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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

心地よい風が通る家づくり



●これは2006/8月に3回分けてに投稿したものです。
ブログの引っ越しに伴って、分散してある記事を集約し、読みやすいように修正編集して再投稿になっています。



●風を使う通風と換気

28zjawnja1njlfmta1mte5yy8.jpg人の体は気温より体温(体の表面温度)が高くなると放熱し、さらに発汗を始めます。

風は放熱量を増し、蒸発を助けます。空気が動くということでは同じなのですが、通風と換気は明確に区別されます。

換気は新鮮で奇麗な空気を保つためなものであり、通風は厚い時に窓を開放し、室内に気流を起こして体から熱放散を大きくして、体感温度を低くするものです。

家には必ず窓がありますが基礎をそのまま土間床として利用しない場合は床下に基礎換気口を設けます。風を通すことで、湿気を外に排出して土台とか根太等が腐るのを防ぎ、熱を排出して快適環境を保ち、汚れた空気を外に出して、新鮮な空気を取り込んでいます。

高性能住宅では、日常の換気は計画換気によって常時新鮮な空気を取り入れて、汚れた空気は排気するようになっているため、通風のみを考えればいいことになります。

●窓を使って風の通り道を計画する。
28zgmwmja3mdf49a.jpg押入れに結露やカビが発生するとスノコを布団の下に敷き、空気が通ればOKと考えます。押入れの通気をよくするだけに頭が凝り固まって、気密住宅にすると通気が悪くなるからと、気密化を嫌う人がいます。

風通しのよさを隙間に求めているのでしょうか。
家についている窓は外を眺めるためでなく、風を通すという機能でもあるのです。家の中に上手く風を取り入れるには、入り口と出口を作る必要があります。

住宅に風が当たる場合は風上に正、風下に負の圧力がかかります。空気の圧力差は風の原動力です。正の圧力の大きな所に風の入り口を作って、負の圧力の大きな所に出口を作ると効果上がります。

箱があってそこに二つの穴でも作ってやるなら、風通しがよくなるのでしょうが、家の場合はそう簡単にいきません。窓の大きさも関係しますし、部屋の間取りによって障害も出てきます。窓を正負に合わせて計画してもその間に壁でもあると通りようがありません。

そのため、設計段階から風の通りを想定して、窓や間仕切壁、ドアの位置や大きさを設定することが大切です。南と北の窓を開けて、さらに東と西の窓を開けてやるようにすると、風量は窓を二つ開けただけより増します。


dc071504.jpg上下の温度差が少ないことと、開放的な間取りが可能なため、高性能住宅にはトップライトがよくついています。
そのトップライトを上手に使うとスムーズに換気ができます。

壁面の窓とトップライトを開けると上手く排熱してくれる温度差換気というものです。
この換気は給気口と排気口の高さがあるほど効果的で、メンテナンスが大変なもののトップライトは換気には非常に有利なのです。

高性能住宅では
日常生活に合わせた計画換気がなされて、いつもより人が多く集まった時などは窓を開けて換気することになります。その際にトップライト(べルックス)があるとすばやく換気が促進されて便利です。

空気は暖められると上に浮上します。屋根で暖まった空気が排出される力を利用して室内の空気を引っぱってもらうものです。(しかし、風により逆流すれば熱がリターンするので注意が必要です。)

昔の日本の家は越屋根(採光・換気・煙出しなどのため、屋根の上に、棟をまたいで一段高く設けた小屋根。)という排気、排熱のされる仕掛けがありました。また襖、障子を開け放すことで障害がなくなり、風の通りがよくなっていたのですから、昔の人の知恵は「たいしたもんだ。」と言うしかありません。

高床も今ではなくなり、現在は布基礎で作られているものの役に立たない(通風の通りを考えない)換気口がつけられている例もけっこうあって、床下換気口の意味をなさない作り方をしています。

床下換気口は床下の窓・・・向き合う窓が二つあって通風の効果があるのです。
最近は通風を考えた商品に「サスマックス」とか「キソパッキン」が販売されていて基礎と土台との間に隙間を作り通風をより効果があるようになっています。

しかし、やみくもに窓を開ければいいのいうものではありません。

風が強すぎるところでは、土埃など家に引きこむことになるので、何らかの暴風の必要が出てきます。
風は環境によって日々変化します。気温が高い日は熱風を入れてしまうことになります。

テラスやアスファルト、コンクリートでは熱くなった風を家の中に入れるのもマイナスです。
逆に熱い風も水面や木々の間を通ることによって涼風に変化します。そういった涼風を取り入れる工夫もしたいものです。

日本の場合は気になるのは湿気です。

湿度が高いと体感温度も高くなり、そのため気温が高くても湿度が低いヨーロッパなどでは過ごしやすく、気温が高く湿度も高い日本の場合は蒸し暑く過ごしづらいというわけです。

室内の湿度が低ければ、むやみに外の湿気を入れるのは考えものです。

日中暑く夜から涼しくなるときに、日中の暑さを遮断する庇や外ブラインド、簾、木々などを利用して日射をできるだけカットして窓はきちっと閉めて、夜に冷気を取り入れることでと快適な室内気候となります。

それでも暑い時には冷房に助けを求めることになりますが、高性能住宅の場合は小さなエネルギーで十分に涼しさを得ることができるのです。
(高性能住宅、特に蓄熱体がある場合は、日中に熱風や日射によって熱を入れてしまうと、夜になっても抜けず眠れないことがあります。)

住まい方、使い方を十分理解することで
非高性能住宅に比べると「月とスッポン」の涼しさを体験できるでしょう。


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Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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