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住まい環境プラニングは国内唯一の高気密性能を担保できる気密施工マイスターを育成する設計事務所です。 高性能住宅の熱環境分野に携わって28年、理論と実体験に基づいて省エネ住宅の開発研究、普及に努めております。住宅に大切な結露対策は得意分野、結露のトラブルも解決いたします。

引き違い窓を熱カメラで断熱・気密性能を検証!

最近は高断熱・高気密住宅に使われる窓にはプラスチック製のペアガラスにはアルゴンガス入りのガラスが標準として使われるようになりました。
(S社のカタログによるデーターではArLow-E K値=1.5w/㎡・k、ただし引違いではk値=1.74w/㎡・k になっています。)
670ntwrz47kkf6rpg.jpg写真はS社の引き違い窓でペアガラスArLow- k値=1.74w/㎡・kの断熱性能を前日にハニカムスクリーンで閉じた状態から翌日に開けて1時間後に赤外線サーモグラフィ(熱カメラ)で見てみました。
写真はプラスチック窓の上枠部分です。
指を指している部分は上枠の召し合わせのレールの部分になります。
気密を確保するためにゴムパッキン、隙間隠しのモヘアがついていますが可動する箇所なので・・どうしても小さな隙間が生じます。

その▼部分が隙間からの影響で表面温度が低いことがよくわかります。
ハニカムスクリーンで室内の温度が遮断されたため外気に影響され隙間の周辺、特に下に向かって冷気が流れ表面温度を下げているのです。

この時の外気温は-4℃で室内の中央温度は20℃ですが窓廻りの額縁、壁、天井は22℃前後です。
サッシの上枠、縦枠の表面温度は17℃前後、指を指している部分と召し合わせの部分は11.7℃になっています。ガラス面は19℃前後です。

さらに、窓の下の方を見ると↓これは引き違い窓の下枠の部分です。

670ntsrz47kkf6qnw.jpg外気温に影響されて召し合わせ、下枠、下框、下レールなどは11.7℃前後、ガラスの下部は上部の表面温度より低く18℃で下框との境部分は14℃前後の表面温度になっています。

1時間後の状態での表面温度ですからハニカムスクリーンが閉じている状態では窓廻りの表面温度はさらに降下していたことが結露の様子で判断されます。(現状ではガラスと下框の境には結露が出ています。)

過去の記事にハニカムサーモスクリーンによる結露の質問がありましたが・・・その回答に「結露は発生します」でした。
そのことが赤外線サーモグラフィ(熱カメラ)によって確認されます。

ちなみにサッシの内側に遮蔽するカーテンとかブラインドとかハニカムスクリーンがない場所(この現場では)のガラスの全体の表面温度は平均18℃前後になっていました。
従来のペアガラスLow-E K値=2.33w/㎡・kと比べると1.5倍の高い断熱性能を持っている引き違い窓ですが、熱損失係数(Q値)の性能を高め、Q1住宅クラスの高性能な住宅にしようとすると窓のK値が1.0w/㎡・k以下のサッシを設置するか、できれば(使い勝手は云々は別として)引き違い窓はできるだけ減らして計画したいものです。



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tag : 熱カメラ断熱気密

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昆寛(コン ヒロシ)

Author:昆寛(コン ヒロシ)
住まい環境プランニング(同)
(高性能住宅設計:技術顧問)

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