でも、乾燥機を使っていないのに吸気口(排気)のお陰で翌日には床面がカラッと乾いています。(思わぬ効果です。)

最近はペットブームもあって、換気扇がつけられる例が多くなりましたが局所換気と時間制限運転方式が一般的になっています。これでは、やはり匂いは残ることになりますのでお薦めはできません。
この場合は局所換気ではなく24時間連続運転の換気システムを採用することををお薦めします。


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換気(吸気)量の簡単チェック方法


換気の吸気口を換気風量測定器がなくても簡易に測定できる方法がないのか?
というご質問がありましたので、旧ブログでUPした記事を再投稿して回答といたします。


dc091403 - コピー換気システムの換気量(給排気量)のチェックは風量測定器で測ることが正確でいいのですが正確な風量はわからないが、およそ0.5回/h程度の換気回数が確保されているかを素人でもチェックする方法があります。




その方法はシンプルです。以下のようにします。
20100917-8-1.jpg ①左図のように吸気口(グリル)にティッシュペーパー当ててみます。




20100917-8-2.jpg
②吸気能力が充分であれば左図のようにテイッシュペーパーは吸いこまれて落下しません。



20100917-8-3.jpg ③一方、吸気能力に問題がある場合はテイッシュペーパーは左図のように吸う力が弱いために落下してしまいます。

参考⇒「ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記」kokkoさんの記事⇒http://sea.ap.teacup.com/kokko/328.html

若し、このように数年経って換気量が不足している場合は
下記のような原因が考えられますのでチェックしてみましょう!

換気本体そのものが排気能力が不足している。
グリルの隙間に埃が目詰まりしている。
換気システムのダクトが途中で外れている。
その外れたダクトの中にブローイングの断熱材が詰まってしまった。
屋外排気フードの防虫網がついていて目詰まりしている。
参考⇒http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-165.html
などですが、意外と①の換気本体に問題があるので気をつけなければなりません。
換気の風量測定義務がないため、確認申請上では0.5回/hあっても実測しないので実際の換気量はどのくらいあるか誰にもわからないのです。
YouTube: 換気(吸気)能力



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換気の給気を通気層から取り入れる。

第三種)の換気システムで自然給気、集中排気のセントラル換気システムで、給気は通気層から取り入れるのか?外壁の外から取り入れるのか?どちらの方法がいいのかと聞かれることがあります。

dc022820ww.jpg写真は室内側から見た給気口で形はメーカーによって角型、丸型があります。

この給気口からの外気導入方法は断熱材と外壁の間にある通気層の下水切りから取り入れか?
それとも外壁を貫通して直接外気を取りいれた方がいいのか?

さて、どちらがベストの方法でしょうか?

20070628-2.jpg左図は各方法の断面図です。
左図は外壁を貫通させて直接外気を取り入れる方法。
右図は通気層から外気を取り入れる方法です。


結論からいうと、実験してみると住宅の気密性能や給気口の使用目的によって変わることがわかります。

通気層から給気を取り入れる方法は、直接冷たい外気が室内に入るのを防ぐ目的と、風の強い時に大量に給気口から給気されるのを防止する目的があります。

風の強い時などは外壁から直接給気口を設けた方法ですとかなりの給気量となります。
厳寒期には給気口から大量の冷気が入ると、居住者は給気口を閉め切ってしまいます。そこで、考えられたのが通気層からの新鮮な空気を導入する方法です。風の強い地域、寒い地域ではかなり採用されています。しかし、通気層からでは問題があるという意見もあります。

理由は
(1)温度差換気の影響で、二階の給気口が排気口になり、給気口から排気された水蒸気で窯業系の外壁材の裏側で凍害を起こす危険性がある。

(2)通気層が圧損抵抗となって、給気されないというものです。
はたして、この問題はどうなのでしょうか?
実際は、通気層から給気しても問題がない例があります。
実はこの問題については換気と気密性能が考えられていなかったことに問題があります。気密性能が低い住宅は、通気層から給気すると、温度差換気や風の影響で給気口から排気されてしまうので、先の指摘されたような問題が起きてしまいます。しかし、一方で気密性能が高い住宅は、換気の圧力が確保されているために、給気口からの排気はほとんど起きません。気密性能が高いほどいいのですが、最低目安の気密性能は1.0cm2/m2以下が必要だと思います。スウェーデンやカナダのR-2.000住宅のレベルにすると、換気による障害はなくなるようです。

(3)夏の通気層からの外気導入は外気より高い温度の空気を取り入れてしまう。
これは断熱材と一体成型になっている外壁材を使うと緩和された外気温になり気にならなくなります。それでも、直接外気導入より高くなる可能性があるので暖かい地方では直接外気導入の方がいいと思います。

最近では給気口に過剰給気防止機能がついた商品も販売されるようになりました。
これらの商品は、外壁から直接給気しても、ある一定以上の給気はされないようになっています。
しかし、一般に使われている給気口は給気量がセーブできません。
その場合は通気層からの給気やクローゼットを経由して給気するなど冷気を感じさせない工夫が必要です。
(全室セントラルヒーティングの場合は、その給気口の下部にヒーターを設置することで解決します。)

又、通気層から給気する場合でも、圧力損失の大きい既製品の水切は使わないようにしましょう。

追加投稿(1/29)

コメントに宮城県の菅原様から「換気の給気を通気層から取り入れる。
について貴重なご意見をいただきましたのでコメントをそのまま転載いたしますので参考にして下さい。

>はじめまして、宮城県気仙沼の菅原と申します。『俺の家は高性能!』を毎日、拝見させていただいております。今回のテーマ”換気の給気を通気層から取り入れる。”について 私が考える、ダメな理由をあげさせていただきます。
1.土台、構造用合板に塗布した防蟻剤の通気層からの侵入
2.サイディング裏面のバックシーラー(有機溶剤)からの影響
3.将来的に通気土台水切り部分が隠ぺいされる可能性
4.塀が近接していた場合、地面付近の淀みがちな空気の取り込み
私は建材販売業を営んでおり、取引先の工務店様には上記のことから、換気の給気は外気からの取り入れを推奨しております。



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自然換気で換気計画は無理がある。

換気は給気口を設けることで自然に換気してくれると思っている人が多くいます。
しかし、換気には空気を動かす何らかの動力が必要になります。

自然換気の場合の動力は建物の内外の温度差の圧力(暖められた空気は軽くなって浮く力=ドラフト)と風による圧力を利用します。温度差も風もない時には換気されませんが風がない時はほとんどありません。建物には常に少しでも風の圧力が働いています。

しかし、自然換気は風の強弱、外気温の変動で換気量が非常に変動しやすいので意図的にコントロールできません。

一方、自然換気に対して送風ファンで空気を動かすのが機械換気です。換気の動力にはこの自然換気と機械換気があり、全般換気としてはこの二つの方法しかありません。

機械換気であっても、機械で作りだす圧力が、風や温度差換気の圧力より大きくないと、換気経路や換気量がコントロールできません。機械換気は常に一定の換気量を確保しますが自然換気は内外の温度差や風圧力、周囲の建物の状況によってかなりの換気量が変動することと、時には換気がされないという欠点があります。

bfb36e02f0.jpg住宅の気密化の目的の一つには常に換気がコントロールできる環境づくりにあります。そのためには住宅の気密性能を上げて隙間を少なくすることで機械換気による換気の圧力を上げるのです。

風圧や温度差換気の影響を少なくするためには最低でも住宅の気密性能は単位隙間相当面積で1.0cm2以下にする必要があります。(目標値は0.5cm2以下がもっとも良い)

カナダのR−2000住宅の換気計画では、この換気の圧力を1mmAqにすることが理想的だとされています。カナダのR−2000住宅の気密性能はおよそ0.9cm2です。この高い気密性能であっても給気口は2個しか設置しないのです。その理由は風や温度差換気の影響を少なくするための換気設計のようです。

高気密住宅の目的の一つには、計画換気をできるようにすることにありますが実際の現場を見ると計画換気になっていない初歩的な間違いが多くあります。
例えば
①トイレ、浴室等の水廻りに換気扇を設けて局所排気をしているのに、扉にアンダーカットがないので空気の経路が確保されていない。
②給気口の近くに排気口が設けられているのでショートサーキットがある。
③給気口を低い位置につけているため冷気が気になる。
④給気口と暖房器の設置位置のバランスが悪いため冷気が気になる・・などです。


自然換気量は建物の気密性能で大きく違ってききます。気密性の低い住宅は内外に温度差がある冬期間では何も意図的に換気をしなくても建物の隙間から非常に多くの換気が図られます。また、風が吹くことで風力換気が働きます。「どこからかスースーと風が入るな!」と感じるときは隙間から多量の換気がされている・・・あの現象です。隙間風は換気と似ているのですが大きく意味が異なっています。

また、もう一つ似たものに通風があります。
隙間風は窓を閉めていても隙間から入ってくる風を指し、空気が漏れるので「漏気」とも呼ばれています。
従来はこの隙間も換気の一種(自然換気)として考えられていましたが現在は換気と隙間風は分けて考えられています。

一方、通風の場合は風上と風下の窓を開けて室内に風を取り入れて室内の汚染物質や熱を室外に出すことを指します。夏の暑さを自然的の力で防ぐには・・この通風の利用は大きな力になります。
通風は風速2m程度の風が吹いた時などは15分程度通風をすると4人家族(4人×30m3/人=)120m3の換気量を確保できる最も効果的な空気の入れ替え方法になります。この隙間風と通風は換気量は違えどもどちらもコントールはできません。

これに対して、住人の意志で必要な換気量を入れ替えることができるのが「換気」、その換気は高気密住宅の下では、住宅からの空気の漏気がほとんどないので100%機械で強制的に換気をしなければなりません。

換気量を多くするとエネルギーのロスとなり省エネにはなりませんが換気量が少ないと匂いがこもったり、水分が室内に滞留し結露の発生の原因にもなります。

現在は換気量は0.5回/h確保することになっていますが低気密住宅では機械換気量と隙間からの換気量がプラスされるので非常に大きな換気量になってしまうので高気密化が望まれます。

そのためには、この大きな換気量にならないように気密性能が1.0cm2/m2以下の性能を目標とするべきです。

しかし、このレベルの気密性能であっても冬期間の自然換気回数が1.0回/hもあり、さらに機械換気で0.5回/hの換気量を取ることで室内の乾燥は非常に早く進むことになります。

低気密住宅の場合はもっと悪く、自然換気回数が高気密住宅より、さらに多くなるので乾燥感はもっと進むことになります。無風、温度差のない時には自然換気は期待できないので、やはりアバウトな換気計画であっても機械換気に頼るしかないようです。

552zgmwnji1ndkdfq.jpg最近、新築のQ1住宅と同じ室内環境(全室、冬は暖かく、夏は涼しく)をリフォームで得ようとする方が増えています。

しかし、施工がきちんとされていない例が多く多くのクレームが出始めております。

●写真は天井を気密シートで施工されているが間仕切りの気流止めの部分が連続した気密シート施工になっていない例。
この現場は完成時の気密測定で低気密の原因とされた箇所でクレームとなった。


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計画換気がされていても室内環境が良くならない?

前回の高気密住宅だから空気が汚染し結露が出る!? の続きになります。

計画換気が義務付けになったことによって室内の環境が義務化になる前より、室内の環境は良くなったのでしょうか?計画換気の義務化はシックハウス防止を目的に改正された建築基準法ですが、一般住宅、マンションでは公共の建物と違って完成後(引き渡し時の)換気の給排気量の実施の義務化にはなっておりません。そのため、建築確認申請に添付する「居室毎の機械換気設備」の用紙に各部屋毎の気積と換気の種別と排気量と換気回数を記入して提出することで(書類上はチェックはされて・・・・)OKとなります。

書類上はOKであっても実際に換気の排気量が申請通りになっているか実測検証されないため、多くの住宅、マンションの換気排気量は申請通りに確保されていない例が現実が多くあり様々なクレーム原因にもなっています。

では、実測して申請通りの換気排気量があればいいのか?と言うと実は、これも問題があるのです。 換気を実測していても排気側だけ測定して給気側を測定しなければ、これもまた十分ではありません。

排気側だけの測定であれば換気のモーター本体の能力をチェックするだけになってしまいます。若し、確認申請用の換気用の書類の排気量と同等以上の換気量であればOKのような気がしますが、本来居室から計画的に外気を導入されているかこれではわかりません。

建物全体として考えれば何処から外気が導入されているかわからないけれども一応、換気回数は合格だということになるわけです。

20071022-4.jpg●写真は給気量を測定している様子。貴方の寝室の給気口からは外気は一切入ってこないかもしれません。

では、どうするか?

それは給気口の給気風量を測定する必要があることの他に気密性能を高める必要があることなのです。(例えば、隙間相当面積が0cm2/m2の場合は吸気量=給気料となる筈です。)実際には隙間相当面積に比例して隙間が増えることで給気口からの給気は減っていきます。

以前に隙間相当面積は1.0cm2/m2以下にした方がいいという記事を書きましたが、こんなことが大きく関係してくるのです。


隙間が多いと換気を計画的にはできないため
(1)室内の相対湿度が上がり、特に給気口がある部屋に、冬だけではなく夏も結露が発生してカビやダニに悩まされることがよくあります。

(2)隙間が多いと外風圧に左右されて換気回数にバラツキ(多くなるため)が出るため暖冷房費が思ったよりかかってしまいます。

それではどうすすればいいのか?・・・というと

(1)隙間相当面積を1.0cm2/m2以下になるように気密化を図る。(必ず気密測定をする。)
(2)換気システムの排気能力がカタログの数値だけでなく実質施工状態で排気能力があるものを設置して換気の給排気の風量測定をする。
といったことがポイントになります。


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換気による空気の質

室内の空気を綺麗にすることが換気の大きな役目ですが引き渡しされた住宅に設置された換気の実測換気量を提示されることはほとんどありません。

換気設計をする設計士さんも換気を取り付けする業者さんも設置した換気の換気量を実測することはほとんどないのが実情です。提示の要求をすると住宅の全体の設計上の換気量の計算値を表示するだけです。

実際の換気量や各部位の換気量は必ず提示してもらいたいものです。

(かといって、きちんと設計上の換気量を実測をする設計士、施工業者さんも少なからずいることも知っていただきたいと思います。裏を返せば・・・こういう設計士、施工業者さんに新築、リフォームを任せることができる目安になるのではないでしょうか?)

727zgmwmji0mteoj0oqrjephzu.jpg空気の質は敏感な人なら完成時の匂いで判断できます。現在はシックハウス対策で新建材も比較的に安心できる建材が使用されるようになりましたが、換気システムが作動していても、あまり敏感でない人も新建材の匂いを感じたり、違和感を感じることがあります。
これは換気システムが効果的に働いていないことが原因です。
反対に換気システムが設計上の換気量が実測の換気量と合っている住宅の場合には・・空気はとても新鮮で美味しいという感じがあります。(例えば室内犬がいても換気システムがうまく働いている住宅はペットの匂いは気にならないものです。)

空気が綺麗にならない理由は、気密性が低い、内外差圧がない、換気量が少ない、換気設計が不良、換気のフィルター詰まり、換気のダクトの外れ、気密性能の低下などが上げられます。

dc120502 - コピー気密性能が悪い住宅でも生活臭がすることあります。
これは換気効率が悪いためです。
自然換気回数が3.0回/hの住宅でもペットの匂いや仏壇の線香の匂いがしみついていることがあります。

一方、気密性は高い住宅で換気回数が0.4回/hと換気量が少なめであっても、まったく匂いがしない住宅があります。空気の質は換気量には比例しないのです。
空気の質の良さは気密性能を高めることで換気効率がよくなり、空気の質を高めることができるのです。

換気が悪い時の現象は①新築時の匂いがする。②匂いがこもっている。③陽が室内に差し込んだ時に細かな粉塵が光の加減で見える。④窓に結露が見られる。などの現象が確認されます。

新築、リフォームをする場合は
空気の質にこだわる設計士、施工業者に、そして換気量を実測する設計士、施工業者依頼しましょう!



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高気密化によるショートサーキット

建物の気密性能が0.5cm2/m2くらいに高くなってくると換気計画がとても重要になってきます。

第三種型の集中換気システムの採用されている多くの高気密な建物は給気口以外の隙間から給気されている場合がとても多いのです。しかし、隙間が少ない高気密の建物になると換気計画をしっかりと計画しないと室内で発生する匂いの排出が悪くなり室内の空気が思ったようにきれいになりません。

ショートサーキット現象の動画をご覧下さい。
※これは給気口が一個もないRCマンションでレンジフードとトイレと浴室の換気扇の排気口が近いため起こってショートサーキットの現象です。給気口がないためモーターの能力が弱い方が給気口になって強い方が排気口になっています。しかし、給気口は一個もついていないこの現場では必要とされる箇所に給気口がないので当然、排出されず室内に空気の淀みができています。

所謂、高気密化による換気計画の間違いでショートサーキットの発生です。

仮に建物の隙間がゼロで給気口が計画的にについている場合は、この排気口からの給気量は排気量に等しくなるので、換気風量測定器の羽根の回転速度は速くなります。そのため、室内全体の容積に対する換気回数は自由に設定ができる筈です。(しかし、この現場では隙間がない筈のRCマンションでしたが、パイプシャフトと浴室廻りの天井に大きな隙間があるため給気量は分散され少なくなっています。そのため、排出しようとする動画での給気側になっているトイレの回転数は緩やかになっています。)


一般的な気密住宅と言われている住宅でも建物全体の隙間から給気され換気されています。
そのため、換気計画で取り付けた給気口からの給気量は思ったほど(計画したほど)多くはありません。

一方、高気密住宅で給気口からしか給気されない時に給排気口の位置を間違えると空気がきれいにならないショートサーキットが起きてしまいます。

気密性能が低い場合は空気がきれいになりませんが0.5cm2/m2を超える高気密になると、換気計画の良し悪しが空気の質に大きく左右するようになります。

換気の機種選定には何がいいのか?だけではなく
換気のルート設計にも充分な時間をかけて検討することが室内の空気の質を高める方法になります。


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●換気の選定と換気計画は時間をかけるようにしましょう!

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換気計画でのレンジフード対策(続)

換気計画でのレンジフード対策では気密が高い住宅の場合には同時給俳型のレンジフードを使うことをお勧めいたしました。

では、この同時給俳型レンジフードを使えば問題はないのでしょうか?

特にオール電化の普及とともにIHヒーターを設置する方が多くなりましたがガスコンロ台とは違ってIHヒーターは上昇気流が弱いため吸い込みが悪いという声も聞きます。一般的なレンジフードの排気風量は、ガスレンジの一酸化炭素を排出するための理論俳ガス値からきています。

ガスを使うために、延焼しないようにレンジフードの配置位置(高さ)は1.0mと高くするために排気量の大きい換気扇を使う必要があるのです。
※各行政によって若干違いますが一般的に換気扇にフードが付く場合(一般的な家庭用)1m以下となっています。

普及品のレンジフードの中には排気量は平均500〜600m3/hで700m3/hというものもあります。しかし、実際の換気量はパンチングフィルターが標準装備のため抵抗が大きいのです。、さらに油汚れ防止のためポリエステル繊維のフィルターをつけることで排気量が大幅にダウンしてしまい200m3/hあるものは良い方の部類に入るようです。

IHクッキングヒーター使用の排気能力は実験でわかるように弱運転では排気が不十分、強運転にすると排気する能力はほぼ100%あるのですが、あまりにも強いため計画換気上の換気のバランスが崩れてしまうのが欠点となります。レンジフードの実質排気量は100m3/h前後あれば十分ですのでIHクッキングヒーターを使う場合には1.0mの高さではなく極力低い位置までレンジフードを下げることで効率がよい排気ができて計画換気にも影響が少なくする方法です。

その他の対策としては
①同時給排を使ってもレンジフード専用の給気口をレンジフードの傍に設置する。
②一般の同時給排型レンジフードの給気は自然給気ですが、第一種換気装置のように給気を強制的にモーターで給気するものを選ぶ方法もあります。しかし、これらの方法も計画換気のバランスが崩れないように排気能力を考えながら設定することがポインとになります。

下の動画は我が家のIHクッキングヒータ仕様で同時給俳型レンジフードを使った場合の排気能力の実験風景です。


※我が家の同時給給俳型レンジフードはフードBOXの上部から自然給気方式ですので弱運転では吸い込みが悪いので強運転にしています。ただし、排気されている間は計画換気のバランスは崩れてしまっています。


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換気扇の音がしても換気はされない !

設計事務所さんから21世帯のアパートの
(建築基準法第12条に基づく共同住宅の定期報告制度の報告のための)換気風量の測定依頼がありました。その調査での換気風量の測定で起こったレポートです。

※定期報告の内容は、書類や図面の保管・整備状況から現地目視調査、作動調査、外壁タイルの打診調査、吹き付け石綿の有無調査、各劣化損傷状況調査など最大で144項目にも及びます。建築設備検査では、機械換気設備・機械排煙設備・非常用の照明装置の状況と能力チェックが必要で風量測定や作動・点灯試験等も含まれており、メンテナンス記録等の書類や図面の保管・整備状況も同じく含まれております。

一般的に風速2速の台所のレンジフードは切り替えスイッチで弱で360m3前後、強で600m3前後ありますが・・各室のレンジフードの排気フードに風量測定器を当てて測ってみると・・・・なんと360m2以上あった世帯は5世帯だけで残り16世帯は80m3前後しかないのです。

極端に少なすぎるため?????です。

原因は何でしょうか?
(換気扇を交換しなければならないんですか?とオーナーさんの心配顔です。)

そこで、一軒一軒レンジフードを調べ原因を究明することにしました。

20091106-8-1.jpg左の写真は一件目のお宅、台所廻りも換気扇も掃除が行き届いていて、とても綺麗で問題はないように見えます。
モーター音は元気よくファンファンと廻っていて排気音がヴォーと聞こえます。

換気本体の傍にテッシュペーパーを当ててみると十分すぎるくらい吸いこみが強いのです。
なのに、排気フードで測定すると100m3もないから不思議です。それとも ショートサーキットが起こっているからでしょうか?

あるいは気密が高く給気口がないため掃き出すことができないのでしょうか?

実はこの賃貸アパートは気密性が高いRC構造でなく気密は低いSC構造の賃貸アパートなので何処からでも給気される構造になっている低気密のアパートです。

それでは何が原因で排気能力が劣ったのでしょうか?
実は・・・その原因は「な~んだ!」と思う理由でした。

20091106-8-2.jpg

換気扇の本体を調べるために写真のように下蓋を開けて見ると表面の綺麗さと違って汚れがとてもひどいのです。

しかし、汚れていてもファンは勢いよく回っているのを確認できるので何等ファンには問題はないように思えます。



実は排気量が少ない原因は意外な所にあったのです。

20091106-8-3.jpgそれが左の写真です。その原因とはドライバーで指差ししている箇所です。

この部分は風圧で開くダンパーなのですが、そのダンパー問題ががあったのです。写真のように換気の外側を綺麗に掃除されていても内部のファンの廻りを掃除がされていません。

油汚れがひどく、風圧で押し開いて排気するダンパーの周囲が油でこびりついていてダンパーの開き具合(隙間が)小さく排気されない状態だったのです。この周囲を綺麗に油を洗浄すると見事に360m3以上の排気量を確認できたのです。

換気(排気量)が極端に悪い16世帯は全部が掃除しないことで油がダンパーにこびりついたのが原因でした。

空気は目に見えないので、換気扇が動いて、音がしていると換気されていると錯覚してしまいます。換気扇は定期的にきちんとファン周囲も清掃しましょう!


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換気が原因で過乾燥になるか?

現在、ほとんどの住宅では24時間換気が全ての住宅に設置されていますが「換気をするから、過乾燥になるのさ」と言う人がいます。

本当でしょうか?
結論を言うと、過乾燥の人工的原因は暖房と冷房の二つのみで換気が主たる原因ではないのです。

これも本当でしょうか? (ちょと、考えてみましょう。)

435zgmwmte3mdgglscduonzgvsroq.jpg例えば冬に暖房するとどのくらいの湿度になるかを空気の性質から考えてみます。

例えば仙台市の11月~4月の平均気温4.8度で相対湿度は66.7%ですが、ここで暖房を21℃にした場合は相対湿度は22.7%になります。
空気は温度を上昇させることで、空気を乾燥させる性質があります。屋外空気をそのまま室内に入れるだけでは相対湿度は屋外と同じです。つまり、空気が乾燥することは暖房で空気の温度を上げること原因だということがよくわかると思います。
外気温と室内温度の差があればあるほど乾燥空気になります。

反対に、冷房することで空気が乾燥し、のどがカラカラ」になることはよく知られた事実です。
いくら、換気しても温度を変えなければ相対湿度を変えることはできません。「換気で乾燥すると思っていたのは実は間違いなのです。」換気で相対湿度が下がるのは、あくまで室内で人工的に加えた(発生した)湿気(調理、入浴、洗濯、観葉植物の水やり、発汗など)だけです。そのため、余計に室内温度を上げないように工夫することが必要です。

例えば、窓からの日射を多く取りすぎると、温度が上がるため乾燥度は当然増すことになります。あるいは、オール電化で入れた蓄熱暖房器も放熱制御がしづらいので乾燥の原因にもなっています。

対策としては
①自動温度調節器がついた輻射暖房器(パネルヒーター)を使い、オーバーヒートを起こさないように工夫します。
②必要以上に開口面積(窓)を大きくしないこと。
特に東西南面の屋根には天窓はつけない。太陽熱が入り過ぎると温度が上がり、乾燥が進むことになります。
③冬期の室内温度は16℃~22℃程度の範囲で部屋の用途や個人の感覚で決めるとよいでしょう。

日中に20℃以上にした空気は就寝時には温度を下げても乾燥感はすぐに反映されません。

一つの目安としては相対湿度30%の±5%(25~35%)の範囲が標準的なレベル」なようです。
※ヨーロッパ、アメリカ、カナダなどでの過乾燥だといわれる相対湿度は20%以下の場合だそうです。

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冬に肌が乾燥する理由

湿度を示すモノサシには相対湿度という尺度があります。
これは「割合」を示す尺度です。

例えば、相対湿度50%は飽和水蒸気量(空気中に目いっぱい水蒸気を含んだ状態の量)に対して半分の水蒸気量があるということになるのですが飽和水蒸気量は温度によって異なります。
例えば、0℃の空気の場合、飽和水蒸気量5gの半分2.5g、30℃では30gの半分の15g含んでいる意味になります。

つまり、0℃と30℃の空気では相対湿度が同じ50%でも水蒸気量そのものは6倍も違うのです。
その他に湿度を示す尺度には絶対湿度というものがあります。
これは1m3の空気に含んでいる水蒸気の量を表します。
単位はパーセントではなくグラム(g)で表します。
「ある温度の空気に何グラムの水蒸気を含む・・・。」といったっ場合の何グラムが・・・絶対湿度になります。

この絶対湿度が結露を考える上で重要です。
何故かというと,0℃と20℃の空気に含まれる水蒸気量を比較するためには相対湿度というモノサシは不適当なのです。

408zgmxmjewmdcoj0oqrjepidy.jpg相対湿度と絶対湿度の関係をもう少しわかりやすく説明すると
空気は水蒸気を入れる器(コップ)を持っていて、温度によってそれぞれの器の大きさが異なります。高い温度の方が器は大きく、低い温度の場合は器は小さくなります。

そこで,その器に入っている水(水蒸気)の量が絶対湿度,器(コップ)の目盛のどの辺まで水(水蒸気)がはいっているかが相対湿度というものになります。器(コップ)の水(水蒸気)がいっぱいになり、つまり湿度が100%になり、水があふれると結露です。

相対湿度は夏も冬もあまり変わりはないのに夏は蒸し暑くて、冬は肌が乾燥するのは、この相対湿度と絶対湿度の関係で説明ができます。つまり、冬の外の空気は極端に水(水蒸気)の量=絶対湿度が少ない(小さい)ので乾燥肌になりやすく、その上に室内でさらに暖房して温度を上げるのでさらに乾燥肌を助長させてしてしまうのです。

以前にも説明しましたが過乾燥対策は室温を下げることで改善されます。
省エネ対策上でもいい方法ではないでしょうか?
23℃の人は20℃に20℃の人は18℃にです。
ちなみに、我が家では今年から18℃にしています。

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換気計画の給気口の冷気処理

冬に向かい寒さが増してきますが換気システムの給気口はつける位置によっては、ある工夫をしないと・・・冷気流を感じて快適さが失われてストレスが溜まるようになります。
換気の種類には大きく分けて熱交換タイプの第一種換気装置と集中排気システムの第三種換気装置がありますが第三種の換気システムの給気口については以下のように工夫あるいは冷気流を防ぐ給気口を採用することをお奨めいたします。

dc100227_3.jpg一般的な第三種換気システムの給気口は左写真のように外壁面に取り付けられます。しかし、寒い時期には気密性能の高い住宅は給気口からの冷気が居住者に不快感を与えることなく室内に新鮮な空気を取り入れる必要があります。気密性能の低い(例えば1.0cm2/m2以下でない気密住宅の場合は、給気口をつけなくても隙間から給気されるので不快だという感覚がありません。
だから、高気密にすると給気口が必要になり、冷気が感じるのであれば気密住宅でない方がいいのではないか?という疑問が出てきますが・・・気密性が低い住宅に設計上計画された給気口をつけると、建物の内外の差圧が低下し、思ったような換気が得られないのです。このことは以前にレポートしました。

dc1002281_5.jpg給気口からの冷気は直接下下降します。写真はパッコンと言われる外国製の給気口ですが隙間の大きさの調整と閉じる、開ける機能がついていますが何も手を加えないと直接冷気が下降するために・・・その周囲に例えばベットがあると安眠できないことがあります。

最近輸入品の給気口は冷気が下降しないように、冷気ストッパーがついている物が増えてきました。

左写真では従来の給気口に簡易にテープで下降防止をした様子です。見栄えが悪いですがテープの幅の大きさで自由に調節することができます。

dc1002311_2.jpg 左の写真は給気口の蓋が左右、上下自由に隙間と角度を調節ができて冷気を緩和させる工夫がされています。
この他に似たような物に角度が変えられないが隙間を塞ぐストッパーが自由に変えられる物もあります。また,外気温に連動して隙間を開閉する温度センサー付きの給気口もあります。すべて、輸入品の給気口です。
冷気がそれほど問題となっていないのは、気密住宅といっても、意外と住宅の隙間量が大きく、給気口からの少ないため問題にならないのです。

例えば気密性能が2.0cm2/m2の住宅の一個当たりの給気量は6m3前後、1.0cm2/m2の気密性能であれば10m3前後、0.5cm2 /m2の気密性能であれば15m3前後が給気されます。つまり、気密性能が高ければ高いほど給気口からの冷気が多くなり、あるいは給気口の設置数が少ないほど冷気が多くなります。そのため、冷気を防止する対策を取る必要があるのです。

第一種換気装置の熱交換タイプのメリットは冷気を加熱して室内に取り入れることですが、第三種換気システムでも、工夫次第で冷気を感じさせないことができます。
例えば居住域以外のクローゼットや納戸などに給気口を設置する方法です。
本来、第三種換気装置の給気口の設定は全室暖房で窓下にパネルヒーターを設置することが基本ルールです。このルールが守られれば上に給気口があっても冷気は緩和されて不快にならないのです。

いずれにしても、この給気口からの冷気流の不快感は気密住宅に住んでみないとわかりませんが・・・この部分まで深く考えてくれる設計事務所、工務店に依頼したいものです。


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換気計画でのレンジフード対策

レンジフードのファンは24時間換気システムのファンの能力より大きいのが一般的です。
そのため、レンジフードを回すと室内の換気バランスが崩れてしまうのが欠点でした。気密性の高い住宅は玄関のドアが重たくなったり、住宅の間取りによっては換気経路がバラバラになることもあります。

一方、気密の低い従来の住宅では隙間だらけで、それほど問題にはなりません。
高気密住宅でのレンジフードの取扱には十分に配慮する必要があります。

737zgmwnzixmdeoj0oqrjepki9dkk4xkv8x.jpg室内の圧力バランスを崩さないようにするためには同時給俳タイプのレンジフードを取り付けるとよいでしょう。
但し、給気口と排気口の取り付ける位置はショートサーキットが起きないように十分離して設置することが大事です。
最近、私はショートサーキットを防ぐために給気は外壁通気層を利用することをお勧めしています。
そのため外部から見て給気フードはなく、排気フードしか見えません。

737zgmwnzixmdeoj0oqrjepki9dkk4ykv8x.jpg排気タイプのレンジフードでは、排気量が多くなると給気口からの給気量が増加してしまいます。そのため寒い時期ににはその給気口付近は冷気を感じ不快な室内環境になってしまいます。
(この排気タイプのレンジフードを採用する場合には、給気口に給気量をある一定の量を給気しない調節機能がついた給気口を使ったり、給気口の真下に暖房機器を置くことで冷気を和らげるようにするとか、レンジフードの壁面近くにレンジフード用の給気口(同時給俳の役目を果たすように)をつけるなど工夫が必要です。

※ただ、この排気型レンジフードのほとんどは密閉ダンパーがついていないため未使用時には給気口になってしまうのが欠点です。そのため冬季にはレンジフード付近は冷気が入り寒い空間となってしまうのでお勧めできる方法ではありません。同時給俳型レンジフードは少しコストが割高になりますが・・・こちらを使うようにするべきです。)

最近は高気密・高断熱住宅を基本とするることは当たり前になっていますが、このレンジフードに関しては意外と意識が薄く、同時給俳のレンジフードを設置している建築業者が少ないように見受けられ残念に思います。


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tag : 換気

換気システムの騒音対策

換気システムはメーカーによって若干異なりますが換気容積が増えるにしたがって換気システムは2台つけられることになります。その結果2台もの換気システムは騒音に悩まされる可能性が大となります。

騒音からの苦痛から逃れるために別途メンテナンス室(給湯、暖房用のボイラーとか換気システムが室内に取り付けられている専用の部屋)を設け、天井、壁の周囲をグラスウール、ロックウールなどの吸音材で包み込むと騒音に悩むことなくなります。

しかし、メンテナンス室が設けられない場合には、ダクト方式の換気システムは邪魔物扱いにされることになり1Fの天井裏(ユニットバスの上、物置、洗面脱衣室)に設置されることになります。
2Fも同様にクローゼットとかトイレなど寝室からできるだけ離れた所に設置されますが騒音対策は十分なされず施工されること多くあります。

できれば先に説明をしたメンテナンス室に換気本体を設置するように計画されることをことをお勧めします。

649zgmwmti4mjt5w.jpg一般に換気システムのファンからの騒音は、ダクト内に走る空気によって伝わる空気伝搬音とファンの振動が壁とか構造材を通じて伝わる個体伝搬音の二種類があります。

これらの原因は主に換気ファンなのですが、その発生する騒音は各メーカーにの換気ファン自体の特性によって異なります。換気ファンの効率のが悪いものは騒音が大きくなります。また、換気ファンの出力が大きなれば発生する騒音も大きくなります。

そのため、どの換気メーカーにするかは最大出力時における換気ファンの騒音値をチェックすることが重要です。換気の稼働時のファンの騒音はゼロにすることは不可能ですが、換気システム全体で騒音を低減化できる方法があります。個体伝搬音は、主に換気ファンの回転振動によって発生しますので換気本体を設置する面を防振ゴムや金属バネなどの防震材料である程度は軽減することができます。
また、空気伝搬音は換気ファンの羽根車が発生するものでダクト内を通じて伝搬されます。

ダクトの音の伝搬音は写真のように消音ダクト(上写真は換気本体から外壁を貫通させて排気させる中間に排気音防止に消音ダクトを使っています。)

それでは、換気本体の騒音対策は防震ゴムとかバネ以外にはどうしたらいいのでしょうか?


649zgmwmti4mzd2q.jpg写真は屋根断熱の外張りで発泡系プラスチック断熱材が使われた現場(2F)です。
断熱材の端材を使い、換気本体を包み込む消音BOXを造ります。
その消音BOXの中にはグラスウールかロックウールとか繊維系の断熱材をを充填すると騒音に悩まされることはなくなります。
(注)消音BOXはメンテナンスがしやすいようにBOXの取り外しができるように工夫をします。
こうすることで、ほぼ換気本体からの騒音は防ぐことができます。

気密住宅の防音対策
649zgmxmjazmzb38w.jpgこちらの写真は1Fのユニットバスの天井に取り付けられる換気本体の騒音防止方法。
ユニットバスの天井など1Fの天井のフトコロは小さいため消音BOXを造るメンテナンスがしずらくなるので現実的ではありません。
そこで、その周囲(天井、床、壁)に繊維系の吸音材を充填して換気本体からの騒音をここで吸収させて騒音防止をするようにします。
写真は2Fの床下(ユニットバスの上)にエコプロファイバーかグラスウールを充填吹き込みします。(写真は吹き込むためのネット貼りの様子。)

※その他換気本体以外に騒音となる原因にはダクトのジョイントがT型とかV型にダクトが枝分かれする所に空気抵抗がかかり音が発生します。
この部分も気になるようであれば繊維系断熱材をその部分に巻きつけるようにします。




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換気扇が原因でカビが生える。


この記事は2007年8月に投稿したものですが、無料相談に似たようなご相談が3件ありましたので再投稿となっております。(改善に参考にしていただければと願っております。)

換気扇が壊れている!・・・カビが生えたのは換気扇が欠陥だからではないのか?
と建て主はカンカンです。(当然です。)

そこで調査してほしいとA県の地元ゼネコンの建築部長から電話依頼ありました。
この現場は引渡しをしてから1年しか経過していないようなので換気扇の機器そのものが故障であれば1年以内ですから十分無償で交換できます。チェックして新品の換気扇を手配さえすれば1週間以内にでも解決しそうな調査ですから、私に出番はないように思えます。

「換気扇をつけた業者さんにお願いしたら・・・解決ですよ!」

いや、換気扇だけど、その換気扇の能力をチェックしてほしい・・」ということでM様邸にお邪魔いたしました。
設計は主に店舗とかビルを設計する超有名な設計事務所さん(東京)だそうです。住宅雑誌の載っていた「住宅○○賞」の受賞をみて、わざわざお願いしたのだそうです。

「これ!本当に設計事務所が設計、監理した住宅???」
(正直いって、フランチャイズの建売住宅にしか見えません。)

インターフォンを鳴らします。「ピンポ~ン  ピンポ~ンピンポ~ン」

(いくら・・工事に係わっていなかったからといっても、クレームで行くのですから気分ががいものではありません。)

インターフォンを鳴らすと、「ようやく来たか!」という感じの怒り顔でご主人がお迎えです。(歓迎はしないが、欠陥と思われる箇所を直して貰うためには、しかたがない・・・・というそんな様相です。

dc031707.jpg
名刺を交わして、訪問の主旨を説明。
そこで、部長とご主人が他の手直し工事の打ち合わせをしている間、私は調査をすることにしましました。

先ず、一番目に確認しなければならないのは、
第三種換気システムの吸気口部分(汚れた空気を吸って、排気する所)の排気量を風量測定器で吸気する量を測定してみなければなりません。測定は1時間に何m3排気されるかを瞬時にデジタルで読み取ることができます。

一般的に設置される台所、トイレ、クローゼット、浴室等の天井の白いグリルに写真のように当てて風量を測り、その合計が建物の容積の半分の排気量であるかどうか?を確認します。
↓こんな提出書類(一部分)になります。
183zgmwmza4mdfhbm4gicipq5cumski1a.jpg


とろが測定結果では十分な換気量(排気量があることがわかりました。カビが生えた(和室の畳)のは換気量不足の原因であるとは断定できません。

それでは、・・・何か?

思案中にご主人から声がかかりました。「見る所が違うでね~の?」「換気扇はこっちだべ!」
といって指を指したのです。

183zgmwmjexmdrhbm4gicipq5cumskekq.jpg何と!指をさした所は外壁面に取りつけられる給気口(外気を取り入れる所)です。
その換気扇のモーター音がしない。・・・・というのです。
「手を当てても風の出入りが全然ね~べ!」
(交換してけろ!)ということのようです。

ご主人は、この給気口はトイレ等につく換気扇(パイプファン)と同じく排気するものだと勘違いしているようです。
「あの~!これは換気扇ではないんですが・・・」
「ん・・・・!!」

そんな訳で、この給気口の説明をすることになりました。
(しかし、その給気口に手を当てても風の出入りがない・・って言てったな・・・それは、おかしい?)

説明する前に給気量も測ることにしました。
(この給気口は、およそ各部屋に1個以上外壁面に設置されています。開閉時時にパッコンと音がすることからパッコンとも呼ばれているものです。)

184bgrz47kkf4d9w.jpgその測定結果は・・・・・・何と! 
給気量・・・・・・はゼロ(0m3/h)なのです。
給気量はゼロ?(0m3/h)とはどういうことなのでしょう?
先の測定では、吸気量(汚れた空気を排出する風量)は建物の容積の1/2の入れ換えがあることが風量測定の結果でした。

ところで、この住宅の暖房はセントラルヒーティングとFFヒーターの併用になっています。
お邪魔した時は室内は暖かく、あまり気にしなかったのですがパネルヒーターに触ってみると異常に熱く感じられたので建物の断熱・気密性能には疑問に思ってしまいます。(火傷する少し手前の温度:触って「あっつい!」といって手を引っ込める・・・そんな熱さです。高性能住宅の全室暖房のパネルヒーターの表面温度はぬるま湯に触るそんな熱さなのです。

そういう訳で室温が同じ20℃前後の暖かさであった場合には建物の断熱、気密性能のある程度の良し悪しは、このパネルヒーターの表面温度の高い、低いで判断できるのです。

そこで、断熱と気密性能も調べることしました。
しかし、気密測定器も熱カメラも持ってきていませんから、目視で判断しなければなりません。
そこで天井と床下に潜って調査することにしました。

184rfndmdmznjmoj0oqrjepb5a.jpgこれは天井の断熱材(GW200mmのブローイング吹込み)ですが指を差している部分は間仕切間の隙間部分(気流止め)です。防湿シートを張っているものの、隙間部分の先張りシート(気流止め)がないことと、接合部はテープなしですからスカスカの低気密住宅になっています。




184zgmwmza3mdfhbm4gicipq5cumskoj0oq.jpgどの部分かというと、左の薄ブルー色の部分上が2Fの間仕切部分(気密住宅でない場合は、この隙間にGWを折り曲げて気流止めにすることになっています。)下の部分は1Fの間仕切間の先張りシートを表しています。

その先張りシートがない訳ですから、この間仕切間は煙突状態になって、外気が走っていることになります。
当然この間仕切には室内ですから断熱材は充填されていません。気密シートは全体に施工してあるものの、接合部のテープ処理が一切ないようなので、気密測定をしても測定不可になることだと思います。






184rfndmdmznjgoj0oqrjepdlg.jpg同じく、こちらは床下の土台付近です。
赤線で示している部分に土台先張りシートがありません。
床下にはプラスチック系断熱材があって、その上に気密シートがあるものの、外壁側のシートと床のシートとは接合部にテープ処理もない状態です。(黒くなっている所は内部結露発生で土台にカビが発生しています。)

カビの発生原因はこの部分を見てもわかるように
気密住宅ではなく、低気密住宅なため隙間があちこちに点在し、あちらこちらの隙間、特に吸気口の付近の隙間から多く給気されているため、せっかくの計画換気の換気経路が計画通りにならず、パッコン(給気口)から外気を入れることができなく室内の空気が滞留しているのです。
(例:ストローが気密住宅とすれば、吸う方と吸われる口が1個なので給と吸が明確ですが、そのストローの途中にに針の穴が無数に空いていた場合は、先端の口からは100%の給気ができません。その状態がこの現場には見られるのです。)

だから給気量はゼロ?(0m3/h)だったのです。

ということで結論!!
カビの発生(特に和室の畳の間仕切~外壁廻りの畳に多く発生)は低気密住宅であるがため、換気ルートが切断され空気が滞留、また断熱材の施工不良による内部結露~表面結露の発生~カビの発生と連鎖的になったことが原因でした。

しかし、このことをゼネコンの建築部長に後日書類で報告しましたが建て主様に報告されているか疑問です。また、有名な設計事務所の設計監理なのに監理されていないのも疑問。

「参考」気流止めの方法






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高気密住宅だから空気が汚染し結露が出る!?


これは2009年7月に2回に分けて投稿したものを引っ越しに伴って、修正、、編集していますが今年になっても同様の問題が発生していますので再投稿しています。

最近、計画換気が義務化されたのもかかわらず室内の空気が計画的に流れず空気汚染と結露に悩まされている住宅が増えてきました。オール電化住宅、高気密高断熱住宅、次世代省エネ住宅、高性能住宅とか様々な言い方がありますが基本は高気密にすることが基本の住宅です。しかし、この高気密住宅が「高気密だから室内の空気が汚染されたり、結露が出るのだ!」と言っている人がいます。

しかし,本当に高気密と呼べる住宅はどのくらいあるのでしょうか?
日本全国では何%あるでしょうか?
調査データーがないのでわかりませんが東北地方で私が何らかで係わった住宅では高気密と呼ばれる棟数は10%にも満たないのです。

dc020220.jpg一方、問題とされる気密住宅は当然ながら換気の義務化で換気システムがついています。換気システムが良好に働いている住宅では空気汚染とか結露は起きない筈です。(しかし、現実的にはけっこうこのことが問題となっています。)それではどんな住宅が室内の空気汚染とか結露に悩まされているのでしょうか?
殆どは、気密性が低く、換気設備が義務化で設置されていても正常に機能していないか、電気代がもったいないと言って止めている住宅です。あるいはマンションのように一定の気密性があるにもかかわらず計画換気が義務化になる前のマンションで換気の配慮がされていない住宅です。

つまり換気がついているが換気の機能が100%は働くように配慮されていない住宅が問題となっているのです。(建築確認申請上では0.5回/hあって合格の筈ですが実測値ではないので問題が残ります。調べる必要があります。)高気密という言葉の意味が人によってまちまちで、言葉だけが一人り歩きしているために、「高気密住宅」が悪者になってしまう側面があります。
住まいと言う屋外から区切られた器の中で人が生活すると、衛生環境は悪化します。塵や埃、油汚れが溜まり、空気も汚れます。また、建材とかタンス等からも汚染物質が排出されます。気密性が高い低いにかかわらず、掃除をし換気を図らないと室内は汚れます。
では何故?空気の汚れが問題となっているのでしょうか?


計画換気が義務付けになったことによって室内の環境が義務化になる前より、室内の環境は良くなったのでしょうか?
計画換気の義務化はシックハウス防止を目的に改正された建築基準法ですが、一般住宅、マンションでは公共の建物と違って完成後(引き渡し時の)換気の給排気量の実施の義務化にはなっておりません。そのため、建築確認申請に添付する「居室毎の機械換気設備」の用紙に各部屋毎の気積と換気の種別と排気量と換気回数を記入して提出することで(書類上でのチェックはされますが・・・・)OKとなります。

書類上はOKであっても実際に換気の排気量が申請通りになっているか実測検証されないため、多くの住宅、マンションの換気排気量は申請通りに確保されていない例が現実が多くあります。では、実測して申請通りの換気排気量があればいいのか?と言うと実は、これも問題があるのです。換気を実測していても排気側だけ測定して給気側を測定しなければ、これもまた十分ではありません。
排気側だけの測定であれば換気のモーター本体の能力をチェックするだけになってしまいます。若し、確認申請用の換気用の書類の排気量と同等以上の換気量であればOKのような気がしますが、本来居室から計画的に外気を導入されているかこれではわかりません。建物全体として考えれば何処から外気が導入されているかわからないけれども一応、換気回数は合格だということになるわけです。
335zgmwotiymdyole2dsoobg4kpd9e.jpg●写真は漏気個所を熱カメラで調査している様子。
開口部廻りの気密施工不良が温度差でよくわかる。
貴方の寝室の給気口からは外気は一切入ってこないかもしれません。
では、どうするか?それは給気口の給気風量を測定する必要があることの他に気密性能を高める必要があることなのです。(例えば、隙間相当面積が0cm2/m2の場合は吸気量=給気料となる筈です。)実際には隙間相当面積に比例して隙間が増えることで給気口からの給気は減っていきます。
以前に隙間相当面積は1.0cm2/m2以下にした方がいいという記事を書きましたが、こんなことが大きく関係してくるのです。最近、計画換気がついているのだけれども、室内の空気が悪いようだとか。結露が出る・・・という相談が増えてきました。
隙間が多いと換気を計画的にはできないため
①室内の相対湿度が上がり、特に給気口がある部屋に、冬だけではなく夏も結露が発生してカビやダニに悩まされることがよくあります。
②隙間が多いと外風圧に左右されて換気回数にバラツキ(多くなるため)が出るため暖冷房費が思ったよりかかってしまいます。
それではどうすすればいいのか?・・・というと
①隙間相当面積を1.0cm2/m2以下になるように気密化を図る。(必ず気密測定をする。)
②換気システムの排気能力がカタログの数値だけでなく実質施工状態で排気能力があるものを設置して換気の給排気の風量測定をする。といったことがポイントになります。


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夏に涼しい家をつくる必須条件(通気層の効果)

通気層工法を採用する目的の一つに、夏涼しい室内環境を作ることがあげられます。

冬季の通気層の目的は壁内結露の防止があげられますが、この結露防止のための換気量と比べると夏涼しくするためには100倍以上の換気量が必要だといわれます。
夏になると屋根が太陽に熱せられて、高温になって小屋裏の温度を上昇させます。小屋裏の換気不足で高温の熱を排熱できなかったり、天井あるいは屋根面の断熱不足が生じたときには小屋裏空間は灼熱になっています。

関東地方あたりでの夏の屋根の最高気温は80℃前後になっているそうです。
この熱が天井の表面温度を上げることになり、体感温度がとても高くさせるのです。

498zgmwntazndaoj0oqrjepiuw.jpg※写真は冬に撮影された熱画像ですが気密性が低いために室内で暖められた熱が小屋裏に溜まっています。夏の場合も同じく80℃前後の温度が写真のようになると想像されます。)

※屋根の温度は80℃前後になっているなんて信じられないような高い温度ですが次世代省エネ基準の気密評定申請での結露の有無判定:Ⅰ地域、Ⅱ地域での夏の屋根(通気層部分)の温度は60℃で計算することになっています。内外温度差でいうと夏の方が冬より少ないと思われますが小屋裏の80℃を基準とすれば温度差は50℃前後もあることになります。
これでは過酷な室内環境です。
例えば小屋裏でストーブをガンガン炊いた状態に似ています。

498zgmwnde1mdhz9g.jpg昔の茅葺屋根の家などはとても涼しく感じられるのは茅葺断熱の効果が十分効いていて表面温度を低くさせているからでした。

最近の住宅は通気層を家全体(屋根、壁)に張り巡らすことで通気層の中の温度を外気に近い条件にすることで暑い輻射熱の影響を少なくすることが可能になっています。

室内を涼しくさせるための通気層は外壁の通気層と屋根の通気層を連続させて棟の部分から熱風を排出させることがとても大事です。

通気層の大きさは大きいほど効果があるのですが防暑が目的であれば45mm以上がベストのようです。
(ちなみに我が家も45mmの通気層にしていますが夏に屋根に上がって棟換気に手を当ててみると、熱風がドライヤーで噴き出したような強さを感じ通気の効果を実感できます。)

このようにエアコンの力の涼しさには及ばないものの通気層の利用で大量の換気を図ることで室内に熱が伝わりにくくすることができ、室内をかなり涼しい環境にすることができます。


冬に室内で暖められた熱が通気層内に排出されて、通気層内の空気を暖めめて、さらに、ドラフト効果によって空気が屋外に排出されるという理論が一昔前までありました。
また、通気層換気の役割のついての考え方は土台から入った外気が軒天、妻換気などの排気口から排出されるのだとも考えられていました。

500zgmwnde3mdeoj0oqrjepilc.jpgしかし、実は通気層内の空気は風による風圧で風上側の通気層の土台水切りから入り上に上がり、風下側では上から下へ流れることが実験の結果解明されました。
その通気層内の換気流速は外部風速のおよそ1/2くらいになるのだそうです。外部風速が3mある時には通気層内の流速は1.5mくらいだということになります。
夏の熱い日であっても風が強ければ強いほど冷却効果が働くということになり通気層がある壁構造には、夏には自然の冷房効果をある程度期待できることがわかりりました。


dc071109.jpg

通気層のない壁構造は、夏の強烈な日差しによって外壁材が暖められて室内の環境を悪化させています。暖められた高温になった外壁材、熱伝導によって室内の表面表面温度を上昇させます。そのため、エアコンを使って室内を26℃に冷やして室内温度を26度になっても壁の表面温度が下がらないため室温より高い不快な体感温度になってしまいます。

(※写真は通気層水切りを使っているが通気ができない悪い施工例)
通気層がある壁構造の場合は外壁材が熱せられても通気層を通じて熱気を外部に放出するので室内の壁の表面温度は室温とほぼ同等になり体感温度は室内に限りなく近づけることが可能となります。

つまり、通気層がある構造の建物は少ないエネルギーで室内を自然に冷房することができるパッシブ的住宅ということになります。勿論、屋根、天井、壁の断熱材の断熱性能と気密性能によっても冷房に使われるエネルギーコストは大きく変わることは周知のとおりです。


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洗濯乾燥機を数千円程度で手に入れる業

157slbeslbhwcc.jpg我が家の洗濯乾燥機はこの写真のように1個のグリルだけです。
価格は数千円程度、ユニットバス(1.25坪)が乾燥室となり洗濯物が干すことができます。





一般的にはユニットバスの乾燥機といえば
157l4gouoqjkyesz5zbiu0o4q.jpgこのような洗濯乾燥機、暖房器がユニットバスの天井についています。
価格は数万円はします。

この代わりに我が家では丸型のグリル1個で乾燥機と暖房の役目を果たすのですから超お得・・・と思いませんか?

なによ!・・・それ!?(乾燥機になる訳ないじゃん!!!)って言われそうですね。

実はこれにはこんな理由があるのです。

それは・・・

157aw1nmdgfja.jpgあ!・・そうそう
もう一つ洗濯物を干す機械がありましたね。
これはあるメーカーのドラム式洗濯乾燥機です。
価格は定価で10万円前後はします。
あればあったで便利なものですが、設置する場所も用意しなければなりませんし当たり前ですが電気代も余計にかかることになります。

オプションの暖房器付乾燥機数万円か
オプションのユニットバス暖房器+洗濯乾燥機の10万円以上に代わるものですから能力がないと思うかもしれませんが十分問題がなく洗濯物は乾燥されます。
それもユニットバスの容量ですから・・・・大量に干すことが可能です。

それは何か?

ちょと条件がつきますが・・・・

その条件とは全室暖冷房ができる高性能な断熱、気密化された住宅の場合に限られます。
気密は次世代省エネ基準の2.0cm2/m2以下の1.0cm2/m2の住宅です。

この位の性能になると換気計画の換気量が計画通りになります。
現在、24時間換気が義務付けですから、この換気(第三種換気システム)を乾燥機のパーツに利用するのです。
洗濯室、あるいはユニットバスの天井に吸気口(室内の汚れた空気を吸気するグリル)を設置します。

たった・・・これだけです。

ただし、換気メーカーの全製品品がいいわけではありません。

一般的には浴室は局所換気扇となります。
そんな訳でユニットバスも一体でできる換気システムが必要です。
参考にメーカーを上げると
エアロバーコ
ユーフレクト
フレクト
ジェィベック
国産では日本住環境のルフロ400等があります。
157kweoypbea2fubnnvdwtpgoa.jpg
●左写真:暖房ボイラーを利用した洗濯乾燥室
●右写真:ユニットバスを利用した洗濯乾燥室
水蒸気は24時間連続で排出されるので24時間乾燥機となります。

●ユニットバス内、あるいは洗濯乾燥室には24時間万遍なく1時間に0.5回の空気(20℃前後で暖められた乾燥空気)が吸気口により引き込まれて洗濯物を干すことができるのです。

洗濯物が乾くと同時に浴室は床面も浴槽内もカラッと乾いてカビの防止にもなります。
電気代は月に100円~1.000円前後です。

新築される場合、あるいは断熱リフォームを計画される場合はこのようにすると余計な洗濯乾燥機、暖房器を購入しなくて済みます。
高性能な住宅で第三種換気システムあればこそできる業になります。


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室内空気汚染を自然素材にこだわるには限界がある。

現在の家づくりは全て自然素材で作ることができません。

121mjawnja5jtjgmtmlmkyxnsuyrmewmdmy.jpgまた、自然素材さえ使えば室内空気汚染が解決できるというわけではありません。
自然素材を使えば揮発性の有機化合物濃度は低くなるものの、換気を行わければ、それ以外の空気汚染物質はたまる一方です。
先ず、最初に行うべきことは換気の導入ですが、現在は換気の義務化によって必ず設置されていますが果たして、換気量が計画的に確保されているか、疑問が残ります。

それは何故なのでしょうか?

計画的に換気量を確保すると、室内の空気は外気と同じくらい奇麗になります。
気密性が悪くても、かなり奇麗な空気になります。
ただし、
気密住宅程度の(隙間相当面積5cm2/m2)では機械換気に加え、
自然換気だけでも1.0回/h程度となり、
冬場の場合自然換気だけでも少し風が吹くと1.0回/hとなり、
室内の湿度は20%以下になることがあります。

加湿しなければ、つらい環境です。

一方、
住宅の気密性が高いほうが
少ない換気量で効果的な換気を行うことができ、
結果的に室内の湿度を適切な状態に保つことができるのです。

前にも、気密性能は1.0cm2/m2以下にする必要があるといいました。
何故、1.0cm2/m2以上ではダメなんでしょうか?
少し考えてみましょう!

答えはこちらにあります。

http://blog.smatch.jp/dannetu/archive/57


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気密住宅の防音対策(換気編)

が家の換気システムもそうですが、
モーターの振動音やダクトを通じての風きり音が
気になることがあります。

気密住宅ともなれば外部からの音も入りづらいのですが、室内で発生した音は当然出づらくなっています。
その分室内音が反響し気になってしまう訳です。
(それが気密住宅の証明みたいなものですが・・)

完成してしまってからは直すことが非常に難しくなります。

114zjawnja1njlfmji1mji1ojzc.jpg●そこでその換気システムの防音対策を考えてみましょう。
現状のセントラル換気システムでも、通常の換気扇でも、あまり音の問題は配慮されていないのが実情です。
また、音が大きくても換気されていないことがありますが、
防音対策なしでも音が静かな換気システムがありますが、定量に換気されていないシステムもあるので注意が必要です。
例えば、浴室の換気扇やレンジフードの音などは配慮されてはいません。
高性能住宅では、音の静かさが性能の一つになるかもしれません。

換気システムが室内で発生する音には
●モーターの発生音及びダクトを通じて隣室に音が伝わる。
●モーターの振動音
●配管の管鳴り
●給排気のグリルの風切り音
●換気本体を露出したための空気伝播音・・・などがあります。
セントラル換気システムの
トータル性能を示す指標の一つに、消音性能があります。
元来、換気システムは空間をダクトで連結し、
空気を空間に流すので、音は伝わりやすくなっている訳です。

しかし、防音対策を取るとコストアップになるので、
一般的には設計段階でもあまり考えられていません。

消音を図るための換気部材には↓サイレンサーダクト
dc050601.jpg
●消音BOX●アイリスダンパー●サイレンサーダクト●防振吊り具などが用意されていますが、コストが安価な換気システムにはこれらの部材が組み込まれていないのが実情です。
114zjawnja1njlfmjeyntg2aku.jpg
一般的に住宅用の換気システムは、300m3の換気能力がついているとした場合には、ファンの発生する騒音は大体40ホンです。
この音をどれだけ少なくするかを考えてみます。
ダクト内を通じて伝わる音は、消音ダクトを採用すると、10ホンほど消音効果があります。
また消音BOXをダクトの間に接続すると、5ホンほどの効果ですが、人の声などはかなり小さく聞こえるようになります。

総合的に防音対策を取ると、一番静かな冷蔵庫程度の運転音(20ホン)にまで下げることができます。
その他にダクトの材質が同じ材質だと振動音が伝わりますが、違った材質のダクトを挟んだり、ゴムのパッキンをかませるだけでも効果があがります。


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気密住宅の防音対策(給気口)

日本で販売されている多くの第三種換気システムはに吸気口は外国製の給気口です。
その多くは、音の対策は施されており、人の声程度は聞こえないほど防音効果があります。

しかし、工事や学校、交通量の多い場所では、耳障りな音だという声があります。高気密といっても少し気密レベルが低いと、給気口をつけなくても、家の隙間から十分給気されています。

給気口は気密性能が1.0cm2/m2よりかなり良くないと内外差圧が下がるだけで、あまり効果がありません。高気密住宅でも、給気口に換算すると、10個の給気口がついているのと同じ隙間量なのです。それなら給気口をつけないか、騒音がうるさいときには閉めて使う方がいいでしょう。

国産の給気口はあまり音の問題を重視されていないようです。
69zjawnja1njlfmji0mziznpjv.jpg(写真のオレンジの部分にグラスウールを詰める。)
●給気口の防音対策としては
①交通量の多い道路側には、給気口をつけない。
②通気層から給気を図り、直接給気口から入る音を軽減する。(ただし、気密性能が高くないと、温度差換気や風力換気の圧力の方が大きく、2階の窓から排気し、外壁材の裏側(通気層)で結露が発生し、凍害が起こる危険があります。)
③給気口のスリーブ管にグラスウールを詰め込んで吸音を図る。

グラスウールを詰め込んだだけでもかなりの効果的です。
気密性能が高いと②と③を併用するとかなりの効果が期待できます。
(但し、埃や塵がたまるのでマメに掃除する必要があります。)

冬は窓を閉め切って生活するので、給気口の効果が上がりますが、夏は自然換気で窓を開けて生活するので効果は期待できません。しかし、窓を閉めて冷房する時は効果的です。
また、熱交換換気システムを使うと、この問題が解決されますが、吸気能力が計画より少ないシステムがあるので注意が必要です。


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掃除が苦手な人のための換気小物

換気システムの
吸気口、給気口の掃除は
平均3ヶ月毎にすることを推奨しています。


住宅を引き渡しする際は換気マニュアルをお渡しし取り扱い説明をするのですが掃除を実行されている方はそう多くはいません。数年経過して匂いやガラスに結露が発生したりして「欠陥住宅ではないか?」という問い合わせがけっこうあります。私もそうなんですが自宅の天井を特に換気の吸気口は吸い込み音が聞こえている間は見ることもないし、気にしないものです。

問い合わせで急いで駆けつけるとほとんどが掃除をされていないことが原因なのです。そんなことがあると初めてこの吸気口の掃除をしなければならないという意識を持ちます。

49zjawnja1njlfmtm4mjayykq.jpg


そんな人のために吸気口の小物を作りましょう。
用意するものはレンジフードに取り付ける油取りフィルターです。
できるだけ硬い素材を使います。

写真のように吸気口の大きさに(丸型、角型)に切り取り・・そのままあてがうだけです。
汚れてくると写真のように汚れで目詰まりを起こして吸い込めなくなると自然に落下します。
後はもう一度中性洗剤で洗い、乾かして再度使用します。

●掃除をするのが面倒臭い人にはお奨めです。
但し風量がおよそ20%ダウンしますので注意が必要です。

換気風量を設定する時に20%増しの0.625回/hにしてもらいこの小物を使えば0.5回/hになり便利です。

稀に新築当時から吸気(排気)能力が少ない換気システムを設置されていることがあります。この状態ではこの小物をセットしても吸う力がないためにすぐ落下します。

テイッシュを当てて落ちない程度であれば大丈夫です。
試してみてはどうでしょうか。


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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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