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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

高性能住宅の吹き抜けの温度差

吹き抜けは、
天井の圧迫感がなく伸び伸びとした開放感が味わえ、通風(風通し)の面でとてもメリットがあります。
20070531-7.jpg吹き抜けの屋根にに大きな開口部(天窓)を設けることにより、日光をふんだんに取り入れた明るい空間も確保できます。また 、天窓解放することににより吹き抜け空間の上部に熱がこもらないので、夏は涼しさを取り入れることができる利点があります。
我が家は間取りのイメージは省エネのために冷房を極力使わない工夫を必要としました。
一方、冬はどうかというと高性能住宅のお陰で1Fの床面の表面温度と吹き抜けの屋根の表面温度は1℃吹き抜け天井の方が低くなっています。一般的には高性能住宅の温度差は2℃~3℃前後天井の方が高いのが普通です。
では何故?低いのか?→→それは天窓(3ヶ所)のコールドドラフト効果によって、上昇する暖気と下降する冷気とが混ざり1℃低い空間を作っているからなのです。
20070531-8.jpg左の図面は2Fの平面図です。ピンク色で囲った部分が吹き抜け空間です。3.640×8.645=31.4678m2の高さ低い所で5.2mでおよそ9.45坪の空間になっています。窓のメンテナンスも考えてキャトウォークを作りました。
(実際、名の通り・・・愛猫(アイシャの遊び場になっています。)

また家族が増えた場合は吹き抜けの一部を部屋に(8帖)することも可能にしています。夜、室内の照明を全部消し仰向けになって天窓から月を見ると吹き抜けの大空間の良さを実感できます。

しかし、短所はないのかというと・・・あるんです。それは、天窓のメンテナンスです。ガラスの掃除と電動リモコンの故障の時には大がかりな足場が必要になります。
そんなことを考えて天窓付近にメンテナンスができる工夫(計画)がありましましたが予算の都合で取りやめました。そんな将来に心配がある吹き抜けでありながらも広々とした大空間には十分満足しています。

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スケルトン・インフィルの高性能住宅


 スケルトン・インフィルのスケルトンとは骨組み指し、インフィルとは内装や住宅設備を指します。骨組みは丈夫で長持ち、内装(間仕切り)や住宅設備は住む人の住み方などによって容易に変更できることがメリットです。この考え方で建てられた住宅をスケルトン・インフィル=SI住宅と呼んでいます。
今日はそのスケルトン・インフィルの考え方で建てられた高性能住宅N邸の2年後のレポです。

このN邸の大きな特徴はタイトルの通り骨組みがが90%以上見える家です。勿論、高性能な断熱、気密性能はバッチリの次世代省エネ基準Ⅱ地域を楽々クリアする住宅です。このN邸は内装が殆んどないフリープランの家に作られていますが基本の構造部分と断熱、気密、換気、暖房はしっかり計画、施工されています。

室内から見える部分は数箇所を除き殆んど構造材であり下地材が仕上げ材としている所に特徴があります。
RC構造の場合はコンクリート打ちっぱなしという工法がありますが木軸構法の場合は構造材表し工法?になります。窓廻りの額縁(内部側の木の四方枠)もありませんし、1〜2Fの天井もないのです。つまり、2Fの床の下面は、1Fの天井になります。)唯一、仕上げしている場所は和室の壁(天井は仕上げなし)、キッチンの壁とユニットバスだけでしょうか。欠点は音が反響することですがこのN邸は了解して施工になっています。

173rfndmdmzndeoj0oqrjepa24.jpg
写真1:(Nさんの奥様のご感想)碍子(がいし)の電気配線昭和初期以前の建物に見られる碍子を使った電気配線。
これをピーンと張れる職人さんも今は数少ないそうです。
赤い線と白い陶器の碍子が、見るたびにとても懐かしく、暖かい気持ちなります。(飾り物ではなく、本当に電気が通っています。)その他の換気の配管、暖房配管、給排水の配管もも全て露出になっています。
173rfndmdmznddv7a.jpg
写真2;
(奥様のご感想)広い玄関土間正面の木製玄関ドアはスェーデン製のスェーデンのスウェドア、以前住んでいた貸家の玄関は、座布団1枚分の広さでした。その反動なのか、開放的な広々とした玄関(土間)がほしいと思っていました。
車庫に場所をとられた分、必然的に広さが決まって丁度よかったです。
また、土間の下に温水を回しているので、雨や雪に濡れた靴もすぐに乾いてとても便利です。







173rfndmdmzmtxx6w.jpg
写真3:子供部屋
外壁と間仕切壁の間柱間は一般的な石膏ボードを打ちつけていないため奥行105mm×幅455mm×高さ・・にコの字に隙間ができます。そこに、お父さんが自由に(必要な位置に)棚をたくさん作ってあげています。
取り外しが簡単にできて、小物好きな子供さんにとっては、とても嬉しいことです。


173zgmwmza5mtl3_a.jpg写真4:お父さんお母さんのパソコン机こちらも、やはり外壁の壁を利用して棚を作り、使い勝手がよく、奇麗に整頓されています。子供さんの成長とともに子供部屋も変化しています。

●このN邸はお邪魔するたびに中が変化しています。
四季折々に着るものを替えるように住宅も時代によって変化させることは楽しいのではないでしょうか?
何よりも、お父さんが日曜大工で内作ができることがランニングコストでは嬉しいことです。


「ダダダダ!・・・格好いいども、これじゃこの家寒いべ!」
「エッ!!今、寒いですか?」 「ん!!今日はあったげ〜からな?」
「雪が降ってれば、これは寒いべ!」

この会話は2年前の展示会で50才代男性の方が屋根を見ての第一声です。
177rfndmdmzmzkoj0oqrjepxzedeg.jpgたしかに、この日は極寒の2月でも、珍しく天気がよくポカポカの状態で外気温が6.4℃もあります。しかし・・・・
それでも家の中は22.4℃と外との温度差は16℃もあります。これだけの温度差があれば、暖かい、寒いの感覚は肌で感じると思うのですが、何故寒いと感じたのかを伺うと。

177rfndmdmzmzhv6w.jpg写真6:リビングから見た屋根、トップラト及び下地合板が見えているがが外張り断熱のため断熱材は内側から見えない。
すると・・・・・「断熱材が一つも入っていねべ!」というご返事です。

「いえ!」「外断熱なので断熱材が見えないんです。」

「ホントが〜?」

「ハイ、暖かさを証明する写真(熱画像)があります。」


177g1kdc4fbiifgihbob3rvmda4kio.jpg写真7:これがトップライト廻りの熱カメラでみた画像。
トップライトのガラス面の表面温度は屋根面に比較して低いことがわかります。
周囲のオレンジ色は断熱材がある部分22℃を示しています。
外断熱の恩恵で断熱欠損が小さく熱画像では見られません。

この表面の22℃の輻射熱があって・・・暖かさが感じられるのです。
「フーン・・・・・・・・。」と無言でしたが・・アンケートにはもう少し詳しく聞きたいとの回答でした。(参考にしていただいていい家を建ててもらえれば・・と願うばかりです。)

ところで、その他にご夫婦で気に入った所は和室の「和紙でなごむ部屋」だとか、以下は奥様の声
「2階の和室には東山和紙を使っています。障子は年数とともに色あせて張り替えしたくなりますが、和紙はその色の変化に味があり、質感も色々あって楽しいです。電灯の笠も和紙なので透かした灯りは優しい感じがします。
壁は珪藻土を使っていますので部屋が呼吸しているような、とてもくつろげる場所になりました。その他トイレの床には竹のフロアにしていただいたこと。とても掃除がしやすく、汚れにくく、スッキリした色で見た目も木の色調に合ってとても気に入っています。

スケルトン・インフィル住宅は一般の高性能住宅に比べると建築コストを大幅に低減できますが断熱性では次世代省エネ基準クラスまで、Q1住宅クラス以上になると充填断熱あるいは加断熱工法にする必要があるため、スケルトン・インフィル住宅にすることは難しくなります。



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Q値は施工精度で決まる!(外張り断熱)

設計図から熱損失係数(Q値)が計算されると暖冷房負荷が(あるいは燃費のランニングコストも)計算ができ年間の暖冷房費のランニングコストのシュミレーションができるようになります。

しかし貴方の家の計算上のQ値は次世代省エネ基準の○○地域の○○W/㎡・Kをクリアしているかもしれませんが・・・そうでないかもしれません。

そうでないかも・・・の理由には

下の左写真のような例があるからです。(右写真は正しい施工例)
これは外断熱仕様のの基礎の部分です。壁の外断熱用の断熱材と基礎の断熱材の間に隙間があり土台部分の半分が露出しています。所謂、外張り断熱の欠損です。工務店の設計士から熱計算の方法を伺うと木部が露出しないようにすっぽり断熱材で覆われらた施工での計算といいますが実施工では写真のように欠損になっていて設計と現場での食い違いが見られます。
20081009-2-1.jpg dc102637.jpg
「内断熱のGW工法も柱、土台等が同じようになっているので問題はない!」と現場監督の言い分ですが熱的計算には内断熱と外断熱とでは計算方法が違ってきます。このような場合の熱計算は熱橋を含む熱貫流率を考えて計算しなければなりません。例えば当然ですが土台の部分は断熱材がない土台だけの熱貫流率と土台+断熱材の熱貫流率は違うからで,この部分は個別に計算することで正しいQ値を算出できるようになります。

次世代省エネ基準の熱損失係数の基準では「熱橋を含む熱貫流率の計算」では在来木造工法,枠組み壁工法などの熱橋の部材間隔と形状が単純な場合には各部位の実質熱貫流率は平均熱貫流率とほぼ等しいと考えることができることから計算を簡易にするために熱橋面積比率が表として示されています。その比率を使用することで計算を容易にしています。
※この現場では上記の説明をして設計通りに隙間には断熱材を外張り補修をし、隙間には一液性のウレタンでさらに断熱気密補修をしました。

気密性能が抜群にいい超気密住宅が増えてきたことは大変喜ばしいことですが、断熱の未熟な施工の現場がけっこう見られるので丁寧に施工、チェックして高性能な住宅を建てたいもの、あるいは建ててもらいたいものです。

貴方の家は大丈夫ですか?



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Q値は施工精度で決まる!

建築図面から熱損失係数(Q値)が計算されると暖冷房負荷が(あるいは燃費のランニングコストも)算出できるようになります。
しかし、そのQ値が正しくなかった場合にはどんなことが問題になるのでしょうか?
貴方の家の計算上のQ値は次世代省エネ基準の○○地域の○○W/㎡℃をクリヤしていても・・・実際はそうでないかもしれません。そうでなかった場合には暖冷房負荷計算は「絵にかいた餅」になってしまい暖冷房のランニングコストも曖昧な数字となってしまいます。そうでなかった場合の方が多くあるためほとんどの施工業者はQ値は提示しても暖冷房負荷計算は提示しないのが現状です。

では、暖冷房の負荷計算は誰がするのか?
というと設備業者にお任せすることになります。依頼された設備業者は暖冷房能力不足で寒い!暑い!というクレームががないように暖冷房能力を多めにみて設置することになります。

何故?多めにみるかかというと依頼された施工業者の施工精度は事前にはわからないからです。
結果!思ったより暖冷房費がかかりすぎることを経験することになります。

そうならないためには断熱材の施工精度をあげることが重要になります。

529zgmwmza0ntmoj0oqrjepjf8.jpg写真は壁の中のGWの施工状態です。[綺麗に入っていませんですね!)

このような施工精度はけっこう多く見られるのです。

その結果はどうなるかというと下図をご覧ください。
529zgmwnji5mdeoj0oqrjepki9dkk4xksqc.jpg

施工精度でこんなに断熱材のK値が悪変化してしまいます。
上の写真の施工精度は下図と見比べると・・・・
なんと・・・熱貫流流率は0.314Kcal/㎡h℃が→0.376Kcal/㎡h℃に断熱性能が落ちてしまいます。100mmのGWに換算すると84mmの断熱性能しかないことになります。
参考1:※熱貫流率を示す記号が、平成21年4月1日に施行された改正省エネ法において、「K」から「U」に変更されました。 これは、熱貫流率を表す記号が国際的には「U」が使用されていることを勘案して、変更が行われたものですが、その意味や内容が変わったものでは一切ありません。(単位はW/㎡℃で表示されます。)
参考2:1W=0.86Kcal  1.163W=1Kcal

気密性能であれば気密試験の内装仕上げ前の仮測定で欠損を発見、修正は可能ですが断熱材の場合のチェックは目視しかありません。

※充填断熱(内断熱)の施工精度をサンプルにあげましたが外張断熱(外断熱)の場合には厚さのミスはありませんがジョイント部分の隙間欠損がそのまま気密テープで塞がれるため目視ではわからなくなります。
そのため気密テープで施工する前に目視チェックが必要になります。


●Q値は施工精度で判断する必要がありますよ!


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通気層の役割は4つある。

通気層工法の通気層は4つの役割があります。
1番目の通気層の役割は防水機能です。
472y29udjazmtaoj0oqrjepeqm.jpgこれまでの壁構造は、外壁そのものにいくつもの多くの機能を持たせていました。このため、外からの水に対しての防御は徹底的にコーキング等でシールするしか防水に対して効果は望めませんでした。
木造住宅の損傷が大きくなる理由には通気層がない壁構造には内部結露等の大きな問題があることがわかってきました。外壁材そのものに過度の防水性を持たせると、シールが切れた時には、ポンピング現象と言って、風の圧力で水が壁の奥まで侵入してしまいます。
外壁の性能は気密性能よりも高い水密性能が要求されます。

通気層工法には大まかに外壁に雨避け、風避けの役割を持たせて外壁の役割を分離させることで、雨漏りのほとんどをなくすることが可能となりました。万一外壁に雨が入ったとしても、通気層で減圧されるために、通気層を通じて下に落下するので壁の中まで雨が侵入することはなくなります

472a2urz47kkf4y0w.jpg●勿論、断熱・気密層の施工に欠陥があれば通気層があっても、そこから雨水が侵入することがありますので気密処理は丁寧に行わなければなりません。

内断熱(充填断熱)工法であればタイベックシートの施工には必ず防水テープで防水処理が必要です。意外と多くの現場ではタッカー止めだけの施工になっているようです。

左の上真は外壁張られたタイベックシート防水のために一応下部から上部に向かって施工されているもののジョイント部には防水テープがなし。
左の写真は土台廻りのタイベックシートの納め方・・悪い例!!


41g16dq4n4g2kdtlxh.jpg正しいタイベックの施工は写真のようにジョイントには気密・防水テープが必要です。











2番目の通気層の役割は防風機能と換気です。
断熱材は動かない空気の層のお陰で熱を逃がさないようにしています。
壁に当たった風は壁隙間から内部に侵入して断熱材に閉じ込められている空気と入れ替わってしまい、断熱の効果を激減させてしまいます。

熱はこのように弱い隙間から逃げてしまうので、せっかく貯め込んだ暖玲房のエネルギーを排出させてしまいます。そこに通気層があると、風の圧力を半分以下にすることができるといわれます。

さらにタイベックの施工が丁寧に防水テープで処理されている現場では機能が100%発揮されるので風の影響はなくすることができ、断熱材に含まれた熱を逃すことありません。

265zgmwnjixmdeoi4ulq4z7kbj1.jpg風に影響されるのは断熱材だけではなく、室内の換気にも大きな影響を与えることがわかっています。
計画換気が義務化されたことで全住宅に換気のための給気口が外壁を貫通して取り付けられています。

雨風防止のためのフードとかガラリがついていますが強風の時には給気口から計画以上の風が室内に入り込んで換気の計画がアンバランスになってしまいます。
そこで北国では通気層を利用してた給気する方法を取っているため、外壁には穴が開きません。

dc071401.jpg
そのため、通気層は二重の壁で構成されていることになります。
雨水は通気層を通って下へ落ちることになり、タイベックで防水層を作っておけば、万一、雨水が入ったとしても壁の断熱材の中に侵入することはないのです。



※但し、外張り工法の板状の断熱材で表面が水を弾く材料でコーティングされちるとかアルミ箔が蒸着されている物はタイベックは必要ありません。


3番目は最も大きな大きな役割、・・それは排熱機能があることです。
前に投稿しました夏に涼しい家をつくる必須条件(通気層の効果)ここでは夏には熱風を排出させる役割があることを説明いたしました。。

高性能住宅は断熱・気密が高い性能がある分、冬は快適な室内環境も夏に室内に取り込まれた熱は排熱されずオーバーヒートを起こしてしまうことがあります。外壁材は夏の強烈な陽射しによって外壁を熱し、熱は伝導によって外壁を通じて内壁まで伝えるため内壁の表面温度が室温より高くなってしまい不快な体感温度を体験することになります。

そこに外壁材と内壁材[断熱材)の間に通気層があると、いったん熱の伝導を遮ることになり、熱せられた外壁材の熱は通気層を通り上部に排出されます。

476zgmwmze5mdeoj0oqrjepki9dkk4xksdq.jpg外壁材の中には断熱サイディングのように外壁材の裏側にウレタン材があるものは強烈な陽射しがあっても通気層内の温度を和らげる効果があります。
このように通気層は室内の表面温度を高くしてしまうことを防ぐ頼もしい機能もあるのです。
※左図は屋根断面ですが外壁同様こうすることで排熱機能を十分に発揮させることができます。

476zgmwoda0mzh4cg.jpg最後の四つめの機能は最も重要な項目で透湿機能を果たす役割を持つ防水透湿シート(タイベック)の存在。

タイベックは水は通さずに水蒸気は通す機能があることは周知の通り、これは目には見えないが水の分子よりも小さく、水蒸気よりはるかに大きい穴が開いているためで、この穴を通して水蒸気が排出される機能がある。

もともと通気層は壁の中に流れ込んできた水蒸気を早く排出させようと考え出された工法であって壁内結露との戦いの中で生み出されものです。
通気層なしで施工されるケースがまだまだ多くありますが、暑さ対策+壁内結露防止になる通気工法を是非標準に採用してもらいたいものです。
※写真は通気層なしで外壁がモルタル仕上げとなっている住宅で内部結露発生した断熱材の様子。


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熱損失係数がわかる住宅を建てよう!

その日射取得熱の重要性について古来日本の住宅は、南面に大きく開口を取って冬の日射を利用し、寒い冬を暖かく過ごす知恵を持っていました。
南面の開口が大きくなると冬の日射の恩恵を受けて暖房負荷を低減できるのですが、その反面夏にはオーバーヒートを起こしてしまいます。そこで古来の住宅は庇である程度防いできた経緯があります。

あるいは開口部の周囲には落葉樹を植えて夏は日射を防ぎ、冬は落葉することで日射を多く取り入れるそんな工夫が当たり前でした。そこで新省エネ基準の告示では規定しなかったものの熱損失計算を行う場合は冬の日射を計算することが望ましいとされています。
次世代省エネ基準でも夏期日射取得係数は規定されているもの冬期についてやはり規定されていません。
126zjawnja1njlfmtkznty3nvsxxsipq5cu.jpg●写真1:は太陽の角度から考えて作られた窓庇

参考に冬期の日射取得係数の基準値はⅠ~Ⅱ地域(0.08) Ⅲ~Ⅴ地域は(0.1)となっています。

ここで注意しなければならないのは夏期取得係数の基準値と違って基準値の数値より大きくすることが望ましいということです。この基準値を満足させるためのは真南より45度以内の方向に窓面積を全面積の40%以上にすれば基準をクリアするようです。






126zjawnja1njlfmjazmzq2ntzbmv254a.jpg●写真2:は冬期の日射取得熱も考慮した熱計算書です。
暖房負荷低減を考えるならば考えてもよいのではないでしょうか。
住宅を設計する際には
こんな部分に気を使うと冬期の暖房費も低減できるのです。

こんな細かい部分まで気を配る設計事務所は岩手では植田優建築工房さんと佐川アトリエ設計事務所さんではないでしょうか。
次世代省エネ基準を最低基準としてQ1住宅(1W/m2)を目指しながら省エネ住宅を設計しておられます。

庇の出の計算も太陽の角度から計算して、通風も考えて周囲には先程説明したように日射の関係から植樹も考えます。できればパッシブ住宅を目指します。

次世代気密評定を認定されている工法であっても実は1棟1棟熱損失係数は違うのですから検討しなければなりません。

間取り、外観、仕様、設備機器の豪華さに目を奪われないで、又坪なんぼの世界?の住宅ではなく自分の家の(モデル住宅ではなく)熱損失係数がわかる住宅を建てることができれば長い目でみればコスト削減に繋がるのです。


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花粉症が緩和される家

首都圏で四人に一人が悩んでいるという花粉症への対策として東京都は13日、スギ花粉の飛散量減らすために都西部の多摩地区でスギの伐採事業に着手した。・・・・という報道がされました。
100zjawnja1njlfmte4mtq5n6hn.jpg

昨年では東京都の石原都知事が目をクシャクシャさせての「スギ花粉対策」会見は印象に残っています。

実は私の家内も杉花粉症で悩まされていた一人でした。
・・・・・と過去形ですが

何故過去形なのかというと
家を新築する前の家の側には杉の大木が数本あってその時期がくると石原都知事と同じ症状で悩まされていたのです。

家を新築してからいつの間にか「クシャクシャ目」がなくなっていたのですが
TVでのスギ花粉のニュースをみて
「そういえば、お前クシャクシャしていないな!直ったのか?」
「そういえば・・・新しい家に引越して2年目から・・直ったのかな~?」
そんな会話です。

花粉症については専門的な知識はありませんが・・・・
考えられることは家を新築してからですから我が家に花粉症に対して防御する機能がありそうです。

新築前に住んでいた家は高断熱で低気密住宅であったのであらゆる隙間を通して)風が強い時などは特に)スギ花粉が室内に入りこみむようになっていたのです。

現在は高気密住宅でちょとやそっとの外風圧で隙間を通して浸入するものがありません。

けれども計画換気システムですので外部から新鮮な空気は吸気口から取り入れていますのでその吸気口からはスギ花粉が入ってくる筈です。

実はその吸気口にちょとした仕掛けがあるために杉j花粉は従来よりカットされるようになっていたのです。

計画換気システム(第三種換気装置)に設置される吸気口で丸型と角型とがあります。

一般的には「パッコン」と呼んでいますが正式には吸気バルブといいます。
丸、角型の部分が室内側になって角型のガラリ付の方は外部側に取り付けられます。
ちなみに我が家では角型のガラリは使用しないで丸型の吸気バルブのみを設置して吸気は外壁の通気層から取り入れています。

東北では直接ガラリを通して吸気するのではなく外壁でいったん防御して使用する例が多いのです。
その「パッコン」の中に入っているのが下の写真・・・「花粉フィルター」です。

通常は黒い色で網目状のスモンジフィルターが入っているのですが花粉対策ではなく埃浸入防止に設置されています。
100zjawnja1njlfmte5mzezojzg.jpg100zjawnja1njlfmte5ndi2auw.jpg

花粉フィルターはオプションになっていますが1枚1000円程度の価格ですので第三種換気装置を設置されている方は試して見る価値ありの商品です。

**大気中に漂う花粉・粉塵**(参考)

現在、花粉症の原因となる植物は日本国内で40種類以上の報告がされています。
これらの花粉はほとんど風媒花で、風で花粉が運ばれるため開花期には大量の花粉が大気中に放散され花粉症の原因となります。
これらの花粉は呼吸器官系から吸い込まれ、鼻の粘膜等に付着すると花粉の表面や外壁にあるアレルギー原因物質(抗原)が粘膜中に溶け出し呼吸器官系の粘膜に侵入すると体内にlgE抗体が作られます。

lgE抗体とは、体内に侵入した異物を排除する働きをします。
花粉症で、くしゃみや鼻水、鼻づまりが起きるのは体を外的異物から防御するlgE抗体の働きによるものです。
ところがアレルギー体質の人は、lgE抗体の生産を抑制する遺伝子を持っていないため花粉を吸い続けると体内のlgE抗体は増え続けある水準を越えると激しいくしゃみ発作や、鼻水、鼻づまりなど花粉症の症状が発症します。
特に、ディーゼル車の排気ガスに多く含まれる微粒子が、lgE抗体増やすのではないかという説が有力になっています。

●大気中を漂う主な花粉や粉塵
「花粉」
●スギ花粉:20μm~40μmの大きさで、花粉症の発症アレルゲンの最たる物と考えられています。飛散期間は毎年2月~5月上旬。

●ヒノキ花粉:30μm~40μmの大きさで、花粉症の発症アレルゲンの最たる物と考えられています。飛散期間は毎年3月~5月下旬

●ブタクサ花粉:20μm程度の大きさで、食物アレルギーのある人にとっての花粉症アレルゲンとして知られています。飛散期間は毎年3月~5月。

●ハンノキ花粉:30μm程度の大きさ。飛散期間は毎年2月~4月。

●ネズ花粉:28μm程度の大きさ。飛散期間は毎年2月~4月。スギ・ヒノキとは別の抗体をつくります。

●カモガヤ花粉:34μm~38μmの大きさで。飛散期間は毎年2月~4月。

●SPM(Suspended Particulate Matter)空気中を浮遊する微粒子

●DEP(ディーゼル排気微粒子): ディーゼルエンジンの排気に伴って大気中に排出される化学物質。1μm~10μmの大きさで、喘息など慢性呼吸器疾患の誘因物質(原因)と考えられ、近年注目されています。

●1.3ブタジエン炭化水素:自動車などのエンジン排気ガスに含まれる発ガン性が認められる揮発性物質。またタイヤにもブタジエンゴム/スチレンブタジエンゴムとして含まれており、路面との摩擦により摩耗粉塵として大気中を浮遊しています。大きさは1μm~10μm。

●窒素酸化物:自動車排気ガスなどのエンジン排気ガスに含まれる二酸化窒素などのガス状物質。大きさは1μm~4μm。呼吸器疾患などの原因物質を考えられています。

●煤塵:工場や自動車の排気に含まれる燃えカスや、路面が摩耗することによるアスファルトやコンクリートなどの摩耗粉塵などの異物。大きさは5μm~20μm。呼吸器疾患や各種アレルギーの誘因物質と考えられています。

住宅の気密性能が
高まれば花粉症も緩和されるという実体験でした。


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電磁波シールド効果がある家?

電磁波シールド効果がある家?
(我が家)は携帯電話での会話がしづらい家になっています。

地域的には何処でも通じる筈なのですが
家の中では通話がブツッと遮断されたり電波が弱くなったりすることがしばしばです。
電話が来ると立ちながら窓のある場所に移動しなければ最後まで会話ができません。

気密住宅に係わって25年ですがある材料を使った気密住宅で施工した場合は携帯電話が使えないとか、ブツブツ切れるといったお客様の声が数多くありました。

「気密住宅と携帯電話とは何か因果関係があるんだろうか?」
そんなことを考えていた時期がありました。

お客様から
「携帯が通じづらいんだけど!」
と言われた場合は
「気密住宅だからですよ。」
と言った曖昧な回答をしていた頃がありました。

最近その因果関係が公的機関(京都府中小企業センター)で試験された報告で知ることができました。

その試験とは※携帯電話電磁波の透過性を調査するために、電磁波シールド測定です。

■試験方法はKEC法に基づき測定(KEC:関西電子工業振興センターの略称)発信部と受信部の距離は10mm/試験室の温湿度は20℃/測定周波数110~1000MHz
私が係わっている話ですから、そのシールド材は断熱材なのです。
dc0120191.jpg写真は外断熱(外張り工法)に使われた硬質ウレタンフォームの成形板です。
我が家もこの断熱材を外張りしています。当然屋根も厚さは違えど同じ材料です。

結論を言ってしまえば
実はこの断熱材の特徴は室内側にアルミの蒸着フィルム7μmを貼り、外部側に撥水処理を施したクラフト紙を貼っていて、中間にウレタン材がサンドイッチにされたものです。

そのアルミの蒸着部分に秘密がありました。
(実は、この外張工法でこの断熱材を採用した理由は、電磁波カットを期待したのではなく、水蒸気の透過を防ぐ(防湿層+気密層)ことができることが採用のきっかけだったのですが・・)

これが電磁波シールドされる家となってしまったのです。
NTTドコモの周波数(800MHz)では
この材料を使うと68dB(99.96%)のシルード効果があります。

電磁波が健康にどう悪いのか因果関係はまだ明確になっていませんが、
アメリカでは高圧線下の家に住む住人がガンになったとい報告もありますので、
こんな場所に建てなければならない場合は有効な断熱材ではないかと考えられます。
その代わり、携帯電話が通じづらいのですが・・・・!

その材料とはクランボードAP

●実際の家では、僅かな隙間や開口部から電磁波は通過するため、99,96パーセントシールド効果があっても、携帯電話の通話のカットは完全にはできない。

こういう理由で我が家で使う携帯電話での会話はしづらいのです。


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結露を防ぐちょとした工夫

後2ヶ月もすれば寒い冬がやってきます。
冬と言えば悩まされるのが結露!
その結露を防ぐために
ちょとした工夫で快適な居住空間を手に入れることができます。
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写真は窓カウンターのスリット(我が家の設計=植田優建築工房)の工夫された例です。
写真1窓と天版の間を意図的に3cm幅のスリットを設けています。
このスリットの下は3cm幅で床面まで空洞になっています。


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写真2、この部分は写真1(収納棚)の下の部分を写していますが下部にはパネルヒーター床付けタイプを設置しています。
●コールドドラフトを防ぐためにパネルヒータの熱が窓面のスリットを通り窓ガラスの表面温度を上げるように工夫しています。収納棚がないカウンター場合も同じようにスリットを設けるようにすると窓の表面結露とコールドドラフトを防いでくれます。

加工費は微々たるものですからお奨めです。小物が落ちないように丸穴をいくつか開ける方法もあります。
我が家では小物が落ちても収納棚下が十分隙間があるので手が届き問題はありません。

●さらにパネルヒーターの奥(収納棚の下部)にガラリを設けています。
(ちょうど、パネルヒーターの奥に見える電気線のコンセントの所です。)
(これについては基礎断熱気密型換気口と連動しているので後日報告いたします。)
92zjawnja1njlfmjeymzi1npfj.jpg写真3
テラス戸、掃き出し窓などはこのようにパネルヒーターを設置するようにします。
数年前まではこのタイプが販売されていなかったため腰壁用のパネルヒータを必要な高さ(深さ)のBOXを作りその中に設置して上部はガラリをつけていました。

小物、埃、ゴミ等がガラリの隙間からBOXに落ちる場合があって掃除が大変だったのでが、写真のようなフラットタイプの置き型ヒーターはフックをかけてヒータを持ち上げることができるためBOx内の掃除は容易になっています。

パネルヒータのメーカーはたくさんありますがこのタイプはピーエス㈱のHRヒータ(JET・X TYPE ジェットタイプ )しかないのではないのでしょうか。(お奨めの商品です)

テラス戸、掃き出し窓のヒーターの一般的な収め方はこのタイプがないためテラス戸、掃き出し窓の脇の壁に設置していること多いのですがコールドドラフトを防ぐことがでません。

●その床付けのヒーターの様子を熱カメラで見ることにします。


右側の床付けパネルの部分が赤色で30℃を示しています。
中央の背の高い紺色のパネルは34℃、左の小さい腰壁パネル(この場所は玄関)も34℃となっています。
壁の表面温度は22℃前後・・・展示会のため暖房を入れたのは前日です。
ちょとヒーターの温度が高いのですが土間に熱が奪われているため強制的に温度を上げています。

数日で温度は安定しますが・・安定するとヒーターは低い温度を示しながらサーモスタットが効いてヒーター自体も22℃となります。

※ちなみに左側(玄関)ヒーターの横の黄色い部分はお客様が履いてきた冷たい長靴です。


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高性能住宅の10年後の暖房費はいくら?

この家は岩手で1996年に建てられてた住宅です。
ご主人は仕事の都合で北海道にいたTさんは寒さを考えた暖かい家から、岩手の仮住まいになった時は、1年で嫌になったそうです。
引越しを考えた時にいっそ家を建てようかと考え始めて、具体化したのは住宅金融公庫融資の利率が最低ラインの頃で後押しされる形になったのが建てる第二の理由でした。
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●建てる・暮らす・いわての本」クラシェコ」に掲載
熱損失係数は1.78Kcal/mh.℃(現在はW表示ですから2.07Wm2Kです。)次世代省エネ基準のⅡ地域基準を少し下回る性能ですが当時の新省エネ基準の2.3Kcal/mh.℃を大きく上回る性能です。
・延べ床面積110.63m2
・断熱材は天井ポリスチレンフォーム300mm、壁は90mmのパネル工法です。
(当時は輸入住宅流行でアメリカから直輸入した「エコパネル」という商品でした。
・OSB+断熱材+OSBの一体成形板ですが気密は取れるものの防湿にこだわって内部よりアルミ箔蒸着の気密シートを貼り、気密防湿層とした。)
・開口部はペアガラス。
・基礎はウレタン40mm+コンクリート120mm、
・土間はウレタン30mm+コンクリート120mmの土間床工法、
・隙間相当面積が0.16cm2/m2の超高気密で0.4mm×0.4mmの総隙間面積しかありません。
鍵穴の隙間くらいでしょうか。

暖房はピーエス株式会社の「HRヒーター」
換気はアトム建築環境工学研究所の「ユーフレクト」

●以下はお住まいのTさんの感想です。
「ダクトで温風を回すのも均一性がなく、床暖房は北海道の友人の家で寝ころぶと熱すぎたという体験もあって、暖房を使ったパネルヒーターがお気に入り。
ただし放熱器のの形が薄いパネルが気になりませんが立体のコンベクタータイプは、床下に埋めたかったというのが本音。掃き出し窓はコンベクターをまたがないと外へ行けません。

室温は24℃くらい。動かないで入ると足元がちょと寒く、動くと暑いという感じ。(冬でも半ズボン)結露にはだいぶ悩まされていたので、建てる時の条件も「あったかいこと」「冬の結露がなくカビが生えないこと」「冬でもおいしいビールを飲めること」住まいはまさに条件どおり。お風呂場などにもカビはありません。朝の気温を気にして水を落とすこともない気持ちがいい朝です。

「給湯と暖房の石油代が1ヶ月15.600円。前の住まいで暖房だけで10.000円でしたから思ったほどではないです」・・と奥さんのK子さん。前の貸家より大きくなっていることを考えれば、暖房の効果はかなりレベルアップしているといえるでしょう。基礎の断熱材のお陰で床も冷えません。床暖房が入っているの?と聞かれます。そのため普段は冬でも裸足とか。湿度はやはり低めです。「油断すると観葉植物が枯れる」とご主人のTさん。暖かいので花は早く咲き、早く散るそうです。

一度暖まるとなかなか熱が抜けないため、夏は、夕方に窓を開け放して冷気を入れるようにしています。冷房器は入れておりません。夏の夜はウッドデッキがビアがーデン。美味しいビールが楽しめます。リビングの桟が格子に組まれている掃き出し窓は、気密を考えて方側しか開閉できません。桟はペアガラスの間に入っているので掃除は楽。玄関にあるガラスブロックは、やわらかな光彩をつくります。腰高の窓は上げ下げ窓でより洋風の印象に。網戸の設置が楽なので案外日本にピッタリです。」

●実際に住まわれているTさんの声でした。
室温24℃で給湯と暖房費が15.000円は安いと思いますが高いという意見あります。

全室均一な温度環境と新鮮な空気の入れ替えがあって、結露のない高性能住宅は長い目でみれば構造材の耐久性が飛躍的に延び、簡単なリフォームで50年以上も持つ資産価値の高い買い物だっのではないかと私は思っています。


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悔いの残らない家づくり

やっと家を建てました」という人がいると、
つい「全室暖房(冷)ですか?」と聞いてしまいます。

すると、いや~、そんな坪単価が高いのは無理ですよ」と返事が返ってきます。

47zjawnja1njlfmtuzmju5nj_q.jpg全室暖房、全室冷房というと、「高い」と考えられがちですが、果たして本当にそうでしょうか?
また、その暮らしは本当に「高い暮らし」になっているのでしょうか?家と同時に、快適な暮らし、健康的な暮らしを手に入れられるとしたら、こんな安いことはないでしょう。

日本全国、い~え世界中で誰もがいい家を手に入れたいと考えています。マイホームのために、老いも若きもビジネスマン達は働いています。しかし、TVを見て、雑誌を見て「あ、この家がいいね」とか「吹き抜けの家が欲しいとか」「トップライトがほしいね」など目で家を考えても体(健康面)で家を考えることはまずなかったように思います。お医者さんい聞いても、答えてくれませんが高性能住宅に住むようになって、花粉症やアレルギーが軽くなったという人がたくさんいます。

数字こそ取れませんが、理論からいって、温度差による脳卒中も減っているはずです。省エネ基準も次世代省エネ時代となり、今はまだ義務化となっていないものの、次世代基準クラスが義務化なる時代が目の前にきています。
場所を問わず、高性能住宅が基本となる時代もそう遠くないことだと考えています。

■いい家を建てるにはいい設計事務所、工務店を見つけると同時に建てる側が勉強しなければならない。 
工法によって施工金額や、燃費の差、あるいは同じ工法であっても工務店によって多少性能に差が出ることがあります。素材自体の断熱性能、気密性能が向上していますから、これから建てる家は以前の住まいより数段快適さです。

しかし、見えない壁の中で何が起こっているかは、わかりません。日本での高性能住宅の歴史は浅く、ようやく20年経った家がいくつかあるだけです。今あるのは机上の「確信」と体験者の声のみです。「R-200住宅の家」高断熱、高気密住宅」「全室暖房、冷房」「オール電化住宅」と掲げている工務店でも、その知識を100%自分のものし、自分たちの住む気候や風土を考えて応用しているのはごく少数です。工法や工務店の選択を間違えると、快適な室内環境とひきかえに、家の寿命を縮めてしまうこともあります。

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工務店を見つける方法は1%の運と99%の勉強としかいいようがありません。

見極める目は、施主側になければならないのですから、施工の技術、知識、ハード面の考え方はどんどん進歩しています。しかし、それを実現させるのには施主という人間と施工という人間です。
人と人との間には感情があり、衝突もあります。

そこであきらめればいい家はできません。自分の考え方やにわか勉強に固執するのではなく、「いい家」を建てるという意識を持ちながら、納得できるまで話し合うことが必要です。北海道、東北、今では九州にも広がりつつある快適な住まい。
氾濫する情報の中でも、しっかりと自分を見つめ、悔いの残らない家づくりをしてほしいものです。


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居住環境性能契約

これからの住宅には居住環境性能契約も考えたい。

30zjawnja1njlfmtu0mti2nzrd.jpg住宅を商品と考えた場合、その特徴に一つは、よく似た条件の物件はあっても全てが同じという物件はないということです。

同じ一団の土地で同じデザインであっても、日当たりや眺望が異なり、設備仕様のわずかな違いも、必ず価格に反映されます。

土地を決めたり、建築の依頼をする場合、納得もしない物件を安易に契約すると、あとあと高額な手数料がかかる上に手付金を失うなど何もいいことはありません。

それでなくとも、日本人の契約は下手で有名で、現に消費者相談の上位を占めているのが、この住宅に関する契約のトラブルだといわれています。

購入する土地が決まれば、買主は工務店やハウスメーカーに手付け金を払って売買契約を結びます。その後、買主が契約を解除すれば手付金は戻りません。

契約のあらゆる問題は、法的には契約書に従って判断されるため、買主は納得できるまで説明を聞いた上で署名、捺印をすることが大切です。

契約書には、一般に建物の仕様、契約金額、工事期間などが記載されます。こうした大切な事項の全てが契約書に明示されることにより、建て主の不安や懸念に応えているわけです。

ところが。家の形ができるにしたがって、あるいは実際に入居して初めて気づくことも少なくありません。後々のトラブルを避けるためにも、大切なことは契約書に全て盛り込んでもらうようにし、責任の所在が明らかになるように契約を結ぶべきです。

また、性能住宅を建築する場合によく起こりがちなのが、期待した性能が出ないといったトラブルです。いつまで経っても結露が消えない。
思ったよりランニングコストがかかる。

1階と2階の温度差がありすぎるなどですが、この原因を考えてみると、これまで契約事項の中に「居住環境に関する性能」の項目がなかったことが考えられます。

性能を期待して建てる家なのに、性能が出なければ意味がありません。
少なくとも、現在がコンピューターでランニングコストがあらかじめ予測できるのです。

こうした居住環境性能契約を結べば、その性能実現のため、工事施工の精度が、施工側の義務、責任として要求されます。もちろん買主は性能に見合ったコストを支払う義務があります。
繰り返しますが、万一、トラブルが発生した場合は契約書に従って法的に判断されます。

後になったてから「知らなかった」と
泣かないためにも、消費者のプロを目指してほしいものです。

●ちなみに私は以下のものを建て主様にお渡ししております。

この他に添付書類として

①熱計算書
②暖冷房負荷計算書
(暖冷房のランニングコスト)
③結露計算書
④換気風量結果報告書
⑤気密測定結果報告書
⑥熱カメラによる断熱欠損の有無
⑦高性能住宅の住まい方マニュアル等・・・をお渡ししております。


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工務店や大工さんに依頼する方法

家を建てる時は何処に依頼します?:発注方法の(3)です。

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地元の工務店や大工さんは、
施工(自分の腕に)自信を持って、施工に当たってくれます。 しかし、
それがイコール設計やデザインの創造に秀でいるということになりません。

建築家が設計のプロなら、工務店や大工さんは施工のプロとして認識するべきです。
もっとも工務店、大工さんであっても性能的な側面やデザイン的な側面でも研鑽を積んでいるところあります。

その土地での長年の実績を持つ会社や大工さんは、気候や風土を熟知していて、地域に密着した家づくりでは、大手ハウスメーカーに負けない意気込みで仕事をしているところも少なくありません。

しかし、中には大手企業やハウスメーカーの下請けに甘んじている業者もあります。

またワンパターンの設計しかしていない所、あるいはできない所があります。
設計の技術的な未熟さと経験が浅いと、どうしてもデザイン性の創造力は働きません。
また意図的にコスト削減のためデザイン、使い勝手を無視して建てられいる例もあります。

知人の大工さん等の場合は義理や人情が先に立って。設計も施工も後回しということがありますので注意が必要です。

■選択のポイント
1・下請けをあまりやっておらず、出稼ぎ職人をたくさん抱えていないことと、従業員の定着率がいいところ。

2・社長の経営方針が明確で、誇りを持って仕事をしているような会社、あるいは大工さん。

3・自社で建てた建て主さんと良好な関係が続いていること。

4・デザインや設計を無視して、施主の希望を軽視する会社は要注意です。

5.自社の建てた物件を快く見せてくれるところ。

最後に最も要注意は
6・坪○○円の話から入り、施主の予算に合わせます。
・・・が一番要注意です。
等ですが、
いずれにしても日頃から、よく勉強している工務店や大工さんでないと、せっかくのプランも絵に描いた餅になりかねません。

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住まいは、人が快適に、豊かに生活するためが基本。

住まいは、人が快適に、豊かに生活するためが基本。

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家族の志向や生活パターンに見合った空間、デザインができれば、うれしいことこのうえありません。
理想の住まいの実現のためには、先ず依頼先を決めることから始まります。
工務店、ハウスメーカー、設計事務所等。さて貴方はどこに依頼しますか?

昨日の続きです。
イメージは決まると何処に依頼するかが問題になります。

それでは
どうしたらいいのでしょうか?

●発注方法には大きく分けて3通りあります。

①設計事務所に設計・施工監理を依頼して、施工は設計事務所に紹介してもらうか、自分で選定する方法

②地元の工務店か大工さんに依頼する。

③大手のハウスメーカーに依頼する。

いずれの場合も、その技術力や実績。そしてせっかく練ったイメージを実現しそうなところをじっくりと時間をかけて選択するべきです。
それではそれぞれの特徴を考えてみましょう。

1・設計事務所に依頼する方法
建物と建築との違いはどこにあるのでしょうか?
一般的に建物のうちで、美的要素を意図的にしたものが建築であるといわれています。

設計事務所は、その建築を創造し、設計及び施工の監理すところと解釈することができます。
施工者と設計事務所の役割や業務も違います。
施工者は実際の工事を請け負いますが、設計事務所は釘を打ったり、ペンキを塗ったりしません。
(TVのビフォー・アフターでは
何故jか・・設計士が施工していますが・・・?)

建物の要素、つまり床や壁や天井でかこまれた空間を創造するのが設計事務所の仕事であり、外部空間と町並みの調和を考えて、景観を創っていくのも設計事務所の仕事です。
しかし残念ながら一般住宅の設計に熱心な設計事務所は少数なのが現状です。
それでも各地域にはその地域の風土にあった住宅を設計する設計事務所は必ずあるものです。(諦めずに探しましょう。)

●それでは設計事務所に依頼した場合はメリットはなんでしょうか?

要約すると
1・デザインやプランの専門であるため、より自分のイメージに近い空間を創ってくれます。
2・信頼できる施工店を紹介してくれる。
3・施主の立場に立って監理を行い、トラブルが発生しても責任の所在を明らかにしてくれる等です。

こんな例があります。
大金を払って檜のお風呂を設置した。
それは施主の自慢にはなりますが、設計事務所の自慢にはなりません。
設計事務所は、檜の素材を使って、どのようなデザインにしたのかというセンスが問われるのです。檜を使っても、貧弱なデザインにしか見えないということはよくあることです。
反対に安い材料を使っても高価に見えて、豊かな空間創りをするのも設計事務所の成せる業です。
そうした意味でも、大いに利用したいものです。

最近ではデザイン、空間だけではなく、高性能住宅を科学的に創るために図面の仕様書に熱損失係数とか隙間相当面積とか換気風量の実測定を義務付けている設計事務所もあります。
さらに、それを監理するわけですから信用度が高い住宅を得ることはできるのがメリットとなります。

●岩手でのお奨めの設計事務所はこちら

佐川アトリエ設計事務所
植田優設計工房

明日は「②地元の工務店か大工さんに依頼する」についてです。

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高性能住宅を建てた理由

高性能住宅
平成8年に新築した我が家です。

この頃の岩手は2×4住宅(輸入住宅)、在来構法、断熱工法でいえば内断熱(充填断熱)、外断熱(外張り断熱)が主流で高気密高断熱住宅の工法競争が真っ盛りでした。
(また顕著に建築業界の景気が悪くなり始めたのもこの年だったと記憶しています)

平成7年の完成見学会で営業マンのサポートとして展示場にいた時
お客様からドキッとする質問があったのです。

「どの会社の展示場でも我社の○○工法は冬暖かくて、夏涼しくて快適な住宅で省エネ住宅すよ!自然素材を使っていて24時間換気ですから空気は奇麗です・・と勧められるが勧める方が高断熱高気密住宅に住んでいないで本当に良さがわかるのか?」という単純な質問です。

なるほど、お客様がおっしゃる通り私を含めて会社の人間は誰一人自慢する高断熱高気密住宅に住んでいないです。
(所謂、低断熱低気密住宅か高断熱低気密住宅にに住んでいるのです。)

営業トークではあたかも自分も住んでいるかのごとくの説明をしますが、微妙な感覚の問いについては曖昧な回答になります。

断熱性能は熱計算でQ値(熱損失係数)が算定できるし、気密性能は気密試験をすればC値(単位隙間相当面積)が計算されシルクハウス対策ではホルムアルヒデド、キシレン等の有害物質が放散されない建材を使って濃度測定もしていましたが・・・そんな説明では足りないのです。

そうです。

住んでみないとわからない・・・・住環境の説明です。
そんな事があって我が家を実験棟として建てることにしました。
(不景気に突入した頃ですから公庫のローン支払いはできるのか大変心配しましたが)

次世代省エネ基準をベースにして環境共生住宅を意識して計画しました。
平面図(間取り)は家内が作成して、断熱、気密、換気、暖房については私が計画し設計管理は岩手の設計事務所さんにお願いして現場管理は私です。

さて、その住環境はどうなのか? 
次回からは住んでみての体験を通して、
住環境を科学的に検証するレポート開始です。

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プロフィール

昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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