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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

住宅の結露無料相談

ここ最近、無料相談コーナーは回答に一カ月以上もかかることで一時期閉鎖いたしておりました。それでもコメント覧から結露相談の他に気密工事の施工マニュアル作成依頼相談も増えたことで「無料相談」を再度開設いたします。dc040602_201408181945583b0.jpg(注)無料相談はメールでのQ&A方式ですので何度ご利用になられても一切費用はかかりませんが現地調査、調査報告書、改善策の提案書作成は費用が発生いたします。地域によって出張費など実費計算が異なりますのでご希望の方は見積書をお送りいたしますのでお問い合わせ下さい。
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結露改善の工事をしたが治らない、その原因は?

鉄骨ALC構造のアパートの2階の部屋に天井に結露、カビが発生したことで結露の原因と改善策の調査依頼が昨年の冬にありました。主にアパートの結露の原因は建物の構造(断熱状態、気密性能の良し悪し、換気設備、暖房設備)の不具合と住人の生活スタイルによって結露になるケースがほとんどです。結論は、この現場は天井の断熱欠損、換気不足(換気扇をOFFにしている)と住人様が使用していた暖房器は水蒸気を多く発生するファンヒーターで暖を取っていたため室内に水蒸気が充満し結露してしまったことが原因でした。
解決策として天井の耳付きGW断熱材を撤去して、できるだけ断熱欠損を防ぐためにセルローズファイバーを200mm吹き込み断熱欠損を防止、また住人様にはファンヒーターに替えてFFストーブに交換、換気は24時間ONにしてもらいました、
これで解決と思われたのですが何と翌年にはセントラル換気の吸気口から結露水が流れ落ちるという現象がでたことで再調査の依頼があったのです。

原因は何と!施工ミスによることが原因だったのです。

以下の写真は1回目の調査した時の写真と施工後の写真です。
dc011302(修整1)写真のように天井換気扇廻り、特に部屋の隅に結露が発生していた。







dc011302(修整2)
浴室の点検口から目視した天井裏の断熱材の敷き込み状況であるが写真のように乱雑に敷き込まれているので隙間が多く、断熱欠損になっていた。

dc011301.png










各部屋の天井隅の断熱材は左写真のように乱雑に敷き込まれているため隙間が多く、断熱欠損になっている。
これでは外気温度に影響されやすく天井裏の温度が降下すると結露の発生に見舞われることがわかる

dc011302.jpgdc011301.jpg









天井面に気密・防湿シートがなく気密・断熱欠損があるため室内で暖められた空気と水蒸気は天井裏に侵入、夜間から朝方にかけて天井裏の温度が降下した時にダクトの表面に結露水として現れ天井面に滴り落ちたことが判断される。(換気はOFFにしていたため排気フードから冷たい冷気がダクト内に侵入し外壁側に近いダクトの表面に結露が水滴として現れた)






天井裏に配管された換気ダクトは断熱ダクト仕様でなかったので・・・これが原因で管内に結露が発生して結露水が吸気口から流れ落ちたことで断熱施工業者がダクトを発泡ウレタンで包み込んで結露防止とした。








再調査の結果原因は(左図参照)結露防止に発泡ウレタンを換気ダクト包み込むように吹付けしていたが換気本体から半分のダクトは未施工なたため管内で結露が発生、その結露水が管底に溜まりオーバフローになり吸気口から流れでてしまったことが原因でした。








何故?未施工だったのか?
施工業者に問いただすと梁があって管全体を吹付けできなかったから・・・という答えでした。(これではプロの仕事ではありません)さらに解決するために吹付けできなかった配管がある天井付近を一部取り外しして未施工の部分を吹付けして完了しました。

<結露が起こる理由を少し詳しく対策を考えてみましょう>
1・淀んだ空気は結露の原因となる。
部屋の中とか天井裏では、淀み空気ができやすい。空気が淀むと表面結露はより発生しやすくなります。空気が淀んで動かないと、室内空気から壁表面への熱の伝わりが少なくなり、表面温度は下がってしまいます。表面結露が部屋の隅や押し入れの隅、タンスの裏側で発生しやすいのはこの影響があり、表面結露を防止するためには淀みの空気を作らないようにする必要があります。カビの発生も空気の淀んだ場所に集中しやすい傾向にあります。これは空気の淀んでいる所は水分の蒸発が少なく、いつまでも結露水で湿っているのでカビが発育しやすい状況にあるためで、そのためには各部屋に淀みがない換気計画が必要です。一番安価で効果があるのは換気ですが、換気扇が使われていないのに加え、換気のためいちいち窓を開閉するのも面倒だし、せっかく暖めた部屋が再び寒くなるので換気されないケースが多いのが現状です。
2・結露は最初に部屋の隅で発生する。
結露の原因は天井の断熱欠損、低気密、換気不足、暖房は反射式暖房器の使用なため部屋の各部の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。一般的に室内の対流によって天井面は床面より表面温度は高く、窓ガラスの下端は最も低いので表面結露はここで最初に発生、しかし部屋の隅の場合は空気の淀みができるため室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなってしまいます。さらに隅部は平面と立体的対流となるために拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。そのため、隅部での表面温度は他より3℃前後低くなってしまうのです。部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分に行きわたらない時は暖房室より離れた部屋ほど温度が低く結露しやすくなる傾向にあるため、天井の断熱に欠損があると天井の室内側の表面温度が天井裏の外気温度に影響されて温度が降下し結露してしまいます。
3・夜間、暖房が止まってから結露する。
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しませんが住宅やアパートの場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20℃~25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間になると温度だけが降下して低温で高い相対湿度を示すようになり結露がしやすくなります。(その現象は窓の結露としてよく見られます)

4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向かうだけではなく、建物の内部に拡散されます。炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非房室(玄関、洗面脱衣室、浴室、トイレ、クローゼット、寝室、天井裏、小屋裏)に向かって拡散されていきます。水蒸気は10万分の4mmと極微小粒子であるため、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材の透湿抵抗によって他の部屋に流れてしまいます。そのため、できるだけ水蒸気の発生場所で換気することが結露防止に非常に大切です。

そのためには以下の結露防止の4原則(①湿度のコントロール②換気の促進③空気の流通を図る④室温は適温に保つ)を守ることが結露から回避出来る方法になります。


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無料相談(換気扇が原因で結露?)


(この記事は2007年8月に投稿したものですが、無料相談にこれに類似したご相談がありましたので再投稿となっております。(改善に参考にしていただければと願っております。)

換気扇が壊れている!・・・カビが生えたのは換気扇が欠陥だからではないのか?
と建て主はカンカンです。(当然です。)
そこで調査してほしいとA県の地元ゼネコンの建築部長から電話依頼ありました。
この現場は引渡しをしてから1年しか経過していないようなので換気扇の機器そのものが故障であれば1年以内ですから十分無償で交換できます。チェックして新品の換気扇を手配さえすれば1週間以内にでも解決しそうな調査ですから、私に出番はないように思えます。
換気扇をつけた業者さんにお願いしたら・・・解決ですよ!」
いや、換気扇だけど、その換気扇の能力をチェックしてほしい・・」ということでM様邸にお邪魔いたしました。
設計は主に店舗とかビルを設計する超有名な設計事務所さん(東京)だそうです。住宅雑誌の載っていた「住宅○○賞」の受賞をみて、わざわざお願いしたのだそうです。

「これ!本当に設計事務所が設計、監理した住宅???」
(正直いって、フランチャイズの建売住宅にしか見えません。)

インターフォンを鳴らします。「ピンポ~ン  ピンポ~ンピンポ~ン」
(いくら・・工事に係わっていなかったからといっても、クレームで行くのですから気分ががいものではありません。)
インターフォンを鳴らすと、「ようやく来たか!」という感じの怒り顔でご主人がお迎えです。(歓迎はしないが、欠陥と思われる箇所を直して貰うためには、しかたがない・・・・というそんな様相です。

dc031707.jpg
名刺を交わして、訪問の主旨を説明。
そこで、部長とご主人が他の手直し工事の打ち合わせをしている間、私は調査をすることにしましました。

先ず、一番目に確認しなければならないのは、
第三種換気システムの吸気口部分(汚れた空気を吸って、排気する所)の排気量を風量測定器で吸気する量を測定してみなければなりません。測定は1時間に何m3排気されるかを瞬時にデジタルで読み取ることができます。

一般的に設置される台所、トイレ、クローゼット、浴室等の天井の白いグリルに写真のように当てて風量を測り、その合計が建物の容積の半分の排気量であるかどうか?を確認します。
↓こんな提出書類(一部分)になります。
183zgmwmza4mdfhbm4gicipq5cumski1a.jpg

ところが測定結果では十分な換気量(排気量があることがわかりました。カビが生えた(和室の畳)のは換気量不足の原因であるとは断定できません。
それでは、・・・何か?
思案中にご主人から声がかかりました。
「見る所が違うでね~の?」「換気扇はこっちだべ!」
といって指を指したのです。

183zgmwmjexmdrhbm4gicipq5cumskekq.jpg何と!指をさした所は外壁面に取りつけられる給気口(外気を取り入れる所)です。
その換気扇のモーター音がしない。・・・・というのです。
「手を当てても風の出入りが全然ね~べ!」
(交換してけろ!)ということのようです。
ご主人は、この給気口はトイレ等につく換気扇(パイプファン)と同じく排気するものだと勘違いしているようです。
「あの~!これは換気扇ではないんですが・・・」
「ん・・・・!!」

そんな訳で、この給気口の説明をすることになりました。
(しかし、その給気口に手を当てても風の出入りがない・・って言てったな・・・それは、おかしい?)

説明する前に給気量も測ることにしました。
(この給気口は、およそ各部屋に1個以上外壁面に設置されています。開閉時時にパッコンと音がすることからパッコンとも呼ばれているものです。)

184bgrz47kkf4d9w.jpgその測定結果は・・・・・・何と! 
給気量・・・・・・はゼロ(0m3/h)なのです。
給気量はゼロ?(0m3/h)とはどういうことなのでしょう?
先の測定では、吸気量(汚れた空気を排出する風量)は建物の容積の1/2の入れ換えがあることが風量測定の結果でした。

ところで、この住宅の暖房はセントラルヒーティングとFFヒーターの併用になっています。
お邪魔した時は室内は暖かく、あまり気にしなかったのですがパネルヒーターに触ってみると異常に熱く感じられたので建物の断熱気密性能には疑問に思ってしまいます。(火傷する少し手前の温度:触って「あっつい!」といって手を引っ込める・・・そんな熱さです。高性能住宅の全室暖房のパネルヒーターの表面温度はぬるま湯に触るそんな熱さなのです。


そういう訳で室温が同じ20℃前後の暖かさであった場合には建物の断熱気密性能のある程度の良し悪しは、このパネルヒーターの表面温度の高い、低いで判断できるのです。
そこで、断熱気密性能も調べることしました。
しかし、気密測定器も熱カメラも持ってきていませんから、目視で判断しなければなりません。
そこで天井と床下に潜って調査することにしました。

184rfndmdmznjmoj0oqrjepb5a.jpgこれは天井の断熱材(GW200mmのブローイング吹込み)ですが指を差している部分は間仕切間の隙間部分(気流止め)です。防湿シートを張っているものの、隙間部分の先張りシート(気流止め)がないことと、接合部はテープなしですからスカスカの低気密住宅になっています。




184zgmwmza3mdfhbm4gicipq5cumskoj0oq.jpgどの部分かというと、左の薄ブルー色の部分上が2Fの間仕切部分(気密住宅でない場合は、この隙間にGWを折り曲げて気流止めにすることになっています。)下の部分は1Fの間仕切間の先張りシートを表しています。

その先張りシートがない訳ですから、この間仕切間は煙突状態になって、外気が走っていることになります。
当然この間仕切には室内ですから断熱材は充填されていません。気密シートは全体に施工してあるものの、接合部のテープ処理が一切ないようなので、気密測定をしても測定不可になることだと思います。






184rfndmdmznjgoj0oqrjepdlg.jpg同じく、こちらは床下の土台付近です。
赤線で示している部分に土台先張りシートがありません。
床下にはプラスチック系断熱材があって、その上に気密シートがあるものの、外壁側のシートと床のシートとは接合部にテープ処理もない状態です。(黒くなっている所は内部結露発生で土台にカビが発生しています。)

カビの発生原因はこの部分を見てもわかるように
気密住宅ではなく、低気密住宅なため隙間があちこちに点在し、あちらこちらの隙間、特に吸気口の付近の隙間から多く給気されているため、せっかくの計画換気の換気経路が計画通りにならず、パッコン(給気口)から外気を入れることができなく室内の空気が滞留しているのです。
(例:ストローが気密住宅とすれば、吸う方と吸われる口が1個なので給と吸が明確ですが、そのストローの途中にに針の穴が無数に空いていた場合は、先端の口からは100%の給気ができません。その状態がこの現場には見られるのです。)

だから給気量はゼロ?(0m3/h)だったのです。

ということで結論!!
カビの発生(特に和室の畳の間仕切~外壁廻りの畳に多く発生)は低気密住宅であるがため、換気ルートが切断され空気が滞留、また断熱材の施工不良による内部結露~表面結露の発生~カビの発生と連鎖的になったことが原因でした。
しかし、このことをゼネコンの建築部長に後日書類で報告しましたが建て主様に報告されているか疑問です。また有名な設計事務所の設計監理なのに監理されていないのも疑問。

「参考」気流止めの方法






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tag : 結露新築断熱気密換気

寿命が縮む中途半端な高性能住宅

断熱・気密の先進地・北海道も高性能住宅の導入期には、結露からの木材腐朽菌の繁殖などで新築住宅の床が抜けたとといった事故が起こりました。

何で、今さら・・・昔の話かよ!と言われそうですが・・・
本州においても・・それも今日でも本州で起こっている事例は少なくはありません。

危険はずばり、断熱材の断熱性能と低価格の断熱材を選択してしまう施工業者、ユーザーの姿勢です。

断熱材を入れることは絶対的なものですが昔、グラスウール断熱材を50mm程度入れればすんだところが、今は100mm、あるいは外内の複合工法が必要とされています。
確かに、断熱材が厚くなればなるほど熱を遮断する効果は高くなります。

しかし、逆に内部結露の危険性は高くなります。
水蒸気が断熱層に入ったっ場合は断熱材は水蒸気の通り道になります。
厚ければ滞在する時間も長く、水蒸気が途中で冷たい空気に触れるとそこで結露を起こしてしまいます。

これまでの徹底されていない断熱・気密施工技術で、それほど大きな被害が出なかったのは断熱材が薄かったためとも言われています。内部結露を防ぐためには、室内の水蒸気を抑え、なるべく壁の中に水蒸気が侵入しないようにします。

その方法の一つが全室暖房であり、気密、防湿層と呼ばれる断熱材の室内側に設ける防湿層の施工です。

584zgmwoti3mzqciw.jpg(※写真は床断熱の結露発生の様子。根太も腐りかけている。)この気密性や断熱性が部分的に欠けていれば、そこが水蒸気の通り道になり内部結露が起こります。

そのため、全室暖房、断熱・気密、防湿・計画換気はけっして崩してならないルールです。

最近、リフォームが流行ですが性能の低い住宅はただ見栄えをよくするために1.000万以上かけて全面改修する価値があるかは疑問です。
住性能の高い住宅で行われてこそリフォームの真の価値がでてきます。

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結露ってどうやって防ぐ?

これは旧ブログに2006年11月に5回に分けて投稿したものを
読みやすいように(結露発生から原因解明、解決策までの実例を)一つにまとめてあります。


特にマンションにお住まいの方から結露対策の方法の相談が増え始めました。
無料相談室に以下の内容でお問い合わせがありましたので実例で解決方法を考えてみます。


Q:結露ってどうやって防ぐの?

今住んでいるお部屋は湿気が多くて、毎年冬は結露だらけになります。カビの原因にもなるし何かいい手立てはありませんか?できるだけ簡単な方法を教えてください。

A:実例物件は10年前に建設された24時間換気が義務付けされる前の2LDKマンションです。一般にマンションは木造住宅に比較して気密性(隙間が少ない)が高く、換気扇もユニットバス、トイレ、台所の3箇所が設置されています。断熱材は15~20mm程度の厚さのウレタン現場発泡で施工されていて窓は外部がアルミサッシで内部に後付のプラスチックサッシがついています。暖房機は北側、南側にFFヒーター、LDKには冷暖房のエアコンが設置されています。

●マンション結露の現況
住人がいて結露が発生している状況です。
95kweoypbeqyg.jpg

写真1:玄関扉(北側)
玄関のドアクローザーの上枠から水滴となって下の方に流れ落ちています。
特に外部側の玄関の下に水滴が流れ、共有通路にまで流れて凍っています。
写真2:北側の窓周辺
窓を中心に入隅(コーナー部分)全体が結露が発生しています。

95mpfnjsqqxnpn.jpg


写真3:北側の窓の結露
この窓は後付の二重サッシですが内外とも窓面半分以上が水滴で覆われていて外部のアルミサッシは下レールは凍って開閉ができない状態。
写真4:室内窓のコーナーが最もひどい
クロスと室内窓に隙間がないように見えますが隙間があると思われます。

95m5fnjsqqxntu.jpg
写真5:南側の二重サッシの中間層の額縁、この日は結露に侵されていませんでしたが何度かの結露で額縁に腐朽が始まっています。
写真6:北側のコーナー部分
コンセントの隣のFFヒータ用の排気口を中心に結露、カビがひどい

95njfnjsqqxnx1.jpg
写真7:露点温度計での調査風景
写真8:北側の天井、黒いシミのカビが発生している。


95nzfnjsqqxnb8.jpg
写真9:押入れの天井、ローコストマンションのため天井高が低いため断熱材が表しとなっている。壁は石膏ボード表し仕上げ、結露で茶色に変化している。
写真10:共有通路に設置されているパイプシャフトの扉
扉は薄い断熱材が貼られているが扉自体も結露でひどい。
特に扉枠からは水滴となって下に流れ落ちていて通路は凍っています。

結露は一つの原因を解消することで解決することもありますが、一方様々な要因が絡み合って発生するものもあって一言で正解が出ないのが本音です。例えば、建物の欠陥によるもの、あるいは住まう人の住まい方の問題もあるので現場調査が解決することが一番の近道になります。

そのために先ず
■結露発生の要因を探るために住人からの住まい方の聞き取り調査を行います。
・大人二人、子供一人の三人家族
・局所換気扇(台所、バス、トイレ)は使用しない時は止めているそうです。
・暖房は間欠で使用している。

■目視による問題点と生活スタイルとを観察します。


96a2v0dxjvkweoypbe3to.jpg写真のように洗濯物を室内に干している様子が見られます。
※結露を助長させている要因は住まい方にもありそうです。

そこで、一日の住まい方を知るために長期温湿度計を設置して2日間の記録を取ることにしました。

12/13(PM5:00)~12/15(PM5:00)の間を1時間毎の平均温湿度を計測です。また露点温度計にて12/13(PM5:00)の露点温度を計測。また表面温度計にて各室の天井、壁、床の表面の温度も測定。室内の換気量がどのくらいなのか局所換気扇の風量測定をします。
さらに、熱カメラで断熱欠損の有無も調べます。

その他確認のため表面結露、内部結露の有無を計算によって確認します。
続きあります。↓


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結露を防ぐちょとした工夫(3)

90zjawnja1njlfmtqxntcyoz_j.jpg
1・今日は和室に設置される障子について
写真のように障子の下部にスリットを設けています。

勿論上部にも同様にスリットを設けます。
その幅寸法は外部から見て外部のサッシの上枠及び下枠以内の寸法~10mm~20mmにします。
こうすることで外部から中は見えませんが上下に隙間が開いていることになります。

何のためにスリットを設けるか?というと
外部のサッシに室内の障子で遮断されることにより高気密高断熱住宅であっても表面結露が発生しやすいのです。
そのため障子の上下を開けることでガラスの表面温度を上げ結露の発生を防ぐという訳です。
よくガラスに結露が発生すると二重サッシとかペアガラスにすると結露が出ないと思っている方がいらっしゃいますが
間違いで・・・単版ガラスより結露が出にくいといった方が正しいのです。

さらにこちらの写真では窓下にパネルヒーターを設置しています。
こうすることで窓からのコールドドラフトは障子の隙間を通って下に流れ落ちようとしますがパネルヒーターの暖められた空気が上昇して上部のスリットから入り込み徐々ガラスの表面温度を上げることになり結露防止になると言うわけです。
これよりもっと効率よくしたい場合は枠上のスリットではなく上枠と下枠に10mm幅のスリットを設けるともっと良い効果が期待できます。

90zjawnja1njlfmji0mjg0m5vi.jpg●障子の部分を熱カメラで観察するとよく理解できます。

下の赤い部分がパネルヒーターで温度が高く、その上に黄色い部分がスリット、さらに橙色が障子壁の温度と同じになっています。若しスリットがなければ外気温に影響されてグリーン色になっています。

障子の上部もスリットがあるのですが暖かい熱がスリットから入るため少し温度が低いですがやや薄橙色になっています。



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カビの封じ込め作戦!

暖房の時期がくると悩まされるのがカビの発生です。
カビの退治にはカビキラーなど薬剤を使ったものが多く、薬剤に敏感な人は頭痛がしたり身体に変調を起こすことがあって使うことには無理があります。
そこでカビを薬剤で退治することではなくカビの封じ込め作戦開始です。
(使用する材料が違いますがあのアスベストの封じ込めと似た感じになります。)
ただし、
根本的にはカビが発生する住環境に改善してからでないと効果がありません。


98a2fiazfnjsqqxtkc.jpg
●左写真は流し台の下にカビの発生が見られる。右は封じ込め対策完了写真。
幸い今回の事例は高気密高断熱住宅で建てられたお宅です。

「高気密高断熱住宅でカビ?」
「欠陥住宅ではないの?」
と思われるかもしれませんが・・そうではなく

奥様のお話によると、
流し台の足元の床(無垢材)にシミが出始めたので、調理の際に水をこぼしたシミなのだろう?と思っていたそうです。
水をこぼさないように調理の際に気をつけていても、そのシミは増える一方で、
そのうち、カビの匂いが感じられるようになって相談という経過のようです。

奥様は薬剤に過敏な方のため、新築の材料には自然素材を使った健康住宅、
いま流行りの無添加住宅を意識して建てられた方です。
そのため、カビを除去する薬剤を使うことができないため、
別な方法でカビに放散を防止するしかありません。

カビの発生原因は意外なところにありました。
発生場所は流し台廻りからだけです。
そこで
床下に潜り流し台廻りを点検してみると、水道管の接続部分の締め付けが弱かったため、数年の間にポタポタと落ちた雫が土間床に落ち、その周囲の土台、根太、下地合板に湿気を含ませてしまい、カビの発生となった模様です。
もともとは、高性能住宅造りの住環境でしたから、水道管の接続部分を締め直して、水の滴りを止めることで、数週間で水分も蒸発し、カビも乾いた状態になっています。
98kweoypbeqyg.jpg
左の写真の白く見える部分がカビです。
薬剤を使わないその他の方法では既存のシステムキッチンを撤去し、床材、下地材等(カビが付着している木材)を交換することも考えましたがコスト面と2日は台所は使用できなくことを考えて、封じ込めの方法となったのです。(ただ、この方法は認知されているものではありません。)
●左写真が工事前で右写真が二液性のウレタン現場発泡でカビをカバーした様子です。

98rfndmdi4ndlbq.jpg使用した材料は
三井化学産資(株)のビックハンディーホーム
一液性のウレタン発泡剤に比較して硬化が早いのが利点で平面に吹付けることで均一にカバーできるのが最高!

施工は養生からウレタン吹付け、後片付けまで2時間ほど終了。
後はすぐ通常の生活に戻ることができます。

●この現場のその後の様子はお客様からお聞きして、改めてレポートしたいと思います。






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住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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