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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

高性能住宅の温度の仕組み

人を含め、動物は体内でタンパク質を化学反応によって活動のエネルギーを得ています。
これを代謝といいます。
356zgmxmdiymtezki9dkk4xkbef.jpgところが,タンパク質はある一定の温度範囲を外れると機能しなくなります。この化学反応を維持しづけるためには、体温を一定に保つ必要があります。人間を含めて動物のほとんどが、こうして生命を維持しています。

人の体はよくできていて、寒い時には体内で熱をつくり(産熱)、暑い時には熱を放出する(放熱)ことによって、体内の出入りする熱のバランスを調整しています。

それでも寒い時には、震えなど運動を促進して体内で熱をつくり、失われる熱を補っています。暑い時には皮膚の血管を拡大させて皮膚の温度を上げて、体内と皮膚表面の温度差を大きくすることで体内の熱が放出しやすい状況をつくっているのです。それでも放熱量が足りなければ、発汗し蒸発の際の気化熱によって体内の温度が奪われるようにしています。
これらの対応は体温を調節するためのものですが、同時に暑さ寒さの感覚にも影響します。

つまり、産熱より放熱が多くなって体熱が奪われると、いわゆる寒さを感じ、放熱が少なくなり、体内に熱がこもると暑さを感じるようになります。

高性能住宅では、このような産熱と放熱にあまり差がない温熱環境になるので「冬は春のようなポカポカした暖かさの住環境」と言われます。

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住まいの快適さの基準

住まいの快適さとは、温度だけでなく湿度など様々な要素や条件が複雑に絡みあって体感できるものです。
dc031609 - コピー日本のビル管理法では、建築物内の温度条件として「温度17~28℃、湿度40~70%、気流速度0.5m/秒」と規定していますが、この基準が設定されたのは1950年代のこと、現在とはかなり状況がことなります。

現在では、快適基準として新たな指標が提案されています。新たな基準によると室温について季節や作業条件ごとに区分されて、湿度、炭酸ガス、一酸化炭素の量などの規定が厳しくなっています。

しかし、現実はどうでしょうか?

冬期間など、締め切った室内で煙突のない暖房器で長時間暖房している家庭はまだまだ少なくありません。夏期にも、エアコンのパワー全開で、風邪を引きそうなほど、低温にしているところもあります。

適切な温熱条件を、今改めて考えてみたいもの。
せめて、ビルには一応の基準があるのですから住宅にも目安がほしいものです。

■温度は同じでも温感が違う!
人の温度を左右するのは、温度や湿度、気流速度、着衣量、作業量などですが、実際の生活では温度分布や馴れなどの生活の仕方に関わる様々な要因が、人の温感に影響を与えています。

例えば
●適応力
もともと人が持つ汗腺数には民族に差はないのだそうです。
ところが発汗機能を持つ能働汗腺数は調査すると居住する地域によって差が見られることがわかったそうです。日本人には約230万個の能働汗腺があるといわれ、寒冷地に住む人種は150~190万個、熱帯に住む人種では240~280万個と差が見られ、同じ日本人でも、熱帯地方で生まれ、育つと能働汗腺数は多くなり、汗腺の分泌機能が発育する生後1~2年の間に熱帯地方で暮らすことで適応が起こるのだそうです。

次に
●生活習慣
温熱条件には、基本的には年令、性、人種などによる個体差はないそうです。
時には地域や民族によって温感に差が現われる場合がありますが、それは人種差ではなく、その地域の気候や生活習慣によって後天的に獲得した能力や感受性の違いによるといわれます。

例えば1960年代頃の調査で、日本人の快適温度はアメリカ人より数℃高いと報告されました。
この差は当時の日本はまだ空調設備が普及していなかったことが原因だったそうです。
現在ではエアコンの普及でアメリカ、ヨーロッパなどの国々の人たちとの差が見られなくなったそうです。

次に
●馴れ
夏と冬では快適温度範囲が数℃異なります。
実生活の場においても、夏は25℃くらいで冷房を、冬は22℃くらいで暖房をかけてしまいます。

何故?夏と冬で差がでるのでしょうか?
ひとつには、エネルギー代謝が夏高冬低の変動をするからです。
例えば、同じ温度の刺激での発汗量を比較すると、夏の方がより早く多く発汗します。
この発汗反応の季節の馴れは、約1ヶ月かかるといわれています。

●温度分布
昔から「頭寒足熱」という言葉があります。頭の部分は少し低く、足元は暖かくという意味です。
実は、この言葉には根拠があります。
皮膚表面から喪失する熱量は、体の表面積と体積の比で決まり、体積に比べて表面積の大きい手足は、多くの熱を失うというのです。手と足の局所的な温冷感を比べてみると、手の皮膚温が20℃以下になると不快な冷たさ、15℃で極限の冷たさ、10℃で痛みを感じるのに対して、足の場合は手より3℃高い温度で同じ反応を示します。足は体のどの部分よりも冷たさを敏感に感じ取るので足元を暖かくすれば、人はより快適に感じると考えられます。

暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下に沈むことから、室内には温度差が生じます。

しかし、断熱性能と気密性能を高くすれば写真(熱画像)のように各部位の温度差は限りなく縮まってきます。そのため、住まいの快適さは次世代省エネ基準住宅からQ1住宅、さらにパッシブハウスと高い断熱性と気密性が要求される住宅が出来上がると理想的な住まい環境を得ることができます。

パッシブハウスとは?http://passivehouse-japan.jimdo.com/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF-what-is-a-passive-house/

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通風と換気

人の体は気温より体表面温度が高くなると放熱し、さらに発汗を始めます。
風は放熱量を増し、蒸発を助けます。
空気が動くということでは同じなのですが通風と換気は明確に区別されます。
換気は新鮮な空気を保つためのもので通風は暑い時に窓を開放し、室内に気流を起こし体から熱放散を大きくして体感温度を低くするためのものです。

dc0306185.jpg家には窓があります。
基礎をそのまま土間床として利用しない場合は必ず床下に換気口があり、天井断熱の家では小屋裏換気口があります。風を通すことで、湿気を外に出して木が腐るのを防ぎ、熱を排出して快適環境を保ち、そして汚れた空気を外に出し、新鮮な空気を取り込んでいるのです。

高性能住宅では、日常の換気は計画換気によって常時新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気は排気するようになっていますから、通風のみ考えればいいのです。

最近、押入れや床下やロフトに結露やカビが発生するという相談が増えてきました。
雑誌の結露Q&Aを見るとスノコを布団の下に敷き、空気が通れば大丈夫と答えている例があります。
押入れの通気をよくしてやることだけの考えで「気密にすると通気が悪くなるから」と、気密化を嫌う傾向もあるようです。

家についている窓は、外を眺めるだけではなく、風を通してやるものです。
家の中に上手に風を入れるためには、入口と出口を作ってやる必要があります。

建物の風が当たる場合、風上側に正、風下側に負の圧力がかかります。
空気の圧力の差は風の原動力です。
正の圧力の大きな所に風の入口を、負の圧力の大きな所に出口を作ってあげると効果があがります。
ダンボール箱に二つの穴でも作ってやると、簡単に風通しがいい状態を作ることができますが、家はそう簡単にいきません。窓の大きさも関係してきますし、部屋の間取りによって障害も出てきます。窓を正負に合わせて作ってもその間に壁でもくれば通りようがありません。

家を建てる時には設計段階から風の通りを想定して、窓や間仕切り壁やドアの位置や大きさを設定することが大切です。南と北の窓を開けて、さらに東と西の窓を開けてやるようにすると風量は窓を二つ開けただけより増します。

dc030689 - コピー高性能住宅には吹き抜けに天窓がよくつけられます。
その天窓を開放するとスムーズに換気ができます。

壁面の窓と天窓を開けて風を通して排熱する温度差換気が働きます。この換気は給気口と排気口の高さがあるほど効果的なのでメンテナンスが大変です。しかし、天窓は換気の用途としてはとても有利なのです。
通風として窓を開放する時はパッシブ住宅になり、換気をする場合は窓を閉めアクティブ住宅になってパッシブとアクティブ併用住宅が現在の高性能住宅のようです。


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効果温度で考える断熱・気密

暖房方式には大きく分けて個別暖房とセントラル暖房という考え方とストーブなどの空気の温度を高くする対流方式と床暖房や温水パネルなどで壁、床などの表面温度高める輻射方式に大別することができます。

その際,室温と輻射温度との関係を表すのに効果温度という考え方があります。


678zgmwmzi0mdeoj0oqrjepki9dkk4xksip.jpg左図は室温と輻射温度との関係を表す効果温度グラフ
例えば、部屋の平均輻射温度が23℃の場合に室温が15℃しかなくても効果温度は18℃になります。
しかし、平均輻射温度が13℃と低い場合には効果温度を18℃にするためには室温を25℃にしなければなりません。
個別暖房(採暖)住宅で断熱・気密性能のレベルが低い住宅で床暖房をした場合には、床の温度を30℃近くまで上げなければならず、床だけが熱いといった不快を感じるのはこのためです。

表面温度を室温に近づけることで効果温度も室温に近づき理想な快適な室内環境を得ることができます。しかし、予め断熱・気密性を高くした高断熱・高気密住宅にした器を造っておかないと快適な効果を得られません。

部屋の温度は暖房機器をつけることで早く暖まることができますが、壁や床、天井(屋根)、窓などを暖かくするのためにはかなり時間がかかります。また、逆に平均輻射温度と室温の差があればあるほど室温も早く下がってしまい、その差が小さければ、それだけ室温も下がりにくいということになります。

こんなことからでも、快適な暖冷房効果を発揮させる効果温度は断熱・気密性能がとても大事だということがわかります。

冬の寒さ、夏の暑さに拘束されない快適な室内環境づくりをするためには(現在の多くは・・・住宅を契約する場合は暖房を別途工事としているようですが、)これからは暖冷房機器は建物の標準装備品(ユニットバスとかキッチンとかと同じような標準装備品)として扱われれることが望ましいと思います。

※新築、リフォームでも効果温度を理解した上で暖冷房を標準装備として提案してくれる施工業者を選びたいものです。

参考
効果温度T(℃)=室内空気温度T1(℃)+平均輻射温度T2(℃)/2

平均輻射温度T2(℃)=
(壁Aの面積×壁Aの表面温度)+(B)+(C)・・+(窓Aの面積×窓Aの表面温度)+(B)+(C)+・・+(床Aの面積×床Aの表面温度)+(B)+(C)・・+(天井(屋根)Aの面積×天井(屋根)Aの表面温度)+(B)+(C)・・の合計÷壁、窓、床、天井(屋根)の面積の合計



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冬場の室内乾燥問題 の対策

冬場に換気を十分取ると、室内が乾燥して喉を痛めるという話を聞きます。
「昔の家はこんなことがなかった!」と言われることがあります。

昔の家はは断熱も気密も換気も意識せずに作られて、ストーブの上にヤカンを置いて湯気を出していた頃は喉には適度な湿気あって良かったのです。

最近の住宅は、湿度計では冬場には35%前後の相対湿度を指します。
私たちが昔から聞いている「快適な温度は40〜60%」という物差しからは大きく外れています。
そこでその解消方法として
①観葉植物を沢山置いて、その水やりの湿気を利用する方法。
(これには生活主体となるリビングなどに観葉植物を置く。別室にまたグリーンエリアを作り、鉢物や観葉植物などを置きその部屋から湿気の多い空気を取り入れる方法)

②洗濯物を室内に干す方法。
シーツとか毛布のように表面積がおおきいものが加湿に有利です。

③風呂の湯を流さないで、扉を開けておく方法。
などがありますがあまり湿度を高くして結露を起こすと、カビやダニが発生して、逆に健康上の問題になることが考えられます。
③の風呂の湯を利用する方法は、さほど体感的にまた湿度計でも大きな変化はありません。
(やらないよりはやったほうがいいかも程度です。)

組写真mm高断熱・高気密・計画換気・全室暖房がうまくいっている家では冬場で23℃で35%前後を指す時があります。湿度が35%というと、すごく乾燥しているように感じますが、生活して慣れてくると以外にも乾燥感を感じなくなります。

それは室内に隙間風や強制的な温風がないために、空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることがないためのようです。ホテルのように静電気が起きるほど乾燥する話も聞きません。湿度35%前後という数字を気にするよりは、感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。

快適な湿度は40〜60%という説も必ずこのぞゾーンでなければならないという意味ではなくて35%前後でもさほど健康には問題はないのです。また、市販の湿度計は≒10%くらい狂いやすい計器ですから、湿度計の数字はあまり当てにならないということも言えます。



ところで、30%の湿度でも健康上さして問題にならないのではないか?と言いました。
そうは言っても粘膜アレルギーのように乾燥に敏感な方には、やはり何らかの加湿を考えなければなりません。その場合には加湿器のようなもので水を霧状に変えて発生させるのは菌の繁殖などの問題が生じあまり好ましくありません。

鉢ものや洗濯物などからの自然の放湿を蓄えられる調湿性のある仕上げ材を使うのが好ましいと考えられます。この点で珪藻土などは優れた機能性建材となのですが私は少し疑問に思っています。(使わないよりは使った方がいいかな~って感じです。)
(我が家でもけっこう広い面積で珪藻土を使って実験しましたが、体感的に調湿の効果はあるのかは疑問です。例えば梅雨時のジメジメした外気を取り入れるとある程度の湿気は吸収されるようですが塗り厚が10mm~20mm程度ではさほど体感的に感ずるものが少ないのです。また逆に乾燥時期に湿気が欲しい時も期待されるほど体感的湿度が上がるといったこともありません。

昔の土蔵のように200mmとか300mm以上であれば湿気も十分含むことができ、吸湿、放湿することが体感的にわかるのかもしれません。室内の空気を強制的に1時間に1/2回入れ換えている訳ですから余程保湿能力のある厚さでなければ間に合うわけがないのだと思われます。)

それではその他に何か対策はあるのでしょうか?
最も効果があり省エネ対策としての過乾燥対策は室温を下げて湿度を上げる方法です。湿度を様々な方法で上げるのではなくて、室温を下げることで乾燥感をなくすることを考えましょう。

乾燥感が最も気になるのは起きている時よりも寝ている時ですから夜間は室温設定を低くすることで乾燥感を体感的にかなり解消できます。例えば、23℃/30%の空気が18℃まで温度を下げると、湿度は40%まで上がります。
また18℃くらいが寝やすい温度だと経験上思っています。このくらいの温度になると冬でも羽毛布団1枚で心地よい睡眠が得られます。

低温でも肌寒さを感じさせない方法としては、気密性を高めた上で暖房を個別に温度調節ができる輻射と自然対流中心の暖房にするほか、何といっても窓の断熱性能を上げることです。

最近は断熱性能の高いアルゴンガス入りLOW-Eペアガラス、トリプルガラスが販売されています。
これを使うと100mm厚以上の木材とほぼ同じくらいの断熱性がありますので周辺部や空気溜まりが発生するケース以外はほとんど結露は起きません。低温でも快適に生活できるので過乾燥対策をしながら省エネにもなるので家計も大いに助かります。


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何故?高性能住宅にこだわるのか?

215rgmxmjgzki9dkk4ykqxp.jpg高性能住宅?硬い呼び名のため、あたかもぎっしりと仕掛けのある機仕掛けのように受け取られがちです。

しかし実際はとてもシンプルな家だということをご存知でしょうか?
全室暖房を低コストで抑えられるよう、断熱や気密を丁寧に施工し、新鮮な空気を得るために換気を確保してやるだけなのです。全室暖房は、なにも貧欲な環境に対する欲望のためだけの設備ではありません。
暖房という言葉から自分の家にあるストーブを連想するために、とても暑すぎる環境と誤解されることもあります。
暖かさには2つのタイプがあります。
空間の中で部分的に暖かいところがあるのと、空間の中に寒いところがないという2つです。前者は一般な暖房方式で、人間が直接暖房器の側で暖を採る採暖と呼ばれているものです。後者は・・房・・すなわち部屋全体を暖めるという考えです。そのため全室暖房の暖房器は寒いところをなくしようとするもので、暖房器の廻りだけ暑くなるということはありません。

アナタの家も高性能にできる。
●温度差をなくすることが健康
恒温動物である人間は、どんな環境においても、一定の体温を維持するように常に体温調節を行っています。
機能が低下して対応しきれない場合は温度差により脳卒中に悩まされます。東北は地域柄長年脳卒中に悩まされてきた経緯があります。塩分の取りすぎや疲労など複数の要因が重なった結果ですが、東北が長年上位を占めていた原因は採暖の家にあったといわれます。

東北の住まいはコタツとストーブのある居間がほとんどです。しかも室内の壁や天井は外気温に影響を受けて冷えるため、室温が高くないと暖かさを感じられません。室温が20℃でも壁面は20℃以下の効果しか出ません。コタツに入っていれば足元は30℃ですが頭部は10℃。立ち上がれば足元が10℃くらいで頭部は25℃といったアンバランスな環境ができてしまいます。そこからトイレに行けば5℃、風呂も3〜5℃、20℃の温度差に対応しようと体に負担がかかってしまいます。

お年寄りでなくても同じ室内で上下の温度差があるのは体の負担になります。
(こ の環境は私の30年前に建てられた実家です。壁の断熱材はGW16kg/m3を100mm厚に入れて、天井はGW100mm+セルローズファイバー 200mmなのですが気密は測定不可の低気密住宅・・・・サッシは当時としては珍しく枠はアルミであったが硝子はペア硝子、当時としては吟味したつもりで 建てられた在来軸組工法です。)

なのに・・・とても寒い家なのです。

足は寒くて頭が厚いとなれば体温調節も複雑になってしまいます。
温度差はけっして有益ではありません。

家の健康のためにも温度差をなくする
温度差のある家で問題にある現象がもう一つあります。それは・・・・結露です。冬は多くの家庭が結露に悩まされます。空気は温度によって含有できる水蒸気量が決まっています。

水蒸気がその限度以上、あるいは同じ湿度で温度が低くなった時、温度と湿度のバランスが崩れて結露が発生するのです。

dc022657.jpg
写真は低気密住宅とファンヒーター使用に起きたサッシの表面結露の状況
家の中で一番温度差を起こすところが窓というのもうなづけます。

しかし
結露は窓だけに発生するわけではありません。
布団がジメジメして重かったり、使っていない部屋がカビ臭かったり、使っている部屋は暖房によって湿気が多くてもそれを暖かい空気が受け止められるのです。

また、風通しを良くすれば風によっていくらか乾かすことができて多少は抑えることができますが根本的な解決ではありません。

温度差がなくならないかぎりは、いくら窓を拭いても、除湿器を回してもいたちのおいかけっこです。
結露は臭いや埃なども吸着させ、だんだん薄汚れて、家への愛着も薄れてきます。

結露で一番困ることは結露の水分でカビが繁殖しそれを餌にダニが増えること。アレルギーの2大要因に家を乗っ取られては大変です。家に使われている木材も住む人も大きな温度差がなければ、体に負担がかかりません。

216rfndmdm1mjtz8g.jpg
そこで全室暖房の登場です。冬はとにかくすべての部屋が同じ温度になるように家中を暖めてやる。夏は逆に涼しくしてやれば温度差がなく、結露も起こらず快適に暮らすことができます。自分の家も歴史的建築物と同様に100年先まで現存させることは夢でありません。
それは高性能住宅だからこそできる業なのです。

写真は全室好みの温度に設定できる温水パネルHRヒーターの自動温度調節器



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高性能住宅をつくるこだわり

日本での高性能住宅はQ1住宅という次世代省エネ基準より上回る省エネ住宅が少しづつ普及しつつありますが、全室暖房という意識がある住宅はなかなか普及しないのが現状です。

全室暖房は家をシュルターとしてとらえている西洋文化圏で発達したものですが、その快適性、安全性からパネルラジエーターや蓄熱暖房器が脚光を浴び ものの、その機械の最高能力をもってしても暖まらず、コストが高いなどで敬遠されるという問題起こりました。

ライフスタイルも西洋化し、家も洋風に近い西洋化の家がどんどん建つようなったものの、実はそれは目に見えるところだけ真似た住宅が多かったような 気がします。

日本はいまだにセントラルヒーティングは贅沢だ!
高い!という考える方がいまだにいらっしゃいます。

高いのはセントラルヒーティングの設備能力が悪いのではなく、熱の損失がとても激しい低気密住宅であるからです。高いコストの全室暖房を低コストで実現する 方法は家の断熱・気密化の出来不出来にかかっていることを意外と理解されていないのです。

全室暖房を贅沢と感じる日本では先に断熱化が浸透しました。1970年代のオイルショク以降に省エネを考えて家の断熱化が急速に進みました。家のつくりがしっかりすれば、ガンガンと暖房あるいは冷房をする必要がありません。冷蔵庫のドアが開いていれば電気代がかかる割には食品が冷蔵されないように、家が気密化されていなければ暖房費、冷房費もかかる割には快適な住環境にはならないのです。

断熱・気密によって家の性能が良くなるほど暖冷房のエネルギー使用量が少なくなり、使用期間も少なくなってきます。この断熱・気密の技術が、かっては高くつきすぎて普及しなかった全室暖房を可能としています。

断熱と気密はきってきれない関係にあります。
気密層は冷気の侵入を防ぐ役割の他、もう一つの大きな役割をもっています。
それは防湿層としての働きです。

室内で発生する湿気が壁の中に入り、そこで結露が起こると構造体が腐朽菌によって冒される危険があります。

室内の湿気が壁の中に悪さをしないようにバリアとして室内側に気密・防湿層を施すのです。
気密・防湿層は主にポリエチレンフィルム0.2mmなどを用いますが・・・これだけではビニールハウスで暖房しているようなもので結露が起こってし まいます。

その結露を抑えるのが断熱材の役割です。全室暖房ではなくても断熱材で室内の結露を防ぐことができます。しかし、とてつもない厚さが要求されます。

dc102714 - コピー●写真は先張りシートの施工後の状態

そして、断熱材が厚くなればなるほど、内部結露が起こりやすくなります。外側にいくほど外気温に近づいていくためです。断熱・気密・全室暖房は本来分けて考えていけないものなのです。

しかし、気密化を図ることによって、呼吸や燃焼による空気の汚れや、水蒸気などを室内から排出できません。そのため、室内の空気を燃焼させ、汚 れた空気と水蒸気を室内に戻す開放型のストーブやファンヒーター以外の暖房器を使用します。

家の大きさや家族構成、ライフスタイルに合わせて換気計画を組み、新鮮な空気を確保します。新鮮な空気がどこから入りどこから抜けていくか、計画を 立てて出入口を決めます。

機械換気による換気システムの場合は給気口にはフィルターがついています。そのため外からの空気に混ざり進入してくる有害物質を取り除いたクリー ンな空気を取り込むことができるので、花粉症やアレルギーの症状が軽くなったという例もあります。

気密の悪い家では逆にこの計画が立てれません。例えばトイレでファンを回した時に、気密を意識しないで建てられた一般の住宅ではコーナーや建具等の 隙間から汚れた外気をダイレクトに取り入れたり、隙間同士で換気を行ったりしているのです。

だからこそ・・・手に入れたいのが高性能住宅です。

断熱・気密・換気・全室暖房を整えた住宅のこだわりは家を建てる上で必ず持つべきです。

どれかをないがにしろにすれば、その家の性能はバランスを崩して不快な家となります。

気密層が途切れていたり、断熱材がたるんだり、隙間があくような中途半端な施工では、結露被害を助長することになり、省エネ効果も減少して省エネの 目的と反対の環境をつくってしまいかねません。誰も寒い家(暑い家)は欲しくはないし、短命な家も欲しくはありません。

※気密についての意識は施工者側が当り前の技術としなければならないのですが、残念ながら気密の技術は特別なものと受け止めて必要のないもの、ある いは中気密でいいと思っている施工業者が多いことは残念に思います。一方、施主様の方が施工業者より断熱・気密の勉強をされて自分で気密工事をする。・・ といった方が増えています。

(住まい環境プランニングはそんな方を応援いたします。)

気密・断熱施工についての相談をスタッフのブログで無料で受け付けしています。

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人体と照明の熱容量と蓄熱性

室内に大勢の人がいると、暖房しなくても部屋が暖かく感じられることがあります。

318zgmwotaxmdhz_w.jpgこれは人の体から発する熱が原因です。
人は作業量や室内温度との温度差に応じて放熱していますが、安静にしていても体内の栄養分を消化することで熱エネルギーを生み出しています。照明や調理器具、テレビ、冷蔵庫からも熱が発せられています。

夏の場合には、
これら熱は冷房の妨げになりますが冬には室内の温度を温かく保つ助けになります。(室内の冷房の妨げにならず、冬には捨ててしまう熱を利用する方法としては暖房ボイラーを室内に取り込んでしまうことです。熱も利用できますがボイラー本体が風雨にさらされないため寿命が倍以上持ちます。)


暖冷房計画の際には部屋の広さだけではなく、どれだけの人がいるのか?
どんな熱源があるのかといった生活の仕方をも考慮しなければなりません。
室内の温熱環境は、気候条件、壁体の素材や厚み、照明器具、冷暖房器具など、様々な要素によって形成されます。

人にとって最適な温熱環境づくりを計画するときは冷暖房器具による発熱を考慮するだけでは十分ではありません。
室内はもとより建物全体の熱収支まで目を向けて計画する必要があります。

また、外部から伝わったり、室内で発生した熱が、どれだけ室内側に蓄えられるかも忘れてはなりません。物質が熱を蓄える性質は熱容量はW/℃で表され、物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量を示しています。熱容量の小さいものは温めやすく冷めやすい資質があります。
一方、熱容量の大きいものは温めにくい反面、いったん温まったら冷めにくい性質をもっています。

したがって、熱容量が大きいと多くの熱を蓄えることができ、蓄熱性に優れていると言い換えることできます。
熱容量は比熱や比重に関係し、熱の伝えやすさを示す熱伝導率とは直接には関係はありません。
熱伝導率が大きく断熱性能が悪くても蓄熱性に優れた物質もあれば、断熱性は高いが蓄熱性が悪い物質もあります。
熱容量の大きな物質には土壁や石やコンクリートなどがあります。
これらでできた建物は温まりにくく冷めにくい性質を持っています。
土壁や山肌深く掘られた氷室やトンネルが夏の貯蔵庫になるのは、外気温温度の影響を直接受けにくいことが原因です。

しかし、熱容量の大きな材質が全て建築材料として優れているわけではありません。
これらは、やはり建物の気密化、断熱化と併せて考える必要があります。


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暑さ寒さを感じる温感とは

私達が暑さや寒さを肌で感じるのは、ほとんど温度による影響がが大だと思いがちですが、人が温度を感じる感覚=温感は、実に色々な要素の影響を受けています。

dc020977.jpg
外部の環境の要因としては、
温度、湿度、気流速度の3要素が上げられます。
さらに温度には空気の温度、輻射による温度も含まれます。

これらの5つの基本的な要素が絡みあって温熱環境を作りだしています。



この他には、触れる事で暑さ、寒さを感じる接触温熱感もあります。
その5つの要素を簡単に解説をすると
①温度
空気の温度が、温熱要素の中で最も基本的なもの。
外気温、室温、いずれも暑さや寒さを感じさせる基本的な要素。

②湿度
同じ温度でも、湿度によって体感的に爽やかだったり不快だったりするのはよくあることです。
湿度とは、空気中に含まれている水分の割合のこと。
人の温感に大きく影響します。


気温が26℃前後で湿度が30%変化すると気温が1℃変化したと同じ感覚が得られ、同じく30℃前後では同様に2℃の変化に相当します。

③気流速度
扇風機の前では温度が高くても涼しさを感じます。
これは気流によって皮膚表面の温度が奪われるためです。

④輻射による温度パネルヒーターや床暖房などで暖かく感じるのは、この輻射熱。距離の影響を受け、しかも方向性があるので、近づくと暖かくなり、逸れたり離れたりすると寒くなります。
⑤着衣量
少し室内が涼しい、そんな場合はもう1枚はおると、感じる暖かさも変わってきます。その逆もあり、暑ければ服を脱ぐと、いくらかは涼しくなります。
着衣量は通常。衣服の保温力(熱伝導抵抗)を表すクロ(clo)値で示されます。
1クロとは「室温21.2℃気流0.1m/秒の下で安静にしている人が快適で平均皮膚温が33℃を維持できる衣服の保温力」と定義されています。目安としてはビジネススーツが1クロに当たります。

⑥作業量
少し寒いところでも、身体を動かすと暖かくなります。これは作業量によるものですが、一般にこの作業量はメット(Met)という単位(Kcal/m2;h)で示されて1メットは「身体の表面積1m2当たりの産熱量が1時間に50Kalある時の状態のこといいます。

ちなみに、安静にして座っている状態が1メットで1メットの差は快適と思われる温熱条件下ではおよそ6℃の差異に相当します。

⑦接触温熱感フローリングを裸足で歩くとヒンヤリした感じがします。
反対にジュータンを敷くと暖かさを感じます。
身体と物質の温度差が大きいほど移動する熱量は大きく、移動する熱量は物質の熱伝導率にも比例します。

接触温熱感は熱伝導率と熱容量によるものです。
接触温熱感に優れている材料は、
接した瞬間に皮膚表面から奪われる温度が少なく、長く温度を維持できます。


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高性能住宅の夏のベスト気温

夏の高性能住宅の室温はいくらがいいのでしょうか?

481zgmwmzi2mdl1q.jpgそれは、私たちが感じる体感温度との関係から考えると26℃~28℃くらいがベストなようです。
人間は、恒温動物ですから平均36℃という体温を1年中維持しています。
体温が0.5℃上昇しても変調をきたし、4℃以上も上昇すると死にいたる場合があるそうです。

したがって、健康な体は、生理的に熱の発散や保温を繰り返して恒温状態を維持しているわけです。

体温が上がりすぎると発汗作用で体温を下げようとします。
夏の外気の平均気温が30℃くらいだとすると、
室内温度はそれよりも2℃低い設定で、充分に涼しく感じられます。

また、
外気温と室温が同じ場合でも除湿することで室内の方が涼しく感じられます。
温度と湿度の関係で、高温の南国でも湿度が低いと木陰に入り、
日射を防ぐだけで涼しく感じます。が、これは体の熱の放散をスムーズに行うためで、梅雨時の湿度の高い状態では、木陰に入っても汗が吹きでて蒸し暑さは解消されません。

梅雨時には室内でエアコンを使用する場合は、温度を下げるよりは湿度を下げる除湿することで体感温度は下がり、快適に生活ができます。

ただし、このような除湿で効果を上げるためには、湿気を含んだ外気を室内に侵入させない、しっかりとした気密・断熱性能が重要になります。

送風機のあるエアコンでは除湿して送風するだけで十分快適な住環境を作ることが可能です。

体感温度と室内温度の関係から言えば
体感温度とは、室内の温度が体温よりも低ければ、人体との空気の間に温度の差が生じるので、対流による熱の発散が行われます。室内温度が低い時には、廻りの壁や床の表面温度も低くなるので、輻射による熱の発散も行われ実際の温度より低いと感じられます。

室内温度が体温に近くなると、人体との温度差が小さくなり対流や輻射による熱の発散が行われなくなり、今度は発汗による潜熱の発散で体温調節を行います。湿度が高いと発汗による蒸発が十分に行われなくなり、不快な気持ちになります。

冬に周囲が寒くても焚き火をすると直接火の暖かさを感じるのは、輻射熱が空気の冷たさに関係なく光のように移動してくるからです。
このように体感温度は、周囲の壁などの輻射や湿度環境によっても大きく変わります。
また、このような潜熱と顕熱で感じられる体感温度は不快指数で表現することができます。


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夏を快適に過ごす方法(完)


作年の夏は記録的な猛暑となりましたが、気象庁の長期予報は今年も平年より気温が高くなり、『暑い夏』になるとの予想です。そこで、夏の暑さ対策として効率がいい「夏を快適に過ごす方法は?」のご質問がありましたので・・・を考えてみましょう!


Q:ところで、昆さんの家では、暑さ対策としてどんな工夫をされているんですか?

A:日射しが入らないような工夫はもちろん、自然の力で涼しさを得ています!

我が家では植物の力を借りています。家の周囲に植物を植えると、植物の蒸散作用で対流が起こり、それが風となって家の周囲の気温が下がります。また、庭や玄関までのアプローチを芝生にすることで地面温度を下げ、建物が熱い空気で囲まれないようにしています。
photo4_1.jpg
昆邸の周囲。緑で囲まれた家は見た目にも涼しそう。日差しが入らないように庇が長いのにも注目

植物の力がどれぐらいすごいのか、実際の計測結果からリポート

6/15に自宅付近の温度を地上から1.5m付近で計測してみました。
すると、
アスファルト舗装上の気温は35℃あるのに対し、
砕石舗装の場合は32℃
インターロッキングでは31℃
土面では29℃でした。

しかし、
庭の芝生(周囲にはシンボルツリーのカリンが一本と花壇がある付近ではなんと25℃ 
アスファルト舗装と比較して10℃も低かったのです。
さらに、
庭で散水をすると、およそ1~2℃低くなります。
植物によって下げられた気温を風と共に取り入れることで、我が家では夏でもほとんど冷房を使わずに過ごしています。

●まとめ
夏を快適に過ごす方法(1)
大切なのは熱を入れないこと、溜めないこと!http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-124.html
夏を快適に過ごす方法(2)
家を建てるなら次世代省エネ基準以上で!http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-125.html
夏を快適に過ごす方法(3)
超高気密住宅でも60c㎡もの隙間がある!http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-126.html
夏を快適に過ごす方法(完)
高性能な住宅はこんな家!http://dannetu35.blog90.fc2.com/?editor

家を建て替えるのはなかなか難しいですが、外ブラインドや熱気の排出はすぐにできることですので、試してみてください。。ちなみに全部の窓を開けないで、開ける窓を南側と北側だけにしたら風の通りがよくなって、涼しくなりますよ!
ちょっとした工夫でずいぶん変わってきます。



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夏を快適に過ごす方法(3)

作年の夏は記録的な猛暑となりましたが、気象庁の長期予報は今年も平年より気温が高くなり、『暑い夏』になるとの予想です。そこで、夏の暑さ対策として効率がいい「夏を快適に過ごす方法は?」のご質問がありましたので・・・を考えてみましょう!

Q:高気密住宅なのに、夏になると蚊などの虫が入ってきます。
もしかして欠陥住宅なのでしょうか?

A:高気密住宅でも隙間はゼロではありません。隙間を探してみましょう。

超高気密住宅でも60平方センチもの隙間がある?!
いくら高気密といっても、潜水艦ではないので隙間はあります。気密性能が1平方メートルあたり0.5平方センチという超高気密の建物でも、総隙間面積は60平方センチにもなります。もしもこの隙間が1ヶ所に集中していたら、7.7cm四方の大きな隙間です。木造建築の場合、隙間はさらに大きいので、虫が入らない家というのはほとんどないといえます。では、どこに隙間があるのでしょうか?

photo3_1.jpgまずはサッシです。引き違いの窓では、召し合わせ部分に1~2mmの隙間があることは珍しくありません。

取り付けが悪い場合にはパッキンと框(かまち)の間から外が見えることもあります。また、外からは気づきませんが、換気口やレンジフードには多くの隙間があります。
右写真:
引き違い部分はどうしても隙間ができてしまうもの。シーリングゴムなどで隙間ふさぎをDIYしてもいいかも


●虫が大量発生したときは問題アリ!
高湿な環境を好むワラジムシが壁からゾロゾロと出てきたときは問題です。どこかで結露が起こっている可能性が考えられます。そういう場合には、下の5項目を疑ってみましょう。

(1)断熱欠損がある
(2)隙間があり、局所的に結露が発生している
(3)乾燥が不十分な木材を使用したため、壁内の含水率が高い
(4)床下で漏水事故が起きている
(5)水位が高く、床下が高湿になっている

原因がわかれば対応することは可能です。
防湿工事のやり直し、地盤の改良、配管修理などを行います。

●蚊対策は昔ながらの方法が一番!
いくら隙間があるとはいえ、キチンとサッシが取り付けられている高気密住宅の場合、窓を開けなければ外から蚊などの虫が入ってくることはまずないといえます。しかし、窓やドアを開けない暮らしというのは不可能です。

蚊が入らないようにするには蚊取り線香や蚊帳(かや)など、昔ながらのシンプルな方法がもっとも効果的といえます。網戸のメッシュを細かくするのもひとつの手。一般的な網目のサイズは16~24ですが、蚊の侵入を防ぐには20メッシュ以下にするといいでしょう。ただし、網目を細かくすると通気性は悪くなります。

変わったところでは「虫よけハーブ」をいえの周りに置くのもいいでしょう。我が家ではペパーミントを植えていますが、植えてからはなんとなく蚊が少ないような気がします。ちなみに我が家に網戸はありません!
photo3_2.jpg
写真:これが自宅に植えられた虫よけハーブ。網戸いらずはこのおかげ?!

夏を快適に過ごす方法(4)に続きます。


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夏を快適に過ごす方法(2)

作年の夏は記録的な猛暑となりましたが、気象庁の長期予報は今年も平年より気温が高くなり、『暑い夏』になるとの予想です。
そこで、夏の暑さ対策として効率がいい「夏を快適に過ごす方法は?」のご質問がありましたので・・・を考えてみましょう!

Q:これから家を新築する場合、快適に過ごせる家にするには、どんなことに注意したらよいでしょうか?
A:次世代省エネルギー基準以上に対応させることが大前提です。


熱に関する数値をチェック!
暑さ、涼しさの基準は感覚的なものですが、家も車と同じように科学的に数字(スペック)で表わすことができるようになりました。これから家を建築されるなら、次世代省エネルギー基準以上の性能を満たした家にしましょう。

住宅の省エネ性能を表す指標としては、熱の逃げやすさを示す「熱損失係数(Q値)」と日射の入りやすさを表す「日射取得係数(μ値)」という2つの指標があります。主に前者は冬の暖房用の指標で、後者は夏期における係数を冷房用の指標として用いており、どちらも数値が小さいほど住宅の省エネ性が高いことを表します。また、その他にも「相当隙間面積(C値)」という1平方メートルあたりの隙間を表した数値があります。この値は小さいほど気密性が高くなります。
photo2_1.jpg
気密性の測定風景。デザインや床面積が同じでも、すべての住宅は現場で手作りなので1棟づつ、気密性能も違ってくる。

高断熱・高気密住宅は、日射エネルギーが少しでも室内に入ると室温が上昇する傾向があります。オーバーヒート状態になる前に、太陽エネルギーが入りすぎないよう、庇(ひさし)や軒で日射しをコントロールすることが重要です。また、生活するうえで発生する熱で室温は8℃以上も上昇します。この熱を速やかに排出するために、天窓やハイサイドライなどの熱気を排出させる排熱機構をきちんと設計しましょう。ちなみに天窓やハイサイドライがあると、夜間に屋外で冷やされた空気を冷蓄熱として屋内の蓄熱層に取り込み、涼しくする効果も得られます。

気をつけたいのは、「熱損失係数(Q値)」が小さくても軒の出が小さかったり、窓上に庇がないなど、「日射取得係数(μ値)」の数値が大きいと、部屋が暑くなってしまうことです。これでは「冬あたたかく、夏も暑い家」になってしまいます。夏を主体として考えることで、「冬あたたかく、夏涼しい家」が実現できます。「熱損失係数(Q値)」、「日射取得係数(μ値)」、「相当隙間面積(C値)」などがきちんと測定、掲示される工法を選ぶようにしましょう。

photo2_2.jpg
夏と冬で日差しの入り方が変わることにも注意。庇の長さは実際の採光状況から判断したい。


また、上の各数値だけでなく、換気システムの風量測定も大切です。先に「0.5回/hの計画換気が義務づけられている」といいましたが、これは換気システムの能力や部屋の容積などを元に計算して、書類に記入するだけで、換気風量の実測は義務ではありません。

photo2_3.jpg
換気システムの排気量の測定風景。天窓も排熱に効果的なアイテム

実測せずに書類だけで済ませてしまうケースが多いため、換気不足による結露やシックハウスのトラブルが増えています。ですから家を建てる際は、必ず換気風量を実測し、0.5回/hの計画換気が実現できているか確認しておきたいものです。

夏を快適に過ごす方法(3)に続きます。


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夏を快適に過ごす方法(1)

作年の夏は記録的な猛暑となりましたが、気象庁の長期予報は今年も平年より気温が高くなり、『暑い夏』になるとの予想です。
そこで、夏の暑さ対策として効率がいい「夏を快適に過ごす方法は?」のご質問がありましたので・・・を考えてみましょう!

Q:エアコンを使っているのに部屋がうまく冷えてくれません。何が悪いのでしょう?
A:エアコンを使う前に防暑対策をしましょう。

いくらエアコンを強く効かせても、外から熱が入ってきたら意味がありませんし、空気を排出できなければ熱気はたまる一方です。暑さ対策の基本、「日射しの遮蔽(しゃへい)」、「熱気の排出」、「低温外気の導入と低温の保持」の3つをマスターして、エアコンに頼らない暑さ対策を心がけましょう! では、その3つの基本を解説していきます。


(1)日射しの遮蔽(しゃへい)
昼間でもカーテンやブラインドをして日射しを防ぐことは、ここ数年、省エネの観点から知られるようになりましたが、実はブラインドは外につけたほうが効果的です。室内ブラインドでは、熱の大部分が室内に入ってしまいます。いったん室内に入ってしまった熱は、天井や壁、床を暖めてしまうので、簡単には排出できません。可能な限り、ブラインドは外につけましょう。

photo1_1.gifマンションやアパートで外ブラインドが難しい場合は、園芸用の遮光ネットが効果的です。ベランダの物干しなどに設置するだけで、簡単に日射しを遮蔽できます。ホームセンターなどで購入できるので、お手軽かつ安価にできる対策です。
左図:窓の内側にブラインドをつけた場合、カットできる熱は40%程度。一方、外側に取り付けた場合は90%もの日射熱がカットできる。


photo1_2.jpg

写真:園芸用の遮光ネットは、もっとも低コストで日射しをカットできる方法。色や網目のデザインは好みのものを選べる

(2)熱気の排出(内部発熱、日射熱の速やかな排出)
室内に侵入した日射熱や、生活する上で発生する生活熱で暖められた空気は室内にこもります。生活熱だけでも室内を8℃以上も上昇させるといわれます。この熱い空気を速やかに排出することが室内を爽やかに保つ基本となります。

まず、室内で熱を発生させないことが大切です。中でも無視できないのが、家電製品からの熱。具体的にはパソコンの表面温度が40℃、冷蔵庫が30℃、電気ポットが45℃といった具合です。使わない家電製品は主電源を切り、熱を出さないように工夫するのがポイントですね。家庭の中には、使われていないのに主電源の入った家電製品が意外と多いもの。省エネの観点からも、一度見直してみるといいでしょう。

熱気を排出する方法は簡単です。計画換気が義務付けられた2003年以降に建てられた建物では、24時間換気システムを利用します。計画換気では0.5回/hの換気が義務付けられていて、2時間で室内の空気がすべて入れ替わります。それ以前に建てられた建物では、夜間と朝方にレンジフードやトイレ、風呂場などの換気扇を回すことで熱気を排出できます。特に、レンジフードの換気扇はかなりのパワーがあるので、使わない手はありません。

photo1_3.jpg左写真:パソコン周りにはモニターや携帯電話の充電器など、熱源が多数集まっている
(3)低温外気の導入と低温の保持
外から入ってくる外気にも気をつけましょう。外気はどこから入ってきてもいい、というわけではありません。入ってくる方位や高さによっては熱気を取り込んでしまって、室内を暖めてしまうことになります。外気が比較的低温の北側の窓や、日陰側の窓を利用しましょう。

日陰側と日向側では10℃もの温度差があります。日陰側から日向側に風を通すのが理想です。鉄筋のマンションでは気密性が高いので、北側の窓を開けて外気を取り入れ、南側の窓を開けて、扇風機を外向きに回して熱気を排出させます。

●エアコンの目的は湿度を下げること!
熱気を排出させたら、あとはエアコンです。暑さ寒さの体感は相対湿度に関係がありますから、熱気を排出させたらエアコンを使って湿度を下げます。設定温度は26~28℃が基本です。冷房病にならないためにも、低すぎない温度設定を心がけましょう。外気温との差が5℃以内になるようするのがポイントです。

また、2階建ての家の場合は、扇風機を天井に向けて回すと2階にも涼しさを取り入れることができます。ただし、室内の粉塵も撒き散らすことになるのでほどほどに。

夏を快適に過ごす方法(2)に続きます。


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: 室内気候から考える断熱技術


●これは2006/8/12、14の二回分けてに投稿したものです。
ブログの引っ越しに伴って、記事が分散してあるものを集約し読みやすいように修正編集して再投稿になっています。



室内の温熱環境と空気の質は家の断熱・気密・換気・暖冷房によって大きく左右されます。

この断熱、気密の分野は目視で簡単に性能の善し悪しを見分けることができないためやっかいです。
そのため、設計の段階からデザインされていなければなりません。

やり直しが難しいだけに、しっかりと施工することが快適な住環境のデザインに繋がります。
■快適の基本は断熱技術にある。

24zjawnja1njlfmjmzndiymtlfmq.jpg
●写真は高性能でありながらローコスト住宅を実現している。
外断熱仕様でコスト削減のため、内装(天井、壁)の仕上げなしで施工された例

予め、屋根、壁に構造用合板を貼り、その上に(外側に)プラスチック系断熱材を外張りしたもの。
暖房はピーエスHRヒーター,
換気は第三種換気システム
Q値=1.7W/㎡・k
隙間相当面積C=0.2c㎡/㎡

断熱の方法は大きく分けて内断熱と外断熱の二つがあります。

数年前からQ値1W/㎡・K以下を目指す外断熱と内断熱の複合工法が注目を浴びています。
二つの断熱の目的はもちろん室内と室外の熱の隔てになって、熱を混ぜない、逃がさないということにあります仮に在来の大壁づくりの場合は壁の厚さ105mm~120mmあるので、その分の厚さ分がデッドスペースになります。

細かくいえば、その分が不経済といえるかもしれません。
ただし、蓄熱体として利用できる上、内装材を後で自分で取り付けることもできるメリットがあります。あるいは仕上げをせずにそのまま利用したり、壁の厚さ分の隙間を利用して棚をいくつも作ることができます。

暖房、冷房を考えた場合は内断熱の方が内側にくる構造材が少ないので熱の立ち上がり早いのが特徴で、外断熱の場合は壁の隙間分の容積が少し大きいので暖まるまで時間がかかります。

※勿論、ある一定の時間が経てばどちらも変わらない環境になります。

内(充填)断熱でも、基礎を外断熱して土間にコンクリートで作れば蓄熱体として利用する方法がとれますし、外断熱でも敢えて床断熱をすれば少しは立ち上がりを早めることも可能です。もちろん、ドアや開口部は断熱仕様のものが要求されます。

断熱は気密と一体でなければ、その暖冷房の効果はかなり落ちてしまいます。防湿層でもある気密層は、室内の湿気を壁の中に入れて構造材を腐らせないためにも必要なのです。

気密を行えば当然空気の質のためには計画換気が必要となります。
新鮮な外気を計画された給気口から取り入れて,汚れた空気を一括して排出する計量排気型換気システムか、新鮮な空気をファンで吸って、強制的にダクトで室内に回し、汚れた空気も一括してファンで排気する熱交換気システムがあります。


■自然の力の冷暖房

断熱気密は器でしかありません。部屋を快適温度にするためには、暖房や冷房は必要になってきます。
また、機械だけではなく自然のエネルギーを上手く利用できれば、経済的ですし自然環境の保全にも効果的です。

暖冷房を考える場合は最初に自分が建てる家に、どんな熱を環境からもらえるかをチエックします。東西南北、隣接する家との関係、周囲の自然(木々、川、公園等)、暖房や冷房が必要なのはいつくらいからか?立地条件を生かす工夫を考えます。

25rfndmdezotbe9a.jpg夏場、日差しがきつい所は、外でできるだけ緩和できるように庭に落葉樹を植えたり、植物格子を作りツル性の花なんかを植えると、いい環境が得られ、デザイン的にも有機的な暖かみを演出できます。

庭の手入れが苦手な人は、あらかじめ南、西面の庇を深くしたり、簾を設けたり、雨戸を設けたり(断熱雨戸)といった日射を防ぐ方法があります。

冬場はいかに日差しを室内に取り込むかがポイントとなります。
南面の窓を大きくするのが一番効果的なのですが、反面夜にはせっかく取り込んだ熱を逃してしまいます。


これを防ぐには断熱雨戸をつけるか、冷気防止にパネルヒーターを設置するととてもGOODです。

■蓄熱体でさらに効果をあげる

自然の熱は、それだけ有効なのですが、冬の日差しの暖かさを夜までキープできたら、もっと都合がいいことになります。断熱された空間の建材は大きい小さいの差はありますが、蓄熱することができます。

25zjawnja1njlfmji1mdeynjjmlg.jpg住宅に使われる建材で比較的に蓄熱量が大きい基礎コンクリートは、まさにうってつけなのです。
冬は太陽の熱を床を通して、蓄熱して、温度が下がってくると放熱をしたり、夏には夜から朝の冷たい熱を蓄熱して、暑い夜は冷たい(温度が室内より低い温度)を放熱します。しかし使い方を間違えると逆に凶器になってしまいます。

夏、太陽の日差しをプールサイドのコンクリートのように蓄えてしまえば、涼しくなった夜には放熱して、寝苦しい環境を作ることなってしまいます。夏はむしろ太陽から隠せるように作らなくてはなりません。

そのためには基礎の立ち上がりには外部側に断熱材を貼りつけてモルタルで仕上げるのが一般的ですが、最近では意匠性も考えて断熱材と化粧性のある仕上げ材のい一体成形板も販売されているので予算が許せば使うことお勧めいたします。

25zgmwmji0mjjhbm4gihmi.jpgまた、冬には閉じて、夏には外が涼しくなる朝夕には開放し、日中は閉じるといった断熱気密型の換気口があります。

金額的には高くないのでその地域の風の通りを考えて設置すると夏のはさらに涼しさを自然的に取り入れることが可能です。






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theme : 住宅・不動産
genre : ライフ

冬の風物詩の危機!

年は異常な暖冬のせいで岩手でも
雪平野を見ることがない状態が続いておりますが
それでも外気温は氷点下になるのは当たり前で
田んぼでは霜と霜柱をよく見ることができます。
霜は、冷やされて飽和寸前になった空気の中の水蒸気が、氷結点以下になっている物体に触れと昇華凝固し凍結したものですが

樹木に着いたものを樹霜、窓面に着いたものを窓霜と呼び、
霜の形は樹枝状、針状、柱状、無定形など様々な形が見られます。

気温の上昇や日照、
あるいは風を受けると消えてしまう一時のはかない冬の風物詞です。

一方

似たものに霜柱がありますが霜とはでき方もかなり違います。
地面から出てくる霜柱は透明な氷の柱で柱の頭に土を乗せているのが特徴です。

霜柱は地中の水が凍ってそれが生長するのが特徴です。
夜間地表面が冷やされると温度勾配によって地中の水分が地表面に向かって移動します。

この水分が氷点下の地表面にあたって凍り、
その繰り返しで成長したものが柱状(霜柱)になるのです。
149c3vnybfe.jpg


朝早く出かけないと見かけることがない光景です。

住宅も高性能化が進み、ガラスの窓霜、結露を見ること少なくなってきましたが
このまま地球温暖化が進むと、冬の風物詩、霜、霜柱も
「昔は霜、霜柱というものがあったけな~」と
過去の話題になるかもしれません。

そうならないためにも、建築に係わる立場から、
もう少し省エネ住宅の普及活動をしなくては」ならないと考えています。

それも次世代省エネ基準を超えた
Q1(Q値=1.0w/m2・K)住宅の普及です。


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theme : 科学・医療・心理
genre : 学問・文化・芸術

快適環境の計算方法

体感温度とは,
周りの温度が体温より低ければ、人体と空気の間に
温度差が生じるので、対流による熱の発散が行われます。

図は「家を建てる前に読む本」編著、監修(奈良憲道)氏から引用

86zjawnja1njlfmtczmzi0mzhksq.jpg
空気湿度が低い時には、周りの壁や床の表面温度が低くなるので、輻射による熱の発散が行われ、実際温度より低温に感じます。
周りの空気の温度が体温異近づくと、人体との温度差は小さくなり、対流や輻射による熱の発散が十分に行われなくなり、今度は汗などの潜熱で発散を行います。
温度が高いと汗などの蒸発が十分行われなくなり、不快な気持ちになります。このように体感温度は、周囲の環境によって大きく変わります。

冬の場合、周囲が寒くても光のように直接火の暖かさが感じられるのは、輻射熱が空気の冷たさに関係なく光のように移動してくらからです。


そこで自宅の住環境の指数はどくらいか調べてみましょう。

●不快指数の計算式は以下のように計算されます。
不快指数=0.81×T+0.01×H×(0.99×T-14.3)+46.3
T:気温(℃) H:湿度(%)
その他に乾球温度と湿球温度から以下の計算式もあります。
不快指数=(乾球温度+湿球温度)×0.72+40.6

計算してみていかがでしたか?
(かえって計算で不快になってしまうかもしれませんが・・・)

ちなみに我が家の現在の温湿度は22℃/64%です。
0.81×22+0.01×64×(0.99×22-14.3)+46.3=68.9072
ですので不快に感じ始める環境だということになります。


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theme : 生活・暮らしに役立つ情報
genre : ライフ

水も空気もタダではない。

計画的に換気量を確保すると、
室内の空気は外気と同くらいにきれいになます。
気密性能が多少悪くてもかなりきれいになります。

ただし、気密性能5cm2/m2程度では、機械換気に加え自然換気が多いためその合計が1.0回/hとなってしまい、室内の相対湿度は20%以下になることがあります。
加湿器を使わなければ、かなり辛い環境です。

一方、住宅の気密性能が高い気密住宅の場合は自然換気量を抑えることができるので、少ない機械換気の換気量で換気を行うことができ、室内の相対湿度を適度な状態に保つことできるのです。

気密性能を1.0cm2/m2以下とすると
内外の温度差による自然換気量が表で少ないことわかります。
85zgmxmde2mdfhbm4gihdx.jpg

(表)財団法人 建築環境・省エネルギー機構の「住宅の気密性能試験方法」引用

(例えば1.0cm2/m2の気密性能の場合:内外の温度差が20℃の時には0.03回/hとなり、機械換気の0.5回/hを加えても0.53回/h程度にしかなりません。しかし2.0cm2/m2の気密性能の場合は自然換気が0.13回/hプラスされるので0.63回/hになってしまいます、)

さらに、
自然換気(漏気)は温度差だけでなく
建物にかかる風圧によってもかなり換気されることがわかっています。
85c2l6zw5ua2fubmtpghm.jpg
その表は

気密性能が2.0cm2/m2の場合で温度差が20℃あって、風速が2.5m/秒ある場合では、さらに0.2回/h加わるので機械換気0.5回/h+温度差換気0.13回/h+風圧換気0.2回/h=0.73回/hとなってしまい、換気量が増加してしまいます。

自然換気量を極力少なくし,効果的に換気するには、住宅の気密性能と換気量のバランスが大切になります。

「機械で換気を図ることがもったいない」と言う人がいますが、
何といっても日本は「水と空気はタダ」と考えてきた歴史があります。

しかし、水は買う時代、空気だけタダというわけにはいきません。

しかも、
機械換気で使うエネルギーは非常に少なく、
50wで金額にして1ヶ月1.000円前後です。

これできれいな空気が手に入るなら
ミネラルウォーターを買うように、お金を出してもいいのではないでしょうか。


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theme : 生活に役立つ情報
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気密住宅の過乾燥

冬場に暖房して換気を十分にとると、室内が乾燥してのどが渇くという話があります。


70zjawnja1njlfmjm2mjy2mzzu.jpg「昔、ストーブの上に鍋、ヤカンを置いて湯気を出していた頃は、こんなことはなかった」という想い出があるからでしょう。

確かに冬場に湿度計を見ると30%前後を指すことがよくあります。



昔からよく言われた快適湿度は50~60%という物差しから大きく外れています。

そこで多少の結露を覚悟して観葉植物とか鉢植えや、洗濯物を干して高い湿度で暮らす方がいいと思っている人もいます。
暮らし方の問題ですから良い悪いは一概にいえないのですが、あまり湿度を高くして、結露を起こすと、ダニが発生して健康上に問題が起こることになります。

高気密、高断熱住宅で全室暖房、計画換気がうまくいっている住宅は冬場の室内が23℃の時35%くらい指すことがあります。湿度35%ではいかにも乾燥しているような感じがしますが、生活に慣れてくると意外と乾燥感が気にならなくなります。
(我が家でも1年目は乾燥感に悩まされて時に家内が・・あ~だ、こ~だの文句がありましたが、2年目頃からは一切文句がなくなりました。)

また、過去に建てた多くの気密住宅の建て主さまの意見を聞いても前より乾燥感が気にならない・・・と言った意見もありました。

それは気密性が高いため、隙間風や温風などがないために空気が動いて粘膜や肌の水分が奪われることが少ないため・・・だといわれます。
ホテルのように静電気が起きるほど乾燥したという話も耳にしません。

湿度計を見て湿度30%を気にするよりは感覚を頼りに乾燥感を測ったほうが正しい場合もあります。

快適な湿度環境は50~60%でなければならないという意味ではなく、30%前後でも健康上には指して問題にならないと思います。
また市販の数千円程度の湿度計は狂いやすい計器ですから湿度計の数値自体があまり当てにならないということもいえます。

●そうはいっても、粘膜アレルギーのような乾燥に敏感な方には、
何らかの過湿を加えなければなりません。
対策はどうしたらいいでしょうか?>


続きます↓

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洗濯物が濡れる秘密

雨が降ってもいないのに
夕方になると、何故か湿っぽく感じられるのは何故か?
考えたことがあります?

そのためには
湿度に関連する水蒸気について考えてみる必要があります。

46rfndmde4ntxeg.jpg空気中に含まれる水蒸気について、最も間違いやすいのは、水蒸気の量が多いと湿った感じになると考えてしまいます。
このことは露点温度が大きく関係するため水蒸気量が大きくても必ず湿った感じになるとは限らないのです。

湿った感じ、乾いた感じは
飽和水蒸気量が近ければ近いほど湿った感じとなり、それより離れると乾いた感じになるのです。

例えば・・・・
10g/m3の水蒸気があった場合、温度が12℃の時には58%と乾いた空気となりますが、これが30℃に温度が上昇すると33%と非常に乾いた空気ということになります。

そこで相対湿度と絶対湿度とをよく区別しなければばらないのですが、同じ相対湿度の場合は、空気温度が高いほど結露の対しては危険で、
同じ絶対湿度の場合は空気温度が高いほど結露に対して安全なのです。

■洗濯物が雨が降らないのに何故湿る?

夕方になると洗濯物が乾かないで、反対に湿ってくるのは夜露ではなく
(水蒸気の量が増えるのではなく)、水蒸気量は変わらなくても、
温度が下がったため相対湿度が上昇したため湿った感じになるのです。

また、外気温が0℃で相対湿度が90%で室内温度が20℃・50%の場合は水蒸気は室内から外に向って流れます。
これは室内は8.64g/m3
の水蒸気に対して外気は4.4/gm3しかないため均衡を保つために外に流れる性質があるためなのです。

冬には雨が降っても雪の時でも常に室内より外部の方が絶対湿度が低いため必然的に外部に向って水蒸気流れることになります。
相対湿度はある温度の空気の飽和水蒸気量に対して、何パーセントの水蒸気を含むかを示すものであって、相対湿度は水蒸気の量を示すのではなく、湿り気の度合いを示すものです。

これに対して水蒸気の量を表すのが絶対湿度ということになるのです。


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温度感覚の正体

私達が暑さや寒さを肌で感じるのは、
ほとんど温度による影響がが大だと思いがちですが、
人が温度を感じる感覚=温感は、
実に色々な要素の影響を受けています。

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外部の環境の要因としては、
温度、湿度、気流速度の3要素が上げられます。
さらに温度には空気の温度、輻射による温度も含まれます。

これらの5つの基本的な要素が絡みあって温熱環境を作りだしている訳です。
この他には、触れる事で暑さ、寒さを感じる接触温熱感もあります。




それではその5つの要素を簡単に解説をすると
①温度
空気の温度が、温熱要素の中で最も基本的なもの。
外気温、室温、いずれも暑さや寒さを感じさせる基本的な要素。

②湿度
同じ温度でも、湿度によって体感的に爽やかだったり不快だったりするのはよくあることです。
湿度とは、空気中に含まれている水分の割合のこと。
人の温感に大きく影響します。
気温が26℃前後で湿度が30%変化すると気温が1℃変化したと同じ感覚が得られ、同じく30℃前後では同様に2℃の変化に相当します。

③気流速度
扇風機の前では温度が高くても涼しさを感じます。
これは気流によって皮膚表面の温度が奪われるためです。

④輻射による温度パネルヒーターや床暖房などで暖かく感じるのは、この輻射熱。距離の影響を受け、しかも方向性があるので、近づくと暖かくなり、逸れたり離れたりすると寒くなります。


⑤着衣量
少し室内が涼しい、そんな場合はもう1枚はおると、感じる暖かさも変わってきます。その逆もあり、暑ければ服を脱ぐと、いくらかは涼しくなります。
着衣量は通常。衣服の保温力(熱伝導抵抗)を表すクロ(clo)値で示されます。
1クロとは「室温21.2℃気流0.1m/秒の下で安静にしている人が快適で平均皮膚温が33℃を維持できる衣服の保温力」と定義されています。目安としてはビジネススーツが1クロに当たります。

⑥作業量
少し寒いところでも、身体を動かすと暖かくなります。これは作業量によるものですが、一般にこの作業量はメット(Met)という単位(Kcal/m2;h)で示されて1メットは「身体の表面積1m2当たりの産熱量が1時間に50Kalある時の状態のこといいます。

ちなみに、安静にして座っている状態が1メットで1メットの差は快適と思われる温熱条件下ではおよそ6℃の差異に相当します。

⑦接触温熱感フローリングを裸足で歩くとヒンヤリした感じがします。
反対にジュータンを敷くと暖かさを感じます。
身体と物質の温度差が大きいほど移動する熱量は大きく、移動する熱量は物質の熱伝導率にも比例します。

接触温熱感は熱伝導率と熱容量によるものです。
接触温熱感に優れている材料は、
接した瞬間に皮膚表面から奪われる温度が少なく、長く温度を維持できます。


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昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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